可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

小話)『投資は早く 回収・支払いは遅く』

はい。こんにちは。

マダオです。

 

本日は、糖尿病と全く関係ない話をします。

不定期に訪れる小話コーナーの日です。

今日は個人が行う投資の大原則のお話です。

知っていれば、老後の病院代の足しになる・・・かもしれません。

では、早速れっつごー。

 

 

経理経験者であれば、ご存じかも知れませんが、

商売の鉄則として『回収は早く 支払いは遅く』という言葉があります。

 

会社の資金繰りを良くするための標語ですが、個人の資産運用(主に投資信託やETF)では少し理屈が異なります。

それが『投資は早く 回収・支払いは遅く』です。

 

投資は早く、については自明ですね。

市場でリスクに晒す時間が長いほど、リターンが高くなる可能性が高くなるので、早ければ早いほど期待値は高まります。

 

しかし、なぜ回収は遅くなのか?というと

1つは個人には決算期がないこと。(どうしても今期の利益を上げる必要が無い)

加えて回収を行うと利益が確定することになり、税金の支払が発生すること。

原則的に株価は右肩上がりであり、今年より来年回収した方が利益が高くなる可能性が高いこと。

が理由に挙げられます。

 

例えば今日、100万円で買った銘柄を、10年後2倍の200万円で売却(回収)して100万円の利益を得たとしましょう。

売却(回収)すると、その都度、即座に税金を支払う(支払)必要があるのはお分かりいただけると思います。

特定口座で運用していた場合、利益に20.315%も税金を取られてしまいます。

その後、手残りの約180万円をまた同じ銘柄に投資して、10年後2倍の360万円になったタイミングでもう一度売却(回収)すれば、また20.315%の税金を取られます。

途中で1回回収したもののトータルで20年運用した際の手残りは約324万円です。(回収を10年に1回、合計2回行った。324万円)

 

では10年毎の売却ではなく20年毎の売却にしたら、手残りはどうなるのでしょうか。

運用成績(10年毎に2倍)が全く同じだとしたら途中1回も回収せず20年後に売却(回収)した際の手残りは340万円です。(回収を20年後に1回だけ行った。340万円)

 

同じようにトータル20年運用したというのに、1回余計な回収を行っただけで、手残りが5%も減るのです。

回収が早い方がいい、と言えるのはかかる税金が同額で支払時期も同じ場合のみであり、税金の支払い額を減らしたり、支払い時期を遅らせる事ができるなら、回収は遅くても良いのです。

 

そのためには運用利益をできるだけ長い期間確定させず、含み益のまま置いておくことが重要となります。

小まめに売却して利益を確定させると、その都度税金がかかり、どんどん手残りが減っていきます。

(同じ理由で、利益確定と同じ仕組みの配当金も多ければ多いほど手残りを減らしていきます。銀行の金利と違い配当金は自分の資産の払い戻しにしか過ぎません)

なので、毎月分配型投信とか高配当型投信というのは、納税をどうしてもしたい愛国者の方にしかお勧めできないのです。

 

投資を行うなら、

①20年以上利益確定せず持ち続けられる銘柄のみ

②配当を出さないタイプの投資信託で手数料の安いモノ

③日本株ならTOPIX、アメリカ株ならS&P500と過去10年以上のスパンで同等以上のトータルリターンを出しているモノ

をできる限り早く買うと最終的な手残りが増える可能性が高いでしょう。

また売却の際も最低限必要な金額のみを、必要な時期にだけ取り崩すのが最適となります。こちらの資金需要に関係なく勝手に税金を支払わされる配当は不合理なのです。

  

なお、税金のかからないNISAの枠内でやるなら、高配当でもいいんじゃないと思ったそこの貴方。

国内株を対象とした投信やETFならおっしゃるとおりです。

(それがTOPIXを超えるトータルリターンを出していて、今後も出し続けられると信じられるなら、ですが)

 

しかし、アメリカ株の配当は理屈が異なります。

NISA口座でもアメリカ国内で10%の税金が必ずかかります。

NISAは日本国の制度なので、アメリカ合衆国内の税金を無税にする効力はありません。

なのでNISAであっても、アメリカに投資するなら、原則的に配当を出さない投信にすべき、という結論になります。

毎年決まった時期にお金が欲しいなら、定期的に取り崩せば良いだけです。

不思議なことに、取崩の結果として譲渡益が出た場合、アメリカの税金はかかりません。NISA枠内なら無税で受け取ることができるのです。

 

税金の支払いは、お国のためにはなりますが、個人の資産運用にはマイナス効果しかありません。

 

つまり、何が言いたいかと言うと『楽天SCHD』や『SBI SCHD』のような米国高配当投信はお勧めしません、ということです。

どこで切り取るかの問題はありますが、現在のところ設定来のトータルリターンでSCHDはS&P500に劣後している挙句、定期的に配当を出すアメリカ株の投信なので、二重・三重に手残りが減るシステムです。

せめて手数料が安ければいいのですが、それも概ねS&P500投信の方が安い。

 

以上のことから、間違っても『楽天SCHD』のような米国高配当投信を買わない方がよいでしょう。

『投資は早く 回収・支払いは遅く』が個人の資産運用の鉄則ですので。

 

原理・原則さえ間違わなければ、素人でも市場平均程度のリターンは出せる



 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

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なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

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