次期衆院選で野党第一党を窺う勢いの日本維新の会。だが、セクハラなど党所属議員の不祥事は後を絶たない。なぜこれほど問題が相次ぐのか。そして、党代表にも様々な疑惑が浮上。徹底取材で炙り出す維新の本質とは――。
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今年2月23日夕方4時過ぎ、大阪府堺市の事務所。4月の統一地方選で5期目の当選を目指していた「大阪維新の会」の池田克史堺市議(当時。60)は、“ある男”と向き合っていた。
堺市における池田氏の存在感は大きい。大阪維新の副代表として2019年には、それまで2連敗中だった堺市長選で維新候補を悲願の勝利に導いている。
ところが、1年前に公認を申請したにもかかわらず、選挙戦間近となったこの時点でも、公認リストに彼の名前は無かった。一体、なぜなのか。池田氏が理由を尋ねると、その男は一方的にこう言い放つのだった。
「だから、これからの堺の維新の市議団に克史さんは要らない。僕はそういう判断。んで、公認はさ、僕の権限や。代表、代表や。誰もでけへんから。幹事長でもないから。公認状に馬場伸幸って書いてるでしょ。そこが(公認を)下ろしたないから、下りない。別に理由なんか無かってもええねん。理由なんて無かったってええんですよ」
音声データに収められた野太い声の主。それは、大阪維新の上部団体「日本維新の会」のトップ、馬場伸幸代表(58)である。
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結党以来のブームに沸く日本維新の会。4月の統一地方選で、地方議員らは774人に膨れ上がった。衆院補選でも議席を獲得し、国会議員は衆参合わせて62人。支持率は立憲民主党を上回り、次期衆院選で野党第一党、将来的には政権獲得を目指している。
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source : 週刊文春 2023年8月10日号