中国における事業展開について
Google は 1 月 12 日に、Google を含めた 20 社以上の米国企業が、中国からの高度なサイバー攻撃を受けたと発表しました。また、中国に関連した複数の人権活動家のGmail アカウント情報が、フィッシングやマルウェアなどにより日常的に外部からアクセスされている形跡があることが分かりました。これらに加え、中国ではインターネット上の言論の自由が制限されており、Facebook、Twitter、YouTube、Google ドキュメント、Blogger などのウェブサイトの規制が昨年から相次いでいます。この状況を受け、私たちは、Google.cn の検索結果における検閲をこれ以上続けることはできないと決定しました。
Google では 23 日未明から、Google.cn における検索、ニュース検索、そして画像検索のサービスについて、検閲を停止しました。中国本土の利用者の方は、Google.cn にアクセスすると、香港のサーバーで運営しているGoogle.com.hk を経由して、簡体字で検閲のない検索結果を見ることができます。香港の利用者の方には、これまでどおり、繁体字で検閲のない検索サービスを提供していきます。この複雑な環境変化により、香港のサーバーへの負荷が高まることから、検索速度が低下したり、一部のサービスが一時的に利用できなくなる可能性があります。
私たちは、中国本土の人々を含む、世界中の多く人々に、Google のサービスを使ってもらいたいと考えています。一方、これまでの中国政府との話合いの場において、中国政府は、自己検閲は交渉の余地のない法的要件であることを明確にしており、Google.cn での検索結果の検閲を停止するという約束を遂行することは非常に難しいものでした。
Google.com.hk から、簡体字で検閲のない検索サービスを提供するという方法は、このような難しい状況下において、法的な要件を満たし、且つ、中国のユーザーがより多くの情報にアクセスできる方法として、理にかなったものであると考えています。私たちは、中国政府がこの決定を尊重してくれることを望んでいますが、同時に、Google のサービスへのアクセスがブロックされる可能性があることも考慮し、これらサービスへのアクセス状況をモニタリングすると同時に、ウェブページを作成しました。このページは毎日アップデートされ、すべての人がどのGoogle のサービスが中国国内で利用できるかを確認することができます。
Google は、これまでどおり中国国内での研究開発、営業活動を継続していきますが、営業部隊の規模は、中国本土の利用者が、Google.com.hk にどれだけアクセスできるか否かに、一部左右されるだろうと考えています。最後に、これらの決定は米国のGoogle 幹部によってなされたものであり、中国国内の従業員は、その責を負うものではないことを明確にしておきたいと思います。1 月に中国における事業展開に関する発表をした後、Google の現地従業員は、不透明な状況やさまざま困難にも関わらず、中国の利用者や顧客へのサービス提供に尽力しており、私たちはその働きを誇らしく思っています。