次世代Atomはもう出ない?Intel Atom CPUの今と昔 歴史を辿る

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パソコン ハードウェア

2016年4月、Intelがプロセッサの構造改革を進めることを発表しました。
これは、PC市場での厳しい情勢が関係しているとのことですが、具体的には、スマートフォンやタブレット向けの製品を大幅に規模縮小するようです。

これにより、次世代Atomの製造が間接的にキャンセルされているようです。
今後は、CeleronやPentiumがその代わりとなるかもしれません。

詳細は以下が参考になります。

atomに見切りをつけたIntel

今回は、このAtomの歴史を少し解説します。

2008年に登場したAtomプロセッサー

Atom N270 N280

2008年に初登場したAtomの初期型が、N270です。
第1世代は他にもあります。220 230 N280などです。

しかし、N270が一般ユーザーには、一番馴染みが深いのではないでしょうか。
事実、これを搭載した機種はかなり出回ったはずです。

これらのモデルナンバーは、Diamondvilleと呼ばれています。

N270を搭載していた機種 Eee PC

代表的な搭載機種は、ASUSの Eee PCシリーズではないでしょうか。
当時ウルトラモバイル、ネットブックなどと呼ばれた超小型PC界に革命を起こしたPCです。

ASUS Eee PC 901 main 1G SSD 16G 8.9インチ BLACK ファインエボニー EEEPC901-BLK058X

901の搭載OSはWindowsXP、メモリは1GBでした。
また、この頃のAtomはシングルコア駆動でした。

それでも、あの頃のスペック帯で、あの小ささでWindowsXPがちゃんと動くというのは革命的でした。
10インチ以下のモバイルノートに革命を起こした瞬間です。

同時に、Atomというモバイル向けCPUを世界に一気に知らしめることになりました。

筆者も使っていたN270機 HP mini 1000

筆者も当時の流行りに乗り、HPのMini 1000という機種を購入しました。

2012-02-23 03.11.53.jpg

液晶サイズは10.2インチ、メモリは1GB、ストレージは8GBしかなかった気がします。
今のモバイルノート、タブレットと比べるとかなり違いますね。

当時ビックカメラで60000円ぐらいした気がします。今思うと高い・・・。
詳細なレビューは、こちらが参考になりました。

HP mini 1000レビュー

HP mini 1000は、筆者にとってはじめての小型PCだったので、それはもう遊びました。
使わないソフトウェア無駄に入れたり、無理にISO化して動画鑑賞してみたり・・・。

どのブラウザが一番快適が片っ端から試したりしてました。
当時は最終的にOperaに落ち着いた気がします。

重量も1.1kgと軽かったので、あちこちに持ち運んでいました。
そのような経験からも、筆者にとってもAtomのN270というものは思い入れのあるCPUです。

Atomの世代交代

第2世代のCedar Trail

第1世代は他にも数年に渡って様々なプラットフォーム向けにモデルが販売されましたが、N270を超えるほど有名になるものはなかったように思います。

時代は2011年になり、第2世代のCedar Trailの出荷が開始されます。
この頃のモデルである、D2550D2700は組み込み式のマザーボードに搭載されているような光景を見たことがあるのではないでしょうか。

代表的なマザーはASRock AD2700-ITXなどではないでしょうか。
また、当時のベアボーンにも搭載されていましたね。

Shuttle Intel AtomデュアルコアD2550(1.86GHz)搭載 Radeon HD7410Mグラフィックスカード搭載ベアボーン XS35GSV3L

Shuttleのベアボーンが有名ですね。
この頃のAtomはデュアルコアが普通になり、一部の省エネPC、リビングPCで活用されるようになった気がします。

筆者もD2700でリビングPCを1台組んだ記憶があります。

第3世代 Silvermont の登場

これが、Atomで最も普及した世代ではないでしょうか。
値段がより低価格になり、爆発的に普及した世代です。

代表的なモデルにN2840Z3735F、Celeron j1800、Z3740などが上げられます。
登場時期は2013年、この頃になるとクアッドコアが当たり前のようにサポートされています。

N2840はデュアルコアですが、今でも販売されいる優秀なCPUです。
HP Stream 11などが低価格帯で有名ではないでしょうか。

Z3740の代表機種 Miix 2 8


Z3740はwindowsタブレット界に革命を起こした、Lenovo Miix 2 8に搭載されていました。
一度は店頭で触ったことがあるのではないでしょうか。
もちろん筆者も所有しておりました。

IMG_20150118_183304.jpg

OSはwindows8.1 画面サイズは8インチです。
もうこの頃になると、今と変わらないぐらいの優秀なAtomです。

簡単な3dゲームもできましたし、艦これ用タブレットにしている人も大勢いたはずです。
Photoshopも綺麗に動きましたし、楽しかったのを覚えています。

Z3735Fの大流行

第3世代の普及を押し上げ、windowsタブレット業界を一気に有名にした一つの要因に、このZ3735Fの登場があります。

かなりの低コストで生産できることから、投入費用が安く、全世界の格安タブレットで続々と採用されだしたのです。

また、当時、Microsoftが一部のタブレット向けOSの提供を無料にしたことによって、より低価格なwindowsタブレットが生まれることとなりました。

筆者も数年前の正月に走り回って、このZ3735F搭載のタブレット、インテルはいってるタブレット2を入手しました。

新品で19800円だったはずです。
フルHDタッチパネルでクアッドコア、64GBeMMCにメモリ2GBでこの値段は、今でも安いのではないかと思ってしまいます。

それほどよくできた面白いモデルでした。
のちに、同じZ3735F搭載機種である、Aspire Switch 10 SW5-012-F12P/Sを入手したので、このインテル入ってるは手放すことになったのですが、この時のオークション販売価格が定価超えして驚きました。

それほど、当時品薄で人気だったようです。
最終的にAspire Switch 10を1年以上使うこととなり、Z3735Fには大変お世話になりました。

この機種も大変良く出来た良機種なので、レビューをあげています。

筆者も2台所持する機会があったほど、このZ3735Fは長くに渡って普及し、さまざまな機種に搭載されました。
現行の販売機種にも、まだ搭載されているものがあります。

低価格化が進んだAtomの今後

現行のモデル 第4世代の登場

現行のAtomモデルはAirmontと呼ばれる第4世代のモデルになります。
x5-Z8300 x5-Z8500 x7-Z8700などが有名ではないでしょうか。

x7シリーズは一部のSurfaceにも搭載されていますね。
また、CeleronのN3050 N3150などもAtomの第4世代モデルになります。

こちらはノートPCなどに多く採用されているモデルですね。
N3050は、DELLのInspiron 11に搭載されています。

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Z8300搭載機種 E200HA

ASUSから発売された、E200HAという機種はZ8300を搭載しています。
カラーは3色展開、価格帯は3万円前半とかなりの低価格モデルです。

Office系を取り除いた廉価版モデルのL200HAやR209HAも存在します。
筆者も、この同型機種 L200HAのレビューを記載しています。

前世代との大きな変更点は、グラフィックス部分の大幅な強化と言えるでしょう。

Atomプロセッサーの今後


現状、規模縮小、またはなくなることが危惧されているAtomシリーズですが、これほどの低発熱で優秀なスペックをもつCPUは他にないと筆者は感じています。

第3世代からの発熱化によるファンレスPC、タブレットの増加はとても嬉しい流れでした。
現在でも、Atomを搭載したPCは大半がファンレスです。

代替品が登場するのはありがたい話ではありますが、初期の頃からAtomを愛してきた筆者にとっては今回の速報は、少し悲しいニュースでした。

モバイル向けにCPUを提供しているSnapdragonなどに押されているのかもしれません。
Intel自体が、PC業界で低迷を続けていることも原因であると思われます。

何にせよ、現行のx3 x5 x7はまだしばらく販売が続くかと思いますので、存分にAtomを楽しむことにします。

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