CFDをはじめたきっかけとバックテストをしようと思った理由
「投資環境の昔と今と複利パワーをつらつら語る」では複利効果はすごいので積立しようぜっていう話、「投機的な短期売買ではシグナルより資金管理が大事」ではどれだけチャンスに見えてもいきなり全力で突っ込まないことの大切さと、エントリールールは自分を納得させるためのもの、というお話をしました。
今回はCFDをはじめたきっかけとそのバックテストをしてみようと思った理由についてお話します。
テクニカル分析は証券会社のページで簡単に見られる
昔はテクニカル分析用にチャートソフトとか別途購入したものですが、今どきは証券会社のWebページで普通にこんな高機能なチャートが提供されています。技術者的にはFlashなのがちょっとイケてないのでネイティブなHTML5で作り直して欲しいところですが、まぁそれは置いておくとして、いちいちソフトをインストールしなくてもブラウザだけでいつでもどこでも参照できるのがすごく便利。
これは実際にぼくが使っているGMOクリック証券のCFDのチャート画面で、12インチくらいのWindowsタブレットに全画面で広げるとちょうど見やすいくらいの個数に調整しています。
1日に何度も取引していた頃は縦にしたサブモニタ用に縦長配置のチャート画面も作っていました。このページ、表示するウィンドウの大きさや位置を記憶させられるのでそんなことが出来るんですよ。
見てのとおり、CFDでは主にNYダウ、S&P500、NQ100、日本225で取引をしています。おっと、あと一応米国VIもありました。これはここ1~2年、トランプさんが荒ぶった発言するたびに急上昇して落ち着くというのを繰り返していたため、急上昇したら売りから入る、というかなり投機的な使い方で売買していました。
米国VIは1年かけてちょこまか取引していたら300万円くらい利益が出ていたのですが、VIXショックで1日…いやほんの数時間で160万円ほど溶けて、こりゃヤバイなと思ったので今はかなり建玉を減らしています。
そもそもCFDをはじめようと思ったキッカケ
前々回の記事で書きましたが、証券会社に口座を開いた最初の目的は勉強のためでした。
ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の言にあるとおり、多くの先人たちがいるのですから、それらの書籍で満足しておけば良いものの、ぼくは愚者なので何事も実際にやって痛い目に合わないと学べないのです。
そのため、現物株式をメインで、けっこう頻繁に、といっても差金決済取引ではないため同一銘柄では1日に1往復しかできないので仕方なく複数銘柄を同時に売買していたわけですが、Excelシートにぎっしり履歴が埋まるほどには取引していました。
その後、IPO銘柄に手を出して痛い目にあったのと本業のほうで法人設立とかいろいろ忙しくなったので、頻繁な取引はしなくなっていったのですが、そんなあるとき山崎元氏の本に出会いました。
「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」ってライトノベル並に安直なタイトルで笑ってしまいますし、投資に関する書籍は飽きるほど読んだ後だったので、普通だったらこんないかにも初心者向けの本は買いません。
でも時期が良かったというか、ちょうど Kindle Unlimited のサービスがはじまった直後で、そのサービスを試している真っ最中だったんですよ。ほほー、定額サービスでこんな本まで読めるのかーと軽い気持ちでパラパラ読み始めたのですが、これがなかなかおもしろい!
わざとだと思いますが、初心者の語り口が特に面白い。いやいやそれはド素人でもわかるだろう、くらいのことを質問するし、普通なら専門家からアドバイスをもらうのに低姿勢になったり、多少は配慮した受け答えをするものですが、言いづらいことや答えづらいことをバカみたいに聞いてくれるので、それに山崎氏も苦笑いしながら答えている雰囲気が伝わってきます。
レビューを見るとNISAだとかiDeCoや住宅ローンや高額医療制度の話について参考になったというのが多く、あぁ同じ本でも人によってこんなにも違う目線があるものなのかと驚きますが、ぼくはこの本でもっとも偉大なのは(長期運用に限るが)年間+5%の運用方法をわかりやすく解説した点にあると思います。
要は「投資環境の昔と今と複利パワーをつらつら語る」で書いたインデックスファンドのことなんですけどね。書籍は少々情報が古いということもあり、MSCIコクサイ インデックスあたりをオススメされてたかな。今なら記事に書いたとおりVTI(国内で買うなら楽天バンガードファンド)とかで良いと思います。
ともあれ、ファンドで年率5%の運用が現実的だというのなら、それにレバレッジ※を2~3倍もかければ10~15%の運用も可能じゃないか。そんなふうに考えたら実際に試さずにはいられなくなったのです。
そうしてぼくはCFDに手を出すようになりました。
レバレッジ商品の長期運用は難しい
CFDでは株価指数の商品ならレバレッジ10倍までいけます。1000万円あれば1億円分の取引ができるため、年率+5%なら500万円の利益!ほっといても毎年500万入ってくるやったーヽ(=´▽`=)ノ
…………と、そこまで話は単純ではありません。
何十年もの長期的に見て、結果的に年率+5~7%だったとしても、リーマンショックとかVIXショックとか、そういう金融危機は定期的に発生しているし、一時的にはマイナス10%やマイナス15%なんてことも全然あるわけです。
これがインデックスファンドならほっといても消えることはないから良いんです。でもレバレッジ取引では証拠金の○倍の取引をするわけでして、その場合ロスカットレートが設定されます。
そりゃそうですよね。レバレッジ10倍によって、+5%の利益が+50%になるのであれば、-5%の損失は-50%の損失になるわけです。-10%にもなったらゼロですよゼロ。だからそうならないために証拠金の半分くらいの損失が出た時点で強制的にロスカットされるのです。
CFDではそのときどきで微妙にレートが違いますが、例えば2019年1月11月現在、日本225に20,000円の証拠金を入れて1枚買った場合、(レバレッジ10倍なので20万円相当)971円下落したらロスカットで強制決済されます。つまり、19,029円まで下がったらその金額で決済されちゃうので、差額の971×10=9,710円の損失です。ね、証拠金のだいたい半分くらいでしょ。
これを回避するために証拠金の積み増しも出来るため、20,000円で1枚買うときに更にお金をプラスして、18,000円まで、あるいは17,000円まで、とか耐えられるように設定するわけです。
いずれはまた24,000円を超えるでしょうけど、こうして途中退場させられてしまうのがレバレッジ商品の怖いところです。
まぁそれでも投資資金を全額つっこんでいたわけではないのでまだ挽回できます。だからこそ、損失を出した後も続けられるような資金管理が大切なんですよね。
ロスカットにならないエントリータイミングはないものか
そうして次に考えるのがロスカットレートに引っかからないくらいの底値付近でエントリーする方法はないものか、というところです。
そんなものがあれば誰でも大金持ちなわけで、難しいだろうとは理解しつつも、よくテクニカル分析で使われるRSI 20以下とか、ストキャスの一桁台付近の「テクニカル的に言うと売られすぎライン」でエントリーし、次に「テクニカル的に言うと買われすぎライン」で決済する、というのを機械的に繰り返したら、実際問題どんなことになるのか? 気になって気になって仕方がありません。
幸い、Yahoo FinanceのHistorical Pricesのページでは過去の株価指数のCSVがダウンロードできます。NYダウもS&P500も、もちろん日経平均もあります。
データは万全。なら後は移動平均とかストキャスとかExcelに計算させてエントリーのシミュレーションをするだけです。
結論から言うと最適なエントリータイミングなんてものはデータだけではわかりませんし、テクニカル的に売られすぎラインで買っても更にマイナス10%を超えることも普通にあるということがわかりました。これだけ右肩上がりが続いた過去5年分のデータを使っても、です。
ですが、ちゃんとロスカットルールを守れば最終的にはプラスになるというのがわかったのはとても大きかったです。
複数の指標を使ってあーだこーだ(例えばストキャス一桁でもVIXが30超えているときはエントリーしない、等)と思うままに条件追加していったらかなりスパゲッティ状態なVBAになってしまったので、ブログで紹介するのは難しいのですが、もう少しきれいに簡略化したExcelの計算式だけで出来るバックテストサンプルも作ったので、次回はそのあたりの話をしようと思います。