2024年12月11日オスロでのノーベル平和賞授賞式での日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員・田中照巳さん(92歳)の演説は、ノーベル賞受賞の場であっても肩をはらずに自らの少年期の被爆体験もまじえて平易に普通の言葉でわかりやすく、格調も高く好もしいものでした。演説の中で田中さんが2度繰り返された文言が強く印象に残りました。「日本政府は一貫して国家補償を拒み、放射線被害に限定した対策のみを今日まで続けております。もう一度繰り返します、原爆で亡くなった死者に対する償いは日本政府は全くしていない」と。被爆で亡くなった人を含めた被爆者に対する保障体系の不備と核兵器禁止条約を批准できずにいる日本政府への痛烈の批判の言葉として私は聞きました。私は田中さんの演説を聞きながら私の父の事を想っていました。1954...[Ⅹ324]世は進歩しつつあるか(2)/人間は退歩する!