日本最大の鉄鋼メーカーで、世界でもトップクラスのシェアを誇る日本製鉄。2012年に合併で誕生した同社は、事業改革を通して業績をV字回復させたことでも知られる。今回は同社のこれまでの、そして現在の取り組みについて最近の記事から振り返ってみる。
日本最大の鉄鋼メーカーとして知られる「日本製鉄」
日本製鉄は、2012年に新日本製鉄と住友金属工業の合併によって誕生した日本最大の鉄鋼メーカーだ。世界でもトップクラスのシェアを誇り、日本国内をはじめ世界15カ国以上に製造拠点を展開している。合併当時の社名は新日鉄住金で、現在の商号になったのは19年からだ。
日本製鉄の主な製品は鋼板、鋼管、条鋼、線材、ステンレス鋼などで、特に同社の自動車鋼板は、トヨタ自動車が採用していることでも有名。加えてカーボンニュートラルへの取り組みや、デジタルトランスフォーメーションの推進など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みにも積極的だ。
この記事では誕生から10年で事業改革を成し遂げた日本製鉄の動きと現在の取り組みについて、過去記事から紹介する。
日本製鉄、V字回復を成し遂げた橋本改革の真相
12年に誕生した日本製鉄。当初は業界全体の過剰供給や中国企業の台頭により苦しんだものの、19年に就任した橋本英二社長のもとで事業改革を断行。22年には4期連続した赤字から、V字回復ともいえる急回復を遂げた。
日本製鉄、負け犬体質を払しょく トヨタがのんだ大幅値上げ
橋本社長が行った改革は多岐にわたる。なかでも注目は「特定の大口顧客向けの価格」を見直したことだ。同社では(合併以前の時代から)約30年かけて安売りが常態化しており、トヨタなど、顧客との価格交渉でも「負け犬体質」が染みついていたという。
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