自動車産業が「100年に一度」とされる変革期に直面する中、経営統合へ向けた協議に入るホンダと日産自動車(関連記事:ホンダ・日産統合協議 中国EV台頭と「トランプリスク」が引き金)。電気自動車(EV)の販売拡大が進む中国では、両社の出遅れは鮮明になっている。
中国・上海の中心部で日本人も数多く住む中山公園駅に直結する大型商業施設。その1階と地下2階にある「新能源汽車街区」と名付けられたエリアには、EVなど新エネルギー車を手掛ける約20の自動車ブランドが集結する。

米テスラと中国比亜迪(BYD)の2強に加えて、上海蔚来汽車(NIO)や浙江吉利控股集団傘下の高級EVブランド「Zeekr(ジーカー)」などの中国新興勢、上海汽車集団などの中国大手が出店する。外資ではトヨタ自動車やドイツ・フォルクスワーゲンも店舗を構えるが、そこにホンダと日産の姿はない。
中国では商業施設内で新エネルギー車を販売するのが主流だが、日産とホンダの店舗は依然として郊外にあるディーラーが中心だ。「日産とホンダは有名だけどEVを手掛けているイメージはない」と、店舗を訪れた30代の中国人男性は語る。中国では日産とホンダは「老舗のガソリン車メーカー」という印象を抱かれているのが現状だ。EV、そして自動運転を軸とする「ソフトウエア定義車両(SDV)」へのシフトが進む中国では、存在感が失われつつある。
ホンダと日産、中国事業は苦戦続く
実際、ホンダと日産は中国での販売に苦戦する。2024年1~11月の中国での販売台数は、ホンダが74万399台と前年同期比で30.7%減、日産が62万1713台と同10.5%減った。ホンダは10カ月連続、日産は8カ月連続で中国での販売が減少している。

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