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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1153 2002/09/06.Fri発行
http://www.dgcr.com/ 1998/04/13創刊 前号の発行部数 21420部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:[email protected]
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
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<物持ちがよい自分が恨めしい>
■映画と本と音楽と… 137
思い残す想い
十河 進
■金曜ノラネコ便
それでもiPodが欲しい
堀本真理美
■レッツゴー トゥ「ロボぐるみ」ワールド-8
さぁー、明日撮影しに行くぞー!!
北川かりん
■新製品情報
インフォーツが「SyncPrint」を発売
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1153 2002/09/06.Fri発行
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<物持ちがよい自分が恨めしい>
■映画と本と音楽と… 137
思い残す想い
十河 進
■金曜ノラネコ便
それでもiPodが欲しい
堀本真理美
■レッツゴー トゥ「ロボぐるみ」ワールド-8
さぁー、明日撮影しに行くぞー!!
北川かりん
■新製品情報
インフォーツが「SyncPrint」を発売
■映画と本と音楽と… 137
思い残す想い
十河 進
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●三冊も買った同じ小説
高橋幸治という俳優が好きだった。彼は1965年にNHKで放映された大河ドラマ
「太閤記」で織田信長を演じて人気が出た。高橋幸治は口跡が良く、その言葉
を聞いているだけでも心地よかった。翌年、高橋幸治は国民的人気番組になっ
た「おはなはん」でヒロインの夫になる軍人役を演じて、さらに人気を高めた。
1981年の正月、TBSが創立三十周年を記念して司馬遼太郎の「関ヶ原」をドラ
マ化した。三夜連続七時間の放映だった。脚色は早坂暁、配役は豪華を極めた。
石田三成を加藤剛、その家老である島左近を三船敏郎が演じた。高橋幸治が扮
したのは、石田三成の僚友である大谷刑部吉継だった。この大谷刑部が忘れら
れない。
大谷刑部は今で言うハンセン病だった。当時は業病として忌み嫌われた。だか
ら「関ヶ原」でも高橋幸治は全身を白い布で包み鎧の絵を描いていた。白い頭
巾をし目だけしか見えない姿で登場した。わずかに見える目も病のためにめし
いつつあり、ほとんど目を閉じたままで演技した。
その高橋幸治が主演した二時間ドラマを見逃したことを未だに悔やんでいる。
「風の盆恋歌」である。ヒロインを演じた女優は誰だったか忘れたが、主人公
が高橋幸治だったら見てみたい。おそらく「越中おわら風の盆」がふんだんに
見られるだろう。深夜の幻想的な踊りを眺めながら胡弓の響きを聴いてみたい。
「風の盆恋歌」の単行本が出たのは1985年4月のことだった。その時に僕は初
めて「おわら風の盆」が日本の三大盆踊りなのだと知った。後のふたつが何な
のか知らないが、たぶん阿波踊りと郡上八幡の盆踊りだと思う。阿波踊りなど
を見慣れていると、「おわら風の盆」はひどく優美な踊りに見える。
ところで、高橋幸治から「幸」を抜いたら高橋治になる(くだらなくてスイマ
セン)。高橋治は「風の盆恋歌」の原作者である。東大を出て松竹に入社し、
入社早々、後に日本映画最高の名作になる「東京物語」(1953)のフォース助
監督に就くことになった元映画監督だ。
高橋治は「風の盆恋歌」が評判になったからか「恋歌三部作」を書く。後の二
作は「別れてのちの恋歌」「さまよう霧の恋歌」である。僕は「別れてのちの
恋歌」は読了したが、「さまよう霧の恋歌」は上巻で投げ出した。
しかし、「風の盆恋歌」だけは三度も読んでいる。いや、三冊も本を買ってし
まった。なぜか「風の盆恋歌」の本を買うたび、僕はなくしてしまうのだ。一
冊目は読みかけで、どこかに忘れてしまった。二冊目は電車の網棚に置き忘れ
てしまった。三冊目は、つい最近購入し、未だになくさないでいる。
ずいぶん前のことだが、M出版のIさん宅に招待され昼間から飲み始め「風の盆
恋歌」の話で盛り上がり「いつか風の盆を見にいきましょう」などと騒いでい
たら、「中年男の不倫願望が厭ね」と奥さんに叱られたことがある。まあ、確
かに日本版「マディソン郡の橋」みたいな話だ。
世の中の結婚している中年男たちがみんな「風の盆恋歌」願望を持ち始めたら、
それはそれで奥さんたちには脅威だろうけれど、うちのカミサンのようにハー
レクインロマンスなどを目の前で堂々と読まれたら亭主の方だってちょっと仕
返ししたくなるものである。
●あり得た別の時間を回想する
「風の盆恋歌」は脇役がとてもいい。特に最初に登場する八尾の家の管理を任
されている老婆のとめがいい。とめの娘時代の淡い恋が語られるのだが、その
物語がこの小説の基調音となって最後まで響いている。とめが諏訪町にあるそ
の家の管理を引き受けることにしたのも、かつて胸ときめかした相手が同じ町
内に住んでいたからだ。
その家は誰の持ち物なのかもわからなかった。「風の盆」の三日間だけ使うた
めに八尾に家を買うなどという贅沢ができる身分の男なのだと彼女は推測する。
だが、初めてやってきた男は物腰がやさしくインテリジェンスに溢れた五十過
ぎの背の高い男だった。
諏訪町の家には桔梗の花模様の色違いで夫婦の夜具が運び込まれたのに、何年
も男ひとりしかやってこない。とめは男に「奥さんはやってこないのか」と問
いただし、男の苦渋に充ちた顔を見てしまう。そして、四年目の九月一日がや
ってくる……
高橋治の恋歌三部作の中で「風の盆恋歌」だけになぜ惹かれるのか、三度目に
読み返して僕は理解した。「風の盆恋歌」は回想の物語なのである。他の二作
が初めての出会いからの恋を語るのに較べ、ここで語られるのはかつての恋な
のである。「風の盆恋歌」に登場するのは五十を過ぎ、あり得たかもしれない
別の人生、別の人との時間を取り戻そうとする男と女である。
男はエリートの弁護士の妻を持ち大新聞社の外報部長となっている。女は長く
医者の妻として優雅に暮らしてきた。エリート意識の強い高橋治らしい設定の
主人公たちだが、その設定が嫌みにならないギリギリのところで説得力を持っ
ている。
男の妻も女の夫も学生時代の仲間である。金沢にあった四校は高橋治自身の出
身校で、そこから彼は東大に進学するのだが、主人公も女の夫も戦後に四校に
通っていた設定である。女たちは学生運動を通じて彼らのグループに加わって
くる。おそらく高橋治自身の青春がそこには色濃く反映されている。
たったひと言が言えなかった、あるいはささいな仕草をそれが意思表示になる
と、つつましく押しとどめてしまった、そんなことがその後の一生を変える。
だから、そうしなかったことが何十年も心の底に棘のように刺さり疼き続けて
いる。一度も忘れたことはない。後悔しているというのでもない。もうほとん
ど諦めている。だが、もしかしたら……と夢想する。
「風の盆恋歌」はそんな夢想を現実にしようとした男女の物語だ。男が赴任し
ていたパリで十数年ぶりにふたりは再会する。ドライブの途中、かつて愛読し
たアンドレ・ジイド(時代性が出ていていいですね)の墓を偶然に見付ける。
墓を見た後、女は「いつか八尾へ、風の盆へ連れていって」とつぶやく。
かつてグループで八尾の風の盆を見にいった夜、あることがふたりを引き離す。
もちろん互いに意思表示をしていたわけではない。ただ、ほんのささいなこと
がその後のふたりの人生を決めてしまったのだ。そして、互いに別々の伴侶と
長い長い時間を過ごしてきてしまった。
──あそこからもう一度やりなおしたい。
「風の盆へ連れていって」という女の言葉は、そういう意味を持つ。強く切実
に願うか、叶うものならばと考えるか、それぞれの人によって想いは異なるだ
ろうが、「あそこからもう一度やりなおしたい」と誰もが己の人生を振り返っ
て一度は希求したことがあるはずだ。
●もう一度は許されない
その年、僕は入社二十年を過ぎ十日間のリフレッシュ休暇を取る権利を取得し
た。勤め始めてからの時間は、どこを切り取っても金太郎飴のように同じ気が
する。同じ場所から同じ場所へ同じ電車に乗って行き帰ってくる。過ぎてしま
えば、アッと言う間の二十年だ。
もちろん、勤め始めてからも様々な想い出はある。しかし、結局は繰り返され
る日常から逸脱することはなかった。あの時ああなっていたらなあ、と仕事に
関して思うことはあっても、あそこからもう一度やり直したいと強く願う人生
の岐路のようなものはない。
そんな二十年が過ぎ、リフレッシュ休暇を利用してどこへいこうか、と考えた
時に僕は「そうだ。京都、いこう」と当時のテレビCMのようにつぶやいた。京
都には、もう一度だけ逢っておきたい人がいた。その人とは、あることがきっ
かけで十数年会っていなかったし、連絡も取っていなかった。
昔を取り戻そうなどと大それたことを考えたのではない。ただ、もう一度だけ
逢っておきたかった。もう一度逢って何らかの決着をつけておきたかった。そ
うしなければ、何かを置き忘れたまま歳をとることになる気がした。なくした
友人はいっぱいいたが、その人とはもう一度だけ話しておきたかった。
休暇の初日の早朝、僕は車に荷物を積み込み、ひとりで家を出た。免許をとっ
てようやく一年が過ぎ若葉マークを外したばかりだった。首都高速を抜け、雨
の東名高速を水しぶきをあげながら疾走した。途中、豊橋で一泊し、翌日、京
都へ入った。狭い路地に苦労しながら嵐山の宿の駐車場に車を入れ終えた時は
青息吐息の状態だった。
宿に入り部屋で休んだ後、古い住所録からメモしてきた電話番号を回した。十
数年ぶりだ。もしかしたら変わっているかもしれない。もし、電話が通じたら
逢っておこう。電話番号が変わっていたなら、諦めよう。そう決めていた。賭
けのようなものだった。
電話番号は変わっていなかった。本人以外なら家族が出ることを予想していた
のだが、意外な人が電話をとった。僕が名乗ると「ソゴーくん? うちによく
遊びにきていた、あのソゴーくん?」と相手は言う。郷里から母親が遊びにき
ていたのだ。お母さんは「出かけていてすぐに戻るから」という。僕は宿の電
話番号を伝えて切った。
受話器を置いてから少しぼんやりしていた。昔、ずいぶん良くしてもらったお
母さんと話したことで、高校時代のことが文字通り走馬燈のようによぎったの
だ。それは予期していなかっただけに不意打ちのように僕を襲い戸惑わせた。
家を出る時に、京都で連絡がつけばその人と逢うことになるだろうとカミサン
には話してきた。「よろしく言っておいて」とカミサンは軽くいなしたが、セ
ンチメンタルな亭主に呆れていたかもしれないなと苦笑いが浮かんだ。
──人生にやりなおしは、ないんだよなあ。
そうつぶやくと同時に、部屋の電話が鳴った。
【そごう・すすむ】[email protected]
雑誌編集者。「風の盆」には今年もいけなかったなあ。リタイア後の課題にし
ておこう。課題ばっかり溜まっているけど。
ネットギャラリー&オリジナルプリント販売
http://www.genkosha.com/gallery/photo/
フォトテクニックWebSite
http://www.genkosha.co.jp/pt/
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■金曜ノラネコ便
それでもiPodが欲しい
堀本真理美
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最近ハタと気づいたのだが、わたしの周囲にはアップル社のiPodをすでに所有、
もしくは注文済み、という友人・知人が、なんと6人もいるのだ。そのなかに
はMacユーザーのみならずWinユーザーもいる。この人数を多いと取るか、少な
いと取るか?
彼らがどういう人なのかというと、みなロックファンであり、日常的にコンピ
ュータをバリバリ使いこなす人々なのだ。そういう人ならほかにも沢山いるだ
ろうし、わたしも同様である。
MP3プレーヤーはコンパクトだし音飛びもせず、なかでもiPodはデザインが秀
逸、とても魅力的な商品だ。初めてiPodのテレビCFをみたとき「かっこいい!
ほしい!」と思ったのも事実。それでもなお食指が動かないのは、わたしには
「通勤」がないからなのである。
基本的に自宅が仕事場なので、移動しながら音楽を聴くということがあまりな
い。一番長く過ごす場所が自宅なのにも関わらず、CDからわざわざMP3変換し、
MP3プレーヤーで再生するなんて面倒なことをするわけがないし、iPodの価格
を考えたらコストパフォーマンスが悪すぎる。
加えて災いしている(?)のが、わたし自身の物持ちの良さである。現在ある
オーディオ機器は「コンポ」などという小洒落たものではなく、15年くらい前
に買った「ステレオセット」と呼ぶに相応しいデカくて角張っているシロモノ
なのだ。もちろん当初はCDプレーヤーなどなかったので、後からポータブル型
をアンプに接続して使用。MDにいたってはまったくの無縁である。
そういえば、ロックファンの友だちと音楽の話はしても、AV機器やメディア
(CD/MD/MP3)について話すことなんてほとんど皆無である、と、この原稿を
書きながら気がついた。そもそもAV機器にうるさい人(=いわゆるエンスーな
素人)が、必ずしも音楽を十分に楽しんでいるとも思えない。
わたしは音質にはさほど頓着しないので、音楽はフツーに聞ければそれで満足
できる。だからこそローエンドなステレオセットを使い続けているのだが……、
近頃は(というより「いよいよ」か?)CDチェンジャーのない不便さを実感し
ている。
そこで単純に、大量の楽曲を収録できるiPodをCDチェンジャー付プレーヤーの
代用として使うのはどうかと思い付いたのだが(いまさらMDを買う気にもなれ
ないし)……。今後のコピーコントロールCD普及率や権利問題を抱えたMP3の
存命率などが頭によぎることもあるけれど、それらを予測判断してAV機器を買
うなんて、わたしには到底無理な話だ。
結論:素晴らしい音楽はどう聴こうと素晴らしい
(でもやっぱりiPodは欲しい)
●今週の画像
http://www.macforest.com/dgcr/025.html
【ほりもと・まりみ】[email protected]
ハイテクといえば、マイナスイオン・ヘアドライヤーを買おうかどうか迷って
います。実際使っている人の話を聞くと、髪の手触りが断然違うらしい。ロン
グヘアのわたしにはかなり魅力的な商品なのですが、サンキュッパの(10年以
上使い込んでネジが取れそうになっている)ドライヤーを愛用するわたしが、
2万数千円の新製品に気軽に乗りかえられるはずもなく……。ときどき物持ち
がよい自分が恨めしいです。
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■レッツゴー トゥ「ロボぐるみ」ワールド-8
さぁー、明日撮影しに行くぞー!!
北川かりん
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私の作っている「ロボぐるみ」という作品はモデルを写真にとってそれを布に
転写して、その布を立体物に加工するという色々な要素が混じり合った作品で
ある。
その大きな要素のひとつである「写真」に関して、私はあまり今まで関心がな
かった。既存の写真をコラージュするのは好きだが、写真を撮りに歩いたりす
る事はなかった。それはひとえに、フィルム現像代がかかるというガメツイ理
由からなのだが、デジカメが登場して以来この足枷から解放され無作為にガン
ガン撮っている。
空き缶や石ころなどのくだらないものでも、構図が多少ズレていても自分のリ
ズムでシャッターを切れるところが楽しい。しかも、このくだらない一枚に現
像代がかかってしまうという後ろめたさからも解放される。デジカメ発明した
人ってエライなー。
私の場合、普段からカメラを持ち歩いて、カメラと一体になって撮影するタイ
プの人間ではなく、どちらかといえば、「さぁー、明日撮影しに行くぞー!!」
と目標を設定して撮影しに行くタイプである。理由もなく散歩するのももちろ
ん楽しいが、写真を撮るという目的で歩くと結構楽しいし、撮り終えると充実
感が残る。きっと町のカメラおじさんもこんな気分で歩いているのかと最近知
った。
一体の「ロボぐるみ」用に撮影する写真の枚数は多分300枚を超えているかも
しれない。前に聞かれて100枚位でしょうか? と多めに答えたつもりだった
が、帰って制作をしていたら、余裕で100枚超えていた。
初めの頃はあまり写真の加工もしなかったが、最近では写真の加工も大きな要
素のひとつになってきていて、今ではこの写真の加工の部分が制作過程で好き
な工程のひとつだ。
もちろん自分で加工しているんだけど、PCというフィルターを介して行う作業
は、あまり自分の意図がストレートに伝わらなかったり、逆に思わぬ画面にぶ
ちあたったり、かと思えば出来上がったものが自分の潜在的カラーが良く出て
いたりして、制作のツールとしてPCと私は今のところいい距離でいられる。
ただあまり近寄り過ぎると、似たような作品ばかりができるという大きな危険
性を孕んでいるので、この距離感を保つ事、どんどん新しい事を思いついたら
取り入れてやってみるようにしている。
特に最近気になる被写体は「風景」。風景って何だか毎日そこに存在して、変
わらないようで日々変わっていて、何か底知れぬ怖さが存在しているように見
えておもしろい。多分ニュートラルでありきたりなモチーフだけに作者のカラ
ーが出やすいのかもしれない。
どこか日本のオススメ風景あったら教えて下さい。
【北川かりん】 「ロボぐるみ」制作者。TASU主宰者。
先日、デザインの打ち合わせ事に営業さんの携帯が鳴りました。
「うん、うん、わかった。ああ、うん、うん、切るよ、ああっと! ちょっと
待った! 土に少し霧吹きで水かけておいた方がいいよ!うん、じゃあな」
「・・・?。もしかしてカブト虫ですか?」
「そうなんだよ、子供が育ててて、今卵産んだって電話だったんです。もう、
大変なんだよー」
と、照れくさそうにしていた。その顔が何だかとってもやさしい顔で、とって
もいい顔だなー思った。普段、その人とは必要最小限の話しかした事なかった
んだけど、このほのぼのとした温かい気持ち、ああ、私達人間なんだなーって、
よかったーって思える瞬間でした。
●TASU ART WORK ロボぐるみ
*今日のウンコ丸<ほぼ毎日更新中>
*ロボぐるみ作品集無料ダウンロード実施中。
http://www.h3.dion.ne.jp/~tasu/
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■新製品情報
インフォーツが「SyncPrint」を発売
http://www.mediajoy.com/mj_download/
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インフォーツ株式会社(京都)が、かねてより開発していた「マルチイメージ
カラーマッチングプリント」ユーテリティ、商品名「SyncPrint」を発売する
運びとなった。これは、マッキントッシュOS9上で動作する、インデックスプ
リントユーティリティである。インデックスプリントと言っても…
・ColorSyncをフル活用して、RGBをCMYKシミュレーションプリントする。
・CMYK画像のインデクッスプリントを作成する。
・CMYK-EPS画像にも対応している。
・各画像を十分に拡大して観察可能。
・トリミング可能
・ページに自由にレイアウト可能(文字も配置可)
・Exifの読み込みもOK
~など、かなり機能強化を図っている。また、動作の機敏性には絶大の自信が
あるという。OSXクラッシク上でも安定動作する。
●写真家にとっては、スキャン画像やデジタルカメラ画像の高精細インデック
スプリントの出力に
●デザイナにとってはラフレイアウトや部品画像の一覧整理に
●製版・印刷会社にとってはカラーマネージメントと「バラ出し校正」に
●出力サービスショップの方は、日常的な多点数連続出力に
~など、プロ業務に特化してご利用いただくことを目指して開発したという。
販売ルートは、インターネット経由だけだが、まずは試用版をダウンロードし
て使ってみてはいかが。
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■原稿募集
姉妹紙「写真を楽しむ生活」では、巻頭の写真コラムの原稿を募集します。写
真がテーマでしたら内容は自由。だいたい2500字程度。掲載できるかどうかの
基準は、1.面白くて 2.ためになるカモしれない といったものです。
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■編集後記(9/6)
・歩かなくてはならん、ト思いながら最近ちょっと忙しいので、ついさぼって
しまうのであった。そんなとき、短距離ながら犬の散歩は有効である。やはり
早朝のさわやかさは格別だ。太陽も盛夏のころとは違って強烈ではないし、吹
く風はまぎれもなく秋だ。空の雲がきれいだ。午後遅くなってからの散歩では
逆光に映える緑がじつに美しい。先日、裏の空き地の草ボーボーにハニー号を
遊ばせて逆光で写真を撮ったら、大草原の中の逞しい犬ってかんじに写った。
夜の散歩もまた味わいが深い。犬がいなかったら絶対に経験の出来ないことで
あるから、ハニー号に感謝すべきか。ま、いろいろ困ったヤツだが。(柴田)
・そのハニー号の日記
http://allabout.co.jp/diary/virtualbeauty/
・消費電力や水使用量の少ない家電を、一般家庭向けにリースするらしい。修
理よりも買い替えの方が安い現状を見、環境との相乗効果があるということら
しいのだが、リース価格は割高に思える。10年寿命と考えたら妥当なんだけど、
毎月これだけの金額を捻出していることになるんだなぁ、と。(hammer.mule)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020906k0000m040172000c.html
・新メルマガ「写真を楽しむ生活」もよろしく。 http://dgcr.com/photo/
・「ベンチャー失敗の法則」をプレゼント。詳細は1152号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。
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発行 デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>
編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
担当:濱村和恵
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Copyright(C), 1998-2002 デジタルクリエイターズ
許可なく転載することを禁じます。
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思い残す想い
十河 進
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●三冊も買った同じ小説
高橋幸治という俳優が好きだった。彼は1965年にNHKで放映された大河ドラマ
「太閤記」で織田信長を演じて人気が出た。高橋幸治は口跡が良く、その言葉
を聞いているだけでも心地よかった。翌年、高橋幸治は国民的人気番組になっ
た「おはなはん」でヒロインの夫になる軍人役を演じて、さらに人気を高めた。
1981年の正月、TBSが創立三十周年を記念して司馬遼太郎の「関ヶ原」をドラ
マ化した。三夜連続七時間の放映だった。脚色は早坂暁、配役は豪華を極めた。
石田三成を加藤剛、その家老である島左近を三船敏郎が演じた。高橋幸治が扮
したのは、石田三成の僚友である大谷刑部吉継だった。この大谷刑部が忘れら
れない。
大谷刑部は今で言うハンセン病だった。当時は業病として忌み嫌われた。だか
ら「関ヶ原」でも高橋幸治は全身を白い布で包み鎧の絵を描いていた。白い頭
巾をし目だけしか見えない姿で登場した。わずかに見える目も病のためにめし
いつつあり、ほとんど目を閉じたままで演技した。
その高橋幸治が主演した二時間ドラマを見逃したことを未だに悔やんでいる。
「風の盆恋歌」である。ヒロインを演じた女優は誰だったか忘れたが、主人公
が高橋幸治だったら見てみたい。おそらく「越中おわら風の盆」がふんだんに
見られるだろう。深夜の幻想的な踊りを眺めながら胡弓の響きを聴いてみたい。
「風の盆恋歌」の単行本が出たのは1985年4月のことだった。その時に僕は初
めて「おわら風の盆」が日本の三大盆踊りなのだと知った。後のふたつが何な
のか知らないが、たぶん阿波踊りと郡上八幡の盆踊りだと思う。阿波踊りなど
を見慣れていると、「おわら風の盆」はひどく優美な踊りに見える。
ところで、高橋幸治から「幸」を抜いたら高橋治になる(くだらなくてスイマ
セン)。高橋治は「風の盆恋歌」の原作者である。東大を出て松竹に入社し、
入社早々、後に日本映画最高の名作になる「東京物語」(1953)のフォース助
監督に就くことになった元映画監督だ。
高橋治は「風の盆恋歌」が評判になったからか「恋歌三部作」を書く。後の二
作は「別れてのちの恋歌」「さまよう霧の恋歌」である。僕は「別れてのちの
恋歌」は読了したが、「さまよう霧の恋歌」は上巻で投げ出した。
しかし、「風の盆恋歌」だけは三度も読んでいる。いや、三冊も本を買ってし
まった。なぜか「風の盆恋歌」の本を買うたび、僕はなくしてしまうのだ。一
冊目は読みかけで、どこかに忘れてしまった。二冊目は電車の網棚に置き忘れ
てしまった。三冊目は、つい最近購入し、未だになくさないでいる。
ずいぶん前のことだが、M出版のIさん宅に招待され昼間から飲み始め「風の盆
恋歌」の話で盛り上がり「いつか風の盆を見にいきましょう」などと騒いでい
たら、「中年男の不倫願望が厭ね」と奥さんに叱られたことがある。まあ、確
かに日本版「マディソン郡の橋」みたいな話だ。
世の中の結婚している中年男たちがみんな「風の盆恋歌」願望を持ち始めたら、
それはそれで奥さんたちには脅威だろうけれど、うちのカミサンのようにハー
レクインロマンスなどを目の前で堂々と読まれたら亭主の方だってちょっと仕
返ししたくなるものである。
●あり得た別の時間を回想する
「風の盆恋歌」は脇役がとてもいい。特に最初に登場する八尾の家の管理を任
されている老婆のとめがいい。とめの娘時代の淡い恋が語られるのだが、その
物語がこの小説の基調音となって最後まで響いている。とめが諏訪町にあるそ
の家の管理を引き受けることにしたのも、かつて胸ときめかした相手が同じ町
内に住んでいたからだ。
その家は誰の持ち物なのかもわからなかった。「風の盆」の三日間だけ使うた
めに八尾に家を買うなどという贅沢ができる身分の男なのだと彼女は推測する。
だが、初めてやってきた男は物腰がやさしくインテリジェンスに溢れた五十過
ぎの背の高い男だった。
諏訪町の家には桔梗の花模様の色違いで夫婦の夜具が運び込まれたのに、何年
も男ひとりしかやってこない。とめは男に「奥さんはやってこないのか」と問
いただし、男の苦渋に充ちた顔を見てしまう。そして、四年目の九月一日がや
ってくる……
高橋治の恋歌三部作の中で「風の盆恋歌」だけになぜ惹かれるのか、三度目に
読み返して僕は理解した。「風の盆恋歌」は回想の物語なのである。他の二作
が初めての出会いからの恋を語るのに較べ、ここで語られるのはかつての恋な
のである。「風の盆恋歌」に登場するのは五十を過ぎ、あり得たかもしれない
別の人生、別の人との時間を取り戻そうとする男と女である。
男はエリートの弁護士の妻を持ち大新聞社の外報部長となっている。女は長く
医者の妻として優雅に暮らしてきた。エリート意識の強い高橋治らしい設定の
主人公たちだが、その設定が嫌みにならないギリギリのところで説得力を持っ
ている。
男の妻も女の夫も学生時代の仲間である。金沢にあった四校は高橋治自身の出
身校で、そこから彼は東大に進学するのだが、主人公も女の夫も戦後に四校に
通っていた設定である。女たちは学生運動を通じて彼らのグループに加わって
くる。おそらく高橋治自身の青春がそこには色濃く反映されている。
たったひと言が言えなかった、あるいはささいな仕草をそれが意思表示になる
と、つつましく押しとどめてしまった、そんなことがその後の一生を変える。
だから、そうしなかったことが何十年も心の底に棘のように刺さり疼き続けて
いる。一度も忘れたことはない。後悔しているというのでもない。もうほとん
ど諦めている。だが、もしかしたら……と夢想する。
「風の盆恋歌」はそんな夢想を現実にしようとした男女の物語だ。男が赴任し
ていたパリで十数年ぶりにふたりは再会する。ドライブの途中、かつて愛読し
たアンドレ・ジイド(時代性が出ていていいですね)の墓を偶然に見付ける。
墓を見た後、女は「いつか八尾へ、風の盆へ連れていって」とつぶやく。
かつてグループで八尾の風の盆を見にいった夜、あることがふたりを引き離す。
もちろん互いに意思表示をしていたわけではない。ただ、ほんのささいなこと
がその後のふたりの人生を決めてしまったのだ。そして、互いに別々の伴侶と
長い長い時間を過ごしてきてしまった。
──あそこからもう一度やりなおしたい。
「風の盆へ連れていって」という女の言葉は、そういう意味を持つ。強く切実
に願うか、叶うものならばと考えるか、それぞれの人によって想いは異なるだ
ろうが、「あそこからもう一度やりなおしたい」と誰もが己の人生を振り返っ
て一度は希求したことがあるはずだ。
●もう一度は許されない
その年、僕は入社二十年を過ぎ十日間のリフレッシュ休暇を取る権利を取得し
た。勤め始めてからの時間は、どこを切り取っても金太郎飴のように同じ気が
する。同じ場所から同じ場所へ同じ電車に乗って行き帰ってくる。過ぎてしま
えば、アッと言う間の二十年だ。
もちろん、勤め始めてからも様々な想い出はある。しかし、結局は繰り返され
る日常から逸脱することはなかった。あの時ああなっていたらなあ、と仕事に
関して思うことはあっても、あそこからもう一度やり直したいと強く願う人生
の岐路のようなものはない。
そんな二十年が過ぎ、リフレッシュ休暇を利用してどこへいこうか、と考えた
時に僕は「そうだ。京都、いこう」と当時のテレビCMのようにつぶやいた。京
都には、もう一度だけ逢っておきたい人がいた。その人とは、あることがきっ
かけで十数年会っていなかったし、連絡も取っていなかった。
昔を取り戻そうなどと大それたことを考えたのではない。ただ、もう一度だけ
逢っておきたかった。もう一度逢って何らかの決着をつけておきたかった。そ
うしなければ、何かを置き忘れたまま歳をとることになる気がした。なくした
友人はいっぱいいたが、その人とはもう一度だけ話しておきたかった。
休暇の初日の早朝、僕は車に荷物を積み込み、ひとりで家を出た。免許をとっ
てようやく一年が過ぎ若葉マークを外したばかりだった。首都高速を抜け、雨
の東名高速を水しぶきをあげながら疾走した。途中、豊橋で一泊し、翌日、京
都へ入った。狭い路地に苦労しながら嵐山の宿の駐車場に車を入れ終えた時は
青息吐息の状態だった。
宿に入り部屋で休んだ後、古い住所録からメモしてきた電話番号を回した。十
数年ぶりだ。もしかしたら変わっているかもしれない。もし、電話が通じたら
逢っておこう。電話番号が変わっていたなら、諦めよう。そう決めていた。賭
けのようなものだった。
電話番号は変わっていなかった。本人以外なら家族が出ることを予想していた
のだが、意外な人が電話をとった。僕が名乗ると「ソゴーくん? うちによく
遊びにきていた、あのソゴーくん?」と相手は言う。郷里から母親が遊びにき
ていたのだ。お母さんは「出かけていてすぐに戻るから」という。僕は宿の電
話番号を伝えて切った。
受話器を置いてから少しぼんやりしていた。昔、ずいぶん良くしてもらったお
母さんと話したことで、高校時代のことが文字通り走馬燈のようによぎったの
だ。それは予期していなかっただけに不意打ちのように僕を襲い戸惑わせた。
家を出る時に、京都で連絡がつけばその人と逢うことになるだろうとカミサン
には話してきた。「よろしく言っておいて」とカミサンは軽くいなしたが、セ
ンチメンタルな亭主に呆れていたかもしれないなと苦笑いが浮かんだ。
──人生にやりなおしは、ないんだよなあ。
そうつぶやくと同時に、部屋の電話が鳴った。
【そごう・すすむ】[email protected]
雑誌編集者。「風の盆」には今年もいけなかったなあ。リタイア後の課題にし
ておこう。課題ばっかり溜まっているけど。
ネットギャラリー&オリジナルプリント販売
http://www.genkosha.com/gallery/photo/
フォトテクニックWebSite
http://www.genkosha.co.jp/pt/
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■金曜ノラネコ便
それでもiPodが欲しい
堀本真理美
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最近ハタと気づいたのだが、わたしの周囲にはアップル社のiPodをすでに所有、
もしくは注文済み、という友人・知人が、なんと6人もいるのだ。そのなかに
はMacユーザーのみならずWinユーザーもいる。この人数を多いと取るか、少な
いと取るか?
彼らがどういう人なのかというと、みなロックファンであり、日常的にコンピ
ュータをバリバリ使いこなす人々なのだ。そういう人ならほかにも沢山いるだ
ろうし、わたしも同様である。
MP3プレーヤーはコンパクトだし音飛びもせず、なかでもiPodはデザインが秀
逸、とても魅力的な商品だ。初めてiPodのテレビCFをみたとき「かっこいい!
ほしい!」と思ったのも事実。それでもなお食指が動かないのは、わたしには
「通勤」がないからなのである。
基本的に自宅が仕事場なので、移動しながら音楽を聴くということがあまりな
い。一番長く過ごす場所が自宅なのにも関わらず、CDからわざわざMP3変換し、
MP3プレーヤーで再生するなんて面倒なことをするわけがないし、iPodの価格
を考えたらコストパフォーマンスが悪すぎる。
加えて災いしている(?)のが、わたし自身の物持ちの良さである。現在ある
オーディオ機器は「コンポ」などという小洒落たものではなく、15年くらい前
に買った「ステレオセット」と呼ぶに相応しいデカくて角張っているシロモノ
なのだ。もちろん当初はCDプレーヤーなどなかったので、後からポータブル型
をアンプに接続して使用。MDにいたってはまったくの無縁である。
そういえば、ロックファンの友だちと音楽の話はしても、AV機器やメディア
(CD/MD/MP3)について話すことなんてほとんど皆無である、と、この原稿を
書きながら気がついた。そもそもAV機器にうるさい人(=いわゆるエンスーな
素人)が、必ずしも音楽を十分に楽しんでいるとも思えない。
わたしは音質にはさほど頓着しないので、音楽はフツーに聞ければそれで満足
できる。だからこそローエンドなステレオセットを使い続けているのだが……、
近頃は(というより「いよいよ」か?)CDチェンジャーのない不便さを実感し
ている。
そこで単純に、大量の楽曲を収録できるiPodをCDチェンジャー付プレーヤーの
代用として使うのはどうかと思い付いたのだが(いまさらMDを買う気にもなれ
ないし)……。今後のコピーコントロールCD普及率や権利問題を抱えたMP3の
存命率などが頭によぎることもあるけれど、それらを予測判断してAV機器を買
うなんて、わたしには到底無理な話だ。
結論:素晴らしい音楽はどう聴こうと素晴らしい
(でもやっぱりiPodは欲しい)
●今週の画像
http://www.macforest.com/dgcr/025.html
【ほりもと・まりみ】[email protected]
ハイテクといえば、マイナスイオン・ヘアドライヤーを買おうかどうか迷って
います。実際使っている人の話を聞くと、髪の手触りが断然違うらしい。ロン
グヘアのわたしにはかなり魅力的な商品なのですが、サンキュッパの(10年以
上使い込んでネジが取れそうになっている)ドライヤーを愛用するわたしが、
2万数千円の新製品に気軽に乗りかえられるはずもなく……。ときどき物持ち
がよい自分が恨めしいです。
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■レッツゴー トゥ「ロボぐるみ」ワールド-8
さぁー、明日撮影しに行くぞー!!
北川かりん
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私の作っている「ロボぐるみ」という作品はモデルを写真にとってそれを布に
転写して、その布を立体物に加工するという色々な要素が混じり合った作品で
ある。
その大きな要素のひとつである「写真」に関して、私はあまり今まで関心がな
かった。既存の写真をコラージュするのは好きだが、写真を撮りに歩いたりす
る事はなかった。それはひとえに、フィルム現像代がかかるというガメツイ理
由からなのだが、デジカメが登場して以来この足枷から解放され無作為にガン
ガン撮っている。
空き缶や石ころなどのくだらないものでも、構図が多少ズレていても自分のリ
ズムでシャッターを切れるところが楽しい。しかも、このくだらない一枚に現
像代がかかってしまうという後ろめたさからも解放される。デジカメ発明した
人ってエライなー。
私の場合、普段からカメラを持ち歩いて、カメラと一体になって撮影するタイ
プの人間ではなく、どちらかといえば、「さぁー、明日撮影しに行くぞー!!」
と目標を設定して撮影しに行くタイプである。理由もなく散歩するのももちろ
ん楽しいが、写真を撮るという目的で歩くと結構楽しいし、撮り終えると充実
感が残る。きっと町のカメラおじさんもこんな気分で歩いているのかと最近知
った。
一体の「ロボぐるみ」用に撮影する写真の枚数は多分300枚を超えているかも
しれない。前に聞かれて100枚位でしょうか? と多めに答えたつもりだった
が、帰って制作をしていたら、余裕で100枚超えていた。
初めの頃はあまり写真の加工もしなかったが、最近では写真の加工も大きな要
素のひとつになってきていて、今ではこの写真の加工の部分が制作過程で好き
な工程のひとつだ。
もちろん自分で加工しているんだけど、PCというフィルターを介して行う作業
は、あまり自分の意図がストレートに伝わらなかったり、逆に思わぬ画面にぶ
ちあたったり、かと思えば出来上がったものが自分の潜在的カラーが良く出て
いたりして、制作のツールとしてPCと私は今のところいい距離でいられる。
ただあまり近寄り過ぎると、似たような作品ばかりができるという大きな危険
性を孕んでいるので、この距離感を保つ事、どんどん新しい事を思いついたら
取り入れてやってみるようにしている。
特に最近気になる被写体は「風景」。風景って何だか毎日そこに存在して、変
わらないようで日々変わっていて、何か底知れぬ怖さが存在しているように見
えておもしろい。多分ニュートラルでありきたりなモチーフだけに作者のカラ
ーが出やすいのかもしれない。
どこか日本のオススメ風景あったら教えて下さい。
【北川かりん】 「ロボぐるみ」制作者。TASU主宰者。
先日、デザインの打ち合わせ事に営業さんの携帯が鳴りました。
「うん、うん、わかった。ああ、うん、うん、切るよ、ああっと! ちょっと
待った! 土に少し霧吹きで水かけておいた方がいいよ!うん、じゃあな」
「・・・?。もしかしてカブト虫ですか?」
「そうなんだよ、子供が育ててて、今卵産んだって電話だったんです。もう、
大変なんだよー」
と、照れくさそうにしていた。その顔が何だかとってもやさしい顔で、とって
もいい顔だなー思った。普段、その人とは必要最小限の話しかした事なかった
んだけど、このほのぼのとした温かい気持ち、ああ、私達人間なんだなーって、
よかったーって思える瞬間でした。
●TASU ART WORK ロボぐるみ
*今日のウンコ丸<ほぼ毎日更新中>
*ロボぐるみ作品集無料ダウンロード実施中。
http://www.h3.dion.ne.jp/~tasu/
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■新製品情報
インフォーツが「SyncPrint」を発売
http://www.mediajoy.com/mj_download/
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インフォーツ株式会社(京都)が、かねてより開発していた「マルチイメージ
カラーマッチングプリント」ユーテリティ、商品名「SyncPrint」を発売する
運びとなった。これは、マッキントッシュOS9上で動作する、インデックスプ
リントユーティリティである。インデックスプリントと言っても…
・ColorSyncをフル活用して、RGBをCMYKシミュレーションプリントする。
・CMYK画像のインデクッスプリントを作成する。
・CMYK-EPS画像にも対応している。
・各画像を十分に拡大して観察可能。
・トリミング可能
・ページに自由にレイアウト可能(文字も配置可)
・Exifの読み込みもOK
~など、かなり機能強化を図っている。また、動作の機敏性には絶大の自信が
あるという。OSXクラッシク上でも安定動作する。
●写真家にとっては、スキャン画像やデジタルカメラ画像の高精細インデック
スプリントの出力に
●デザイナにとってはラフレイアウトや部品画像の一覧整理に
●製版・印刷会社にとってはカラーマネージメントと「バラ出し校正」に
●出力サービスショップの方は、日常的な多点数連続出力に
~など、プロ業務に特化してご利用いただくことを目指して開発したという。
販売ルートは、インターネット経由だけだが、まずは試用版をダウンロードし
て使ってみてはいかが。
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■原稿募集
姉妹紙「写真を楽しむ生活」では、巻頭の写真コラムの原稿を募集します。写
真がテーマでしたら内容は自由。だいたい2500字程度。掲載できるかどうかの
基準は、1.面白くて 2.ためになるカモしれない といったものです。
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■編集後記(9/6)
・歩かなくてはならん、ト思いながら最近ちょっと忙しいので、ついさぼって
しまうのであった。そんなとき、短距離ながら犬の散歩は有効である。やはり
早朝のさわやかさは格別だ。太陽も盛夏のころとは違って強烈ではないし、吹
く風はまぎれもなく秋だ。空の雲がきれいだ。午後遅くなってからの散歩では
逆光に映える緑がじつに美しい。先日、裏の空き地の草ボーボーにハニー号を
遊ばせて逆光で写真を撮ったら、大草原の中の逞しい犬ってかんじに写った。
夜の散歩もまた味わいが深い。犬がいなかったら絶対に経験の出来ないことで
あるから、ハニー号に感謝すべきか。ま、いろいろ困ったヤツだが。(柴田)
・そのハニー号の日記
http://allabout.co.jp/diary/virtualbeauty/
・消費電力や水使用量の少ない家電を、一般家庭向けにリースするらしい。修
理よりも買い替えの方が安い現状を見、環境との相乗効果があるということら
しいのだが、リース価格は割高に思える。10年寿命と考えたら妥当なんだけど、
毎月これだけの金額を捻出していることになるんだなぁ、と。(hammer.mule)
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020906k0000m040172000c.html
・新メルマガ「写真を楽しむ生活」もよろしく。 http://dgcr.com/photo/
・「ベンチャー失敗の法則」をプレゼント。詳細は1152号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。
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編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
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