サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
今年の「かわいい」
www.torekiken.org
わたしたち日本の歴史学会・歴史教育者団体は、日本軍「慰安婦」問題(以下、「慰安婦」問題)をめぐって、2015年5月に「「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明」を発表した。だがその後、12月28日の日韓外相会談後におこなわれた共同記者発表(以下、日韓合意)と、2016年1月20日に言い渡された、吉見義明氏の名誉毀損をめぐる裁判(以下、吉見裁判)における原告敗訴の判決という、ふたつの大きな動きがあった。それらに対して、わたしたちは、以下の問題を指摘する。 今回の日韓合意は、第一に、「慰安婦」制度の責任を曖昧にしている。歴史研究は、日本政府・日本軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置・管理・統制したこと、「慰安婦」制度の本質は性奴隷制度であったこと、当時の国内法・国際法に違反していたことを明らかにしてきた。合意はそれらを踏まえておらず、「慰安婦」制度の責任については「軍の関
昨年6月20日、安倍政権は、大学に対する国家統制を強化するために、学校教育法・国立大学法人法を改悪した。これに対して、多くの人びとや団体から抗議の声が上げられてきた。本会も、安倍政権のこうした政策への批判を積み重ねてきた。まず、同年8月4日には、「安倍政権による一連の教育制度の改悪に反対する声明」を発表し、学校教育法・国立大学法人法の改悪に抗議した。さらに、2015年3月22日には、緊急シンポジウム「『大学ガバナンス改革』問題の歴史的位置―『大学の自治』と『学問の自由』の破壊の時代を考える―」(於一橋大学)を開催し、安倍政権の大学への統制政策を批判的に検証した。 安倍政権は、こうした反対の声を無視し、本年4月には改悪学校教育法・国立大学法人法を施行した。「大学の自治」「学問の自由」は、極めて危機的な状態に陥っているといえよう。そして、現在、国立大学を対象として、憂慮すべき以下の二つの政策が
『朝日新聞』による2014年8月の記事取り消しを契機として、日本軍「慰安婦」強制連行の事実が根拠を失ったかのような言動が、一部の政治家やメディアの間に見られる。われわれ日本の歴史学会・歴史教育者団体は、こうした不当な見解に対して、以下の3つの問題を指摘する。 第一に、日本軍が「慰安婦」の強制連行に関与したことを認めた日本政府の見解表明(河野談話)は、当該記事やそのもととなった吉田清治による証言を根拠になされたものではない。したがって、記事の取り消しによって河野談話の根拠が崩れたことにはならない。強制連行された「慰安婦」の存在は、これまでに多くの史料と研究によって実証されてきた。強制連行は、たんに強引に連れ去る事例(インドネシア・スマラン、中国・山西省で確認、朝鮮半島にも多くの証言が存在)に限定されるべきではなく、本人の意思に反した連行の事例(朝鮮半島をはじめ広域で確認)も含むものと理解され
2014年7月11日、群馬県は、群馬県立公園「群馬の森」(高崎市)に設けられた朝鮮人強制連行犠牲者の追悼碑(「「記憶 反省 そして友好」の追悼碑」)を撤去するよう、これを管理する市民団体(「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会)に要求した。2012年に同会が追悼碑前において開催した追悼集会において、一参加者から強制連行に関して日本政府の責任を追及する発言があったことについて、県は「政治的」であるとして、県の設置許可基準に抵触するとの判断を示したのである。 この追悼碑は、2004年に「群馬県朝鮮人・韓国人強制連行犠牲者追悼碑を建てる会」(上述した市民団体の当時の名称)が建立したものである。追悼碑は、日本が朝鮮を植民地支配したことに触れた上で、「多くの朝鮮人が全国の鉱山や軍需工場などに動員され、この群馬の地においても、事故や過労などで尊い命を失った人も少なくなかった」と述べた上で、「私たち
2012年度から使用される教科書の採択が各地ではじまっています。今回採択の対象となる中学教科書は、安倍政権下の06年に改定された新教育基本法に基づく新学習指導要領に拠って編集されたはじめてのものとなりますが、歴史と公民はそれぞれ7社7点が発行されています。 そのなかの自由社版・育鵬社版教科書は、ともに「新しい歴史教科書をつくる会」(以下:「つくる会」)が編集した扶桑社版教科書の後継ですが、その偏狭な思想に基づく主張や単純な誤り等をほとんどそのままに受け継いだ、極めて問題の多い教科書です。「つくる会」のメンバーは、1996年の結成以来、日本軍「慰安婦」や南京虐殺事件、沖縄戦での「集団自決」に関する記述、ジェンダーフリー等について執拗な攻撃をすすめてきた人たちです。両教科書は歴史学の研究成果よりも彼らの主張を優先させ、極めて一面的な記述に溢れています。たとえば、日本国家や日本人の「優位性」をこ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『www.torekiken.org』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く