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喜寿の釣り日記 https://smogeru2020.seesaa.net/

春はフライフィッシング、夏は鮎釣り、秋、冬にはキスめがけて投げたりしながら余生を凌いでいる喜寿ジイの釣り日記です。

現役を退いて、高校の同級生ら気の合うトモと釣りをしてきましたが、高齢で病を得るものも出て、今は独りで釣ることが多くなりました。 いきおい、記事も近場の釣りだったり思い出すことだったり。それでも読んで下さる方がいらして、そんな深い愛を励みに綴っています。

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2020/06/04

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  • 久しぶりの山陰で独り。

    久しぶりに山陰を走った。山陰といっても山口県の途中までだが、でももう風景はすっかり山陰である。山陰の冬は風も潮も乾いて苛烈で、鉈に打たれるようだと漁師から聞いたことがある。 この日は陽が射す時間が長かったが少しでも翳ると風がサブイ。この時期の北西の風は大陸の寒気を背負っているので冷たさに容赦がない。

  • 新春を寿ぐ孫とジイちゃんの初釣り。

    正月、東京の孫娘を連れて釣りに行く。前々からの約束だった。 除夜の鐘を撞く順番、ヨロシク。 小学生だから波止からのサビキくらいになるけれど…

  • ボスという病。

    先達の後をよちよち追いかけてその都度あれこれ教えてもらえればこれがサイコーの鍛錬になるのだが、先達にも都合があってそうこちらの思うようにはいかない。それにこの歳だし、うるさく言わ…

  • 禁漁期、ハヤを釣っていて山女魚が釣れたらどうなるんだ、の巻。

    この時期のフライ鍛錬でターゲットはハヤなのだが、もし山女魚が釣れたらどうすればいいのだろうか。 懇意の漁協氏に聞いてみた。 福岡県の山女魚釣りの遊漁券は年券で、理屈としては今年いっ…

  • 響灘で年越すつもりか冬のキス。

    年寄りだらけの町内に新しく若い夫婦が引っ越してくることになった。 長い間空き家だったお隣の土地に新しく家が建つ。朝から建設の槌音が響き、大工たちの快活な合図のやり取りが聞こえて気分も爽快になる。ジジババむさい通りがちょっぴり若返って、これからずーっとよろしく、という気持ちでいっぱいである。

  • 冬の運河でプリプリのキスを掛ける。

    先日夜釣りに行った時、真夜中に真っ向の風吹き荒ぶ波止際でキスが食ってきた。こんな時期のこんな時に一番ふさわしくない魚だったので驚いた。 それで、もしかしたら響灘にキスは落ちずに残っていると思って、いくらかでも掛けることが出来たなら、最近の不調を一気に挽回出来ると勇んで運河に向かったのであった。

  • 不幸せ続きの喜寿ジイさん。

    先日、佐賀県玄海町の仮屋湾筏に行ってきた。結論から言うと散々だった。小さい、といっても北九州ではまあ大きいのではないかサイズ、のが二匹とカイワリが五匹。 誘ってくれた友はというと尺アジ十匹。これでも少ないとぼやいていたが。

  • ストリーキング、ウナギ、ピスチューにバナナの父さんのことなど。

    終活ということでもないけれど終いごとがあって中国地方の都市へ行った。学生を過ごした地で家内の故郷でもある。 街を東西に走る大通りを歩いていると、たたずまいは意外にも変わらないまま残っていて記憶に触ってくるものがある。 私がいよいよ卒業ということで後輩たちが宴を持ってくれた。同級生はというと、みんなとっくに卒業してしまっていて誰もいない。 さて会場の学生寮で待っていても誰も集まらない。時間を守ら…

  • 宮崎県、西米良村に虹鱒を釣りに行く。

    立冬。 久しぶり師匠との釣行である。目的地は、西米良村冬季ニジマス釣り場で、昨年と今年と二度目になる。 朝一番乗りだったが後から後から釣人が湧いて来る。 橋から覗くと魚はいるが昨年より小さいし数も少ないようだ。 ロッドは伝家の宝刀R・L・W。9ft3番を継ぐ。師匠は準備もせず、まだゆったりコーヒーを飲んでいる。

  • ヒロシと井伏鱒二。

    「ヒロシのボッチキャンプ」の初まりの歌を聴いて、いい気なもんだと思った人がいたら、それはもう立派な仕事ニンゲンということになるのではなかろうか。仕事ニンゲンは、会社ニンゲンと言い換えてもいいけれど、やっぱり最良の仕事の日の方がいいに決まっている。 井伏鱒二が『釣魚記』に「その頃は釣りをしている自分はこんなことをしてはいられないという気持ちになった。それは聊か物悲しい気持であった。」と書いてい…

  • 響灘でキス漁をする。

    キス天が食べたいという友達に、そんなら食わせてやろうじゃないか、と漁に出かけた。収獲を目的にする釣りだから、これはきっと漁なのだ。 運河で廃油流出事件があったので、時間が経っているとはいえ、食べさせてやるならちょっとでもきれいなのをと思って、それで響灘に突き出たムフフの波止場に行ってみた。

  • 清浄の秋の運河でキスが泣いた。

    久しぶり風がやみ海が落ち着いたので運河に行った。 空は明けかかって潮は凪ぎ清浄、運河は安らかさの中に横たわっていた。 さていそいそ準備して抛る。竿は磨いたばかり、ラインも新しく0.…

  • 小さくても大を兼ねるハゼ釣りで腰養生に励む。

    フライの鍛錬で滑ってこけて、ジワジワ腰に痛みがのしかかりだした。こんな時は、家でじっとしているより少しでも歩いたほうがいいに決まっているので、釣りに行くことにした。 朝まだ暗い内に家を出る、競技場や球場のある広い公園ではもうすでにコンテンポラリーが三々五々どころかウジャウジャ飛んだり跳ねたりしている。 諸行無常のはずなのに朝の来ない夜はない、と書いた人のおかげ、かどうかは分からないけれど、各々が…

  • ニュージーで最悪の釣の日を夢見ること。

    「最良の仕事の日よりも最悪の釣りの日の方が、さだまさしである、まだましである。」という言葉がある。少しわざとらしいが、ニュージーランドのものだという。 昔、仕事でニュージー、通はニュージーと言っちゃうけどね、に行ったことがある。 オークランド空港に近づくと、飛行機は機体をフワフワ揺らしながら海から滑走路へ降りて行った。飛行場のある湾内では何艘かのボートが釣りをしていたのだが、車輪が…

  • 玩物喪志、其の六。フライ竿のこと。

    舶来ロッドは金をはずめばはずむほど良いのが買えるということだが、本邦にはそんなにはずまなくても良いのがある。 ヤマト7ft2/3番を上流の遡行に使って重宝した。なんだかキャストがうまくなったと思わせられてうれしい竿だった。だが粗相をしてしまって、渓から上がる、車の屋根に置く、知らずに走る、気が付いて後戻り、地面に落ちた竿を轢く、をやらかしてしまった。 他に同じヤマトの8ft2/3番とバンブーの7ft3…

  • こけつまろびつしてハヤに笑われながらもフライ鍛錬に勤しむ。

    ヤマトロッド8ftを手に入れたので試しに出かけた。河内ダムのインレットでオフの鍛錬の場である。 秋で雑草が後退していくらかは渡渉しやすくなったが代わりに薮が育っていて、森のトンネルに阻まれながらの釣り上りになった。

  • 出る杭は浮かれる秋の海、ウキ釣りで鯵を狙う。

    秋の空がカキーンと晴れ渡ってもうジッとはしておれず若松の釣り桟橋に浮かれ出てしまった。

  • 彷徨か徘徊か、秋の響灘を右往左往する。

    もう海ばっかしのGチャン、響灘のどこの海も秋風が吹き募っていて、日本の空気は酸素と窒素と寂しさから出来ていると誰かが言っていたけれど、まこと、寂しさだらけの秋の海でブン投げたのであった。

  • 投師の肖像。

    投師は一目でわかる。クーラーを見たらいい。竿立てにサイドバッグと必要最小限で十分な道具を揃えて砂浜にいる。バッグは小さくても簡素な形に意外なものが様々ひそんでいる。 大きさは違うけれどなぜか時代劇に出てくる天秤に屋台を下げた蕎麦屋を思い出してしまって、蕎麦屋は客を求めて投げ師はキスを求めて歩くのである。 本物の投師は竿もリールもいいのを使っている。投げ一途に打ち込んで他の釣りに気を移すことをし…

  • 心変わりの秋の海でブン投げる。

    ウスボンヤリ庭の彼岸花をみていたらふと浅川マキを思い出したので口ずさんでみた。 昔のことは忘れたよ、山女魚のことも忘れたよ、 夏の光が溶けてった、山女魚の瞼も乾いたろ。 あ・れ・だ・け、フライに執心して日常を踏み外しかけていたのに、禁漁になるやいなやイソイソ海へ走って今度は海で狂いだす。 それでまたもや運河。赤く輝いて引き締まった朝がそろそろ潤んでほのぼの解けかけた頃に着く。

  • 秋来ぬと目にはさやかではない五木で暦の秋をフライで釣る。

    先日、能登に被害をもたらした雨が日本海へ行く前に九州にも降って、雨の間、文字で気持ちをつないでいたけれど、魚の影ばかり追っていたって仕方ないじゃないか、と雨風が途切れるやいなや五木に走ったのであった。もちろん、本を開いている間、影は事物そのものになってライズしたりフライを追ったりして釣人をそそのかしていたのである。 先々週、五木で有終完美なんて吠えていたけれど、なんがやろか、やっぱり往生際が悪い…

  • 故郷の鮎。

    故郷の町で働くことになった。故郷は四十年ぶりである。 鮎釣りをする者は、通勤途次でも橋を渡る時なんとなく川見をしてしまう。鮎なんかいないと分かっていても、である。 ところが、なんと故郷の町を流れる大川、遠賀川のことを町ではこう呼んでいた、に鮎の喰み痕、らしきものが残っていたのだ。夏休みが始まったころのことである。 少年の頃の川は、上に大きな炭坑が控えていたので時に選炭の水が流れ込みドロドロの…

  • 残暑の五木で有終完美。

    一日目、午後、五木のダムに注ぐ支流の渓。 崖崩れで長い間通行止めだったがようやく工事も終わった、その間釣人にさらされていないはずで勇んで渓に降りたけれど、土砂が底を覆い虫も鳥も魚もいなかった。

  • そうだ、ボンバーロッドもあったぞ、というバ行段違い語の新たな発見に大きな喜びを感じながら釣りに行く。

    台風でニュースに挙がった由布の川が気がかりで釣具店に電話してみるとオバちゃんが出た。台風は大丈夫、釣り人もいる、水が引き始めた明日ぐらいがいい、という。よし、バンブーをボンバーとして炸裂させてやろうじゃないか。

  • バンブーロッドとビンボーロッド、バ行の段違いでこんなに変質してしまうのかと驚きながら釣りに出かける。

    バンブーロッドを手に入れていたので試しに台風一過、水も引きかけていい頃合なので出かけてみた。トニー・カーティスクリーク、豊前の天狗様の川である。 素振りの時はドロンドロンのアランドロンだ…

  • まっ先に憂(うりょ)う釣場の野分かな、と駄句をひねって嵐の夜は更ける。

    夏はベストが煩わしいので小さい鞄にあれこれぶら下げて瀬を渉っている。それで鞄の帯に付けるDカンがないかと探したらティムコにあった。 もう一つ二つ欲しかったけれど一個千いくらで、…

  • 夏山女魚と哲学者。

    未明、ウスボンヤリ皿倉に懸かる月を見ながらショーベンしていたら哲学者になった気分がする。ショーベンハウエルだね。 川べりで準備にかかる。皿倉と同じ月が…

  • 暴飲暴食鮮(すくな)し仁、の運河物語。

    お盆は釣りに行かず地獄の釜の蓋が閉じるまでひっそり家に籠ってただ飲んで食って余生の温存に励んでいた。 そういうわけで、お盆が明けたので早速運河に出かけた。 あの自動認証でいくら顔をかざして…

  • 玩物喪志、其の五。

    新しい竿を持って釣りに出かける。 入魂式なんて言う釣人もいて、魚を掛けて魂が入り、今や命が通いだした竿は、以後触れるたびに取りも直さず自分のような気がして、たとえ釣れなかった日が続いたとしても腹を立てて叩き折ってしまうなんてことはズエッタイしないのである。

  • フライジイちゃん三人で大分を荒らす。

    七月二十日の湧水の川にまた行った。今回は一人ではない。 昔何度か通ったことがあるという師も一緒、私の話で昔を思い出した、それじゃあ一丁行ってみるか、という次第である。 師とそのお友達の副師匠と私の三人で3時出発、5時過ぎ到着予定、夏山女魚は朝まずめのほんのひと時が時合だ、ということで急いだけれど、忘れ物やションベンタイムに手間取り渓に降りたのは7時過ぎだった。

  • 「不幸な者のいるところ、あまねく神は犬を遣わされる。」

    面白い映画を観た。「DОGМAN」という題だった。 犬の映画によくあるように、人と犬が相通じ合って人が犬の力を借りて愛だったり復讐だったりを遂げたりするわけで、筋としては退屈だった。でも、役者とか映像の力で映画がちょっと上等に出来上がっていて最後まで観てしまった。 あとで知ったことだが、監督がリュックベッソンで、なるほどなと納得させられた。

  • 夏山女魚、一里四五匹、川辺川。

    二泊するのも今は結構キツイ、五木も暑くて三日はもたない。腰にヒビが入りかけ気力に食い込まれる前にサッと引くのである、それで今度は一泊にした。 朝、ゆっくり家を出て昼過ぎに五木へ。 五木へは二本杉、朝日、笹越、子別峠、大通の峠越えがあって高速から道も広い大通峠がいいのだが、この日はようやく工事が終わった二本杉から下りることにした。 嘗ていい思いをした瀬を観察してまわって、ここぞの川で薄暮の瀬を狙…

  • 大暑の山国川は土用隠れだった。

    ラジオから、今日は大暑、暦の上では一番暑い日です、そしてやっぱり本当に暑いです、と聞こえてくる。 運転していてクーラーも効いているのにウスボンヤリ、はて今日はフライをしに出かけているのか鮎釣りなのか分からなくなってしまう。

  • 湧水の川でフライ行脚、それにしてもア・ヅ・イ。

    豊前四川で出合った餌釣りコンテンポラリー、下流の落ち込みでいいのが釣れたと見せてくれた。おう、嬉しがらせてくれるじゃないか、きっといつかは私にもと希望が湧いてくる。 岸辺に座っ…

  • 風の玄海灘、雨の響灘。

    大海原で投げてみたくなって三里松原に行った。久しぶりである。 早朝、雨雲に覆われて浜は空も砂も湿って重い。鬱々とした天に向かってブン投げるのである。 …

  • 梅雨にも負けず、独り運河で吠える。

    先に大雨が続き、次は強風、川はまだ落ち着かない。川が荒れりゃあ海、ということでまた運河に行った。 岩屋から三里松原、新松原、さつき松原、勝浦、と響灘から玄海灘にかけて良い釣り場があるのだけれどこの日も安近短の運河なのである。

  • 梅雨の中休み、豊前四川でフライフィッシング。

    豪雨は豊前を避けたか、清浄の水はやや嵩を増しただけでたっぷりと瀬を覆っていた。

  • 梅雨最中の運河で吠える。

    梅雨空の下、たっぷり水を含んだ空気が垂れ込めて手でグルグルかき回したらしとど雨になって落ちそうな気配であった。 またまた運河。ちょっと具合がいいと、繰り返しの向こうに未来がある、なんてうそぶいて通い詰める、山国もそうだった。淫するともう情熱ではなく病である、けれどちょっと明るい病気ではある。

  • 梅雨のフライフィッシング。

    マジ、渓に行くというと熊本五木あたりになってしまう。 宮崎の五ヶ瀬川も案外近いと分かってここにも何度か通った。だがそれも昨年までで、日之影川で一度きりのライズを掛けただけで終わっている。

  • また山国川へ。本流で洞門鮎を掛ける。

    またまた山国に出かけた。 釣行が重なると、どこからどこまでが病でどこからどこまでが情熱なのかよくわからなくなってしまう。 本流にも鮎。 この日は本流で…

  • 山国川解禁釣行。

    解禁を迎えた山国川に行った。山国川の解禁日は他よりちょっと遅れて10日である。だが本流の、馴染みの瀬で去年の夢をたどってみたけれど超絶スカタンの憂き目にあった。どこにも魚がいないのである。

  • あの子誰の子。

    テレビじゃ猫も杓子も出てくるたびに顔貌が激変して、これは誰だ、と思ってしまう。整形外科のことをプラスティックなんとかと言うので、ははあ、鼻にプラスティックを詰め込んだりするので、そう言うのかと思っていたけれど、美容整形ではコスメティックというのだった。

  • またまた性懲りもなく運河でシロギスを狙う。

    同じことの繰り返しのうちにちょっと未来が顔をのぞかせることがあるそうで、それならとまたまた運河に行ってみる。 いい季節になって運河にははや二人の投げ師、二人とも還暦くらいの若造で…

  • 祝、鮎解禁。

    ほぼ全国で鮎釣り解禁、で豊前四川の祓川に行った。一番近い鮎の川である。九州では無名河川と言ってよい。 8mの竿でも向こう岸に届いてしまう川幅だが、他に争うような釣り人もいず、ゆったり瀬を占めることが出来る。魚はただ小さいというだけで、わが縄張りを侵した鮎には相応の反撃を見舞って、ミニマム王者重岡並みの戦いぶりである。それに美味い。

  • 川辺川の五木辺りでフライ。

    川辺川は球磨川の支流であるが、その川辺の支流の五木小川の、そのまた支流に行った。大通峠から湧く川で、ちょっと秘境めいたところだ。 昨年終盤、極豆ヤマメが釣れた瀬である。1年経てばもう一尺ほどに育くまれておるぞ、とワクワクしながら瀬に降りたけれどやっぱり釣れたのは極豆ヤマメばかり。昨年の夢を今日も見る。

  • 高津川遠征。

    いい映画を観た。 イーサンホークとルトガーハウアーが二人並んで釣りをしている。ルトガーが言う。魚は人の内から光るモノがわかる。それがお前には無い、だから釣れないのだ。それは俺のような老人にしかないモノだ。なんていうところがあってたまたま観たので文脈は知れないけれど、ちょっと嬉しがらせてくれた。

  • 玩物喪志、その四。

    「亡国のスパイ」というテレビドラマがあった。 内容は退屈だったが終話まで見てしまった。何が面白かったかというと、スパイが飲むウヰスキーグラスがどれも丹精のこもった逸品に思えて楽しませてくれた。これも演出なのだろうけれど、グラス一つ一つがこっそり伏線になっていたりして、グラスが登場するたびに立ち止まってしまう。 そういう小道具の細部には何か深い考証が極められていてようでドラマの展開以上に楽しませ…

  • 初夏の運河にキスは戻っていた。

    日本中がGWで沸き立っているので古希ジイも人波の坩堝の中で沸騰してみたいと海へ行った。もちのろん、ブン投げに行くのである。 目指すは山陰の砂浜、毎年この頃からシロギスがウジャウジャ押し寄せてもう魚だらけというありさまで、ウホウホ、の予定だったけれどどっこも人もいなければ魚もいない。

  • ジイちゃんと孫娘が「バカ」な話をする。

    テレビを視ていると、釣り人が「バカかお前」と呼ばわった。バカ呼ばわりを聞いたのはこれが二度目で、これだと他にもあったかもしれない。同行の釣り人にもスタッフにも言った。 一緒にいた孫娘、言った方もそうだが言われた方もニコニコ笑って、なんか好かん、と言う。 バカと言われたってテレビに出たい、出てちやほやされたいという人がいて、それだとニコニコしていられるかもしれない。もしかしたら彼らには深くて強…

  • タイガージェットシン。

    見ましたよ、タイガージェットシン、馬之助と一緒にね。 プロレスには全く興味がなかったけれど、まあ面白いからと会社の後輩たちに連れ去られタクシーに乗せられて若戸大橋を渡って、今は区役所になっている若松体育館へ行きました。 もう40年も前のこと。

  • 豊前四川、藤真っ盛りでフライの季節だ。

    五木は藤の真っ盛り、そして豊前四川でもそうだった。魚は催促されたようにフライを追って来た。数は少なかったり小さかったりするけれど、自身の腕と運のことを考えると文句はない。 登山道…

  • 久しぶりの海は楽しかった。

    五木から帰って薄ぼんやり追憶に耽っていると、皿倉山が海に行ってみないかとささやく。そうだった、ジイちゃんには海もあった。投げ釣りの身軽さ、パッと海へ、それでカーティスシーの運河へ行った。

  • 五木村、藤爛漫の釣行。

    解禁釣行の時、相良を流れるこまい川でちょっと楽しい思いをしていたので今回はこの川から始めた。 藤、繚乱。いよいよフライの季節だ。 身支度し…

  • 山国川、京築三川て修行する。

    先日、師匠の家へ。 丹沢の一匹、こけてネットを傷めたこと、グリパラで掛けたことなどを報告した。 そうしたらやっぱりネット枠をくれた。もう使わないからといってハサミ、フォーセップもくれた。私のグリパラを見てちょっとメリハリが足りんといってグリズリーもくれた。手ぶらでは帰さんところが師匠らしい。

  • 戻って来た鮎の川。

    平成の中頃から高津川に通いだした。二百キロの高速を朝駆けして2時間、インターを降りてすぐの上流域からが釣り場である。 初めは放流魚、それがひとしきり釣り人を楽しませてくれた後、お盆過ぎから次の鮎が海からやって来る。時々山女魚も掛かってこの川が本物の清流であると気づかされる。

  • 丹沢でフライフィッシング。

    丹沢湖へ出かけた。タンザワ=フライという裏も表も一緒くたになって名所巡りのお上りさんを刺激する。 57もの橋が架かってい…

  • ひょっとしたら犬を飼っている人に読んで頂いていいかもしれない、というお話。

    久しぶり新幹線に乗った。 途中大きなバッグを抱えた女の子が乗ってきたのだが、なんとその中に犬が、それも二匹。新幹線が動物同伴可とは知らなかった。犬だと後で気がついたくらい大人しい犬だった。 春休みですぐに席がいっぱいになった。東洋西洋入り乱れて、このまま海に漂えば国籍不明船として撃沈されるに違いない。

  • 解禁ブルー最終章、スカタン続きに四の五の言いながら京築三川で解禁期を締めくくるというお話。

    一昨年、昨年と解禁を日之影川で迎えた。昨年は結局一回ライズがあってそれを掛けたという僥倖の一瞬のみだった。

  • 五木村解禁物語、(その三)。

    さて、三日目、最終日。 一日目と三日目は移動だけに当てているのだが、一日目は前夜から超睡してよい朝を迎えていたので老体もしっかり立ち上がって釣りに向かうことが出来た。一日目も二日目も宿でよく眠ることが出来た。晩飯食ってウダウダ酒を飲んでいるうちに寝てしまった。五木の温泉も効いた。ペンションでションベンにも起きなかった。ダハハ。 もう涅槃の準備に取り掛かっているのかもしれない、それで爽快に三日目…

  • 五木村解禁物語、(その二)。

    二日目。 今季初めての遠征なので昨年ちょっとばかり楽しい釣りをしていた瀬を巡ることにしていた。この日は栴檀轟につながる瀬である。午前の早い時間に着いてしまいサブイ。 昨晩の雨が雪になっていて瀬は冷たい、水温8度、気温は1度、空も水も人も一緒に震えている。魚もそうなのか、ここは橋からのぞいて魚が見えたらフライを追って来るのだが、やっぱりいない。

  • 五木村解禁物語、(その一)。

    一日目。 五木の道の駅で遊漁券を買う。 知事選の公示があったばかりで、ダムには反対と賛成、それに中立。中立とはどういうことだろうか。 五木の人は反対が多いと聞いているけれど、千年の自然より人一人の命と言われれば黙るしかない。

  • 解禁物語、人間兵器の安全装置が外れかかったけれど猪木に救われたというお話。

    京二川の、解禁日に餌釣りに先を越されていた瀬に行く。 今日は独り占め。昼、瀬は平水、水温10度。時折陽が差して気分も軽快である。 今日のウェポンはミッジニンフ、虫も飛ばずライ…

  • 解禁。

    あの、遊漁券の要らない、つまり漁協の無い釣り場の話は雨で流れた。それで一人で近場に行くことにした。実は師匠からの誘いがなかったら、ここに行くつもりでいた。ちょっといい噂を聞いていたのである。

  • 利き酒。

    梅が咲いて、地酒研究会から案内が来た。 長男が学生時代に学んでいたサークルで、その仲間が卒業して地元に残ったのが年に一度、新酒が出来る時期を見計らって、まるで七人の侍の盗賊のように酒蔵荒らしにやって来る。学生時代にワタリをつけていた酒蔵に集まってやっているのだが、利き酒会という名目で同窓会もやっているのである。

  • 解禁準備も佳境。

    師匠から電話があった。 解禁はどこか予定しているのか、熊本に行くが来るか、と聞くのでハイと答えた。遊漁券の要らないつまり漁協の無い川があるらしくてそこに行くという。大丈夫なのかあ。まあイエスがあってノーの無い世界だから仕方がない、ついていくしかない。

  • やっぱり響灘でブン投げてキャリアハイ。

    目が覚めると皿倉山が朝日に赫々と立ち上がっている。こらあ行かないかん、とそそくさ準備して走る。 前回荒れて出来なかった海だ。実績もある、といってもこの冬はせいぜい五匹なのだが。 …

  • ジイちゃんのアイドル、越冬キスは遠くへ行ったきり。

    夏のものとばかりと思っていた魚が、冬の鈍色の海からパッと輝きながら現れて、それを狙っているのに、やっぱり驚かされる。 それで、冬の海にキスを追うオッカケジイちゃん釣具屋でコケブを20g買う。餌を売っているくせに店員が、投げでキスですか、こんな寒い時に釣れるんですか、と聞いてくる。釣れるくさ、当たり前やないか。

  • 江の川のK君が亡くなったこと。

    全く釣れず岸辺に腰掛けてウスボンヤリ川を見ていると川舟が近づいてきた。私の座ったところが舫場らしい。腰を上げながら挨拶して言葉をかわした。そんなことがはじまりで親しくするようになった。 その日もK君の家に寄った。 いい時に来た。この前の雨で増水していたがやっと川も落ち着いてきた。それで鮎が動き出した。この二三日、誰も竿を出していない。今から夕バミが始まる。

  • ジイちゃんのアイドル、越冬キスは遠くへ行ったきり。

    夏のものとばかりと思っていた魚が、冬の鈍色の海からパッと輝きながら現れて、それを狙っているのに、やっぱり驚かされる。 それで、冬の海にキスを追うオッカケジイちゃん釣具屋でコケブを20g買う。餌を売っているくせに店員が、投げでキスですか、こんな寒い時に釣れるんですか、と聞いてくる。

  • 鮎とペディキュア。

    漁協から寒中見舞い状が届いた。読んでみて漁協が店仕舞ということを知らされた。 ずいぶん前のことだが、鮎釣りを教えてくれた大先生で高校の同級生が佐賀で小さい川を見つけてきた。確かめようと地図を広げても指が迷ってしまう。 天山からの湧水があるらしく土用の頃でも水は冷たい。直接海からやって来た鮎が秋口でも若いまま瀬に差してくる。 合歓の木、カササギ、赤とんぼ、川は魚だけのものではない。赤トンボの…

  • 響灘の越冬キス。

    久しぶり海に行った。 皆さんのお仕事が始まる頃に海に着く、気の毒なね、ダハハ。 風は南から東、それも強い。海を煽って波頭にウサギが跳び始め南でもコチでも冬だからやっぱり冷たい。

  • 能登あたりのこと。

    七尾に友達がいて、学校が夏休みになると家までついて行った。 窓の外には七尾湾、見ると大きなワタリガニが泳いでいる、それが夕飯になると湯気を立てながら山盛りで出てきた。母上はこんなものしかなくてと気の毒がっていられたが私一人で食い尽くすと毎日出てきた。 伝馬船で沖へ行く。竿は要らない、アサリを刺して透けた海に落とすとキス、アイナメが釣れた。タコも来た。糸を手繰って舟に放り上げる。みんなその日の晩飯…

  • 還暦の鮎釣り。

    年賀状に訃報で返って来ることが多くなった。 還暦の年に高校の同級生から電話があって、還暦祝いの旅行を計画している、十月にニ泊三日、担任の先生も生き残ったありったけが参加だという。旅行先は一日目は宮島、次の日は島根玉造温泉だった。 ずいぶん仲のいいことだ、一学年十一組、一組に五十六人の教室で粗末に扱われてきた思い出しかないけれど。

  • フライ鍛錬。

    新しい鍛錬の場所は城址公園。 麓の搦手らしき辺りから上り始めるのだが、これが急でゼイゼイ息が上がってジイちゃんの肺は大きく膨れたままなかなか収まらない。 それでもそのうち…

  • 犬を飼っている人は読まないでください、というお話、その2。

    前の記事の、犬を飼っている人云々を削除したのは、何かあったからではなく、もともと二三日で削除しようと思っていた。なんにしろ意地悪なことを書く場合、感情のねじれが裏にあるからして偏った言い分になるのは必定、それであの程度でパッと言ってパッと消えてしまえばそんなに角も立たないのではないかと思った次第であった。

  • 新年あけまして、響灘で越冬キスを掛ける。

    年末年始は籠城して釣り動画ばかり見ていた。それにも飽きて釣りに行った。あっという間に一升瓶分ブクブクになってしまった身体は重かった。もちろん狙いはヒュールリーの越冬キス。 キスは北部九州から次第に西と東に分かれて落ち始める。不思議なことだが東では寒いはずの山陰がいい釣り場となる。その原因を海が透明で陽が海の底まで届いてひっそり沈んでいた魚を温めにかかるからだと考えているけれどどうなのだろうか。…

  • 玩物喪志3。

    年末年始は本なんか読まずにほとんど釣り動画を見ていた。 この頃は胸に付けたカメラで撮っているのばかりで少し辟易させられる。酷いのになると、自撮りで画面いっぱいの顔がのべつしゃべりっぱなしである。日本のものだけでなく外国のにも多い、もううるさいのはご免だ。 臨場よりも、フライマンがどんな釣り方をするのか、つまり第三者の目からの方が楽しい。

  • 釣宿。

    五家荘とか五ヶ瀬とか、もう日帰りで行くわけにはいかないので泊まるしかない。それも年金者はチープトリップでいかなければならないのでそれで安上がりにキャンプをやろうとした。

  • アジングに投げ釣り、二刀流。

    先日、ウキフカセでアジを釣った時、次第に風が強くなって竿が煽られ釣りづらくなったので、ちょっとアジングをやってみた。 山国川で鮎の友釣りに挑んだあの還暦間近の若者にアジングを教えてもらうつもりで竿とリールを揃えていたが、結局その機会がないままだったのでいつか自分でやってやろうと思っていたのだった。

  • 玩物喪志2

    鮎竿は軽くて長いことが信条だから9mで200gちょい。そうだからか私の握力が強いのか二本も握りつぶしてしまった。どちらも逸走する鮎をためていたところだった。 二本とも保証期限が切れていたけれど一本は後の竿作りに活かしたいということでメーカーが気前よく替えてくれた。でも二本目はだめだった。期限が切れてすぐだったし一本一月分の給料がフッ飛んだじゃないかとちょっとブーブー優しく言ってみたけれどダメだっ…

  • 玩物喪志。

    1月に西米良へ行った後、ちょこっとオイカワ釣りに行ったっきり、後は近くの公園でキャストの鍛錬というフライライフだ。 オイカワを狙った時、鯉が泳いでいたのを見たので次はこれをフライで釣ってやろうと思って準備に取り掛かる。

  • 宮崎県「西米良村冬季ニジマス釣り場」で虹を追う。

    さて西米良村、早朝。すでにルアーもフライもいて各々励んでいる。 いそいそ身支度をして放流区域の渓に降りてみるといるわいるわ小さいのでも尺はありそうなニジマスがユラユラ群れている。 時々モッコリとライズしているのは水面下を漂う虫を喰っているのだろうか、だとしたらニンフあるいはソフトハックルがいいのかもしれない。指がどれか掴みかねていると目の前を小さな羽虫が飛ぶ、そうだそれを手掛かりにして18番ニンフ…

  • またまた運河でブン投げた。

    先日の運河のプチ幸せを確かなものにしたいとまた出かけた。 あの日は天気も良かったしたまたまいい潮まわりではなかったのか、近ごろ沖波止では青物の80㎝クラスが上がっているので、そんな大きい魚に追われてキスが運河で難を逃れていたのだろうか、あるいは今夏の酷暑が後を引きキスも冬支度なんて忘れてはしゃいでいるのか、いろいろと推してはみたが、やっぱり魚に聞いてみないとわからないという月並みな答えにしかたど…

  • カーティス運河にキスがいた。

    ニジマスの疲れからようやく回復して海を見に行った。思いっきりブン投げたかったので投げ道具を積んで外海の響灘を目指したけれど、この日は日曜で晴天釣り日和、どこも人ばかり。

  • 西米良に虹を見た。

    西米良村へ虹鱒釣りに行ってきた。 二泊して初日と三日目は移動、中一日を三日分詰め込んだフライ鍛錬の日としてしっかり楽しんだ釣行となった。 日券。

  • 寒風の中、久しぶりに楽しい釣りをする。

    未明、ションベンタイムで起きてそのまま釣りに行った。 釣具屋から若松でアジがポツポツ、朝夕のマズメ時にいいのが釣れていると聞いていたので、それじゃあ、ということになった。

  • 久しぶり面白かったフライの本。

    ヘミングウェイの長男、ジャック・ハドリー・ニカノール・ヘミングウェイが書いた「青春は川の中に」というのが面白かった。ハウツーもの以外で面白かったというのがあんまりなかったので久しぶりである。

  • 鯊、恩寵。

    鮎とフライの季節が終わって、さあ海、なのだが近場の響灘は不調でどうしたものか途方に暮町優子。やっぱり海を変えるしかないと思い決めて山陰へ行くことにした。 冬が近づくにつれ九州の北の端からキスは居なくなってしまい西海へあるいは山陰へと散っていく。これは投げをしだして気づかされたことだ。

  • 皿倉山が見下ろす運河で豆キスが笑った。

    糸を張り替えた。 0.6号の力こぶPEも一年使えばちょっと衰えて27号の竿にキッチリ27号オモリを負わせてブン投げたらブチッと切れて仕掛だけが飛ぶことがあった。それで今度は0.8号、冬の荒場に備えて強くした。これからはキスが好むのは起伏のある深い海で、ホイホイ投げてスイスイ寄せるというわけにはいかない。

  • 白島、地島、今はもう秋、何もいない海。

    秋の朝、まだ暗い寒い、若松白島フェリー乗り場、アジの大きいのがくるという噂なんか信じちゃいけないのにいそいそ出かけた。 誰もいないと思っていたらなんとウジャくらい釣人がいた。みんな無言で励んでいるけれどせいぜいフグが釣れるばかり。

  • ふた月ぶりにキスと逢った、落ち前のキスはアタリが強かった。

    フライも鮎も終わって、さあと気持ちを切り替えていたらあの還暦前の若造から、どこそこでまだ鮎が釣れていると連絡がある。覚えはじめの頃のあの往生際の悪さである。もう一人で大丈夫と言ってそのままほっといたら結局はどこにも行かなかったらしい。やれやれ。 まだ若いからいくらでも時間はある、でももういくらも残っていないジイちゃんは竿を持ち替えていそいそ海へ行く。

  • 今季最後の五木釣行、酔拳釣法で渓が笑った。

    残念ながら師は行かれぬということだった。それで釣りについてはあまり細かいことは言わない師だがいくらかでも為になる言葉を引き出したいので毎日釣りの様子を知らせることにした。

  • 読んでいただくのが気の毒な、釣れない喜寿ジイちゃんの「天才バカボン」にまつわるグダグダ話。

    山国川友釣りで二匹掛けて二匹ともばらしてしまい結局ゼロ、これで今季の鮎釣りは終わった。そして矢部川フライ釣行でスカタン、そしてまた若松の海釣り桟橋で狙いのアジはダメでチャリコオンパレード。

  • 矢部川のエンタツ・アチャコに涙雨降る。

    久留米に用事があって、ついでに矢部川でフライをした。遊びだからして「ついで」と控えめな言い方にしている。 早朝4時に家を出る。ラグビーも楽しみではあったけれど見なくても死にはしない。 福岡県内で渓流釣りの場所としては矢部川が一番である。それに繋がる清浄の支流がいくつもあって、それぞれに念入りに放流していてはたまったもんじゃないだろうから放流量はそこそこのはずだ。

  • ああ奥菊池・矢部川慕情。

    師と釣行、その二。 なぜか師と一緒だと雨、それでも出発となった。というのももう一人ジイちゃんを加えて3G、別の日に調整はきかない、と師が言うので決行となったのである。仕事もない年金ジイちゃん達にどんなスケジュール調整が必要なのか分からないけれど、とりあえず師がおっしゃるので出かけることにした。

  • ああ奥日田慕情。

    師とフライ釣行。 八月で釣期が終わる高津川でゴギを狙おうという予定だったけれど雨に風。レーダーではゴギの渓が激雨の雲を抱えている、風も山ごとなぎ倒しにかかっている。それで結局昼までは持ちそうな日田へ行くことになった。 道中雨がパラついて、スレきった夏ヤマメをフライに食いつかせるなら雨は好都合、とジイちゃん二人弾んで走る。

  • 山国川、ビギナーと炎天下の友釣りをする。

    暑いのに、友釣り覚えたての若者、といっても還暦間際の若造だが、とまた一緒に行くことにした。 オトリ屋が、450円のオトリ様を友カンに移しながら「雨で濁っている。鮎はいるから少しでも濁りの無い瀬を探して釣れ。」というので川見しながら上って行く。瀬に膝まで立ち込んで爪先が見えるようなら釣りになる、と橋から覗いては若者と評定。ようやくなんとかなりそうな瀬に辿り着く。

  • フライの本。

    図書館にフライの本が何冊かあって、昔借りたばかりで読んでなかった本があったので借りてみた。 でもやっぱり読まなかった訳がすぐにわかった。もうのっけから感傷オンパレード、センチメンタルジャーニーの固め打ち、センチのてんこ盛り、坩堝。

  • お盆明け、夏キスを目がけて馴染みの運河でブン投げる。

    地獄の釜の蓋が開くお盆は殺生してはいけない、きっと地獄の料理人ハンス・シュミットが待っている、あのバックブリーカーだけはなんとしても避けたい。とは言っても盆休みには血も滴る焼肉を食っているけれどね。 というわけでお盆が過ぎたので早速釣りに出かけた。投げ釣りで真夏のキスを狙うのである。

  • ジイちゃん、抗う。

    九州脊梁からほとばしる保護河川で川見をしていたら「釣れますか」と中国の史話に出てきそうな様子でフライマンが寄って来た。 他に4、5人いて話を聞いていると、この川に放流をしている、それも自腹を切ってやっていると言っていた。漁協の放流以外にまた新たに放流しているというとことか。

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