[0390] 福田和正さんに聞く

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0390     1999/08/03.Tue発行
http://www.dgcr.com/
   1998/04/13創刊   前号の発行部数 13636部
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 <印刷の将来はすごく明るい>
 <特集1本勝負!重量級です!>

●デジクリSPECIALインタビュー
 恒陽社グラフィック事業部の福田和正 常務取締役に聞く 
 インタビュアー 井出和明

http://www.dgcr.com/kiji/19990803/

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■デジクリSPECIALインタビュー
恒陽社グラフィック事業部の福田和正 常務取締役に聞く 

「新たなメディアのパラダイムをとらえ、
パブリッシングビジネスのベストパートナーを目指します」

インタビュアー 井出和明
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数年前はLivePictureやFlashpixで、最近はQuarkXPressをめぐる某ソフトウェアメーカーとディスカウント戦で、
http://www.koyoshagraphics.com/1999/index.html

何かと話題の多い恒陽社の常務取締役福田和正氏を取材した。
70年近くも商業美術印刷を生業としてきた恒陽社が、10年前に突如としてグラフィック関連のソフトウェア事業に進出したその理由(わけ)は?

<10年間の留学体験で、DTPの黎明を見る>

○(井手:以下○)まず、福田さんとDTPの出会いからお聞かせください。

●(福田:以下●)私は高校生の時にアメリカに交換留学をしました。その後も帰国せずに、アメリカ、イギリスの大学を転々としたり、ある女子大で講師をしたりしていたのですが、大学卒業の頃、アメリカでは今でいうKinko's のようなところが街のそこここに現れ始め、就職のためにタイプ打ちした履歴書をきれいにプリントアウトするサービスを始めていました。

今から考えるとレーザープリンタだったと思いますが、出来上がった自分の履歴書を見て、その美しさにすごく驚きました。85年頃です。それで、いつかはこれを仕事に応用してみたいと漠然と思っていました。
(福田和正氏1961年<昭和36年>生まれ)
http://www.dgcr.com/kiji/19990803/img/fukuda2

<まずは欧文マニュアルからDTPを開始>

○恒陽社に戻って、東京ですぐにDTPをはじめられたのですか。

●はじめは研究対象として、とにかくやってみようということで、とりあえずMacintosh IIとライノトロニックのイメージセッタを導入しました。87年のことです。まだ明朝とゴシックの2書体しかなかった時代ですが、日本語はだめということは、英語ならいい、欧文ならいけるはずだと楽天的に考えて(笑)。

その当時、恒陽社ではマニュアル制作の事業をはじめていました。マニュアルですから文字ばかりで絵が少なく、しかも8割がたは海外向け。そこで研究室を設立し、これが現在のCPL(Computer Publishing Laboratory )の前身なのですが、その時に工場の中でいかにDTP やPostScriptを使っていくのかという研究を始めました。これが恒陽社のDTP化第一フェーズですね。

○研究は着々と進んだのですか?

●いえいえ(笑)。ソフトはない。ハードはよくわからない、わけの分からないトラブルは出るわで大変でした(笑)。アメリカに友達が多かったので、その連中に聞いたりしながら進めていました。そんな89年、日本印刷産業連合会主催のDTP 視察ツアーというのが行われ、アップル、アドビ、アルダス等、当時形になってきたDTP 業界の、とくに有名なところを中心に回ることができました。

一番印象に残っているのは「アメリカで今年、タイプセッタ業界が壊滅しました」という言葉でしたね。タイプセッタは、日本でいえば写植業界に相当するわけですから、これはすごいことだな、と思いましたね。

写植がなくなったのなら、次は製版かも知れない。でもアウトラインで文字ができるということは、線画はOK。写真もモノクロから来るだろうと見ていたら、やはりデジタルダークルーム、カラースタジオなどといったソフトがどんどん出てきました。デジタル化すると、従来の製版工程では、7つくらいプロセスがいらなくなるんです。これはすごいと。

これも少し研究したら、いけそうだ、ということでアメリカのやりとりもさらに活発化しました。検討の結果、クオリティの低い写真や線画なら商売にできそうだという感触を得て、イラスト、漫画、新聞・雑誌などの、いわゆる133線、150線の粗い画像を使う世界で商売をはじめたわけです。

<DTPから一気に画像ネットワークやソフト開発に拡大>

○印刷の一環として、欧文マニュアルを手がけ、徐々に高品質の印刷物に移行されていったわけですか。

●いや実は、次はいきなりネットワークのビジネスに進出しました(笑)。画像配信の商売をはじめたのです。その時、アメリカの「ナイト・リダー・トリビューン」という会社が、自分の配下の会社に対してその日に起こったニュースの写真やイラストを配信していました。ちょうど湾岸戦争の時で、世界中のメディアでいろいろな絵が必要になっていた時期で、我々もデータベース化されたサダム・フセインの宮殿などのイラストを、日本の新聞社や雑誌社に売り込みました。

これでDTP から、一気にネットワークDTP へ行きました。そのうちネットワークを利用すれば、ものをやりとりするだけではなく、いろいろなことができると気がつきました。

イガラシ・ステュディオの五十嵐先生と一緒に世界中のデザイナーを集めて、マックだけでデザインの本を作ってしまおうというプロジェクトが立ち上がったのです。それでできたのが「Designers on Mac」で(邦題「マックデザイン」)、おそらくマッキントッシュと通信だけでつくった世界ではじめての上製本でしょう。

そういった経験の中で、これはいよいよ本格的な製版に使えそうだという感触を持ち始めていました。ちょうど Photoshop が出てきて、QuarkXPress が2.2になって。メモリの値段もだいぶ下がってきました。ハードもソフトも、投資対効果が見えてきたので、90年から91年頃にかけて、工場のDTP 化に着手しました。

そしてプリプレスに対するデジタルプリプレス( EP部 )と、ソフトの販売を専門とするグラフィック事業部という組織を新たにつくりました。現在恒陽社の内製印刷物は100% デジタルです。また94年には、ソフト開発と先進情報の収集を目的として、アメリカにKGA という子会社を設立しました。

QuarkXPress の販売、その他各種ソリューションの提供など、海外企業との提携も着実に実を結んでいます。

<パブリッシングの意味を再定義しデジタル・ビジネスに道筋をつける>

○お話によると、10年前にアメリカでタイプセッタ業界が壊滅状態になった。いま日本でも、写植業界が壊滅状態になり、印刷業界も右往左往しているという状況があります。これから業界が生き残るポイント、次に飛躍するための条件を、福田さんはどのようにお考えですか。

●DTP を推進するにあたって、恒陽社がまず何をしたかというと、「パブリッシング」という概念を再定義したんです。パブリッシングという言葉を日本語にすると、すぐ「出版」となってしまいますよね。パブリッシングには、いわゆる紙の出版ではないパブリッシングがある。それは何かというと、公に何かを見せることはすべてパブリッシングと言う見方をすることです。
(チャート1.参照) http://www.dgcr.com/kiji/19990803/img/chart1

そして、この広い意味でのパブリッシングの世界におけるすべての領域を、恒陽社のビジネスターゲットにしようと決めました。活版の時代から、手動写植、CTSがMac DTP、そしてネットワークへというこれまでの道筋の中で、私たちは非常に多くの、幅広い技術やスキルを獲得することができました。

そして現在恒陽社は、印刷会社としてのあらゆる実績・ノウハウをベースに、グラフィック事業部や情報システムの経験、CPL の成果を結集して、再定義したパブリッシングのさまざまな分野にビジネスを展開していこうとしているわけです。

だから、印刷が極端に少なくなったらどうしようという危機感は私たちにはありません。レコード針と一緒で、需要が少なくなるのは時の流れでしょう。ちょうど「オルトフォン」の針を求めるユーザがまだいるように、極めて高い品質で、高い技術力が要求される分野もまだまだある。それ以外の分野では、紙以外の分野でも対応できる会社になっていこうとしているわけです。

○より高品質の分野に行くというのは、これからの印刷会社が進む選択肢のひとつではあると思います。ただデジタル・パブリッシングは、従来のパブリッシングの枠組みを大きく広げています。その中で、印刷会社が、恒陽社が挑戦すべき一番のビジネス領域はどこだとお考えですか。

●一番のポイントは、すべてのデジタル・パブリッシャーにとってなくてはならないパートナーになることだと考えています。だからパブリッシングを仕事とされている会社や個人は、すべてお客様です。顧客のパートナーとして、顧客のパブリッシング・ビジネスが抱えている問題解決を共同で実施できる相談相手になろうということですね。

そのために、印刷所があり、電子媒体を扱うデジタルスタジオや、ソフトシステム関係を扱うグラフィック事業部があるのです。しかも、それぞれが業務上のノウハウを相互活用できるという関係にあるので、シナジー効果も期待できます。

たとえば、印刷所ですごく時間がかかる作業があるとして、何かいいツールはないかというテーマが上がると、グラフィック事業部が見つけてくる。そしてCPL で使ってみて、実際のノウハウをフィードバックする。こうした体制があれば、クライアントに対して継続したサポートが提供できるので、ビジネスとしても十分確立するのです。

○「パートナー」に関して、もう少し詳しくお聞かせください。また具体的な事例を上げるとしたら?

●情報の発信者と一般ユーザーとしての受ける側の関係は、つねに円滑に効率的でなくてはいけません。ではどうするかというと、具体的にはパブリッシャーに対して、顧客情報の提供やメディアの提案、仲介、最適のドキュメントの提案などいろいろな広がりが生まれます。

通信販売の会社の例でいえば、もし販売する商品のターゲットが 30 代の男性であれば、多くの方はクレジットカードやコンピュータを持っているわけですから、メディアとしてインターネットはどうかと提案をし、制作に必要なツールや、実際にカタログは元より、ホームページ作成やEコマースの仕組みづくり、フルフィルメントまでのお手伝いをするということですね。これは従来の紙のみの印刷会社にとどまっていたらできなかったことではないかと思います。

<将来性で新規事業をマッピングし印刷業の未来に挑戦する>

○新しく策定された個別の業務領域に対しては、従来とは異なる付加価値を持たせていくことが大切だと思われます。その点は、どうお考えですか。

●コンテンツの創造、ドキュメンテーション、配信デリバリーという各フェーズの中では、業務としてオペレーションの提供があげられるでしょう。写真、イラスト、編集、デザイン、校正、印刷といった付加価値ですね。

ではノウハウの部分はどうなのかというと、マーケティングとかDTP ソフトの制作、それにDTP スクール、サポート、システム・インテグレーション等々です。もちろんすべてを、今すぐにやるわけではありませんが、将来的な事業例として考えられると思います。
(チャート2.参照) http://www.dgcr.com/kiji/19990803/img/chart2

こうした新しいパラダイムをすべてカバーできれば、印刷の将来はすごく明るい、という認識に至るわけです(笑)。

○その事業領域のすべてを、恒陽社としてターゲットとしているわけですか。

●ターゲットとしてはいるけれど、まずは局地戦で勝たなくちゃいけませんから、優先順位付けはしています。戦略事業体としての一番のターゲットは、やはり商業印刷です。私たちの商売の一番大きな部分で、いま100 億プラスのビジネスになっています。これを基盤に次の分野を拡張します。

まずマニュアル制作を早く第二の柱として伸ばしたいですね。その次が流通事業+フルフィルメントで、順次デジタル・デザイン、コンテンツ・クリエーション、ウェブ、ネットワーキング、ソフトウェア、SI事業と展開中です。これらのビジネスの相関関係から、ここまでいったらこれをやろうという対象をマッピングしました。

○ただ印刷というのも古い業界ですから、古い体制や慣習をそのまま引きずっている分野も多々あります。新しいことを始めると、いろいろと障害も出てきそうですが。

●現在、印刷の受注がどうなっているかというと、受注件数は実は増えているんですよ。だけど売上げは横這い。利益率は極端に下がっている。つまり仕事量が増えて、一件あたりの単価が下がっているという、非常に芳しくない状況になっているわけです。営業力があればあるほど苦しくなる。

そういうことを考えると、もう紙の印刷は格段には増やせないし、人を増やすこともできません。たしかにいろいろな考え方があっていいと思います。ある会社さんは大きな機械を入れて、大きな仕事をとって、下の仕事は切ろうという動きに出ています。別の会社さんは大手の印刷会社の下請専門でやろうとしているし、出版だけに特化しようとか、漫画だけとか、いろいろなアプローチをしているようです。

そして恒陽社としては、広い意味でのパブリッシングの意味を全部とらえて、できる「知恵」の部分でのサービスがたくさんあるのだから、いくつかの事例を上げながら検討し、ターゲッティングをしている段階です。裏を返せば投資対象をハードではなく「ヒト」にして行こうということです。
(チャート3.参照) http://www.dgcr.com/kiji/19990803/img/chart1

<インターネットはOne to Oneコンテンツ>

○パブリッシングも、従来はマスメディアが大きな対象でしたが、たとえばインターネットの登場によって、 One to One 的な活用の仕方も考えられると思います。パブリッシングのパートナービジネスを進めていく上で、この点はどうお考えですか。

●マスマーケティングは、ますます実効性を失ないつつありますよね。確実にOne to One になっている。これをパブリッシングビジネスとして、どう実現していくか、現在社内でも討議しているところですが、やはりインターネットでしょう。

インターネットならお客様と対話ができますし、本当のニーズをつかむためには、インターネットが最も有効であるという認識です。だから One to One パブリッシングの仕組み作りのお手伝いをすることも私たちのビジネスになりうるでしょう。

恒陽社自身でも、ソフトウェアの販売において、本当に使われている現場のニーズや要望を拾っていくためには、そういったツール・手段を使って行くしかありません。そうしたニーズが上がってくれば、私たちはそのニーズを反映した製品なりサービスを作っていく。そういったことも考えています。これは実は商業印刷でも一部兆候が出ていることでもあるのです。

○今年、アメリカではインターネットで 90 億ドルのマーケットが生まれるなど、大きな動きになっています。今後は商業印刷のパブリッシングは急速にネットに移行していくと考えられます。その時、印刷会社が提供できる付加価値とは何でしょう。

●おっしゃるように、とくに従来のカタログなどは、今後ますます紙から紙プラスネットになっていくでしょう。その時、私たちは何ができるのだろうかと考えると、紙を専門にしている会社は無理ですが、メディアの加工を生業としているというスタンスを持っていれば移行できるはずです。しかもレイアウト、写真、スキャン、データベース、CMYK変換、色校正、解像度等々、ノウハウはすごくあるのです。

では、「ノウハウを印刷の現場に提供するための経営施策」は何かというと、「ノウハウを形にする力」、つまりドキュメンテーションなのです。職人さんのノウハウなんて紙に載っていませんから。それから「システムデザインをする力」ですね。これらを形にすれば、上手くいくと思います。ノウハウを一般化することによって、ビジネスにつなぐことができると考えています。絵を描く力を持つことでしょう。

○私の知っている限りでは、多くの印刷会社さんは、インターネットに及び腰というようにも感じるのですが。恒陽社は違うということがよくわかりました。

●われわれは及び腰ということはないですね。先ほども申しあげたように、パブリッシングという定義を比較的早めにしておいたので、困ったという感覚はないと思っています。印刷会社は、以前は紙しかなかった。今やディスクやネットワークが出てきた。その瞬間に、私たちのビジネスが格段に広がっていくと捉えています。

http://www.lifeserver.co.jp/


○最終的に、印刷業が今後とるべき道は?

●パブリッシングの入口であるクリエイティブの要素もないといけないし、私たちの商売で言うと川上の部分を強化する必要がある。そしてそのためにはツールが必要ですし、ソフトウェアの教育、ハードウェアやシステムも立ち上げなくてはいけません。また、一方で川下の部分、いわゆるフルフィルメントやEコマースといった部分に取り組むこと。

こうした新しいパラダイムのサービスや製品群を受け入れるためにも、恒陽社ではデジタルスタジオやEP、SI事業部を設けたり、デリバリーとしてのネットワークに手を出したりしているわけです。またKGA やCPL の存在は、今後恒陽社が新規事業を進めていく上で、ますますその役割を増していくでしょう。

<海外との太いパイプが、グローバル・ビジネスを加速する>

○恒陽社は、DTPの定番ソフトである QuarkXPress の販売代理店でもありますが、Quark社との関わりはいつ頃から始まったのですか。

●私の友人で、アメリカではじめてDTP をビジネスにしたことで知られるテック・アート社社長のダイアン・バーンズという方からある日、電話がかかってきたんです。「ある会社が日本でもソフトを売るのだけど、相談に乗ってやってくれないか」という内容でした。そオて会ったのがQuark 社の代表取締役兼CEOのフレッド・エイブラヒミ氏でした。
(フレッド・エイブラヒミ氏と福田氏)
http://www.dgcr.com/kiji/19990803/img/FandK2

まだその時、バージョン2が出たばかりの頃で、とにかくなにが問題なのか、などに関してじっくり話し合いました。当時DTP でデザインする人は増え始めていましたけど、印刷会社でDTP の受け皿を持っているところは非常に少なかったのです。そこからお付き合いが始まり、お互いに行ったり来たりする関係が8年くらい続きました。

昨年春、サンフランシスコにあるKGA が、Flashpix を使ったQuarkXPress用のエクステンションを開発しまして、QuarkXPress にバンドルしたらどうだという意見が出ました。それでサンフランシスコからフレッド社長に電話をしたら「彼もいまサンフランシスコに行っている」という返事でした。

「じゃ、福田から電話があったと伝えてくれ」と頼んでおいたらほんとうにすぐに電話がかかってきて、「すぐ会って飯でも食おう」ということになりました。それで2時間くらい車を飛ばして、カーメルにあるクリント・イーストウッドが経営している牧場で食事をしたんです(笑)。

そこでフレッド社長から「Quarkを売ってくれないか」との申し出がありました。「喜んで」と返事し、その場で話が決まったというのが経緯です(笑)。

QuarkXPress を売ってくれ、エクステンションもバンドルしよう、その上日本国内でQuarkXPress のマニュアルや箱などの印刷もやってほしいというので、それも引き受けました。「以前からずっとやってもらいたいと思ってた」などとおっしゃる。Quark 社は、みなさんそうですが、フレッド社長は気さくな、すばらしい方ですよ(笑)。

http://www.quark.co.jp/products/xtslist_1.html


<顧客のパートナーとして、新たな産業の創出に向かう>

○この不況下、新産業の創造や、雇用の創出という意味でも、デジタル・パブリッシングという情報ビジネスへの挑戦は、意義深い試みだし、期待もできると思います。

●確かに広い意味でいえば、新しい産業を生んでますよね。そういったものが出てくることで、新しい仕事も増えている。私は資本主義者ですから(笑)、新しい仕事が増えて、たくさんの人間が飯を食えるようになるのはいいことだと思ってます。新しい産業を生むというのは、社会的にも大きな貢献だと思います。

○それでは-最後に、読者へのメッセージをお願いします。

●恒陽社がやろうとしているのは、新たなパラダイムで、「パブリッシングに関わる業務に携わるすべての人たちに対し、なくてはならないパートナーになる」ということです。

そして、「なくてはならない」というのは何なのだろうかということを絶えず考えて、すべての社員が仕事をしています。ですから、私たちがご協力できることをどんどん要求していただければ、それに対するソリューションを必ずご提供いたします。ご期待ください。

○今日はどうもありがとうございました。

【インタビュアー:井手和明】
総合雑誌編集者、IT関連中心の企業広報制作等を経て、現在はフリーランスライターとして、IT 関連の雑誌記事、単行本の企画・編集・DTP、および各種セミナー講師、ウェブショップ構築のためのコンサルティング活動に携わる。著書に『One to One:インターネット時代の超マーケティング』(共著、アイ・ディー・エル)、『インターネット お店・会社の作り方』(西東社)、『快適モバイル宣言』(ソフトバンク)、『横浜的電脳』(横浜ブックレット刊行委員会)他がある。

・本日は一点豪華主義でゴー! 感想をお寄せください。(デジ栗)

・福田さんは日本のDTPの草分けの人。何度か講演を聞きにいったことがある。 日本のDTP はだいたい10年の歴史があり、わたしは最初からウォッチしていたが、恒陽社グラフィック事業部は最初から先進的だった。井手さんのインタビューはさすがに核心をついていて、現在の恒陽社の姿がはっきり見えてくる。なにかと沈みがちな製版印刷業界にあって、この前向きな明るさというのはとても快い。こういう会社とお友達になりたいと思う。(柴田)

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■編集後記(8/3)
・妻が勝手にミラクールドギーマットなる愛犬用ひえひえマットを通販で買った。風呂に冷たくきれいな水を張って、浸すこと1時間、その後水気を切って室内で乾かすこと30分、これで愛犬は暑さ知らずだぜ!という製品らしい。だが、なかなか乾燥しない。乾燥しない状態で使用ということか。居心地よくないと思うがなあ。案の定、ハニー号は見向きもせずに、わざわざ避けて寝ている。一緒に買ったらしいグルーミング用のミラクルペットグローブなんかは、手にはめただけで逃げていく。おいおい、1万3千円が~(泣)。(柴田)

・男と女の間には深い河がある、だったっけ。なんか最近とくにそういうのが周囲で起こることが多くて、実感していたりなんかする。ど~してわかんないのよ! 私は女なので、女の子の微妙な気持ちは有る程度理解できるので、男の子たちの女の子に対する理解度の低さに呆れてしまう。ど~してなのよ。彼女の態度をどうやったらそんな風に読みとれるのよ。もう。まぁ、男の側から見たら、どうして女ってのはこうなんだよ、と思っていそうだけど(笑)。人間レベルの理解度だけでは計れないような男女独特の理解度というか温度差ってある気がするんだよね。その上に個体差が積み重なるという感じ。逆に個体差の上に社会的常識が積み重なるのか? 私、若~い。(hammer.mule)

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