追報:ネットで目に付く「歴史修正主義」書籍の広告について~三橋貴明を断捨離しよう
皆さんも youtube で、自動作成のリストに従って音楽を流し放しにしていたことがあると思います。その時、無料で利用していると、動画ファイルの切り替えの間に広告が挟まることがあります(時には動画の最中にも)。そこに、ダイレクト出版のそれと同工異曲の広告が流れたんですね。ボーカロイドみたいな音声で(声優雇うのをケチった?)、上野千鶴子氏を誹謗中傷するような内容でした。困ったことにこの手の広告動画は探しても検索に引っかからず、直接リンクすることができません。その時はフンマンのあまり即座にタブを閉じてしまったのですが、頭が冷静になってからリロードを繰り返し、全く同じではないものの似たような広告が出てきたので、広告をスキップした後の画面にリンクが残っているのをスクリーンショットで捉えたのが以下の画像です。
とくに欧米では「修正主義=反ユダヤ(ホロコーストはなかった)」ですが、日本の場合は必ずしも「≠」で、「親ユダヤ(ホロコーストの存在は認める)」の修正主義もあるという混乱ぶりで
90年代初頭にはやったSF戦記「紺碧の艦隊」(徳間書店)の4巻で「本シリーズの基本仮説」と大々的に歴史修正学を唱えましたが、著者の荒巻義雄は「親ユダヤの修正主義者」
ところが参考資料にした「操られたルーズベルト」(プレジデント社)の米の刊行元は「ホロコーストはなかった」本を刊行する「反ユダヤの修正主義者」だったことを謎本で指摘されたそうです
偶然それを本屋で立ち読みした荒巻は、自分の知らなかったことを書かれていたのに驚愕し、店内に響き渡る悲鳴を上げたとか
ちなみに「紺碧の艦隊」の担当編集者の父親は、有名な平和運動家で共産党50年党員の芝田進午
ブレーンが大和ミュージアム館長の戸高一成だそうですが、この人物にも色々裏があるようでw
この人もけったいな経歴の持ち主で、表向きは「戦史研究家」ですが、裏ではオカルト雑誌のムー1982年12月号などに「邪馬台国はエジプトにあった」といったオカルト記事を書いていた過去が判明しています
ダイレクト出版でも田中英道氏監修で、「古代日本、で、ユダヤ人そっくりの埴輪が見つかる」といった胡散臭い書籍が出ていますが
戸高氏の記事とリンクしそうなのは、まず明治期に異端学説を述べた哲学者、歴史家の木村鷹太郎
もう一点は戸高氏がオカルト本3冊を刊行した、八幡書店というオカルト専門出版社です。
ここもなかなか胡散臭く
・創業社長が元学生運動家
・戸高氏が関係した時期に、オウムの麻原が出入り(創業社長は、事件後に東京地検特捜部から任意聴取)
・前回書いたSF戦記を書いた荒巻義雄、檜山良昭と接点あり
・戸高氏が経営していた戦記専門出版社が、吸収合併されている
といった関連も
また八幡書店が80年代に読者を集めた手法と、イレクト出版、経営科学出版が似ているんですよね
確証はありませんが、ダイレクト出版、経営科学出版と八幡書店との間に接点が見つかれば、とんでもないことになりそうですが
需要が供給を超えるまでが国債発行できる限度ですよ。その辺りは既に国会でも議論されており、現状では国債発行しても財政破綻はないということが証明されていますよ。
続報です
作中に「イルミナティ、世界を支配する闇の政府、真珠湾攻撃=ルーズベルトの陰謀説、原爆投下=米の人体実験説」が述べられています
さらに著者の荒巻義雄が同時期に書いた「要塞シリーズ」では「地震兵器」が使われていますが、これらはすべてオウム真理教の機関誌、単行本でも使われてるのです
「荒巻はオウム信者だ」とは断言しませんが、少なくとも「操られたルーズベルト」のように「オウムと同じ参考資料を用いた」ようです
なにより初版刊行は90年と、オウムが勃興した時期とリンクしてて怖いです(作中で読者と疑似国家をつくるという構成までそっくり)
徳間、中公といった出版社の編集者ですら、チェックできなかったようですね
ちなみに「原爆人体実験説」は担当編集者の父親、左翼系の平和運動家の芝田進午も唱えていますが、オリジナルは左翼系の陰謀論者太田龍=前述したオカルト出版社八幡書店社長の親友が唱えた模様
また「帝国の光」では「神代文字(いろは以前にあったとされる文字)」なるものが出てきますが、これも八幡書店が刊行した書籍と同じという奇妙な符合まで
下手したら、「第2のマルコ・ポーロ事件」にまで発展しかねません(大和ミュージアムの戸高一成館長を売り出したのは、文春元重役の半藤一利ですし)
「歴史修正主義=右の占有」という単純なものではなく、左の人間にも心地よい物語を提供するという要素すら孕んでいるみたいです
実際「紺碧の艦隊」も、「アメリカをやっつけるのが痛快」と左翼系の読者が楽しんでいる模様で
「右か左か」という単純な問題ではなく、「右も左も」注意せねばならないってことです
「紺碧の艦隊」の世界観と、Qアノンとの相似性を指摘する人もいます
「イルミナティ、世界を支配する闇の政府」なんて、そのまんまですからね、
これは偶然ではなく、米の陰謀論の系譜を辿れば首肯できます
60、70年代に分化した米の陰謀論を、八幡書店社長や馬野周二といった日本の陰謀論者が輸入
日本人に心地よい物語に改変されたものが、オウムであり、80年代のオカルトブームに使われた
他方10年代に分化し、米人に心地よい物語に改変されたものがQアノン
さらにQアノンの主張を日本人向けに改変したのが神真都Qで、すべての源流は一緒ってことです
そして80年代のオカルトブームを牽引したのが、八幡書店社長なんですね
SF小説やコミック、アニメとのメディアミックス戦略を打ち出すことで、若い人間を困惑、勧誘しようとした
(オウムをはじめとする新々興宗教が、こぞってアニメ、コミックをつくりたがると)
日本のサブカル文化にも大きな影響を与えたわけで、Qアノンの創設者であるロン・ワトキンスがアニオタなのは知られています
日本で独自に発展した陰謀論が、回り回って米の陰謀論者に影響を与えたってことですね
さらに奇妙なことに、ワトキンス親子は2016年から2021年秋まで札幌市南区に在住
荒巻の事務所があった荒巻時計台ビル(札幌市中央区 地方ゼネコンの息子です)まで、地下鉄1本で行けるんですよ
しかし現時点で、荒巻とワトキンス親子との接点は見つかりません
ただワトキンスの選挙参謀を務めるのが「トニー・ティオラ」なるSF作家(英語で名前を検索してもヒットせず)で、荒巻の友人である米人のSF作家と一致すれば……ってことです
昨今の中公も、なかなかひどい会社に成り下がったようで
・91年に荒巻が「紺碧」で歴史修正学を使い、その外伝「旭日」を刊行
・95年1月17日に阪神淡路大震災とマルコポーロ事件が発生
・95年3月25日に刊行した「旭日11」の作中で阪神淡路大震災を模した地震を使う
・97年8月、「紺碧、旭日」の謎本で「作中に阪神淡路大震災を使ったのに、マルコ・ポーロ事件=歴史修正学について触れていない(米の反社会的団体が刊行した書籍を引用し、オウムも使っている)」と指摘
謎本を紀伊國屋書店旧札幌本店で立ち読みした荒巻は、ショックのあまり店内に響き渡る悲鳴を上げたばかりか、その場で失×と脱×までした
それを中公販売局が伝え聞き、さらに担当している第2編集部の編集者まで笑っていた…
稼ぐだけ稼いでおいて、さすがにひどい掌返しだろう
その後東日本大震災が発生した際、第2編集部長は公式HPに悔やみの言葉は書いたが、自分たちが阪神淡路を
2ヶ月後に刊行された「旭日11」で使っていたことには一切触れず
また中公新書では「陰謀論」、「歴史修正主義」を平気で刊行するとは、どういう神経ukか
「旭日」の読者はおろか、両新書の著者、読者を愚弄しているのかと
岩波新書から「独ソ戦」を刊行した売り出し中の戦史研究家の大木毅は、「赤城毅」の筆名で、「旭日」の外伝を執筆している
その後ネット掲示板に「荒巻義雄が、危ない歴史修正主義を使っていたのは知っていた」と書き、紀伊國屋での荒巻の×禁、×糞した件を嘲笑していた
大木も中公編集者と同様に、恩義のある人間を平気で掌返ししたわけで
ところが大木が「知っていた」なら、荒巻や編集者に注意を促すか、そもそも仕事を受けない(類焼を避ける)判断ができたはず
赤城=大木はどちらもせず、「知っていた」と書くのは後出しジャンケンに過ぎない
なにより「外伝の刊行は、謎本刊行の前。つまり赤城=大木が歴史修正学について知ったのは、荒巻と同様、謎本刊行後ではないか」と掲示板で指摘されると、大木は黙り込んでしまった
また師で、共著もある戸高一成大和ミュージアム館長と20年以上親交がありながら、戸高が歴史偽造に関与していたことを別の掲示板で指摘され、やはり大木は沈黙した
昨今では人並み以下の洞察力、倫理観しか持ち合わさなくとも、歴史研究家と名乗れるのですなぁ
歴史修正主義がのさばるのは、歴史家の質的低下という要素も大きいってわけで
なんだろう。君たち左翼は多様性を重視するはずなのに歴史観の多様性は無視する。なにか自分の考えに当てはまっていないとネトウヨだ、右翼だとレッテルを貼る。それって、歴史修正主義を否定する前に直すべき頭の悪さなんじゃないでしょうか…?
一年前のコメントですが、よくこういうことを言う頭の悪い人がいるので、本人は見てないでしょうが申し上げます。
たしかに右翼も左翼も事実に基づいて冷静に議論すべきでしょうね。ただ、信憑性の低い、証明不十分な内容を事実と決めつけ、自分の立場に都合のいい解釈で作った物語を商売として押し付けてきたら、それを多様性として許容することはできません。
多様性を重視(積極的許容)というのは、なんでもいいという事ではなくて、限度や例外はあるという事です。
この記事は、商売を目的に、不確かな内容で既存の歴史観を否定する歴史修正主義的内容は多様な歴史観の一つとしては許容できない、という事じゃないでしょうか。
わかるかな?
>押し付けてきたら、それを多様性として許容することはできません
「月刊WILL 2023年7月号別冊 もう陰謀論とは言わせない」を立ち読みして吹き出しました
渡邊忽樹と長谷川煕が真珠湾、ルーズベルト陰謀論について語っていますが、読む人が読めばおかしいと気付く代物
参考資料が陰謀論を支持している人のものばかりで、「それだけ並べりゃ、陰謀があったことになる」だけ
これは、オカルト雑誌などでよく用いられる手法なんですよね
読者の大半は参考資料なんか調べないし、沢山並べてりゃ数で圧倒されてしまう馬鹿もいるわけでw
もはや「右か左か」、「陰謀があったのか、なかったのか」以前の問題なんですわ
「ハインズ博士「超科学」をきる―真の科学とニセの科学をわけるもの」(化学同人)
「カール・セーガン 科学と悪霊を語る」(新潮社)
「なぜ人はニセ科学を信じるのか」(早川書房)
右左を問わず、以上の本はおかしな論理に立ち向かうための武器となります