小誌連載時より話題を集めた「いまだ成らず 羽生善治の譜」が遂に書籍化された。50歳を越えてなお棋界で存在感を示し続ける羽生九段の強さの理由を「師匠はつらいよ」の杉本昌隆八段と著者の鈴木忠平氏が語り尽くす。
鈴木忠平(以下、鈴木)「師匠はつらいよ」を読ませていただいて感じるのは、読者が知りたいことを、どうしてこんなに分かるのだろうということです。
杉本昌隆八段(以下、杉本)それはすごく嬉しいです。
鈴木 そういう視点はいつから持たれたのですか?
杉本 やはり私自身が藤井聡太八冠について取材を受けるようになってからです。昔は“7六歩は……”と符号を使いがちでしたが、今はなるべく分かりやすく伝えることを心掛けています。
鈴木 私も週刊文春で「いまだ成らず」を連載する際、棋譜のような表現は極力しないことを意識しました。
杉本 今回その「いまだ成らず」を単行本で読ませていただきました。対局室に張り付いているかのような描写が素晴らしかったです。
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source : 週刊文春 2024年6月13日号