黒色中国BLOG

中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです

わざと熱中症になって耐暑能力を鍛えてわかったこと

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最近、熱中症が話題になっておりますが、私も中国を旅している時に、強い日射しに苦しめられて、何度か倒れそうになることが…倒れてしまったこともあるので、その対策として「耐暑訓練」というのをやっておりました。

日本にいて、「熱中症警戒アラート」が発令されると、その時を狙って外に出ます。日射しの強い場所を自転車で走り続けて、身体を暑さに慣れさせます。熱中症ギリギリまで追い込んで、自分の限界を知る。その限界でどうすれば症状を軽減できるのかを実験する。そうすれば、私が中国で何らかの事情で日射しの強い状況に遭遇した時、日射しから逃げられない時に役に立つのではないか…と考えたのです。

その「訓練」と、今までの中国・香港での経験で、どのようにして熱中症を避けるべきかを書いてみようと思います。

【目次】

(1)香港人が甘党の理由

熱中症警戒アラートが発令されてから、水を大量に飲んで、外に走りに出るわけですが、お腹いっぱいに水を飲んでも、面白いぐらい汗が流れ出て、すぐに身体が乾いてきますね。いくら水を飲んでもすぐ汗になって出てしまう。熱中症対策には水分摂取だけではダメで、身体の保水性を高める必要があります。

夏の香港で、香港の友人たちとずっと屋外で遊んでいても、彼らは全然大丈夫で、私は暑さにやられてダウン…ということが続いたので、彼らの生活習慣をよく観察していたことあります。

香港人は朝食の時から甘ったるいミルクティーやレモンティーを飲んだり、食事の時にもコーラを飲んだり、オヤツに甘いエッグタルトをたくさん食べたり(若い女子でも平気で3つぐらい食べるw)しますけど、あれは暑い所で長年生きてきた人たちが自然と身につけた習慣…糖分を多めにとることで身体の保水性を高めている…と思われます。

日本人は、甘いものを避け、甘さ控えめの食べ物を選ぶ習慣が子供の頃から身についているから、香港にいても甘いものを避けて、それで暑さにやられやすい(汗が出やすくて水分不足になりやすい)。以来、私も意識して香港人と同じように甘いものを食べるようにしてかなり改善しました。

ポカリスエットには糖分が多く含まれていますが(500mlで30gの砂糖=角砂糖6個分が入っている)

公式の解説では触れられていないものの、保水性を高める効果があるので、ポカリは乾いた身体に効くのかと。

だから、私は日本にいても日射しが強い時期は甘いものを意識して食べるようにしています。

(2)3時間・2リットル

私がやった「耐暑訓練」では、いろんな状況を試してみたのですが、

  • 連続して日差しの強い中で活動し続けるのは3時間が限界。それ以上だとどれだけ水分・糖分・塩分を補給しても、だんだんとダメージが大きくなってくる。だから、3時間すぎれば、一旦は日陰に逃げて充分な休息を取るか、屋外での活動をやめる。
  • 3時間未満の活動なら、水分は2リットルでOK。ただ、これはあくまで自転車で走っている状況の話で、重い荷物を持ったり、山などの険しい道を歩いているわけではないので、そういう更に過酷な状況であれば、もっと水は必要かと思います。ただ、水を大量に持つと重いので、5リットル、10リットル…と携行する量を増やせばいいものでもない。だから、「3時間・2リットル」を基本で考えて、日差しの強い状況に3時間いたら水が余っていても休憩する、水がなくなれば3時間過ぎてなくても休憩して水を確保する…という目安にするべきと考えます。

(3)自衛隊御用達「梅干し純」

耐暑訓練で暑い日差しの中、ずっと外にいると、いくら水や糖分をとっても、頭痛やめまいがひどく、これだけは仕方ないのか…と放置していた時期がありました。でも、ある時の耐暑訓練中に、たまたま近くにラーメン屋があったので、休憩がてら1杯食べたところ、頭痛もめまいも驚くほどすぐに止まりました。

スポーツに詳しい友人に聞くと、「汗で流れ出たミネラルやナトリウムを補給できたからじゃないか」とのこと。ようするに、塩分補給ですね。とはいえ、日射しの強い日は毎日ラーメンを食べる…というわけにもいかず、暑い日にラーメンを持ち歩くわけにもいかないので、常備携帯できる「塩分」があればいい。

熱中症対策で塩飴をすすめるのはよくありますけど、私が愛用しているのは…

▲アサヒグループ食品の「梅干し純」。これって自衛隊でも支給されている「凍結乾燥梅肉」と同等品らしい。

1箱に6枚、1枚に4粒ずつ…計24粒入っています入っています(上掲の写真は2枚=8粒となります)。

梅干し純の良いところは、安価かつ非常にコンパクトで効果が高く、日持ちすること。普通は1日2粒(1回1粒)で充分です。

もう10年以上、梅干し純を愛用している私の経験で申しますと…

  • 頭痛・めまいが始まってから飲むのは遅い。それだとすでに身体にダメージが発生しているので。熱中症になったorなりかけた経験から逆算して30分間ぐらい前に服用しておけば、頭痛・めまいが起きずに済みます。
  • 頭痛・めまいが始まると、正しい判断が出来にくくなるので、休憩や水分補給、梅干し純のことなど忘れてしまいがちです。正しい判断が出来る内に、早めに休憩をとって、補給をするのが肝心です。
  • 熱中症警戒アラートが出るような、厳しい暑さの中では、充分な水分補給をしていても、「梅干し純」が使えるのは「1æ—¥2回まで」です。2回飲んでも頭痛・めまいが始まるような状況で3粒目を飲んでも、前2回と同じ効果はありません(あくまでも私個人の体験で個人差はあると思いますが)。元々酷暑で身体にダメージがあるところを、塩分補給で一時的にごまかしているだけなのでしょう。3粒目が必要になる前に、充分な休息を取るか、屋外での活動をやめるべきです。

(4)大きな麦わら帽子が最強の理由

耐暑訓練の際や、中国や香港で旅をしている時に、熱中症を防ぐため、色んな帽子を試してみたのですが、基本的に布地の帽子は意味がありません。

軍用のブーニーハットは、効果あるんじゃないか…と期待しましたが、通気性が少し良いぐらいで、「ないよりはマシ」のものでしかありませんでした。

中国で釣りをしている時、周囲はまったく日陰のない場所で、朝から夕方までずっと日当たりの良い場所にいるわけですが、どれだけ水を飲んでも、梅干し純を食べても、5時間が限界。朝10時ぐらいからスタートして午後3時には暑さにやられて動けなくなるわけですが、よく考えると、すぐそばの畑にいるオッサンは、全然問題なく私よりもずっと過酷な農作業を長時間続けても、平気な顔をしています。

なぜそれが可能なのか?

釣りを中断して、農民のオッサンを観察したのですが…

▲こういう帽子をかぶっている。中国で私が見かけたのは、これよりももっと「つば」が広い。かぶると両肩にかかるぐらい「つば」大きい。

それから、市場にある雑貨屋へ行って、中国の農民がかぶっているのと同じ「つば広」の麦わら帽子を買って使ってみたのですが…

  • 通気性がすごい。かぶってないのと同じぐらいに風がスースー通る。全然蒸れないし、熱がこもらない。
  • とても涼しく感じる。頭部に直射日光を受けず、顔全体が「日陰に入る」ためでしょう。
  • つばが広いため、後頭部から首まわりも直射日光を受けない。最近流行りの「ネッククーラー」とかもそうですが、首まわりは皮膚に近いところに血管が通っているため、ここに直射日光が当たって温度が上昇すると、血流を通じて身体全体の体温が上昇する。脳の温度も上昇する。だから首周りの温度を下げたり、そもそも日が当たらないようにしてやれば、熱中症予防の効果が非常に高い。

つば広の農作業帽を使うようになって、ようやく1日中釣りが出来るようになったのでした。

つばの広い帽子は、運動の際には使いにくいですが、

▲こういうのも原理は一緒でしょうね。

少々見た目は悪くても、頭と首周りに直射日光を受けないようにするのが、熱中症対策において肝要と思われます。