フィリピンで外出時にインターネットを使う方法として、私は2年ほど前からSmart社のポケットWi-Fiを使っています。
それまでは長年「Globe社のスマホ用プリペイドプロモプラン(データ通信量とSMSと無料通話がセットになって〇日間でいくらというもの)を都度購入し、切れたらまた買う」という方法を使っていました。
フィリピン在住の外国人には、フィリピンの通信大手2社GlobeかSmartのSIMを買って(ポケットWi-Fiは使わず)スマホに直接入れ、プリペイドで必要に応じてプロモプランを利用する人が多いと思います。
仕事で携帯でのネット接続や電話を良く使う人は、一定額を毎月支払うポストペイドプランを利用しているかもしれません。
私の場合、自宅のネット回線が早くて容量無制限なので、外での通信量は一か月で大体2ギガ以下ととても少ないです。
それでも、外でプリペイドのプロモプランを使ってるときは無駄が多くて月に300~400ペソ(千円前後)は払っていたのですが、Smart社のポケットWi-FiとSmartのMagic Dataプランという組み合わせに切り替えたら、それまでより通信費がだいぶ安くかつ便利になったので、今日はその内容を詳しく紹介したいと思います。
フィリピンのポケットWi-Fiについて
フィリピンでは、ポケットWi-Fiのレンタルサービスは日本のように一般的ではなく、大体お店でポケットWi-Fi本体(1200~3000ペソ前後)を購入することが多いと思います。
そこに別途購入した通信会社のSIMカード(100~300ペソ前後)を入れ、通信会社の指定ページでSIM番号に自分の個人情報(パスポートや顔写真や住所や滞在の種類など)を登録したら、使うプランをアプリやお店で選んで購入してネットを利用します。
※フィリピンの携帯や関連商品を売っているお店では、無料か少額でプラン登録までやってくれるところもあります
ポケットWi-Fiの機器にはいくつか種類があって、私が知る限り↓の3つです。
①Globe、Smartなど大手通信会社が出しているポケットWi-Fi:1200ペソ~1600ペソ前後。いちばんわかりやすく一般的。その通信会社の決まったSIMしか使えないようにロックされている。
②通信会社を選ばない、機器メーカーのポケットWi-Fi:2000ペソ前後以上。①よりも多機能で、いろんな通信会社のSIMを入れられるというメリットがある。
フィリピンではTP-LinkやHuaweiのMobile Pocket Wi-Fiなどが買える。
海外のSIM、とりわけ日本の各社のSIMカードが使えるかどうかは実験していないので不確かですが、フィリピン以外の各国にしょっちゅう行っていろんな国のSIMを挿して使いたいなら高くてもこちらの方がいいかも。
(ここ数年はeSIMが一般的になってきたので、いろんな物理SIMを挿せるというメリットは昔ほど大きくない)
③Globe、Smartなどの①のポケットWi-Fiの通信会社ロックを外したもの(OPENLINE Pocket Wi-Fi)もフィリピンでは売られています。より安い値段で②のようなことができる、というものだと思いますが、たぶんグレーな改造なのでつながらなかったり壊れても自己責任だし、私なら②にします。
一番メジャーなのは①の通信会社のポケットWi-Fiで、初期費用はSIMカード代を入れて2000ペソ弱程度です。
フィリピンに数日間観光で滞在するだけならSIMカードまたはeSIMだけを買ってデータプランを利用する方が手軽ですが、2ヶ月以上フィリピンに滞在するならより便利でお得になる場合があると思うので、ポケットWi-Fiの導入を検討してみてもいいと思います。
私が使っているポケットWi-FiとSIM(Smart Rocket SIM)と管理アプリ
私が使っているのは、Smart社の、今(2024年)最新のポケットWi-Fiよりも1個前のモデルのポケットWi-Fiです。
2年前に人からもらったものですが、購入したのはコロナ前と聞いているので、もう5年以上たっているはずです。価格は多分1295ペソだと思います。
今は同じ値段でスピード2倍!(by Smart社)らしい、最新モデルが販売されています。
これに、Smart社のデータ専用SIM=ポケットWi-Fiに入れる用で電話とかSMSじゃなくてデータ通信に特化したSIMカード=Rocket SIM(ロケットシム)を入れています。
もちろんSmart社の普通のSIM(Regular SIM)でも良いのですが、私にこのポケットWi-Fiをくれた人は、Rocket SIMの方がネットが安定すると聞いたそうで、そっちを最初に買ったと聞きました。
Redditという掲示板で「Smart Rocket SIM」で検索すると、使っている人の意見や体験談やらが分かって参考になります。
Smart社のRocket SIMは、最初にSIMカードを買った時に、大体「購入してSIMカードに自分の情報を登録してから1か月何ギガは無料で使える」などのデータプランがついていることが多いです。
私が2年前にRocket SIMを買った時は、699ペソでSIM代+登録後最初の1か月は容量無制限で使い放題というデータプランがついていました。SMセブシティのSmartのお店で買いました。
Smart社の公式HPによると今同じものは1099ペソもするみたいなので、初月によっぽど大量にデータを使う予定でなければ、安いもの(199ペソでSIMカードと最初の1週間20ギガ分のデータが付いてくるやつとか)でいいと思います。
このRocket SIMカードをポケットWi-Fi本体に挿したら、Smartのプラン管理アプリを自分のスマホに入れます。
アプリ上ではいろいろプランが選べ、電子マネーやクレジットカードでプラン料金を支払ったり、購入したプランの有効期限や残りデータ容量の確認などができます。
おすすめのSmart Magic Data:有効期限の無い大容量プラン
私は最初はAll Data299という「30日有効の24ギガ299ペソのプラン」を使っていたのですが、途中で有効期限が無い分割高なMagic Dataというプランを使う方が結局はお得ということに気付き、Magic Data599(48ギガで599ペソ)を1年以上前に購入しました。
そして、その48ギガ、いまだに使い切っていません。
つまり外出時のネット代は、1年以上前に599ペソを払って以来、ここ1年間一切かかっていないんです。
2024年10月現在のSmartアプリ上で選べるプランから主要なものを紹介します。
3日間有効 2GB 50ペソ
7日間有効 6GB 99ペソ
30日間有効 36GB 399ペソ
30日間有効 48GB 499ペソ
30日間有効 72GB 599ペソ
アプリ上で購入してからプランごとに決まった容量を有効期限内に使うプラン。
使い切れなかった分は期限日以降に繰り越しできないので、72ギガを599ペソで購入して結局ちょっとしか使わなくても、期限が過ぎてからネットを使いたくなったらまた新たにプランを購入しないといけません。
30日間有効 容量無制限(UNLI Data)999ペソ
日本人に良くおすすめされる(?)一番高くて楽なプラン。
フィリピン人と違って、日本人は3日ごとや1週間や1か月ごとに毎回プランを決めて購入とかややこしい、アプリで残容量をチェックするのは面倒、という人も結構います。
そういう人はこのUNLI DATA 999プランを購入し、Auto-Renew(自動更新)に設定しておけば何も気にせず月(正確には30日あたり)999ペソ=約2,700円でWi-Fiデータが使えます。私としては、容量無制限にするほど外でネットを使わないし(自宅では別途家庭用ネット回線契約してる)、安い方が良いのでこの選択肢はありえません。
有効期限無し 2GB 99ペソ
有効期限無し 6GB 199ペソ
有効期限無し 24GB 399ペソ
有効期限無し 36GB 499ペソ
有効期限無し 48GB 599ペソ ←私が使ってるのはコレ
有効期限無し 60GB 699ペソ (最近追加された最も容量の大きなプラン)
有効期限無しのプランです。上のAll Dataプランと比較すると容量あたりの金額が高めなので一見微妙に見えますが、期限無しなので一度購入したら使い切るまで次のプラン購入を考えなくていいので、実はとても楽で、使い切れないまま期限が来るという無駄が無いのが良いです。
他にも毎日Tik Tokやる人向けプランとか、ファミリーでシェアできるプランとかもあります。
私のように、
- 動画視聴やダウンロード、長時間の仕事利用は自宅の別回線でやり、外出時のネット利用はグーグルマップとメッセージングアプリと配信で音楽を聞いたりダウンロードしておいた動画を見るだけなので、データ使用量がそこまで大きくない
- 週や月ごとにプランを選ぶのが面倒、そもそも来月どれくらい使うかなんて読めない
- というか、買った容量を使い切れないまま期限が来るというのがとにかく嫌!(笑)
というタイプの方には、Magic Dataの期限無しプランが一番おすすめだと思います。
自宅で家庭用のネット回線は契約せず、ポケットWi-Fiだけで常に動画もたくさん見るという人はUnli Data(Unlimited Data=容量無制限)プランも良いと思いますし、毎月の使用データ量がある程度一定で把握できている方は、30日有効のAll Dataプランから選ぶのも良いと思います。
Smartのアプリから、好きなプランを選んで購入することができます。
支払い方法はクレジットカードやデビットカードの他、GCashやMaya(フィリピンの電子マネー)、SIM番号にチャージしたお金=Loadなどから選べます。
ポケットWi-Fiを使うメリットとデメリット、私の場合
そもそも私がポケットWi-Fiを導入したきっかけは、スマホでデータプランを使う(モバイルデータ通信、私の場合は携帯に入れてるSIMカードのGlobe社のデータプロモを購入して使う)場合、ポケットWi-Fiの飛ばすWi-Fiに接続するのに比べて充電を食うので、あっという間にスマホの充電がなくなるのが嫌だったからでした。
あるとき日本への一時帰国ではじめて日本国内向けのポケットWi-Fiをレンタルしてみた際、スマホの充電の減りがモバイルデータ通信利用時よりも少ないことに気付き、ポケットWi-Fi使うのって悪くないな、と思ったんです。
そして実際、フィリピンでの外出用にポケットWi-Fiを使うようになってから、スマホの充電の減りがだいぶ遅くなりました。これは大きなメリットでした。
一方デメリットについては、ポケットWi-Fiを導入する前は、いちいち外出のたびに持ち歩くのは面倒かな?とちょっと思っていたんです。
でも、スマホを3年以上買い替えずに使う癖のある私は(壊れない限り同じものを使い続けたい)、スマホの充電が弱くなってくるとどうせモバイルバッテリーをいつも持ち歩くし、ポケットWi-Fiはモバイルバッテリーよりもちろんスマホよりも軽くて薄いです。
なので実際持ち歩いてみても大した負担ではありませんでした。それよりもスマホの充電の減りが遅いことの方がずっと大きなメリットでした。
ポケットWi-Fi本体がもう購入から5年以上の古いものなので、ポケットWi-Fi本体の充電は4時間ちょっとでなくなりますが、これも使わない時は電源を切ったり(人と会ってゆっくり話す時や映画見る時はOFFにしてます)することで途中でモバイルバッテリーを使わなくて済んでいることも多いです。
朝から夜まで出かけて1日ずっと接続したい場合は、たぶんモバイルバッテリーは必要です。
それから、機器の劣化もあると思いますが、2時間以上連続してつなぎっぱなしだと、急にネット接続が切れる時もあります。
そういう時は大体ポケットWi-Fi本体が熱くなっているので、気持ち涼しげなところに置いてあげて(あるいは数分休ませて)、ポケットWi-Fiの電源をオフにしてまた入れ、再起動をしてからつなぎなおせばまた使えるようになることがほとんどです。
自宅に引いている家庭用回線に比べると回線の安定性は劣りますし、スピードもたいして出ません。
それでも私の住んでいるセブシティのITパーク内では、ほぼ常に、地図を見たりするには問題ない速度が出ています。
逆に、高画質の大容量な動画を見たいとか、ちょっとでも高速で安定した回線を確保したい人は、スマホの充電の減りが早かろうが、ポケットWi-Fi本体という機器のスペックに引っ張られず高速で高額なプランも選べるという点で、スマホに直接データプランを入れて使う方法のほうが良いかもしれません。
ちなみに、ものすごく細かいことを言うと、セブ・ITパークのセントラルブロックの4階以上に行ったり、A.S.Fortuna Streetをタクシーやバスで通ってる時に、いつもSmartのポケットWi-Fiのネットが切れる場所があります。
なので日本ほど安定しているとは言えないと思いますが、安さ(運用コストは1年で599ペソ以下)を考えると、全然許せる範囲です。
フィリピンに一定期間滞在していて、携帯のプリペイドデータプラン利用で充電の減りが早いのが気になっていた方や、プランの有効期限までに容量を使い切れずもったいないと思っていた方、通信費を安く抑えたい方などは、ポケットWi-FiとMagic Dataプランも一度検討してみてください!
コメント
いつも参考に読ませてもらってますー
自分も携帯SIMでMagicData使ってます。
期限なくてこれいいですよね
Tomoさん、ほんとそうですよね。
こっちでは結構長い間、ひんぱんにプロモ登録しながら「これ毎回やるのほんとめんどくさいな」と思ってたので、それが無くなって快適です!