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HTML5開発に適したIDEを探す(その5)「Aptana Studio」

by : 2015/03/04

引き続きHTML5開発を目的としたIDEを紹介していきます。これまでに紹介してきたIDEは以下の通りです。

今回はEclipseをベースにWeb開発に特化したIDE、Aptana Studioを紹介します。なお、Aptana社は2011年、Appceleratorに買収されており今後も継続的にリリースが行われるかが不透明ではあります(最新版であるAptana Studio 3.5.0は2013年12月リリース)。
なお、EclipseのJavaEEパッケージなどにはJSDTというJavaScriptの開発支援機能が含まれていますが、機能やIDEとしての統合度合いで見ると、他のIDEと比べて劣る(カバー範囲が狭い)という印象です。


Aptana

HTML5に標準対応

Aptanaで新規プロジェクトを立ち上げると、HTML5 Boilerplateをベースにプロジェクトを立ち上げられます。ネットワーク必須で最新版を使う版と、オフラインのキャッシュ版(2011年08月版らしいです…)が選択できます。


プロジェクト構造はHTML5 Boilerplateに依存しているので最近のよくある形でのWeb開発ができるようになっていますが、gulpfile.jsも配置はされていても特に連携できる訳ではないようです。

入力補完

入力補完に対応したライブラリは一部になります。任意のライブラリでは入力補完は行えません。Bundle Development > Install Bundleからライブラリを選択できますが、Web開発においてはjQuery/Zen Codingくらいしか使えないかと思います。そのjQueryもかなり古いコードベースなので使い勝手は良くないかも知れません。



HTMLなどはタグ、要素の補完ができます。src要素の場合、ファイル名をプロジェクトツリーから読み取ってくれます。


ブレークポイントはFirefoxが対応

JavaScriptのブレークポイントを使ったデバッグはFirefoxが対応しています。Firebugと専用のデバッガーを機能拡張としてインストールすることで仕込んだブレークポイントでストップ、変数のウォッチができるようになります。初回実行時に確認されるのでインストールは簡単です。


HTML5への準拠という意味ではFirefoxは十分にレベルが高く、独自の実装も少ないのでFirefoxで動けば他のブラウザでも適切に動作してくれるのではないでしょうか。


コードチェックはJSLintが使えます


JSLintはEclipseプラグインとして用意されています。インストールするとエディタの下部で問題タブの中にJSLintの結果が表示されるようになります。また、セミコロンがないなどの一般的なJavaScriptコードの問題は標準で対応しています。


CoffeeScriptやLESS/Sassはプラグインまたはビルダーで対応

JavaScript/CSS代替記法を使う場合、プラグインがあればそれを、なければビルダーを作って対応する形になるようです。各コマンドをインストールするのが若干手間ですが、プラグインよりカスタマイズが容易かも知れません。

定義ジャンプは別ファイルでも可

定義元にジャンプする機能は外部ファイルでも飛べるようになっています。これは意外ですが便利です。


コード、HTMLのアウトライン表示

コードは折りたたみや関数名の一覧などのアウトライン表示に対応しています。コメントはあらかじめ折りたたんでおく設定もあるのでJSDocなどで長いコメントがあってもコードを確認しやすいのではないでしょうか。


JSDocの生成

標準では用意されていないようですが、08.ドキュメント記述・生成(JSDoc) – hifiveを参考に追加することはできそうです。

テストはプラグインで

テストはQUnitやJasmineが使えると思いますが、どちらもプラグインで対応する形になります。JasclipseというEclipse向けのJasmineプラグインがあります。JasclipseをインストールするためにはまずJDTプラグインのインストールが必要で、その後Jasclipseをインストールします。


少し触ってみた感想としては、Eclipse(JSDT)だけではHTML5開発向けの機能は他と比べ見劣りするという印象です。プラグインなどで補助するとしても、情報も少なく手探りで集める必要があります。Aptana Studioは一つの完成形ですが、買収後に開発が停滞してしまっている(現在の最新版Eclipseは4.4ですが、Aptana Studioは4.3ベースです)のが残念です。

Webの進化はとても速く、ここ数年はJavaScript/スタイルシートフレームワークも多数出ていたり技術的な進化もどんどん行われています。静的サイトジェネレータの種類も増え、技術の選択肢が幅広くなっています。

そういった中で最新技術に追従していないのは問題かも知れません。Javaでのサーバサイドの開発を考慮するとEclipseを採用したくなりますが、フロントエンド開発は別なIDEを使った方が効率的かも知れません。

From → HTML5

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