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今年の「#文学」
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画期的な判決が出た。 「NHKから国民を守る党は反社会的カルト集団だ。サリンを撒かないオウム真理教と同じようなものだ」と誰憚ることなく言ってよいのだ。司法(東京地裁)がお墨つきを与えたのだから。 ジャーナリストのちだい(本名:石渡智大)氏がツイキャスやYouTubeなどで上記の発言をしたところ、NHKから国民を守る党(立花孝志代表)から名誉毀損で訴えられた。 ちだい氏がネット上で6月30日に発言すると、翌7月1日にN党(立花代表)が訴えた。 ちだい氏の著作『「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?』は来年1月下旬まで予約で一杯になっている(Amazon)。=27日、東京地裁前 撮影:田中龍作= きょう27日、東京地裁で判決言い渡しがあり、阿部雅彦裁判長はN党の訴えを棄却した。判決理由がストレートで豪快だ。 「N党は犯罪行為や違法行為を平然かつ盲目的に次々と行う危険な集団」とするちだい氏
パワハラ疑惑などで失職した斎藤元彦前知事を再選させた兵庫県民を揶揄する言説でネット空間は一杯だ。 斎藤候補、立花候補の街宣現場にいた聴衆は異口同音に言った。「疑惑はなかった。マスコミがウソを報道していた」と。 斎藤陣営は斎藤氏本人に掛けられていた公益通報者保護法違反の疑いを、不倫問題とすり替え、人々をコロっと騙したのである。 兵庫県職員へのアンケートで「パワハラを実際に目撃した」との回答は140件、「実際に目撃した人から聞いた」は800件、「人伝てに聞いた」は1911件。合わせると2851件にものぼる。(時事通信より) 田中はボランティアスタッフ(女性)に「県職員はパワハラがあったと証言してますよねえ?」と聞いたが、彼女は「斎藤さんは改革派だったから職員の反発を買ってたんですよ」と答えるのだった。 彼女が「調べれば調べるほど疑惑がウソだと分かった」と話すので、田中が「情報源は何ですか?」と
「はいNHKの●●さん」 「はい朝日の●●さん」 「はい日経の●●さん」 司会者は指名する記者を予め決めているような調子で次々と当てていった。記者クラブメディアばかりだ。 指名された記者が質問すると、進次郎は目線を下に落としながら答えた。番記者から質問取りをしているのか、どうかは定かではないが、進次郎側が質問に対する回答を用意していたことは確かだった。 フリーランスの鈴木エイトが指名された。統一教会との関わりを聴かれた進次郎は「一切ない」と答えた。 身の潔白を主張するためにフリーランスの鈴木を指名したようなものだった。 ここでArcTimesの尾形聡彦が司会者に抗議した。「知ってる名前ばかりを当てるのは止めて下さいよ。不透明ですよ」と。 会場から「そうだ」「そうだ」の声が怒号のようにあがった。 こうしたハプニングがあり、田中は指名された。進次郎にはどうしても言わなければならならないことがあ
れいわから届いた音響設備。蓮舫候補は良く通るスピーカーの音で得意の行革を語った。=27日夕、石神井公園駅前 撮影:田中龍作= 蓮舫陣営の街宣は時々音が割れて聞き取りづらいことがあった。音質が悪いと政策が有権者に浸透しづらい。街宣車に備え付けのスピーカーが粗悪だったためだ。 れいわの街宣のように、音楽コンサートで使えるような優れ物のスピーカーがあったらいいのに、と思い続けてきた。 きょう27日、街宣会場の石神井公園駅前に行くと街宣車はなく、演台があって本格的なスピーカーが置かれていた。《どこかで見たことあるなあ》。既視感たっぷりの代物だった。 選挙情勢について蓮舫陣営関係者と話しているうち、その関係者は「あのスピーカー、れいわから届いたんだよ。もちろん太郎さんも承知しているよ」と明かしてくれた。 れいわの党員(※)たちがすでに事実上のスタッフとして蓮舫陣営に入ってチラシ配りなどに汗を流してい
確定分だけで16.5億円。税金と電力の壮大な無駄使いは「電通のシノギ」だったことが田中龍作ジャーナルの取材で分かった。 新宿の夜空にそびえる都庁舎の壁面いっぱいにお世辞にもアートとは言えない極彩色の絵柄が映し出される。 「プロジェクションマッピング」なる東京都の事業である。映写時間は毎夕7時から9時15分までの間、1回15分、5回にわたって壁面を光で彩る。色使いが仰々しいだけで、感動するものは何もない。 巨額の公費を投じながら都民の生活には1ミリも役立たない事業の発注先を聞いて妙な得心が行った。 コンテンツ制作はじめイベントの運営は「電通ライブ」なのである。 事業を主管する東京都産業労働局 観光部企画課によると今年度だけで7億円、来年度が9億5千万円。 事業は再来年度もその後も続き、莫大な予算がつく。原資は都民の税金である。 信頼できる都政関係者によれば「丸投げ」だそうだ。つまり確定分だけ
デモを扇動した容疑で逮捕され、保釈された周庭さん。海外メディアに露出することが国家安全法の外国勢力との結託にあたるとされる。=2019年8月、香港 撮影:田中龍作= カナダに逃れている香港の民主活動家・周庭さんの逮捕容疑のひとつに「国家安全法違反」がある。 2019年6月、来日した周庭さんは明治大学で「香港の民主化運動」について講演した。それからわずか2ヵ月後の8月、国家安全法違反の容疑で香港警察に逮捕された。「勾結外國勢力=外国の勢力と結託した」ことが国家安全法違反にあたるというのだ。 紙面で中国共産党を批判していた新聞社の社長ジミー・ライ氏は、周庭氏と同じく「国家安全法違反」の罪に問われている。有罪率100%。最高は終身刑である。 選挙は中国に忠誠を誓わなければ立候補できない。 「世界一自由な都市」と言われていた香港の今だ。 「な~に、日本はそこまでなりはしないよ」なんて侮ってはいけな
イスラエル南部の住宅地に着弾したハマス(あるいはイスラム聖戦)のロケット。=2009年、アシュケロンの警察で 撮影:田中龍作= 「死者500人を出したガザの病院爆破はイスラエルの責任ではない」と米情報当局が発表した・・・と各国のメディアが報じた。 米情報当局は、発射に失敗したイスラム聖戦(ハマスの兄弟分)のロケット弾が病院に墜ちた、としている。 情報当局は傍受したイスラム聖戦の交信を根拠にあげる。「発射に失敗した」という内容だ。 笑止である。情報当局がかりに傍受の音声を公開したとしても、イスラム聖戦に実在する人物なのか証明は不可能だ。 傍受の音声を捏造することなんて朝メシ前である。 イスラム聖戦の仕業なのか、イスラエル軍なのか。田中はどちらとも断定しない。 ただし、物証が得られれば極めて有力な判断材料となる。 ハマス(あるいは兄弟分のイスラム聖戦)のロケット弾は、建設資材を流用した粗末な材
この男がいなかったら、日本というブラックボックスは永遠に闇の中だった。 ジャーナリストの鈴木エイトが、きょう21日、日本外国特派員協会の「報道の自由賞」を受賞した。 権力に不都合な案件でも記者会見を開く特派員協会だからこその授与である。この日はジャニーズの性加害を追及した『週刊文春』も受賞した。 昨年7月、安倍晋三元首相が、統一教会信者2世に殺害された事件を機に、教団と与党自民党との関係が一気に表に出た。 鈴木エイトは20年も前から統一教会を追い、10年前からは安倍首相と菅官房長官(両者とも肩書は当時)が統一教会と裏で取引していることを追及してきた。 マスコミに持ち込んだが、あまり響かなかった。10年の歳月と共に転機が訪れた。安倍元首相暗殺事件である。 エイトは綿密な取材で長年蓄積していたデータをマスコミ各社に無料で提供した。 「メディアが監視できていなかったから(政治と教団の)関係が強ま
世界最悪レベルとなった東電福島原発の事故(2011年)直後を思い出す。国民の怒りと行政への不信は頂点に達していた。 毎週末のように1万人を超す巨大デモが掛けられた。国会議事堂を包囲することも当たり前の光景としてあった。 国会突入(1960年)を経験した往年の闘士に「60年安保の時と原発事故とではどちらが国民の怒りは大きいか?」と尋ねた。 闘士の答えは明快だった。「原発事故の方が怒りは大きいね。自分の健康に関わってくるからね。安保はイデオロギーなんだよ」。 安倍元首相暗殺を機に「統一教会と政治」の闇が一気に陽のあたる場所に出てきた。 身ぐるみはがし2世までをも地獄に突き落とす悪徳商法を取り締まるはずの警察に、政治が圧力を掛けて、捜査が及ばないようにしていたのだ。 「パンドラの箱が開いた」と表現する向きもあるほどである。 原発事故が健康問題であるとすれば、霊感商法は生命財産を脅かす問題だ。 に
データベースをお披露目する『やや日刊カルト新聞』藤倉総裁。逮捕スレスレの体を張った取材でカルトの真相を暴き出してきた。=16日、新宿 撮影:田中龍作= ヤバさ満点。参院選挙の投票日前に公開されていたら自民党は圧勝していただろうか。 統一教会と関係を持った政治家のデータベースがこのほど完成した。制作したのは『やや日刊カルト新聞』の藤倉善郎総裁で、情報取材は主筆の鈴木エイト氏。 昨夜(16日)、藤倉総裁が新宿のロフトプラスワンでお披露目した。 伏せ字は一文字たりともない。統一教会と関わりのある国会議員112名のフルネームがスクリーンに映し出された。 自民党98名、立憲5名、維新5名、国民2名、参政1名が衆院北海道から“紹介”されていった。 下村博文元文科相、稲田朋美元防衛相、高市早苗前総務相らお馴染みの名前が、次々と登場した。 一方で「エッ、この人も統一教会と関係があるの!?」と思わせる議員の
10日に投開票がある参院選挙に東京選挙区から立候補している生稲晃子氏が、我が家の近くで街頭演説をしていたので、カメラを持って聞きに行った。きょう夕方のことだ。 元芸能人だけあって表現力は豊かである。乳ガンを患った経験から入り、しんみりと聞かせる。 自らが経営する飲食店がコロナ禍で苦しむ→ウクライナ情勢を受け人々の生活が厳しい→苦労した人が報われる政治・・・話は淀みなく流れた。 横文字を並べて小難しい政策を説く一部の野党候補よりも、聴衆の心にすんなり入ってくる。 街宣は自民党だけあって抜かりはない。地元選出の衆院議員を頂点に都議、区議のピラミッドがしっかりと脇を固める。地元の有力者に手配するなどして、しっかりと人を集めていた。大きな上滑りはないだろう。 参院議員の先輩にあたる今井絵理子センセイの演説を聞いたことがあるが、これも巧い。 SPEEDに続いておニャン子。そしてその次はAKBだろうか
開戦から69日目、5月5日。 森の中は不発弾だらけだった。雨後のタケノコなどという生やさしいものではない。ありとあらゆるロケット弾やミサイルが所狭しと散乱していた。 ウクライナ国家警察の不発弾処理に同行した。通訳氏の個人的なツテである。プレスツアーではない。 20人からなる不発弾処理部隊のローマン隊長によれば「不発弾は2~3,000発はある」という。 驚いてはいけない。2~3,000発は砲弾のほんの一部なのである。話はこうだ― 森のあるミロツカ村は、首都攻略の前線となったホストメリ、ブチャ、イルピンまで9~13㎞の近さだ。森は前線に向けた弾薬の供給基地となったのである。 ウクライナ軍は諜報などからもたらされた情報をもとにドローンで索敵した結果、森が弾薬の供給基地であることを確認した。 森の入り口に住むアイバンさん(66歳)はその日を忘れない。 ウクライナ軍がほんの数分間、森に砲撃を加えると
湖ではない。水底は戦争前までは小麦畑だった。ニョッキリと出た樹木と電柱が異様だ。=8日、ウクライナ北部 撮影:田中龍作= 開戦から42日目、4月8日。 最後までロシア軍が駐留していたウクライナ北部を訪ねた。(あくまでも東部のドンバスとハルキウ、南部のヘルソンを除く) 北部の村に食料や医薬品を届ける支援団体と軍に同行したのである。 キーウ近郊のように建物の破壊はないが、北部の穀倉地帯は無残な姿をさらしていた。 電柱や樹木が水面にニョッキリと顔を出している。奇妙な風景だ。 地元ジャーナリストによれば、ここは小麦畑だったそうだ。ロシア軍が川の堤防を破壊したため川の水が流れ込み、湖のようになったのである。水だけ見れば広大な湖である。 真っ黒に焼けた小麦畑もあった。ロシア軍は水攻め、火攻めの両方でウクライナの農業を破壊しようとしたのだろうか。 橋という橋がロシア軍によって落とされていたため、食料や医
ヴィラさんは嗚咽をまじえながら惨劇を振り返った。背後にあるのは破壊されたロシア軍の戦車とトラック。=5日、ボロデャンカ 撮影:田中龍作= 開戦から39日目、4月5日。 ロシアを一方的に悪者扱いしているのではない。見たこと聞いたことを現状に照らし合わせながら、ありのままに書く。 キーウ中心部から西北に75㎞の街ボロデャンカ。ブチャやイルピン同様、ロシア軍が侵攻初期の頃から包囲し攻撃を続けてきた。 解放されたのはつい5日前のことだ。1ヵ月にわたる破壊の跡を歩いた。 アパートをはじめとするビルは原形を留めぬまでに壊されていた。半壊した公共施設の壁にはロシア軍東部軍区を示す「V」がスプレーで吹き付けられていた。 乗用車のボンネット部分だけが、ペシャンコに潰れている。焼け焦げた跡はない。砲撃されたのでないことは確かだ。戦車のキャタピラーの跡が乗用車に接合するようにしてあった。戦車に潰されたのだ。 街
統一候補の名簿にれいわの名前はなかった。野党共闘のテーブルとは何だったのか? =15日、参院会館 撮影:田中龍作= 31日投票の衆院選挙に向けて、東京選挙区の野党統一候補が、きょう15日、発表された(主催:市民と野党をつなぐ会@東京)。野党各党の幹部が見守るなか晴れて統一候補となった候補者一人ひとりが、挨拶した。 立憲が下げた結果、統一候補となった共産党候補もいれば、共産党が下げて統一候補となった立憲候補もいる。だが、「れいわ」は一人もいなかった。 山本太郎代表が登壇し場内には緊張が走った。「私達れいわ新選組は小選挙区において、全候補者の30%以上を下げた。一方で私達れいわ新選組が野党統一候補として出られる所は一箇所もない」と苦言を呈した。 この後、山本は記者会見を持った。 田中は「大政党にいいように利用されたという感はないか?」と質問した。 山本は次のように語った― 「私たちのようなもの
到着したスウェーデンのカヌー選手。専用タクシー乗り場までスタッフが誘導した。=6日、羽田空港 撮影:田中龍作= 聞きしに勝るザルだった。バブルなんぞ最初からなかったのである。海外からのオリンピック関係者の入国が相次ぐ羽田空港を取材した。 ルフトハンザ機の到着を告げる館内アナウンスから2~3時間経つと抗原検査を済ませた選手、ジャーナリスト、記録係たちが、三々五々、到着ゲートからロビーに出て来た。 抗原検査の結果が出るのに個人差があるからだろう。陽性者はゲート内に留め置かれるので、出てくるのは、陰性者だ。 しかし陰性イコール、コロナウイルス保有者で「ない」ということにはならない。保有者ということもあるのだ。 スウェーデンのカヌー選手がゲートを出て来ると、すぐにスタッフがIDを確認し、そのまま専用タクシー乗り場まで同行、選手を車に乗せた。 スタッフたちが隔離されていなければ、彼らがウイルスを家族
代々木公園で予定されていたPV(パブリックビューイング)が、オリンピックに限って中止され、会場はワクチンの大規模接会場となる・・・ 代々木公園はその後、どうなったのだろうか? 気になって、きょう9日、現場まで足を運んだ。 森の中では大規模接種会場の建設が急ピッチで進んでいた。 大型建築物につきものの鉄骨が草地の上に積まれ、溶接工事のガスバーナーがパチパチと弾けるような音を立て火花を散らしていた。 現場の看板を見て驚いた。工事施工者名が『電通 代表取締役 五十嵐博』となっているのだ。 PV(パブリックビュー)会場の運営が電通であることは知っていたが、ワクチンの大規模接種会場の建設現場になぜ『電通』の名前があるのか、分からなかった。 電通はいつからゼネコンになったのか? 頭の中でクエスチョンマークが激しく点滅した。 田中はその場から東京都オリパラ準備局に問い合わせの電話を入れた。 「ワクチンの
世田谷区の保坂展人区長。「冷蔵ではなく冷凍でお願いします」とファイザー社から回答を得たことを証言した。=8日、衆院第4控室 撮影:田中龍作= ワクチン接種率がダントツで先進国最下位・・・これは序の口だった。政府のコロナ対策は国家の体をなしていなかった。 厚労省が鳴り物入りで投入した「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」が5日から作動していないことが、「野党合同チーム」の調べで分かった。 V-SYSはワクチン供給、接種、在庫などを一括管理し、滞りなくワクチンが行き渡るようにするシステムだ。 V-SYSが止まればワクチンの供給が円滑に行かなくなる。闇夜に鉄砲を撃つようなこととなるのである。 民主党政権で厚労相をつとめた長妻昭議員が「V-SYSに不具合があるという噂があるが」と政府に尋ねたところ「そんなこと全くありません。ガセネタです」との答えが返ってきた。 ところが、「野党合同チーム」は
ふじみ野市が福祉事務所長名で市内の医療機関に出した通達。生活保護に詳しい弁護士は通達の文言に驚く。=市内の医師より入手= ある生活保護受給者(埼玉県ふじみ野市在住・男性)の8歳の長女が38度5分の高熱を出し、近所の発熱外来を受診した。 医師が「PCR検査を受けますか」と言うので検査を受けた。今月14日のことだ。 それから4日後の18日にふじみ野市役所の福祉課から男性の携帯に電話が掛かってきた。 福祉課は男性の長女がPCR検査を受けたことを確認すると「次回からPCR検査を受ける場合は事前に(福祉課の)許可を取ってくれ。さもなくば自腹になる可能性がある」と告げた。 ふじみ野市役所は14日、福祉事務所長名で市内の医療機関に対して「生活保護受給者がPCR検査を実施する場合は、必ず福祉課までご連絡下さい」との通達を出している。 生活保護受給家庭の子供のPCR検査を実施した病院が、通達に沿い福祉課に連
わずか10数人の市民に対して、国際オリンピック委員会(IOC)の会長ともあろう人物が、ここまでコソコソする理由は何なのだろうか。 来日中のバッハ会長が、きょう、国立競技場を視察した。五輪開催に反対する市民が、昨日の都庁に続いて抗議に押し掛けることが充分に予想されたため、国立競技場周辺は厳重な警備が敷かれた。 反対派市民の集合場所となったJR千駄ヶ谷駅前は、数えきれないほどの私服警察が配置された。乗降客の数よりもはるかに多い人数だった。 数ばかりではない。警察はいつにも増して気合十分だった。 五輪に反対する市民グループが競技場の外周を歩き始めると、班長とおぼしき老刑事がツツーと先頭に詰め寄って来て「オマエがデモの指導者か?連呼は止めさせろ」「東京都公安条例違反だ」と凄んだ。 老刑事は「現在●時●分。警告したからな」と告げた。私服刑事数名が白手袋を着用した。「逮捕の用意があるよ」という意味だ。
男性はラップのリズムに乗せて「Wake up=目覚めろ」「Stand up=立ち上がれ」と呼びかけた。=8日、パソナ本社前 撮影:田中龍作= 「正規雇用と言われるもの(者or物)は、ほとんど首を切れないんですよ。首を切れない社員なんて雇えないですよ…」(朝生10月31日放送で) 人材派遣会社の会長としては実に的確な発言だ。日本人をここまで貧しくした張本人としても的確だった。 “旬” であり続ける男、竹中平蔵に抗議する集会が、きょう、大手町のパソナ本社前であった。(主催:#みちばた・甲斐正康代表) 国民の敵を指弾するのに右も左もない。集会には共産党陣営の選挙を手伝う青年も、民族派右翼人士も入り混じった。 右でも左でもない女性たちがいた。一人は北区、もう一人は板橋区在住だ。共に50代。パート先で知り合った。 北区の女性は「スガ首相が自助と言っているが、自助するなら非正規を社員にしなければいけな
日本で最も警戒の厳しい権力中枢前でこの光景。カメラのフレームには入らないが、数えると35人もが本を読んでいた。=25日、官邸前 撮影:田中龍作= 云々(うんぬん)を「デンデン」と読んだ前首相と、ASEANをアルゼンチンと言った現首相。 知性とは対極にある2人にとって不可思議な世界が官邸前に連日、現出する。 まったく つながり のない老若男女が日本の権力中枢の前で黙々と本を読むのである。 官邸前でハンストを続ける菅野完が呼びかけたわけではないが、菅野の姿勢に共鳴した人々が、来たい時に来て、帰りたい時に帰るのである。菅野の姿勢とは、知性で反知性に立ち向かうことだ。 「きょうは会社が休みなので茨城から来た」という男性(30代)は「本を読むことが抵抗だ」と けれん味 もなく言った。 男性が読んでいたのは『飛ぶ教室』(エーリヒ・ケストナー著)。児童書の定番だ。「子供の頃から勉強し直せ」…安倍、菅への
「学術会議への人事介入」に抗議してハンストを続ける菅野完が、きょう夕方、官邸前の横断歩道を渡ろうとしたところ、警察官に阻止された。 「渡れる、渡れない」を判断するのは警察(具体的には麹町署)だ。政権に批判的と見られる人物は実力で止められる。 菅野が「ここ(官邸前)でプラカードを持った人は渡れるか?」と尋ねると、警察は「内容による」と答えた。明らかな検閲である。 菅野が畳みかけるように「菅首相マンセー(万歳)。これだったら通れるか?」と迫った。菅野らしいトンチである。「バンザイ」ではなく「マンセー」としたのである。 驚いたことに警察官の一人が「私、個人的にはOKです」と答えた。 現場は一気に緊迫した。菅野は10月2日からハンストを続けているとは思えないほど気力をみなぎらせた。ボードに「スガ首相マンセー」と書いた。そして警察の制止を振り切り、官邸に向けて横断報道を歩き出したのである。 菅野は1
政府と自民党による中曽根元首相の合同葬が、きょう17日、都内であった。 故人の評価はさておき、血税を投じて営まれるのだから、国民目線で合同葬のもようを伝える必要があると考え、葬儀会場に向かった。 記者クラブやそれに準ずるメディアでなければ入れないことは百も承知だ。要はどうやって潜り込むかだ。 昨日16日、会場となる港区のホテルを下見した。表からがダメだったら、裏から入れるか。誰何されるとしたら、どこで止められそうか・・・などをチェックするためだ。 きのうは裏から入ったが途中でガードマンに見咎められ、「リボンは?」などと詰問された。当日の警備は相当に厳重であることが予想された。 きょう17日は、正面からタクシーで入ることにした。ホテルにつながる私道で警察から、10分間ほど止められ、誰何されたが、とりあえず玄関まで行けた。 「故中曽根康弘 内閣 自由民主党 合同葬儀場」。白地に黒色で書かれた巨
男性記者が胸に下げていたIDカードには「TBS」の3文字が。看板番組である「報道特集」の姿勢と180度違う。=3日朝、原宿 撮影:田中龍作= 10日に予定されていた菅首相と記者クラブとの「パンケーキ朝食懇談会」が中止となったことが分かった。官邸に情報網を持つ複数の関係者が明らかにした。 3日、原宿のパンケーキ店で持った菅首相と記者クラブの朝食懇談会には、毎日、読売、日経、産経、北海道、西日本、中国、共同、時事、ジャパンタイムズ、のほか、テレビキー局各社が出席した。 SNS上で辞退したとされる毎日新聞は、出席していたもよう。 いつも格好よく権力批判を繰り広げるTBSテレビからも男性記者が出席した。社内不一致か。 世論の反発が予想以上に大きかったため、官邸は次回の朝食懇を中止せざるを得なかったものと見られる。 ただしフェイントであることも十分ありうる。 ~終わり~ 田中龍作の取材活動支援基金
「デモ中止」を宣告する警察官。主催者の肩には別の警察官の手(白手袋)が置かれている。いつでも逮捕しますよ、という意味だ。=24日、新国立競技場そば 撮影:小杉碧海= オリンピックの来年開催に向けて突き進む安倍政権の狂気を代弁するような警察の弾圧だった。届け出デモをコース上で中止に追い込んだのである。(デモ主催者:オリンピック阻止委員会) きょう24日は、コロナに見舞われなければ、「東京オリンピック2020」の開催日だった。これに合わせて、主催者は2年前から警察にデモ申請をしていた。 20人余りのデモ参加者に対して制服・私服の警察官は目視できるだけで80人ほどだったか。それにカマボコ(機動隊輸送車)2両、ゲリバン(逮捕者護送車)1台が控えた。 弾圧に向けた並々ならぬ意欲の表れだった。 デモコースはオリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の外周を3周する予定だった。 約1時間かけての1
党の存続さえ危ぶまれる問題についての記者会見であるのに場所は路上となった。党本部(写真左奥)は開いているのだが。=10日、赤坂 撮影:小杉碧海= 大西つねき氏による「命の選別発言」を受けて、れいわ新選組の山本太郎代表はきょう10日夕方、記者会見を持った。 山本代表は「来週にも総会を開いて除籍を提案する」と明らかにした。 昨夏の参院選にれいわ公認候補で出馬し、現在もれいわ構成員の大西つねき氏が、自らのYouTubeで「命の選別をするのが政治。老人から逝ってもらう」と発言したのが7月3日頃。 「ナチスの優勢思想に通ずる」として世論は騒然となった。 山本代表によれば、自身が大西発言を知ったのは7日朝。 山本代表は同日、声明を出した。「(大西発言は)立党の精神に反するもので看過できない」としながら、「命について真摯に向き合うチャンスを与えたい。人は変われる」と大西氏の更生に期待を寄せた。 除籍には
出馬表明の記者会見をした頃の宇都宮は、市民本位の選挙を進めようとしていた。(会見は5月27日) 記者会見後、田中とジャーナリストの横田一は宇都宮にぶら下がり、野党との選挙協力について尋ねた。 宇都宮は次のように答えた―「野党はあっちに行ってろという考え方なんだ」「私が候補者兼事務局長兼選対本部長みたいかなあ」 野党共闘信者には信じ難いだろうが、ねつ造ではない。音源がある。 前回(2016年)の都知事選挙で、宇都宮は民進党(現立憲)の枝野幹事長(当時)と共産党の小池書記局長から引き摺り降ろされた。 7月11日午後5時30分頃、宇都宮は2人からホテルニューオータニに呼び出され、撤退を迫られたのである。告示3日前のことだった。 宇都宮は野党の御都合主義に振り回された苦い苦い経験を持つ。それだけに今回こそ市民本位の選挙を戦いたい、という信念を強く持っていた。 消費税増税のお膳立てをし、安倍政権を誕
本稿は山本太郎を擁護するものではない。真実を明かさなければ、野党が健全にならないと思うあまり執筆することとした。 山本の出馬表明が告示3日前という土壇場になったのは理由がある。 小池ゆり子知事の都政運営やコロナ対応を否定して出馬する以上、小池の正式出馬表明を待つ必要があった。 「(山本が)出るとしたら小池の出馬表明の後」との情報を得ていた田中は、親しいフリー記者らに、それを伝えていた。 果たせるかな。小池は12日(金)の夕方、記者会見を持ち、正式に出馬表明した。翌日は土曜、翌々日は日曜日だ。 山本は直後の「営業日」となる月曜日15日に立候補の記者会見を開いた。既定方針通りだった。出馬表明が遅くなったのは「後出し」ではないのだ。 遅くなったもう一つの理由は立憲にある。立憲が山本の唱える「消費税5%」を飲んでいたら、山本は野党統一候補になっていただろう。 立憲はあの手この手で山本本人との接触を
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