[0534] iBook、買うか似合うか

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0534   2000/02/18.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 15272部
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 <いいね~。合宿しようかあ>

■デジクリトーク
 iBook、買うか似合うか。
 須貝 弦

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 00023 (2/18)
 脈あり
 川井拓也

■デジクリトーク「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
 カメラマンとわたし-5
 梅地浩太郎

■デジクリトーク <投稿>
 ゲーム業界をナメとりゃせんですか?
 わかめ
 


■デジクリトーク
iBook、買うか似合うか。

須貝 弦
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「iBook、買うか似合うか」というのは、私が作っている「マッカー」という
Web マガジンの中で、iBook が発売されたときに掲載したコンテンツのタイト
ルだ。私も含め数人に、そういうテーマで書いてもらったのだ。私は「ミーハ
ーな自分としては欲しかったりして」みたいなことを書いたのだが、実はその
原稿を執筆したときは「他人事」だった。つまり「自分がiBook なんか買うこ
とは、現実としては起こらないだろう」と思っていたのだ。
 
というのも、その頃(昨年秋)から年始にかけてもっとも欲しかったマシンは、
FireWire 付きのMac だった。中古のPCI Mac にG3カードやいろいろなPCI カ
ードを突っ込んでマニアックに仕上げるのもよし、Power Mac G4でハイエンド
を気取るもよし、iMac DVとiMovie だってもちろんオッケー。いずれにせよ
「DVやりてぇ~」という欲求が沸き上がっていたのだが、肝心のDVカムの購入
予算がどう考えても工面できず、年始に遊び過ぎたせいもあって、購買意欲は
シュワシュワとしぼんでいった。

ところが。
 
同じく「マッカー」の中でお馴染みの不良中年、否、手のかかるイタ車気取り
の実はマツダ……でもなくPowerBook 5300cs の調子が悪くなってしまった。
外で持ち歩いているときに限って、液晶がときどき「フッ」と消えるのだ。悪
いのは液晶のフラットケーブルであることは、百も承知しているが、いつ画面
がいっさい映らなくなるかも知れぬPowerBook を抱えて「当日取材、当日UP」
の仕事をやるなんぞは、恐くてできないのである。

こりゃ、近々にノートマシンを買わなきゃいかんな。
 
なんせ、今の私はPowerBook のおかげで生活できているようなものだ。サラリ
ーマンのフルタイムに近いかそれ以上拘束される仕事が週4 日、秋葉原関係の
「当日取材、当日UP」仕事が週2 ~3 回、月刊誌の取材から執筆までが月1 回、
それにデジクリやマッカーの原稿書きというところまでがレギュラーで、その
合間にイレギュラーな仕事を突っ込んだりしている。
 
当然、時間は足りない。だから私は、重たいのも脆いのも承知で5300を持ち歩
き、電車の中やドトールなど、出先でガツガツと原稿を書いたりするのだ。夕
方6 時頃某社でのミーティングが終わり、そのあと速攻でドトールに入って夜
7 時までに入稿するテキストを乱れ打ちする……という感じである。いま5300
にリタイアされたら、それができなくなる。っていうか、本当に壊れる前に新
しいのを買わなくてはいけない。

ヨドバシカメラに行ったさ、とりあえず。
 
私は、どうしてもMac OS が使いたいヒネクレものだ。もともと根っからのMac
ユーザーだが、Windows マシンは仕事で週に3 日は触っているから、せめて持
ち運ぶコンピュータはMac がいい。マイナス要素を認識しながらも5300を使っ
ているのは「とはいえ、Mac だから。」という、Mac 嫌いの人が聞いたら吐き
気がするような理由だったりするのである。
 
iBook を手で持ってみる。重いしデカイ。しかし、もっとも気になるのは「セ
ンス」だった。色と形のインパクトが大きすぎるのだ。そしてやっぱり「コレ
に似合う服って、オレ持ってたかなぁ」などと、バカなことを考えた。そして
町田や新宿のGAP の品揃えを思い浮かべ、続いてユナイデットアローズにどん
な服が置いてあったかも思い浮かべ、個人的にはめったに行かないけどビーム
スの店内も思い浮かべ……トイレに入り鏡に向かい、自分のルックスと相談し
……iBook の前に戻って、iBook を持っている自分を脳内でシミュレートして
……という、おバカな行為に励んでしまった男。

3日後の深夜、夜11時までやっているMac ショップに行った。
やっぱり、脳内でシミュレート。
 
しかし私は、決断ができないでいる。VAIO もいいかも~ってなびいたりとか
して。新しいマシンを買うのが先か、5300のリタイアが先か。答えが出るのは
いつのことやら……て状態にある。

【すがい・げん】
この話の続きは、マッカー上でやるかもしれないし、やらないかもしれないし。
とりあえずURLは下記の通りなので、よろしく。
http://www.dgcr.com/mac/

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■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 00023 (2/18)
脈あり

川井拓也
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さて、世界一周の船にプロダクション機能を載せ、複数のコンテンツを制作し
ていくという骨格が分ってきた「ip2000」プロジェクトですが、なにを? 誰
が? どうやって作って行くのか? まずは賛同者を集めながら企画を練って
行こうと思いました。

2月にプレゼンツールを作り、披露できるようになったら具体的なスポンサー
を集めて4月に制作準備! 5月に出航だ! 私は布教する代りに「夢」を伝染
させていくことを「布夢活動」と命名することにしました。

布夢をさかんにすると「フムフム」となり「夢」はあらたな「納得」(?)へ
と変化していくのでした。

SONY での打合せは別件から始まり、タイミングを見ながら進めました。商品
と今後の企画の接点を前提とするわけですが、「ip2000」はデジタルツールの
発展と安価化を前提としているので最適なわけです。

あらかじめメールでデジクリは送信してあったので、その打ちあわせの場にい
るリーダーの人は知っています。若い人に向って説明をして、結果は?

「うちは是非協力したいけど、スポンサードという意味ではマーケティングの
○○さんですね。言ってみたらどうですか? 乗る可能性ありますよ」
との返事! ○○さんとは以前の仕事の付合いで知っている!!
これは企画書を作って突撃せねば!

そして、明日はいよいよピースボートの全体会議に乗りこんで協力を呼びかけ
る日。女性3 人と乗りこみます! (続く)

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■デジクリトーク「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
カメラマンとわたし-5

梅地浩太郎 http://www.yk.rim.or.jp/~umeji/
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1998年春。加速度的に仕事が進みつつはあったのだが、やはり進行は大幅に遅
れていた。(*10)

ちょうどその頃、僕は都内の美術大学に週2 回勤めていていたのだが、部署的
にはコンピュータとデザインが結びつけばなんでもありというトコロだった。
そして長野県にある通産省系の施設で、シリコンのマシンが大量にあり、宿泊
施設もあって24時間使うことができる、という情報を聞いたのだった。

その話を聞いた時は、
「へー、ほー、ふーん。仕事が終わりそうにないプロダクションなんかが缶詰
めにされるトコなんだろうねえ。かわいそうに」
などと同僚と話しをしていたのだ。
3 カ月後、自分が缶詰めになるともしらずに。

しばらくの後、所さんに
「…というトコがあるらしいんですよ~」
と僕が言うと
「いいね~。合宿しようかあ」
と、まるで期待していない返事が返ってきた。

んで、すったもんだはあったにしろ夏休みは長野のサイバーな缶詰め工場にバ
カンスにいくことに決定!

1998年盛夏。もう明るい夏の朝4:00、千葉から平野さん(*11)がやってきた。
僕の車を駐車場から出し、そこに平野さんが乗ってきたパジェロを入れ荷物を
積み込んだ(*12)。さあ、ここ横浜から長野までロングツーリングの始まり。
多少迷ったものの昼くらいには現地着。近代的な建物でPC設備は申し分無し。

荷物をおろしている頃、シンメイ(*13)さん登場。
そしてマックからシリコンへデータを送り込んでいる頃、所さん新城さん
(*14)が登場した。さあ、役者は揃った。合宿の幕開けだ。(つづく)

(*10)予定通りUPしたゲームなんてこの世の中にない、と思う。
(*11)自動車メーカー、ゲームメーカーと渡り歩いた無頼派。顔は恐いが腕
 は一流。僕と同じモンスターグラフィック担当。
(*12)所さまの御依頼により麻雀パイ&マットも積み込んでおります。
(*13)サイバー空間で生まれた男(嘘)。縦横無尽にキーボードを叩く姿は
 中世の鍛冶屋を連想させる。アイテム担当。

(*14)御存知、このゲームの副監督にしてシナリオライター。めちゃめちゃ
 頭の回転が速いっす。所さんがやんわりだとするなら、新城さんはすっぱり。
 勝手な解釈ですけど(笑)。

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■デジクリトーク <投稿>
ゲーム業界をナメとりゃせんですか?

わかめ [email protected] 
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#528、菅原さんの記事「クリエイターになりたい」を読んで、僕も筆を取る気
になりました。デジクリ読者の皆さん、はじめまして。わかめと申します。ち
ゃらちゃらしたアダルト系WEB や、メールマガジン発行などをやっております
が、本業はゲーム屋で、サウンド・プログラム・ディレクションなど、要する
に何でも屋をしております。

確かにパソコンのおかげで、”モノを作ること”がしやすい時代になりました。
僕自身がそうです。学生時代からバンド活動はしていましたが、担当はドラム。
音程の出る楽器は弾けない。だから曲のモチーフが思いついても、それを表現
する手段がない。転機は安売りのMSX パソコン(シーケンサーソフト付)を手に
入れた時でした。思いついたモチーフが音になって出てくる。そうすればアイ
ディアに肉付けができる。そうこうしているうちに、曲らしいものになってく
る。これは僕にとって画期的で、とうとうとあるファミコンゲームのプロジェ
クトに、作曲家として参加するにまで至りました。

そんな僕のところには、よく「作曲を勉強しました。ゲーム業界に入りたい」
という相談とデモが送られてきます。しかしほぼ100%のデモ作品はジャンル
でいうと流行のテクノっていうんですか? 打ち込みリズムにちゃかちゃかし
たバッキング。「シューティングゲームをイメージしました」っていう単調な
音符の羅列。抑揚のないノイズの繰り返し・・・。

おいおい、ゲームミュージックなんてジャンルはないんだよ。ゲームに使われ
る音楽がゲームミュージックというだけで、勝手にジャンルを作らないで欲し
いわけ。例えば映画音楽だと、場面によってクラシックが使われたりパンクが
使われたりするわけで、音楽的なジャンル分けは存在しませんね。ゲームの音
楽がちゃかぽこしているのは、音源のハード的制約によるもの以外のなにもの
でもありません。ハードが良くなった今では、ゲームだってバリバリのオーケ
ストラが欲しい時もあるんです。

そんな時に、弦のアレンジだってできなきゃいけないし、タクトも振れないと
いけない。ゲームの作曲を志す人に「あなたできますか?」と聞いたら、一体
どれだけの人が「できます」って答えられますか? そこまでいかずとも、ス
ーパーマリオやドラクエの曲が人の耳に残るのは、それがゲームの音楽だから
ということではなく、メロディが音楽的に優れているからだと気づきませんか?

ゲームミュージックの世界は敷居が低いと思われているのか、ちゃんとした作
曲家は無理だけどゲームなら、的な意識がどこかにはびこってるように感じま
す。ゲーム業界をナメとりゃせんですか? ゲーム業界が必要としている音楽
家とは、どこにでも通用する優れた音楽家なのです。

【わかめ】http://www.wakame.com/
とあるフリーのゲーム屋に宿る裏の人格。「本名でない投稿なんて無責任な」
という意見もあるでしょうが、僕的にはこのキャラクターに責任を持っており
ます。ひとつそこんとこ汲み取って下さい。話がちょっと偏りましたが、皆さ
んご自分の業界に置き換えてみて下さい。ちなみに僕はタクト、振れません。
だから何でも屋になるしかなかったってわけ。

▼わかめさん、ありがとう。みなさん、投稿歓迎ですよ。

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■編集後記(2/18)
・ようやく「バトル・ロワイアル」読んだ。ホラー小説大賞に応募して、審査
員から「非常に不愉快」と総スカンをくらって落選したことで有名。大東亜共
和国の不運な中学生に課せられた究極の椅子取りゲームだ。殺しあいをして最
後のひとりだけが生存の権利を得るというトンデモな設定。絶対にのがれられ
ない状況で、主人公たちはどう戦うのか。たしかに殺しの凄惨な描写はあるが、
ゲーム的感覚の面白い小説だ。ところどころに入る、著者か登場人物かわから
ないがおちゃらけたコメントがヘタクソだけど、全体的にはよくできた話だ。
この理不尽な超管理国家と、武田鉄矢をモデルにしたらしい悪役には、怒りを
感じるくらい感情移入できる。とりあえず納得の結末だ。(柴田)

・昨日の四コマが崩れて表示されるウインドウズユーザーの方は、MS Pゴシッ
クではなくMSゴシックの等幅、中サイズでご覧ください。前々号の後記にあっ
た「火垂の墓」は「火垂るの墓」の間違いです。なゆみさんご指摘ありがとう
ございました。/「有元葉子の料理の基本」を買った。写真きれ~。文字のば
らつきが気になる私は姑のよう~。合間合間に眺めているのだが、この本は、
単語を置き換えたらデザインなど制作基本にも通じるような内容。まえがきも
そうなのだが、序章の「調理台をあけておく」なんて、マシン周りに参考書籍
が積み上がっている私は、はは~っ、とひれ伏したくなる。(hammer.mule)
http://www.gentosha.co.jp/

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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