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今年の「#文学」
note.com/travelingfoodlab
定番の「お好み焼き」を崩さずにふわふわに焼き上げる方法をご紹介します。鍵を握るのは生地の粘り気のもとであるグルテンと空気。定番のメニューを家庭でおいしく作る方法を、料理の理論とともに解説する連載です(85回目)。 冬に美味しくなるキャベツを主役にしたお好み焼きです。お好み焼きの生地は「硬くなるので混ぜすぎてはいけない」とよく言いますが、あまり混ぜないで焼くとひっくり返す際にバラバラに崩れてしまいます。生地の粘り気であるグルテンが生成されず、具材をつなぎとめることができないからです。とはいえ「崩れないように」と生地と具材をよく練ってから焼くと、今度はやっぱり硬い仕上がりに……。解決策は生地作りと具材を混ぜる工程を分けることです。 お好み焼き材料(2枚分) 薄力粉…90g 出汁…100cc (出汁を準備するか、100ccの水に顆粒だし1gを溶く) キャベツ…200g〜240g (4〜5枚が目安
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。今回のテーマは『おひたし』です。作り置きもできて手軽につくれるおひたしは、不足気味な野菜を補うのにうってつけ。今回は「ほうれん草のおひたし」と料理屋でつくられる「浸し地」という出汁、アレンジメニューとして「小松菜のおひたし」をご紹介します。ポイントは高温短時間の加熱です。 「一日350gの野菜を食べるとよい」 といわれていますが、平成29年度の調査では日本人一日当たりの野菜摂取量の平均値は 288.2 g。野菜料理一皿分が足りない計算です。生活習慣病の予防のためにも、毎日の食事になにか一品、加えたいところ。 今回、紹介する『おひたし』はそんなあと一品にぴったりの料理です。日本国語大辞典によると、おひたし【御浸】とは「ホウレンソウなどの青菜をゆでて、しょうゆ、かつおぶしなどをかけたもの。ひたし
食の博識、樋口直哉さんによる科学的「おいしい料理」のつくり方。29回目のテーマは『湯豆腐』です。なめらかで、やわらかい湯豆腐をつくるコツをご紹介します。ポイントは『塩』と『温度』。火加減に注意すればおいしくつくれます。アレンジメニューとして「野菜湯豆腐」もご紹介します。 湯豆腐は冬の定番ですが、江戸時代の料理書『豆腐百珍』には掲載されていません。あまりにも簡単な料理なので、載せるまでもないと作者は考えたのかもしれません。(ちなみに冷奴も掲載されていませんが、同じ理由かも) しかし、この湯豆腐。ちょっとしたところに気を配るだけで、味は格段によくなります。今日は湯豆腐の作り方を学びましょう。ポイントは『塩』と『土鍋』です。 本格湯豆腐材料(2人前) 絹ごし豆腐……1丁 水……1L 昆布……10g 塩……小さじ1 かけ醤油(そばだし) 醤油……50cc みりん……50cc 水……250cc 鰹節
今回のテーマは、「カレーうどん」です。さらりとした口どけのよいとろみに、お店で食べるような風味とコクがプラスされたワンランク上の味を作ってみましょう。 「茹でうどん」は手早く料理したいときの強い味方。今日はリッチなカレーうどんをつくります。ベースとなるのは小麦粉とバターを炒めたルー。そこにカレー粉とそばだし(5:1:1)と牛乳を加えて「カレーうどんのつゆ」をつくります。面倒であれば薄めためんつゆに市販のカレールーを加える方法もありますが、一から手作りすると格段にすっきりとした味に仕上がります。 カレーうどん材料(2人前) 茹でうどん…2玉 水…450cc 鰹節…8g 昆布…4g(1片) 醤油…50cc みりん…50cc バター…12g(大さじ1) 小麦粉…9g(大さじ1) カレー粉…小さじ1~ 牛乳…100cc 豚バラ肉…60g 新玉ねぎ…1/2個 サラダ油…小さじ1 青ネギや茹でグリーン
今日は、冬の料理でおなじみの「ポトフ」をご紹介します。おいしく作るポイントは肉の旨味を最大限に引き出すこと。時間はかかりますが、じっくり煮るだけの簡単な料理です。 ポトフは肉と野菜を水から煮込んでいく庶民的な料理です。野菜や肉を煮て、その旨味が溶けこんだ液体ごと味わうこの料理には、フランス料理の基本が詰まっています。 ポイントは〈弱火でことこと煮込む〉こと。ところでポトフのような煮込み料理に用いる塩はどのタイミングで振ればいいのでしょうか? この料理をつくることでその答えがわかります。 ポトフ材料(2人前) 牛肉(煮込み用)…300g〜 塩…小さじ1/2+1/4(4.5g) ベーコン(ブロック)…100g 玉ねぎ…1個 にんじん…1本 セロリ…半分 長ネギ(白い部分)…半分 昆布…2g(5cm角) 水…1.2㍑ 胡椒…適量 パセリのみじん切り…適量 マスタード…適量 1.牛肉に塩を振り、3
定番メニューをおいしく作る方法を、その理由とともに解説する本連載。今回は白菜を使った鍋、「扁炉(ピェンロー)」をアレンジしたレシピをご紹介します。干し椎茸のうま味を生かすためのポイント、白菜の正しい使い方とは? 白菜を使った鍋といえば舞台美術家でエッセイストの妹尾河童さんが著書のなかで紹介し、人気メニューとなった『扁炉(ピェンロー)』が有名。今回はそれをアレンジした白菜鍋をご紹介します。そもそもピェンローとは中国では鍋料理の総称。妹尾河童スタイルのピェンローは中国では一般的ではなく、日本生まれのオリジナルと言っていいでしょう。 白菜鍋のポイントは乾物の旨味を上手に活かすこと。味のベースには干し椎茸を使い、そこに豚肉の旨味を重ね、白菜と調和させます。干し椎茸に含まれるグアニル酸、豚肉のイノシン酸、白菜のグルタミン酸という異なる種類の旨味を重ね、たっぷりのごま油でコクを出しましょう。 白菜鍋材
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。19回目のテーマはいまが旬の『サンマの塩焼き』です。魚焼きグリルでなくフライパンで、脂がのったすっきりした味わいのサンマの塩焼きをつくります。サンマのはらわたを利用した肝醤油のつくり方も併せてご紹介しています。 秋はサンマの季節。昔は日が暮れてくると家々の路地からはサンマを焼く煙が流れていた、と聞きますが、今では魚を焼く煙はすっかり嫌がられるように。そこで今回はサンマをフライパンで焼く方法をご紹介します。ほとんど煙を出さずに焼ける、現代的な方法です。 サンマを焼くポイントは加熱を最小限、短時間に抑えること。長く焼くとサンマのおいしさである脂肪分が流れ出て、身がパサパサになってしまうからです。このポイントを踏まえて、いくつか工夫をしていきます。 サンマの塩焼き材料(2人前) 生サンマ 2尾
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。18回目のテーマは『きのこソテー』です。旬のきのこから100%の味を引き出す調理法をご紹介します。アレンジメニューとして、『きのこの和風マリネ』『きのこの味噌汁』も併せてご紹介しています。 秋はきのこの季節。天然物が手に入れば言うことないですが、スーパーで買える栽培種のきのこで秋の味覚を楽しみましょう。 きのこを使った料理は従来の常識では『強い火でさっと炒める』のがコツとされてきました。今日はそんな常識を覆す『きのこのゆっくりソテー』を作ります。15分程度という長い加熱時間が必要ですが、きのこから100%の味を引き出す調理法です。 きのこのゆっくりソテー材料(4人前) きのこ (各種あわせて)およそ600g オリーブオイル 大さじ3 にんにく 1片 塩 1g〜2g 胡椒 適量 バ
オイスターソースは色々なメーカーから販売されています。どの銘柄でもいいのですが、塩味や濃度が異なるので量の調整が必要。今回使用した光食品のオイスターソースは濃度がゆるいので、味が絡みやすいのがメリット。オイスターソースのこってり感というよりも魚醤の風味が強く、わりとシャープな味です。 一般的なのは李錦記でしょうか。何と言っても李錦記のオイスターソースはメーカーが創業するきっかけになった商品です。昔は缶で売られていて、瓶に移し替える手間が必要だったのですが、あらかじめ瓶で売られているので便利になりました。こちらは濃厚でいわゆるオイスターソースらしい味わい。 作り方は極めてかんたん。僕の父が家でよく作っていたレシピで、もともとは丸元淑生さんの本に掲載されていたもの。レタスだけではなく、青菜などあらゆる野菜が同様に調理できます。 元レシピとの違いは塩の有無で、オリジナルは早い段階で塩を加えていま
今日のテーマは「ナスの油味噌炒め」。ある処理をすることで、油を吸わず、さっぱりジューシーに仕上がります。身が引き締まった旬のナスに甘辛い味噌ダレが絡んで、箸が止まらなくなる一品です。ぜひお試しください。 ナスの油味噌炒めは新潟の郷土料理。本来は青じそが入るところを生姜に変え、甘めの田舎風の味に仕上げました。ポイントはナスをレンジにかけてから油で炒めること。この一手間で油の使用量を1/3に減らすことができます。 ナスの油味噌炒め材料 ナス…300g サラダ油…大さじ1 味噌…30g(今回は越後味噌を使用 普通の米味噌でかまいません) 砂糖…大さじ2〜大さじ3(20g〜30g) 赤唐辛子…1本(半分にちぎって種を捨てる) 生姜…10g(親指の先くらいの大きさを千切りに) 1.ナスはヘタを切り落とし、1.5cm幅の輪切りにする。 2.1のナスをボウルに入れ、ふんわりとラップをして、600wのレン
今回のテーマは、ナスの唐揚げです。片栗粉をまぶしたナスを高温の油でさっと揚げて、ジューシーで香ばしい仕上がりになります。切ったナスは水に浸けてアク抜きするのが定石ですが、この説明は誤りだそう。水に浸ける本当の理由についても紹介しています。 ナスは夏から秋にかけてが旬。様々な料理に使えますが、やっぱり定番は揚げ物。今回は薄く衣をまぶしてから揚げ、香り油と花椒塩で味付けしました。冷たいビールと最高の相性です。 ナスはトマトやきゅうりと同じ果菜類。94%が水分ですが、果汁が出にくいという特徴があり、加熱してはじめてジューシーさが出てきます。この唐揚げは高温短時間の加熱で水分を内側に留めるのがおいしさのポイント。 ナスの山椒揚げ材料 ナス…2本(300g) 片栗粉…50g サラダ油…大さじ1 にんにく…1片(みじん切り) 赤唐辛子…5本(ヘタを切り落として、種をとりのぞく) 花椒…小さじ1 塩…小
久しぶりのパスタレシピです。イタリア料理のアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノは日本では人気の料理。日本人的にはかけそば的なシンプルさにそそられるのかもしれません。 とはいえアーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノはシェフの数だけ作り方やレシピが存在します。 三つ星レストランのレシピになると、バジリコソースが添えられ、アンチョビが入り、グラノパダーノチーズが入り、トマトが入り、カリカリにしたパン粉……という具合にかなり複雑なもの。軽く鍋を煽ってクリーミーな仕上がりにすることが強調されています。 再解釈パターンではこんなものも。こちらの動画の2つ目に紹介されているバージョンはパスタを塩ぬるま湯につけて戻し、にんにくを水に漬けてにんにくの出汁を抽出し、そのにんにく出汁、野菜だし、パセリの茎でさきほどのパスタを煮込んでいくスタイル。にんにく自体を入れない、という方法が興味深いところ。 ところで、
今回ご紹介するのは、本格派の汁なし担々麺。意外と簡単で、お店で食べるような味が手軽にたのしめます。担々麺の個性を決めるのは2種類の辛さ。ぜひお試しください! もともとは外国生まれでも、日本で発展、定着した料理はたくさんあります。担々麺もその一つ。本場の四川省では汁のない和え麺のスタイルが一般的ですが、日本に四川料理を広めた陳建民さんがラーメンのように汁を張ったスタイルを定着させたことは有名な話。 今回は本場のスタイルに近い、和え麺のスタイルの担々麺をご紹介します。ポイントは「たれを混ぜすぎないこと」です。乳化ではなく、油分が分離した状態のメリットを学べます。 担々麺材料(2人前) ◼️肉味噌 合ひき肉…200g A 醤油…大さじ1 A 味噌…大さじ1(できれば赤=豆味噌) A 酒…大さじ1 A 花椒(あれば)…小さじ1(荒く砕く) ◼️たれ(1杯分につき) 酢…小さじ1 醤油…大さじ1 烏
暑い日が続きますが、枝豆が店頭に並んでいました。今回、入手した品種はサッポロミドリ。 枝豆は品種が多く、それぞれに異なる味わいがあります。鮮度がモノを言う野菜(枝豆は大豆の未熟果ですが、農林水産省的には枝豆は野菜で、大豆は穀類です)なので、買ってきたらなるべく早く茹でましょう。色が鮮やかで、ふくらんだ豆の粒の大きさがそろっているものが良品。部分的に黒ずんでいたり、傷がついたものは鮮度が落ちています。 枝豆の茹で方はためしてガッテンが紹介した「4%の塩水で3分30秒茹でる」というのが一般的に知られる「おいしい茹で方」。この方法で茹でると枝豆が塩分濃度にして1%になるうえ、アミノ酸の溶出が抑えられ、おいしく仕上がるのです。 僕の茹で方は以前、こちらに書いていますが、ガッテン方式よりも塩分濃度が低めにするかわりに昆布のうま味で味を補う方法です。どちらの茹で方にも共通するのはさやの両端を切る下処理
食の博識、樋口直哉さんによる科学的「おいしい料理」のつくり方。33回目のテーマは『豚の角煮』です。砂糖を使い、弱火でのんびり加熱することで、お店で食べるような、しっとりとやわらかな豚の角煮が出来上がります。 豚の角煮。とろとろの脂身とほどけるようなやわらかい赤身が人気のメニューですが、硬かったりパサついたりと失敗も多い料理でもあります。失敗しないためのコツはたった一つ、のんびりと煮ることです。 豚の角煮材料(2人前) A(下茹で用) 豚バラ肉…400〜500g(塊) 砂糖…20g~25g (5%) 塩…4g~5g(1%) 水…1.5L 昆布…5g程度 Aの煮汁…500cc 酒…100cc 砂糖… 大さじ5(45g) 醤油…大さじ3 塩…小さじ¼(1.5g) 青菜…適宜 作り方1. 豚バラ肉は鍋に入る大きさに切り、砂糖と塩をまぶして30分置く。(Tips1 豚肉は砂糖の力でしっとりさせる)
ブロッコリーを切ってフライパンで蒸し焼きするだけ。とても簡単なメニューですが、蒸すことでうまみが凝縮した味わい深い一品です。パスタやスープなどにも応用できます。 今日はブロッコリーをまるごと使った料理をつくります。おいしさの理由は3つの異なる部位を混ぜること。部位ごとに違う持ち味が合わさることで、力強い味に仕上がります。 この調理法は野菜自身の持つ水分を利用したものです。蒸し焼きにすることで風味成分が凝縮するので、味が濃厚になります。肉や魚の付け合せにもなりますし、そのままでも十分成立する一皿です。ブロッコリー以外にも菜の花やほうれん草、カブなどの野菜に応用できます。 ブロッコリーのオイル蒸し材料 ブロッコリー…250g〜280g(1個) ニンニク…10g(スライス) オリーブオイル…大さじ2 松の実…10g 唐辛子…0.1g(1/4本を包丁で刻んでおく) 塩…小さじ1/4(1.5g) レ
定番パスタのミートソースをひき肉だけを使って簡単につくります。肉を練らず、肉を触らずに焼くことで、肉の香ばしさと存在感が引き立つミートソースが仕上がります。 洋食スタイルのミートソースです。ミートソースの構造はひき肉のイノシン酸と野菜のグルタミン酸で旨味の土台をつくり、そこに糖分で厚みを加えていくイメージ。今回はシンプルに玉ねぎの代わりに砂糖を使い(玉ねぎと砂糖は同じショ糖の甘みを持っています)、短時間で仕上げます。コツは『ひき肉を練らない』ことです。 10分ミートソース材料(2人前) フェデリーニ(またはスパゲッティーニ)…160g 合挽き肉…250g〜300g 塩…小さじ1/2(3g) 砂糖…小さじ1+1/2(5g) 水…大さじ1 にんにく…1片(みじん切り) オリーブオイル…小さじ2 トマトジュース(無塩)…200cc 小麦粉…大さじ1 ウスターソース…小さじ1 粉チーズ…適量 1.
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。21回目のテーマは『オムライス』です。オムライスのおいしさ「卵とご飯の一体感」の生み出し方や、ケチャップライスをパラっと仕上げる方法、卵が破れる失敗を防ぐコツなど、定番料理オムライスづくりの基本をお伝えします。 ふわふわの半熟の卵と、コクのあるケチャップライス。オムライスは幸せの形、そのものです。オムライスの発祥には諸説ありますが、間違いないのは日本生まれ、日本育ちと言うこと。今回はシンプルなレシピで、昔懐かしの素朴な味を目指しました。 懐かしのオムライス 材料(2人前) 玉ねぎ 1/2個 ハム 50g バター 20g(ケチャップライス用) 冷やご飯 350g (1合分) ケチャップ 40g 中濃ソース 10g(またはウスターソース) 卵 6個 バター 10g×2(卵用)
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。今回のテーマは『チャーハン』です。ご飯をお店風にパラパラに仕上げる秘訣を、理由も含めて解説していただきました。「油→卵→ご飯の順番に鍋に入れる」「加熱するときに鍋は振らないほうがいい」など、今回も新常識が盛りだくさんです。 チャーハンは、前日の夜に余った冷やご飯を利用した手軽な料理。なぜかこだわる方が多く、作り方を紹介すると「いや、こうした方がおいしい」という声が挙がる厄介な料理でもあります。とりあえずここでは僕なりのベターなレシピをご紹介しますので、こんな考え方もあるんだ、くらいに受けとっていただければ幸いです。 チャーハン冷やご飯 300g(約1合弱 ご飯茶碗にたっぷり2杯分) 長ネギ 1本分(濃い緑色の部分以外の部分) 卵 2個 焼豚 50g(簡単焼豚を使用or市販品) 塩
日本料理の出汁は軟水が基本ですが、動物性の素材を煮出して抽出するストック=フォンはどうでしょうか。ここは一つ、コントレックスと水道水で比較検討してみましょう。 ストックのとり方はモダニストキュイジーヌの圧力鍋を使ったアプローチを基本としました。 チキンストック 鶏手羽 280g 玉ねぎ 150g にんじん 100g セロリ 50g ローリエ 2枚 水 600ml 鶏手羽は小さく切ります。この一手間が重要。小さく切ればそれだけ味の抽出効率がよくなるからです。 ぜいたくに手羽肉を使いましたが鶏ガラでもいいでしょう。 材料を準備しました。 ストックにセロリを入れるとコクが増すのはこちらのnoteでも解説しています。フタライドが肉の脂肪の臭みを抑え、味わいとして「持続感」や「広がり」を増す、という仕組みです。 すべての材料を鍋に入れて、加熱します。はじめの実験はコントレックス100%で
今日は出汁をとってみます。出汁は軟水がベストというのが定説。そもそも日本の水は基本的に軟水。あえて硬水で抽出することでどのような差が出るかを調べてみましょう。 水はコントレックスを使います。 1%量の昆布だしを60℃で1時間抽出しました。 水道水は透明なままですが、コントレックスを使うと途中でアクが浮いてきます。このアクの主成分はおそらく硬水に含まれるカルシウムと昆布のアルギン酸が結合したものでしょう。 一方の水道水はアクが出ません。この段階で味見をするとどちらもうま味は同じくらい感じますが、コントレックスはそもそもの水が味が強いのか、全体に風味がまとまっていない印象。味については慣れもあるかもしれませんが、昆布だしの状態でもおいしいのは水道水=軟水です。 一度、沸かしてから火を止め、鰹節を投入。その後、1分後に濾しました。奥がコントレックス、手前が水道水です。透明度と色が明らかに違います
寒い日にぽかぽか温まるおでんはいかがでしょう? おでんをはじめとして煮物は、冷める時に味が染み込む、とよく言われますが、これは誤り。スッキリした味わいの出汁でおでんをおいしくいただく方法をご紹介します。 冬にぴったりのおでんはおでん出汁を具材に含ませる料理です。おでん出汁には便利な市販品もありますがわりと濃いめの味付けがおおい印象です。そもそも市販されている練物は甘めの味付けが多いので、くどくなりがちです。せっかく自分でつくるなら出汁から手作りしましょう! すっきりした味に仕上げたいので、今回は「出汁20:醤油1:酒1」でおでん出汁をつくります。一般的なおでん出汁の割合は「出汁20:醤油1:みりん1」ですから、みりんのかわりに酒の甘さを使った配合です。 おでんの基本は「長時間煮込まない」こと。90℃〜95℃くらいの温度を意識すると上手にできます。 おでん材料 大根…半本 こんにゃく…1枚(
クリスマスも近いので、今日は牡蠣を使った料理を二品。まずは生牡蠣から。ポン酢やレモンなどで食べてもいいのですが、フランスでポピュラーなワインビネガーソースを添えます。 さて、生かきです。生食用を使います。何回か説明していますが、牡蠣は加熱用も生食用も鮮度は同じ。違いは指定海域や浄化処理の有無によるものです。 指定海域:採取したかきをそのまま生食用かきとして出荷できる海域 条件付指定海域:採取したかきを人工浄化(おおむね20時間換水することによ って生食用かきとして出荷できる海域 指定外海域:加熱調理用かきしか出荷できない海域 一般的に売られている生食用の牡蠣は2の条件付指定海域で養殖されたものです。人口浄化処理を施しているので生で安心して食べられます……と言いたいところなんですが、〈あたる〉か〈あたらないか〉は食べる人の体調にもよります。体調が悪いときは加熱して食べてください。 塩水の濃度
一段と寒さが強まってきた今日この頃、あたたかい豚汁はいかがですか? 今日ご紹介するのは、豚汁の名店の味を参考に家庭でもかんたんに作れるようアレンジしたシンプルな豚汁。とろみのついたみそ汁に、出汁の旨味がからまって絶品の味わいです。新潟県妙高市にある『とん汁 たちばな』は豚汁の名店。今日はそのお店の豚汁からヒントを得た家庭用バージョンをご紹介します。ポイントはみその扱いと甘酒です。具材は豚バラ肉、玉ねぎ、豆腐の三種類だけとシンプル。 みそ汁に使う場合、よく「みそは煮込んではいけない」といいますが、今回ははじめから入れてしまいます。すると和風のシチューのようなまろやかな味わいになるのです。 豚汁材料(4人前) 豚バラ肉…180g〜200g 水…200cc みそ…40g(米みそ) 甘酒…100cc〜125cc(麹甘酒 ストレートタイプ) 玉ねぎ…2個(400g相当) もめん豆腐…半丁 濃口醤油…
料理本をパラパラとめくっていたところ、パスタを茹でる水に硬水を加えているレシピを読みました。理由としては「ゆですぎを防ぎ、プリッと仕上げるため」と書かれています。「パスタ 硬水」で検索してみたところ、様々なサイトで「硬水で茹でたほうがおいしい」という記述が。これは実験してみる必要がありそうです。 硬水の代表として市販のミネラルウォーターでも硬度が高いコントレックスを用意しました。 コントレックスの硬度は1468mg/L。東京都の水道水の硬度は(各浄水場によって違うのですが)だいたい50〜70ぐらいです。コントレックスのほうが比べ物にならないくらいカルシウムとマグネシウムが多いんですね。ちなみに日本やアメリカではカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量(CaCO3)に換算したものを硬度と定義しているので 硬度=(カルシウム量x2.5)+(マグネシウム量x4.1) という式で求られるので
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。16回目のテーマは『サラダ』。「サラダって簡単そうなのに、なぜお店のようにつくれないんだろう」と思ったことはないでしょうか。ポイントはタイトルにもあげた3Cと水。ドレッシングのつくり方と併せてご紹介します。 ここ数年、専門店が登場するなどサラダが注目を集めています。栄養学的には火を通した野菜を食べた方が効率的かもしれませんが、我々は生きるためだけにサラダを食べるわけではありません。サラダには生野菜にしかないおいしさがあるからです。 シンプルなサラダほど、おいしさに繋がるコツがいくつもあります。今日はグリーンサラダを作りながら、サラダの原則を確認していきましょう。 グリーンサラダ(4人前) サラダ菜 1個 ベビーリーフ 1袋 ★ドレッシング ビネガー 大さじ1 塩 1.5
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。15回目のテーマは『ハンバーグ』。ご紹介するのは樋口直哉流の新レシピ。卵を使わず玉ねぎも炒めない新しい調理法です。思わず唸るようなハンバーグ調理のポイントの数々をぜひご覧ください。 洋食の定番ハンバーグは、みんな大好きなメニュー。しかし、料理をする側からすると、なかなか悩ましい料理です。 まず、ハンバーグ自体がむずかしい料理の部類に入ること。一番の問題は焼き加減の見極めです。ハンバーグには空気が入っているので、火の通りが悪いのです。そのため「焼けた!」と思っても、まだ中は生の状態という失敗も多く、かといって火を通し過ぎると肉汁が失われてしまいます。 また、おいしいハンバーグの定義も様々。一般的なのはふんわり感を強調し、ソースとの一体感を目指した仕上がりで、いわゆる正統派、日本のハンバーグです
食の博識、樋口直哉さん(TravelingFoodLab.)による科学的「おいしい料理」のつくり方。12回目のテーマは『ステーキの焼き方』。焼くのは強火がいいのか、弱火がいいのか? 焼くときは肉を触らない方がいいのか、頻繁にひっくり返した方がいいのか? さまざまな意見がありますが、樋口さんがおいしい肉の焼き方(表面がカリッと、中はジューシー)を論理的にご紹介します。 今回はステーキの焼き方を考察します。インターネットで牛肉の焼き方を検索すると数え切れないほどの方法がでてきますが、目指すのは表面がカリッとして、なかはジューシー。噛みしめるごとに濃い肉の味がじんわりとする仕上がりです。 ビーフステーキ(一皿分)牛肉 180g(2cm厚) 塩 適量(肉の重量の0.5%が目安) 胡椒 適量 まずはステーキ用として売られている肉を購入します。 なぜ、ステーキ用とそうではない部位があるのでしょうか。
今回のテーマは「きのこの炊き込みご飯」。具材は、椎茸、しめじ、三つ葉、調味料はしょう油だけ。シンプルながら、きのこの風味を強く引き出し、松茸ご飯に匹敵するおいしさです。ポイントはしょう油の使い方と余分な調味料を加えないこと。 今の時期、スーパーに行くと松茸が出ていました。最近では比較的お手頃な輸入松茸もありますが、それでもやはり高級品。今日は安価な椎茸を使って、松茸ご飯風の炊き込みご飯を作ります。松茸独特の香りこそありませんが、味を補うためにしめじを混ぜれば、松茸ご飯に負けないおいしさです。 炊き込みご飯は『芯が残っている』や『べちゃべちゃになってしまった』という具合に意外と失敗しがち。失敗を回避するコツはお米に事前に浸水させておくことです。 炊き込みご飯には濃い出汁を使うとくどくなるので、すっきりとした薄めのだしを使うのが一般的。鰹と昆布のあわせ出汁を使う場合は出汁を引いた後、冷やす手間
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