2024年の衆院選において自民党は大敗し、公明党との連立政権は衆院において少数与党となった。新たな政治状況の中で鍵を握っているのが国民民主党だが、自民、公明の両党は国民民主党の賛同を取り込みながら法案を通過させ、支持率を上げていくことを狙っている。石破茂首相は自民党内において長く少数派だったこともあり、いろいろな意味で柔軟性があり、少数与党としての政権運営に自信を持っている、と僕は見ている。
次の焦点になるのが25年7月の参院選であるのは間違いない。その結果、参院でも与野党が逆転するようになれば、政局はさらに動くだろう。それだけに各党の思惑が早くも交錯している。
国民民主党は今、自民党、公明党と比較的良好な関係にあるが、参院選が近づくにつれ、反自民の方向にカジを切る可能性がある、と僕は見ている。これは国民から「自民党、公明党になびいている」と見られると、これまで集めてきた支持が離れる可能性があるからだ。一方で、「反体制的な党ではない」ことも明確にしたいはずで、与党に対してだけでなく野党に対しても、意見できる自立した党だと示すことで支持を伸ばそうとするはずだ。
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