【Exchange Online】ユーザーが利用可能なメールクライアントの管理方法

Exchange Onlineを利用するユーザーは、Outlook for WindowsのようなMAPIクライアントや、ブラウザから利用できるOutlook on the webの他、必要に応じてIMAPやPOP3に対応したメールクライアントからも利用する事が可能です。

本記事では、ユーザーのメールボックスごとに利用できるメールクライアントを管理するための、設定方法についてご紹介します。

Exchange 管理センターによる設定方法

まず、Exchange 管理センターからの設定手順を記載します。

  1. Exchange 管理センターへアクセスします

  2. [受信者]>[メールボックス]をクリックします

  3. 設定を行うユーザーを選択し、[メールアプリの設定の管理]をクリックします

  4. 以下の画面より有効/無効を選択し[保存]をクリックします。
    ※ 既定値はすべて有効になっています

PowerShellによる設定方法

PowerShellで設定をする場合は以下のようなコマンドレットを使用します。

  • Outlook デスクトップ (MAPI)の無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -MAPIEnabled $false
  • Exchange Web サービスの無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -EwsEnabled $false
  • モバイル (Exchange ActiveSync)の無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -ActiveSyncEnabled $false
  • IMAPの無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -ImapEnabled $false
  • POP3の無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -PopEnabled $false
  • Outlook on the webの無効化
    Set-CASMailbox "ユーザー名" -OWAEnabled $false

設定した場合の挙動

それぞれの設定を有効・無効にした際の、メールボックスに対する挙動の違いをまとめました。

  • Outlook デスクトップ (MAPI)
    • 有効
      • Outlookまたはその他のMAPIメールクライアントからアクセスすることを可能にします
    • 無効
      • Outlookまたはその他のMAPIメールクライアントからアクセスすることを不可にします
  • Exchange Web サービス
    • 有効
      • アプリケーションがアクセスすることを可能にします
    • 無効
      • アプリケーションがアクセスすることを不可にします
      • OutlookクライアントやTeamsクライアントから、予定表や連絡先データ、ユーザーのステータス情報が参照不可となります
  • モバイル (Exchange ActiveSync)
    • 有効
      • モバイルデバイスと同期することを可能にします
    • 無効
      • モバイルデバイスと同期することを不可にします
  • IMAP
    • 有効
      • IMAPプロトコルでメールクライアントからアクセスすることを可能にします
    • 無効
      • IMAPプロトコルでメールクライアントからアクセスすることを不可にします
  • POP3
    • 有効
      • POP3プロトコルでメールクライアントからアクセスすることを可能にします
    • 無効
      • POP3プロトコルでメールクライアントからアクセスすることを不可にします
  • Outlook on the web
    • 有効
      • Outlook on the Webを使用してメールボックスにアクセスすることを可能にします
    • 無効
      • Outlook on the Webを使用してメールボックスにアクセスすることを不可にします

最後に

以上、ユーザーのメールボックスごとに利用できるメールクライアントを管理するための、設定方法についてご紹介しました。

要件に応じ、利用可能なメールクライアント管理を行う事が出来ますので、本記事が皆さんの運用の一助となれば幸いです。

執筆担当者プロフィール
久本 真子

久本 真子(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Csol本部MW2部に所属。Microsoft製品にかかわる業務に携わっています。

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