Exchange Onlineを利用するユーザーは、Outlook for WindowsのようなMAPIクライアントや、ブラウザから利用できるOutlook on the webの他、必要に応じてIMAPやPOP3に対応したメールクライアントからも利用する事が可能です。
本記事では、ユーザーのメールボックスごとに利用できるメールクライアントを管理するための、設定方法についてご紹介します。
Exchange 管理センターによる設定方法
まず、Exchange 管理センターからの設定手順を記載します。
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Exchange 管理センターへアクセスします
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[受信者]>[メールボックス]をクリックします
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設定を行うユーザーを選択し、[メールアプリの設定の管理]をクリックします
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以下の画面より有効/無効を選択し[保存]をクリックします。
※ 既定値はすべて有効になっています
PowerShellによる設定方法
PowerShellで設定をする場合は以下のようなコマンドレットを使用します。
- Outlook デスクトップ (MAPI)の無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -MAPIEnabled $false
- Exchange Web サービスの無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -EwsEnabled $false
- モバイル (Exchange ActiveSync)の無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -ActiveSyncEnabled $false
- IMAPの無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -ImapEnabled $false
- POP3の無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -PopEnabled $false
- Outlook on the webの無効化
Set-CASMailbox "ユーザー名" -OWAEnabled $false
設定した場合の挙動
それぞれの設定を有効・無効にした際の、メールボックスに対する挙動の違いをまとめました。
- Outlook デスクトップ (MAPI)
- 有効
- Outlookまたはその他のMAPIメールクライアントからアクセスすることを可能にします
- 無効
- Outlookまたはその他のMAPIメールクライアントからアクセスすることを不可にします
- 有効
- Exchange Web サービス
- 有効
- アプリケーションがアクセスすることを可能にします
- 無効
- アプリケーションがアクセスすることを不可にします
- OutlookクライアントやTeamsクライアントから、予定表や連絡先データ、ユーザーのステータス情報が参照不可となります
- 有効
- モバイル (Exchange ActiveSync)
- 有効
- モバイルデバイスと同期することを可能にします
- 無効
- モバイルデバイスと同期することを不可にします
- 有効
- IMAP
- 有効
- IMAPプロトコルでメールクライアントからアクセスすることを可能にします
- 無効
- IMAPプロトコルでメールクライアントからアクセスすることを不可にします
- 有効
- POP3
- 有効
- POP3プロトコルでメールクライアントからアクセスすることを可能にします
- 無効
- POP3プロトコルでメールクライアントからアクセスすることを不可にします
- 有効
- Outlook on the web
- 有効
- Outlook on the Webを使用してメールボックスにアクセスすることを可能にします
- 無効
- Outlook on the Webを使用してメールボックスにアクセスすることを不可にします
- 有効
最後に
以上、ユーザーのメールボックスごとに利用できるメールクライアントを管理するための、設定方法についてご紹介しました。
要件に応じ、利用可能なメールクライアント管理を行う事が出来ますので、本記事が皆さんの運用の一助となれば幸いです。