[4785] 平成は闇、令和は光◇ルピシア グラン・マルシェ2019 大阪

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《闇から光へと向く方向を変えました》

■羽化の作法[84]
 現在編 平成は闇、令和は光
 武 盾一郎

■LIFE is 日々一歩(97)[コラム]
 『ルピシア グラン・マルシェ2019 大阪』レポート
 森 和恵




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■羽化の作法[84]
現在編 平成は闇、令和は光

武 盾一郎
https://bn.dgcr.com/archives/20190514110200.html

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●令和最初のニュースが……

令和になって最初のニュースは、スターリンの遠藤ミチロウさんの訃報でした。享年68歳。


遠藤ミチロウさんとは2006年の『寿町フリーコンサート』で、ライブペインティングをした時に出演されていて、握手とサインをして貰ったのが唯一の接点です。
http://kotobukifree.web.fc2.com/kako03.html


バンドをやっていた20代では、ザ・スターリンも当然コピーしてました。日本のパンクのカリスマとして、知ってて当たり前の存在でした。

映画『爆裂都市(BURST CITY)』と、丸尾末広の漫画の印象がとても強いですよね。



石井聰互(現・岳龍)監督の映画『爆裂都市(BURST CITY)』と丸尾末広の漫画『少女椿』は、言ってみればバイブルのような作品でした。

『爆裂都市 バースト・シティ(予告編)』

『「少女椿」予告編』


(「少女椿」の実写映画版があったんですねえ。ちなみに単行本はアマゾンでプレミアムが付いていました。誰かにあげてしまった。。。)

しかし、私はリアルタイムで70後半〜80年代前半のパンクを聴いたわけではありませんでした。知らなかったというのもありますが、10代後半あたりまではパンクは好きではなかったのです。

例えば、ブーツィーコリンズみたいファンクとかが最高だと思ってたところがありました。またはハービーハンコックのような。ビートが気持ちいい音楽と言ったら良いでしょうか。ボーカル(歌詞)にはあまり関心がなかったのです。

『Party On Plastic』Bootsy Collins

『Rockit』Herbie Hancock


パンクは遠目に眺めてました。怖くて汚いイメージ……だったのです。ビートがクリアではなく、ぐちゃっとした感じに聞こえて、それが嫌だったのです。(とは言うものの、高校一年の時にバンドでアナーキー(亜無亜危異)をコピーしてたのですが)

『平和の裏側』アナーキー

(なんと2017年のライブの動画が見つかりました。まだやってたんですねえ!)

たとえが下品で申し訳ないのですが、私にとってはパンクとは、「うんこを無理矢理食べさせられて、うんこに開眼してしまった。そして自分がうんこになってしまった。」という激しい体験だったのでした。

岡本太郎の言葉を借りれば「なんだこれは!! 醜悪だ。だが美しい、逆に。」といったところでしょうか。

聴くのがシンドイ。受け入れがたい。それが翻って虜になってしまう。そんな奇妙な心の現象です。

とは言うものの、パンクの王様セックス・ピストルズの曲は、メジャーコードでメロディもポップで心地良さがあります。

『Anarchy In The U.K』Sex Pistols


セックス・ピストルズやクラッシュといったパンクの王道、メジャーコードの心地良いメロディが大好きだったのは、言うまでもありません。

『 I Fought the Law』The Clash


そこに来て、ザ・スターリンはまるで心地良く感じられませんでした。だけど、です! だからこそ、すごく影響を受けてしまったのでした。

『ロマンチスト』The Stalin

『Stop Jap』The Stalin


ザ・スターリンが影響を受けたであろう、イギリスのハードコアパンクバンドのディスチャージやG.B.Hとかは、ザ・スターリンよりもなんと言うか、もうちょっとカラッとした硬い感じがあるのに対して、スターリンはジメジメと湿った重暗さを感じたのでした。

アルバム『Hear Nothing See Nothing Say Nothing』Discharge

アルバム『City Baby Attacked By Rats』G.B.H


ステージで豚の内臓とかを投げたり、全裸になったりおしっこしたりと、伝説が強烈だったからでしょうか、それとも日本の湿度が高いからでしょうか。どうも遠藤ミチロウさんには、ドロドロとした土着的な印象があります。

分かりやすい例えで言いますと「寺山修司的な暗さ」というか。実は私、宮澤賢治にも似たような暗さがあると感じます。

遠藤ミチロウ、寺山修司、宮澤賢治。バラバラなのに似た何かを私は感じていて、ハタと気が付いたのです。東北! 3人とも東北出身です。ひょっとしたら、東北地方独特の「暗さ」ってあるのではないでしょうか? それと学生運動が挫折した後の、「時代性の暗さ」みたいのもありそうです。

また、雑な分け方ですが、海外のパンクは敵を外部に置いてそれを攻撃するような外向きの印象があるのですが、日本のパンク(だけに限らないのですが)は、内向して掘って暗くなって行く印象がとても強いのです。偏見かもしれませんが。音はカラッとしたガレージパンク系バンドも、歌詞は意外にも内向的だったりしませんか? 日本。

内向性を様式美化している表現を、ざっくりと「ゴス(ゴシック)」と呼ぶとすると(ゴス好きな人に怒られるかもしれませんが)、日本は特にゴス傾向が強いと私は思っています。

遠藤ミチロウも「ゴス」と重なってるところがあります。その証拠、と言えるかどうかは分かりませんが「BUCK-TICK」が遠藤ミチロウをカバーしています。

『おまえの犬になる』BUCK-TICK


心地良くない衝撃の強い音楽。重くて気味の悪い世界観。底なし沼に自ら溺れて行くような快楽。私は闇へ闇へとどんどん深みにハマっていったのです。そのキッカケの一つが、遠藤ミチロウさんであったことは間違いないでしょう。新宿西口地下道ダンボールハウス絵画の「ドロッと暗いアバンギャルドさ」に、その影響は現れてるんじゃあないでしょうか。
http://cardboard-house-painting.jp/mt/archives/2004/09/post_117.php


「元々フォークの人」、「年賀状を出すと丁寧な手書きで返事をくれるような人」、という噂を昔は聴きました。その噂は本当みたいで、ウィキペディアを見るとパンクをやる前は友部正人さんと一緒にやったり、一人で弾き語りをしていたようです。

『一本道』友部正人


実際に遠藤ミチロウさんと会った人は誰でも、「優しくていい人だった」と証言していますが、当時の一般人からしたら、YMOを痛烈にディスる怖い人と思われていたのもまた本当でした。

ミチロウさんはスターリンを復活させますが、「スターリンは苦痛だった」と、何かで聞いたか読んだかした記憶があります(勘違いかも知れませんが、なぜか合点がいくものがあったのです)。

そもそもミチロウさんは、真面目で大人しくて優しい人だった。だからこそ、パンクに触発されて、最も過激なパフォーマンスができたんじゃないかと思うのです。

しかし、歳をとると青年期の反逆や無茶は削れていって、再び本来の自分に戻ろうとする。青年期の特殊な衝動の表現で名を馳せてしまうと、加齢で本来の自分に戻ろうとした時に、その本能的なものとも戦わなければならなくなる。

心底パンク好きならストレスはないだろうけど、ミチロウさんは実は違ったんじゃないかなあと私は思ってしまうのです。

また、スターリン解散後にソロでどれだけ弾き語りをやっていても「スターリン」が付き纏うってのも、相当に苦しかったのかもしれない。

私も段ボールハウス絵画でもっと有名になって、その芸風で食べられるようになっていたら、今のような線画は描いてないでしょう。私自身ですら気持ち悪くなるようなグロい絵を描き、路上で異常な緊張を強いられるイリーガルな表現をし続けないと思うと、結構それは地獄だなあって思うのです。

20〜30代よりも50になった今の方が、自分に素直になってる実感があります。これで食えるようになれば、残りの人生は無理なく生きていける。そう考えてみると、「若気の至り芸」で食えなかったことが、とてもラッキーに思えてくるのでした(笑)。

成功体験は必要なのですが、その時の考え方に執着すると苦しくなってしまいます。また、過去のイメージを期待されてしまうと、そこから自由になるのもまた難しくなってしまいます。

寿命は不可解なものですが、遠藤ミチロウさんはすごく無理をしていたんじゃないのかなあと勝手に思ってしまうのです。なので、「お疲れ様でした。ゆっくり休んでください。」と思わずにはいられませんでした。


仰げば尊し 我が師の恩
今こそ別れめ いざさらば!

『仰げば尊し』ザ・スターリン


生き残った私は、闇から光へと向く方向を変えました。そこで、過激な表現の後ガラッと変えて成功したモデルとなるアーティストはいないか、考えてみました。

●過剰な表現から芸風をガラッと変えて生き残っているアーティスト

いました! アート・リンゼイです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%82%A4


1978年、ブライアン・イーノがプロデュースした、伝説のコンピレーション・アルバム『No New York』に収録されている、D.N.A.というバンドのボーカル&ギターの人です。

『NO NEW YORK』


これらのバンドのムーブメントを、「ニュー・ウェイヴ」に対抗して「ノー・ウェイヴ」と呼ぶようですが、分かり易く乱暴に言うと、「アート系パンク」です。実は私、「音楽だけ」で言えばこっちの方が好みなんです。

アート・リンゼイはギターのチューニングのやり方を知らず、ドラマーは日本人女性で初心者だったという。

『Blonde Red Head』D.N.A.


ガチャガチャのギター、シャウトするヴォーカル。ノイジーでかっこいいんです。こんな前衛的な音楽をやっていたアート・リンゼイですが、後にこんな風になります。年代はちょっと分からないのですが。

『Arto Lindsay live』


「素敵なボサノバかよ!」と、激しくツッコミを入れてしまいそうですが、ギターソロで「ギャーッ!」って鳴ってるだけの音を出し、若かりし頃の面影を醸し出しています。

ウィキペディアによると、アート・リンゼイは3歳から17歳までをブラジルで過ごしていたので、ブラジル音楽であるボサノバ風になるのは至極自然なんだということが分かります。

青年期の一瞬、前衛的で実験的で過激なムーブメントの「はしか」にかかったようにうなされて、そしてその後には馴染みのある故郷に戻って行く。その時に、いかにこじらせないか。変わるところと変わらないところの匙加減が寿命をも左右する、と実感する今日この頃です。

ちなみに『NO NEW YORK』に参加してるバンドでは、コントーションズが一番好みでした。

アルバム『Buy』Contortions


そして「変わるところと変わらないところの匙加減」が、天才的にうまいと思うのが電気グルーヴの石野卓球さんです。
https://twitter.com/TakkyuIshino


卓球さんは「電気グルーヴ」の前は「人生(ZIN-SÄY!)」という、パンク(?)グループを組んでいました。当時の印象は本当に「やばい人たちいる!」でした。深夜テレビで初めて卓球さんを見た時、「この人頭おかしい!」と正直そう思ったのです。

当時ナゴム系インディーズバンドでは「筋肉少女帯」がスターでした。
『元祖高木ブー伝説 by 筋少』


一方「人生」はメジャーデビューは絶対に無理、と確信を持つほどにお下劣なグループだったのです。(私の印象です)

『人生(電気グルーヴ)- 第二回ナゴム総決起集会』


最後に客に向かって「僕は君たちが大嫌いです」と言いますが、それがこの時代のパンク魂を感じさせます。遠藤ミチロウさんも、客に向かって「お前らなんて知らねえ〜っ!」って叫んだりしてましたよね(笑)

上の動画を見て分かることがあります。「人生」の時から現在の卓球さんのツイートまで、首尾一貫してるところがあります。言葉の選び方でしょうか。「暗くない」と言ったらいいのでしょうか。

しかし、何かは完全に変わっています。「人生」の頃は、音楽がある意味では「主」ではない感じがありましたが、電気グルーヴは「音楽」なんですよね。

Denki Groove - Niji [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006]


(余談ですがこの『虹』という曲に対して、伊集院光が「どこまでが便意でどこまでが排泄か分からない」と最高の賞賛をしています)

電気グルーヴの相方・ピエール瀧さんが、コカインで逮捕されてからのバッシングに対する一連の態度。かつては「頭おかしい人!」と思っていた卓球さんが、今では「最もまともな大人の鏡」に感じます。

時間ってすごいなあと思ったのでした。

私は平成の30年間、ずっと闇に向かって突き進んでいた感じがします。遠藤ミチロウさんは「平成」とともに、私から「闇」をも持ち去って逝ってくれたような気がしました。

平成は闇を生きた。
令和は光を生きる。

【武盾一郎(たけじゅんいちろう)/愛と光】

◎初恋118人展
令和元年5月1日〜31日(木金土日祝)
参宮橋 Picaresque
https://picaresquejpn.com/staff-letter/hatsukoi-118ninten-picaresque-artist-introduction-part23/?fbclid=IwAR1TO-tkNRMUbHTYD7maSMCWw7NSfk0UeZsC5YDrBg0c1E5wbIDr3mgv75o

出展しております! ぜひお立ち寄りください!

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私のページができました! 応援よろしくお願いします! インタビューもあ
ります。
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インタビュー前半
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装丁画を担当しています! 『星野智幸コレクション・全四巻』(人文書院)
星野智幸コレクションI スクエア
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星野智幸コレクションII サークル
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226413.html

星野智幸コレクションIII リンク
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b226414.html

星野智幸コレクションIV フロウ
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b278897.html



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■LIFE is 日々一歩(97)[コラム]
『ルピシア グラン・マルシェ2019 大阪』レポート

森 和恵
https://bn.dgcr.com/archives/20190514110100.html

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こんにちは! 森和恵です。急に暑くなってきましたね。甘いミルクティから、柑橘系のティーソーダが飲みたくなるシーズンです。

ということで今回は、先日行ってきた『ルピシア グラン・マルシェ2019 大阪』について書いてみます。

ルピシア(LUPICIA)は、紅茶・緑茶・ウーロン茶など、世界中のお茶を扱うお店です。茶葉だけでなく、お茶菓子や茶器などのお茶の関連商品もあり、贈答用や自分用にと、お茶好きッ子さんたちに愛されるお店です。

本店は東京の自由が丘にあり、店舗は全国に140以上あります。百貨店や郊外型モールに専門店として入っているので、「ラクダのマークの紅茶やさん」と、知ってる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

ルピシアでは、年に2回『グラン・マルシェ』という会員限定イベントが開催されます。取り扱うお茶の試飲と割引購入ができる大試食会です。
https://www.lupicia.com/shop/pages/gm2019-enjoy.aspx


カテゴリ毎にブースを構えて振る舞われるようす、イベント会場に人が殺到するようす、お茶を大量に購入するようすを指して、ファンの間では“お茶のコミケ”と囁かれているイベントです。

地域毎に開催されますが、関西に住んでいるわたしはインテックス大阪の日に参加して来ました。

毎年たくさん買いすぎてしまうので控えようと思いつつ、今年は限定のお茶が多かったのもあり、結局たくさん買ってしまいました(1万円ちょっと)。

今年の見どころや、どんなものを買ってきたのかをYouTubeにアップしています。


今年は大阪がスタートだったので、これから全国の会場で開催されていく予定だそうです。9月末に京都会場も予定されているので、関西の方はもう一回、チャンスがありますよ。
https://www.lupicia.com/shop/pages/gm2019-list.aspx


●今年の会場限定スイーツは……

会場に着いたらすぐに向かうのが、イートインコーナーです。「お茶飲みに行ったんじゃないの?」と突っ込まれそうですが、この時にしか食べられない限定スイーツが狙いです。

いつも11時入場のチケットを予約するのですが、これはお昼を過ぎるとイートインコーナーがめちゃめちゃ混むので、その前に行きたいという理由からです。

今年は、きんつば・パンケーキ・スコーンなどがありました。会場にオーブンや鉄板が準備されて、焼きたてのものが提供されます。

どうしようかと悩みましたが、きんつばを選びました。味は、釜炒り茶・ほうじ茶・いちごの3種類あり、ひとつ150円だったので3つとも購入しました。

既に販売終了していますが、通販で『春のきんつば3種セット』として売られていたものと同じラインナップでした。
https://www.lupicia.com/shop/g/g32530292/


ルピシアは、『Gourmand(グルマン)』というブランドで美味しいグルメな食品の販売もしているのですが、このきんつばもグルマンブランドのようで、餡は北海道羊蹄山麓の上質な小豆を使っているそうです。

甘すぎることなく、小豆の美味しさが引き立つお味でした。一番美味しかったのは、ほうじ茶。餡とほうじ茶の香りがとてもマッチしていて、一体感がありました。

釜炒り茶・いちごは、餡の美味しさが勝ってしまってて、もうちょっと各々のフレーバーが際立てばいいのにな、というのが残念でした(それほどに小豆が美味しいとも言えますが)。

友だちがパンケーキを購入したので一口いただきましたが、すごくきれいに焼けていて、ソースのシトロンの味とよく合ってて、こっちもよかったなぁと思ったりしました。

その他にも、食事メニューとしてカレーなどの販売もありましたが、イートインでお腹いっぱいにしてしまうと、肝心のお茶の試飲が美味しくできなくなってしまうので、ここは軽めで切り上げてよし! としました。

●お目当てはダージリン ファーストフラッシュ

ダージリンはインドの山岳地帯でとれる紅茶で、高品質なお茶です。他の紅茶と比較しても価格帯がぐんと高くなるので、普段使いというよりは嗜好品に近いものです。

ダージリンの収穫は、春・夏・秋の3回。ファーストフラッシュはその年に初めて採れる春の新茶で、日本茶のように爽やかでみずみずしい香りがします。

グラン・マルシェに参加する一番のお目当ては、ダージリン ファーストフラッシュの試飲です。

同じ茶葉でも作った茶園ごとに味が違うのですが、お値段が高いので気軽に買って飲み比べることもむずかしく、このイベントで飲み比べができるのは至福のひとときなのです。

『旬のお茶』コーナーでは、4種類のダージリン ファーストフラッシュを試すことができました。

ダージリンの香りは、「花のようなゴージャスな香り(花系)」と「果実のような甘い香り(果実系)」の2種類の分類があります。さらに、茶葉のコクの「軽め」と「重め」があります。

わたしは、花系の軽めをホットのストレートで、たくさん飲むのが好きです。これまでに「タルボ」・「マーガレッツホープ」・「キャッスルトン」を何度か買っています。

ちなみに、これらの茶葉の名前はたいていが、作っている茶園の名前からとられています。

花系で重めの茶葉『ダージリン ファーストフラッシュ プレミアム2019』
https://www.lupicia.com/shop/g/g13241193/

花系で軽めの茶葉『ヒルトン スーパーファイン 2019-DJ11 』
https://www.lupicia.com/shop/g/g12401115/

このふたつを飲み比べました。

ダージリン ファーストフラッシュ プレミアム 2019は、ルピシアがいろんな茶園の茶葉をブレンドして作っています。茶葉の名前に年号がついていますが、毎年味が変わります。

たくさん作ってたくさん売るので、あまりとがった味わいにすることがなくて、万人が美味しい味になっていることが多く、冒険したいなという時にはちょっと物足りないのです。今年も美味しくいただけましたが、安パイかなぁという感じでした。

ヒルトン スーパーファイン, 2019-DJ11は、シャープでハンサム系の香りでした。これはこれで美味しいのですが、好みは「飲むとゴージャスになれちゃう香り」なので、ちょっとわたしには合わなかったです。男前すぎた……。

次に、果実系で軽めの茶葉『バーネスベグ,2019-DJ2 』
https://www.lupicia.com/shop/g/g12401124/

花系でやや重めの茶葉『サングマ ホワイトブルーム,2019-EX1』
https://www.lupicia.com/shop/g/g12501105/

このふたつを飲み比べました。

今回試飲した中では、サングマ ホワイトブルーム,2019-EX1が一番好みに近かったです。近かったのですが、ちょっと軽やかさが足りなかったので、購入にはいたりませんでした。

それぞれ、2回以上は試飲してみたので、香り高い幸せな時間を過ごせました。毎年ひとつはダージリンファーストフラッシュを買って帰ることにしているのですが、結局今年は『ボンマルシェ』コーナーで割引販売されていた『サングマ,2018-DJ2』にしました。

昨年のお茶の売れ残り品ですが、40g 3200円が2500円に値引きされていたので、この機会に試してみようと思ったからです。

昨年は、現地の農園でストなどが起こったのが原因で不作の年でしたが、果たしてどんな味なのか? 試飲できなくても割引されているのなら、こういう遊びも面白いなと思います。

●会場限定のフレーバーティをたくさん買った

お茶に香料で香りをつけたり、花びらやドライフルーツなどを入れた、フレーバーティが人気です。グラン・マルシェでも、毎回、会場限定のフレーバーティを販売しています。

今年のフレーバーティのテーマは、パーラー(ケーキやフルーツポンチなど喫茶店メニュー)とカクテルだったので、会場のブースもとても華やかでした。新作が11種類と定番の3種類の、会場限定フレーバーティが並んでいました。

いろいろ味見して買ってきたのが『モヒート』・『オペラ』・『カシスオレンジ』の3種類。それぞれ2つずつの購入です。飲んでなくなったら悲しくなるので、気に入った限定茶は2つ買うことにしています。

『モヒート』は、あのカクテルをイメージしたミントと柑橘が入った緑茶です。中にカットされたペパーミントが入っています。会場ではアイスで提供されていましたが、とても爽やかなお茶で夏の暑い時期にぴったりじゃないかなと思います。悩みに悩んで、3つ買ってきました。

『オペラ』は、あのチョコがたっぷりかかったケーキをイメージした紅茶です。中にローストカカオ二ブの粒が入っています。カカオはチョコレートの材料。カカオをローストした苦みが加わり、チョコと珈琲風の甘苦い香りがします。帰宅してからすぐに飲んだのが、これでした。

『カシスオレンジ』は、あのカクテルをイメージした紅茶です。中にドライカシスとオレンジピールが入っていて、本気であのカクテルの味がします。甘酸っぱくて爽やかで、フルーティの王道を行く味がでていて、これはうまい!と思ったので即買いでした。

当日が暑い日だったのと、会場内の試飲にアイスティが多かったこともあり、今回はアイスで飲んで美味しく飲めるものばかりを買ってしまっています。夏に向けて、アイスティをガンガン作ろうと思います。

帰りに白ワインと炭酸を買ってきたので、モヒートやカシスオレンジを濃いめにいれて、お茶ベースのカクテルを作っても美味しいかな? なんて思っています。

ということで、今回はここまで。まだ予約できるようですので、気になった方は会場でぜひ試飲してみてくださいね。

ではまた、次回お目にかかりましょう!
(^^)

【森和恵 r360studio ウェブ系インストラクター】
[email protected]
https://www.youtube.com/r360studio

サイト:http://r360studio.com/



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編集後記(05/14)

●偏屈映画案内:「地上より永遠に」

第26回アカデミー賞で「ローマの休日」を抑え作品賞、監督賞、脚本賞を含む8部門を受賞した1953年のアメリカ映画。原題の「From Here to Eternity」を誰かさんが「地上より永遠に」と訳した上に、頑なに「ここよりとわに」と読むのを強制している。「1941年“パールハーバー”軍隊に生きる男たちの愛と苦悩を描き、アカデミー賞を独占した不朽の名作」とパッケージにある。

1941年春、ホノルルの陸軍兵営に配属されたブルーイットは、中隊長の命令に背いたかどで非人間的な仕打ちを受けながら、自分の意志を貫き通す。彼の唯一の心の拠り所は、クラブの女ロリーンだった。一方、虐待を受ける彼を陰で支えてきたウォーデン軍曹もまた、中隊長の妻カレンと許されざる仲になり、軍隊の現実と己の感情との間で揺れていた……真珠湾攻撃が目前に迫る中、アメリカ陸軍の腐敗と戦時下で苦悩する男女の愛を描く。これもパッケージに。

まあ、そういう話だ。中隊長はボクシング狂で、自分のチームの強化のためボクサーだった新入隊のプルーイットに声をかける。かつて試合中に親友を失明させたこともあって、彼はすげなく断る。人柄のいいウォーデン軍曹も説得を試みるも、拒否される。プルーイットの断りように可愛げがない。彼は上層部らから難癖をつけられ、猛烈なイジメ、しごきをたびたび受けるようになる。

味方になるのは愛嬌ある猿顔のアンジェロ(フランク・シナトラ)ただ一人。彼も隊内での立ち回りは下手で、たびたび営倉入り。絶大な権力を握る中隊長は妻に愛想を尽かされている。プルーイットは社交場のロリーンと恋におちる。このへんの男女のやりとりは正直鬱陶しい。海に入ったあとで砂浜で抱擁・接吻なんて、見どころらしくパッケージにある。砂だらけじゃどうしようもない。

中隊の営倉係長によるイジメで、無念の思いで死んでいったアンジェロのために、ブルーイットが鎮魂のトランペットを吹くシーンは、最高の見せ場である。当時は軍に対する批判はタブーだったようだが、微妙にうまい見せ方をしているらしい。ブルーイットは営倉係長とナイフで決闘し、殺害する。この殺人事件は後に迷宮入りになるが、ブルーイットは脱走しロリーンに匿われる。

そしてラスト20分。12月7日の朝、日本空軍の真珠湾攻撃が始まった。誰も予想さえしていなかったことだから、唐突に現れたゼロ戦の攻撃にアメリカ軍は周章狼狽。それまであまりやる気を見せなかったウォーデンが指揮をとる。おなじみゼロ戦のシーンは、他の映画の使い回しかと思ったがどうなんだろう。

ブルーイットはロリーンらの止めるのを振り切って、遮二無二基地に戻ろうとするが、背後から仲間の兵士の銃撃を受けて死亡。ブルーイットを含めみんながパニックに陥った状態での出来事なんだろう。でも、とってつけたような真珠湾の攻防である。別のスタイリッシュな終わり方をすればいいのに。映画ビジネス上、必ず注目される安全牌、真珠湾奇襲を安易に持ってきたのだ。

この映画の見どころは断じて「真珠湾」ではない。鎮魂のトランペットだ。それなのに映画会社は、原作者も監督も俳優も望むはずのない「真珠湾」を強調する。それでオスカー8部門受賞なんだからどうかしている。結局、上官の単純な要望をすげなく拒否という、未熟な依怙地から起きた悲劇である。しかし、なんという大袈裟なタイトルなんだ。そんな意味のある話ではない。(柴田)

「地上より永遠に」1953 アメリカ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00V4D7ANC/dgcrcom-22/



●フレーバーティ、すてきっ!/いつからか、訃報については、ほとんど触れなくなった。年とったな〜と思う。

/今日の武さんのは、不謹慎ながら個人的に血湧き肉躍るものでございました。東北ってそうなのか〜と思ったり。ミチロウさんはリアルタイムではないものの伝説の人。実際にお会いしたことあるなんて羨ましい。ナゴム、ブライアン・イーノやアート・リンゼイまで書かれてあるなんて。

親が好きなカントリーウェスタン、ブルーグラス、演歌、クラシックを聞きつつ、「(100号までの)FOOL'S MATE」やらで音楽を探していた時期があり、ニュー・ウェイヴやテクノ、インダストリアル、民族音楽など雑多な音楽で育ってきたものの、今は仕事中にボサノバ聞いてたりするので、リンゼイさん、そうなのか〜! などと思っていたりする。

中島らもさんのラジオ「中島らもの月光通信」での音楽の出会いもあった。テレビや他のラジオ番組ではかからないであろうマイナー音楽ばかり。コントとお便りと音楽とで構成されている深夜番組で、独特の雰囲気があった。記憶力の弱い私がいまだに覚えているコントは、耳の中にお坊さんがいて、ポクポクと木魚を叩く音がするというもの。

10年以上、音楽に限らず、面白いものに積極的に出会おうとしてないなぁと、ふと思った。パワー落ちてるのを実感するわ。「Raspberry Pi」を初めて見たその日に購入しなかったもんなぁ。面白いから試してみたかったのに。目の前のことを優先して、時間とお金を理由に、いろいろ断念してるんだな。(hammer.mule)

「中島らもの月光通信」中島らもの暗い水曜日

番組をフルでアップしてくれる人はいないものか。番組のダウンロード販売はしてくれないものか。

https://ja.wikipedia.org/wiki/中島らもの月光通信


中島らもの月光通信(Paradise City)
https://plaza.rakuten.co.jp/paradisecity037/diary/200409100000/

私もとっておけば良かった〜「この番組は異常に沈黙が多い!」そうそう!

中島らもの月光通信(かたお日記)
http://blog.livedoor.jp/katao/archives/19704027.html

最終回はライバッハがかかったのか。覚えてない〜。

『中島らもの月光通信』を忍足侑士で(青・☆のブログ)
https://ameblo.jp/blue-hikari/entry-11382004126.html

クロスオーバーイレブンも好きだった〜!