大前研一のニュースのポイント

世界的な経営コンサルティング 大前研一氏が日本と世界のニュースを解説します。

日本が国家を形成できなくなる危険性

2009å¹´12月15æ—¥ | ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼ã‚¹ã®è¦–点
5日、内閣府が発表した世論調査の結果によると、「結婚は個人の自由だから結婚してもしなくてもどちらでもいい」と答える人が70%にのぼることが分かった。

また、「結婚しても必ずしも子供を持つ必要がない」との問いには42.8%が賛成と答え、平成4年の調査開始以来、過去最高となった。

一般の新聞紙面上でも取り上げられていたニュースだが、その論調は少し能天気過ぎると私は感じる。

「結婚はしてもしなくてもいい」という回答が70%を占めるという今回の結果は衝撃的だと思う。

私は世界の様々な国を見てきたが、こんな国は見たことがない。

「価値観の多様化」というような表現で片付けられる問題ではなく、これは、親・学校を通じた日本の教育の結果と受け止めるべきだ。

家族・人類を維持していくためにはどういうことが必要なのか、家族の愛情はどれほど重要なものなのか、という「価値観」について日本は教育できていないということだ。

このままでは、日本は「国家」を形成できなくなる危険性すら感じる。

今回の結果は常識では考えられないレベルの数字であり、国家は将来についての危険性を真剣に感じ取るべきだと思う。

男女の結婚観に負けず劣らず、異常な数字・推移を見せているのが国家財政だ。

1日、財務省が発表した10月末の税収実績によると、10月までの一般会計税収の類型は12兆7254億円で前年同期比21.8%減少したことが分かった。

2000年度には約50兆円ほどあった税収は、2009年度はついに37兆円にまで下落する見込みだ。

さらには法人税収の推移を見ると、ついには還付が税収を超過しているという始末だ。

そしてこのような追い込まれた状況にあって、政府・民主党が掲げる施策と言えば「国債で穴埋め」というだけ。

財政問題についても、先に見た男女の結婚観と同様、日本が将来国家としての体裁を保てなくなる可能性がある、と私は感じてしまう。

国土交通省が30日発表した10月の新設住宅着工戸数が、前年比27.1%減の6万7120戸となり11カ月連続で減少したとのことだが、直接の因果関係があるわけではないが、そもそも「家庭を持とう」という人が激減しているわけだから、これも当たり前の結果だと言えるだろう。

政府は、省エネ対応型住宅の新築や改築を行った場合に商品やサービスと交換できる「住宅版エコポイント」制度の導入を検討しているようだ。

エコポイントというインセンティブがつくことで少々の効果はあるかも知れないが、一時的なものに終わるだろう。

日本人の結婚観の変化を単なる「価値観の多様化」で片付けることなく、国家としての危機という認識を持ってもらいたいと私は強く思う。

今、日本は国民の価値観にしても国家財政にしても、土台そのものが揺らぎつつある状況だ。

対症療法は時には必要だが、本質的な問題を見極め、長期的に解決に向けて取り組み始めることが重要だ。

日本が国家を形成できなくなるような最悪の事態に陥らないことを願っている。

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コメント日が  古い順  |   新しい順
本質は低収入高家賃 (ï½”)
2009-12-15 14:05:20
本質は低収入高家賃で結婚も子供も諦めて開き直りの意見だと思ラ。未来の日本は公務員の子供ばかりになるのでは。
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激しく同意 (b)
2009-12-15 16:30:32
日本は滅びますね。

私の周りも独身者、子無し家庭だらけ。
それなりに皆収入あるけど、毎日深夜まで残業、休日出勤当たり前。その上、結婚、子育てなんて大変でやってられないってことでしょう。

私自身結婚してます、収入に余裕もありますが子育てよりも自分の時間を取りました。普通の思考だと思いますが、大勢の人が同じように考えているのなら確かに日本は滅びますね。
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女性の社会進出 (さんぼ)
2009-12-15 19:15:29
欧米のように女性が男性と変わらない学歴、社会的地位を得られるようにするという社会の流れが結婚観を変えてしまったのだと思う。
もちろん、女性が家庭から社会に進出して能力を発揮することは素晴らしいことであり、当然の権利であると思うが、この流れが一人歩きしてしまったために、官民挙げての準備不足が子供の受け入れ先や仕事と育児の両立の難しさを生んでしまった。

国は大きな箱物を作るのではなく、子供を引き受ける公共の小規模施設を多数設けるべきである。雇用も生まれるだろう。
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家庭崩壊 (Unknown)
2009-12-15 19:46:52
自分は家庭崩壊した家で育った人間。
自分のように歪んだ人間を残したくないから、子供は欲しいと思えない。
というよりも、出会いもあったもんじゃありませんが。

家庭というものの「価値」がゼロになったというより、マイナスになってる現状があります。
それ以前に、自分のことだけで精一杯。
生きるのでやっとです。
というよりも、死にたいとも思うし、惰性で生きてます。
だからそういう人間は淘汰されていくのかもしれませんが。
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Unknown (Unknown)
2009-12-15 21:09:10
国作りのための子供なんて真平ごめん。自分の人生において子供はやはりすばらしく 収入で子供が育てられないなんてやはり日本はすさんでいますね。(考え方が)子供に教えられるってことも沢山あるし仕事においても守るべきものがある人間は多少なりとも責任感があるとも思う。生まれてきても何とかなる社会 甘えとか補助ではなく全体の支えがあればと思う。私の支えはけしてお金を渡すのではなく 少ない労働時間でも労働していただきそこから生活の足しに出来るような制度改革がやはり望ましいと感じます。実際私もそのような環境で育ってきましたし。 今の20代の人はエゴイスト的な感覚の人が多いような気がします。国づくりの子供作りではなく 自分本位の子供作りをぜひして頂きたい。by36歳2児の父
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一度落ちなきゃ駄目か (平井照英)
2009-12-15 23:14:21
私は30前半ですが、結婚はまだしていません。
特に結婚という制度にはあまり興味がありません。現在の状況や将来の不安、色々な情報を見る限り、日本の将来は暗いと思います。だんだん悪くなるのは素人の自分にでも少しづつ感じるようになりました。将来のために”何か”をしないといけないと思いますが・・・。
リーダーシップをとって、おおきな道を示すような指導者がでてこないでしょうか?
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雇用もないのに子作りなんか出来る? (シロートな経済好き)
2009-12-15 23:56:42
 世界の市場「米国」はドル刷りまくってドル安で「中国」人民元もドルと連動する以上、円高は続き大企業は国内でしかできない擦り合わせ多能工を除き海外へ移転する。
 国内は、為替の影響を受けない次の内需型産業…介護と農業(JRやトヨタのパプリカ)を雇用の受け皿とし、いずれは輸出産業にまで育てる(どうせ中国も高齢化社会化するし)…ってな感じ? 

ー参考ー
「経団連が提言」日本経団連は14日、経済危機脱却後を見据えた成長戦略を提言した。環境や医療・介護、農業などの内需依存型産業の競争力を強化して将来の輸出産業にするなど、経済・産業構造の大幅な転換を求めている。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/financial/335515/ 
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打破したいが (KS)
2009-12-16 00:55:21
現状を打破したくもがいてますが、兎に角…入る収入に対して、税金や公共料金が高過ぎます。
期限付きでよいから減税して欲しい。

結婚も…
1人より2人の方が生活をより良くすることの可能性があるはず! しかし現実にはどちらか片方の収入に頼ることの方が現実に…


皆、心の中では結婚して家庭を持って普通の生活がしたいはず!

調査結果は、多分に個々の見栄が影響しているはず。
自分だけが特別なんだと認めるよりも、世の中風潮に合わせいるだけなんじゃないかと…

個々の本心はもっと明るい未来、幸せな未来を描きたいが…

そう想うことができない現状が悪い方へと人々を向かわせているんじゃないかと感じています。

やはり…
政治と行政の不作為なんでしょうね。
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Unknown (joker)
2009-12-16 04:00:29
じゃあだからと言って何ができるのか?
実際問題として価値観の多様化は防げないだろうと思う。

今の時代に産めよ増やせよという考えを国民に押し付けるわけにはいかないし、率はおかしいにしろ豊かな国が少子化の傾向を見せるのは自然なこと。


どうやっても政策としては国家にプラスになる人を財政的に支援するぐらいしかできないと思う。
子育て支援、教育費無料、子供手当と言った少子化対策が限界じゃないだろうか。
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価値観ではあるが (かずぽん)
2009-12-16 07:37:32
価値観ではあるが本質的な家庭が崩壊しているのではないか?
家庭を持つには耐えることも必要だが、将来に希望を持てなくなった今、家庭にも希望を持てなくなっているのが現状であろう。
耐えることをせずに、その先の希望にたどり着くことは出来ない。
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