【Microsoft×生成AI連載】4回目の記事となります!
本記事では、2024年11月18日~22日に開催されたMicrosoft Igniteで発表された「Copilot Actions」について解説しています。最新のクラウドおよびCopilotに関して注目している方はぜひ閲覧ください。
「なんでもCopilot」のAdvent Calendar 12/20分の投稿となります。
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記事をご参照ください。
Copilot Actionsの紹介
Copilot Actionsとは?
Copilot Actionsは、Microsoft 365 Copilotの拡張機能であり、ビジネスチャット(Biz Chat)やCopilot Pagesで行う「対話」や「文書生成」といったアクションを、さらに自動化・拡張できる次世代のワークフロー機能です。Microsoft Ignite 2024で発表され、2025年から利用可能になる見込みです(現在はプライベートプレビュー)。
これまでCopilotは、テキストプロンプトによる質問や情報収集、要約、ドキュメントの生成で活躍していました。しかし、生成AIにおける「プロンプト」の作成自体が新しい言語習得のように感じられることや、様々なツール間を行き来しながらプロンプトを考える「認知的負荷」、コンテキストを切り替える煩雑さといった課題が存在していました。
Copilot Actionsはこうした課題に対応するべく、あらかじめ用意されたテンプレート(プリセット)や自動トリガー、定期実行などの機能を提供します。たとえば、毎朝自動的にToDoリストを整理してTeamsチャットに送る、特定の会議予定がカレンダーに入っている日に合わせて、関連ドキュメントの要約を自動生成する、といったワークフローを設定することが可能になります。
Igniteのデモでは、Copilot Actionsで毎週決まった時間に最新情報を収集し、上司にサマリを送るタスクを作る様子を発表していました。本記事の末尾に参考情報としてセッションへのリンクを掲載していますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください。
Biz Chat・Copilot Pagesとの関連性
IgniteのセッションではBiz ChatとCopilot Pagesの最新情報と共にCopilot Pagesの紹介がされていました。
Biz ChatはTeamsで保有しているユーザーの情報を一元的にAIへ問い合わせることのできるチャット機能であり、Copilot Pagesはチャットで生成した回答を耐久性のあるファイルとして編集し、他のユーザーに共有できるAIドキュメント機能です。
従来はBiz Chatで得た要約や情報をPagesでまとめ、それを関係者と共有・編集するといった流れが中心でしたが、Actionsを使うことで「その要約を定期的に自動生成して関係者に通知する」「特定の期限前に関連タスクを関係者に自動リマインドする」といったさらなる自動化が可能になります。
この結果、Copilotは単なるアシスタントではなく、定型業務や情報収集、コラボレーションまで自律的にサポートする「エージェント」として日々の業務をサポートしてくれるようになります。
利用シーンとメリット、注意点
利用シーン
Pagesの利用シーンは以下のようなものが挙げられますが、セッションでは様々なテンプレートがCopilot Actions上で用意されていることが確認できました。
- 定期的な情報更新の自動配信
- 毎週月曜に顧客向けニュースレターの原稿フィードバックをチームに依頼し、金曜までにまとめた結果を自動で整理するといったフローをActionsで事前設定できます。
- 会議前後の自動サマリ生成・共有
- カレンダー上の会議予定をトリガーに、関連ドキュメントの要約、前回会議のフォローアップ項目抽出などを自動実行し、TeamsやOutlook経由で参加者に事前共有します。
- チームコラボレーションの促進
- Copilot Pagesで作成した戦略レポートや仕様書草案に対して、自動的に関係者からフィードバックを収集し、改善点をPagesへ反映するフローを構築できます。
メリット
- 生産性向上
- Biz ChatやCopilot Pagesとは異なり、定型的・繰り返し作業を自動化することで、ユーザーはよりクリエイティブな業務に集中できます。
- 認知的負荷の軽減
- プロンプトやチャットへのアクセスを毎回考える必要がなくなり、自然な業務の流れの中で必要な情報や処理が提供されます。
- コラボレーション強化
- PagesやBiz Chat、Outlookなどの各製品間での連携により、エンドツーエンドでのタスク遂行を図ることができます。
注意点
- 初期設定・チューニングの手間
- Actionsをフル活用するには、ワークフローを明確にし、適切なトリガーやテンプレートを選択・微調整する必要があります。
- フィードバックサイクルの重要性
- Copilot Actionsが意図通りに動いているか定期的にチェックし、運用中のフィードバックを反映させる改善プロセスが必要です。
- リリース時期
- Copilot Actionsは現在プライベートプレビューであり、一般で利用することはできません。
参考情報
Microsoft Ignite 2024 セッション情報(英語)
まとめ
Copilot Actionsは、Microsoft 365 Copilotの機能セットをさらに拡張し、プロンプトを書く作業から「自律的な作業支援」へとシフトさせる重要な一歩となります。
メールやCopilot PagesなどMicrosoftの各製品と組み合わせることで、定期的な情報取得や共有を自動化し、チーム全体がよりスムーズかつ効率的に働ける環境を実現します。
来年から利用可能になる見込みのCopilot Actionsによって、ビジネスプロセスのさらなる最適化が期待されます。
実装された際には、メール送信以外にもどのようなツールとのコラボレーションができるのか、検証してみたいと思います。
おまけ
本記事のここまでの執筆内容をBiz Chatに転記し、記事内容の要約をしてもらいました。
2024年11月18日~22日に開催されたMicrosoft Igniteで発表された「Copilot Actions」についての内容です。Copilot Actionsは、Microsoft 365 Copilotの拡張機能で、ビジネスチャットやCopilot Pagesでの対話や文書生成を自動化・拡張する次世代のワークフロー機能です。これにより、定型業務や情報収集、コラボレーションが自律的にサポートされます。利用シーンとしては、定期的な情報更新の自動配信、会議前後の自動サマリ生成・共有、チームコラボレーションの促進が挙げられます。メリットとしては、生産性向上、認知的負荷の軽減、コラボレーション強化があり、注意点としては初期設定・チューニングの手間、フィードバックサイクルの重要性、リリース時期が挙げられます。Copilot Actionsは現在プライベートプレビュー中です。