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今年の「#文学」
kazenotori.hatenablog.com
前回は「客観的に重要な作品」で100作品を選んだのですが、いちおう「自分が好きな作品」に全振りしたリストも作っておこうと思いました。「シリーズ単位」「一作家一作品」で選出。とはいえ、西尾維新が言うところの「はぐれてしまった」というやつ、つまり「最初は大好きだったけどいつのまにか買わなくなったシリーズ」も多い。でも、そのとき好きだった気持ちは嘘じゃないから…と言い訳しておきます。 ちなみに私のライトノベル遍歴を読むと、初期のあたりがどうしてこういうラインナップなのかがわかると思います。 というわけでそのリストです。 田中芳樹『銀河英雄伝説』(1982年) 実際に読んだのは2000年から刊行された徳間デュアル文庫版。 森奈津子『お嬢さまとお呼び!』(1991年) 小野不由美『十二国記』(1992年) 流星香『電影戦線』(1997年) 賀東招二『フルメタル・パニック!』(1998年) 城平京『名
オールタイムベストって「自分が好きな作品」を選ぶか「客観的に重要な作品」を選ぶかでかなり性質が違ってくると思うんですが、そもそも「自分が好きな作品」なら毎年の個人的ベスト10をまとめればいいだけだし、「客観的に重要な作品」を選ぶならアニメ化リストを見ながら売れてそうな作品を選ぶだけなので、あんまり面白くないんですよね。 と思いつつ、まあ何事も経験だし、いったん100作品挙げてみるか、ということでリストアップしてみました。大変でした。 いや100作品って中途半端なんですよ。まずパッと思いつく作品を並べてみたら60作品くらいだったんですよ。んで気合を入れて候補をリストアップしたら140作品くらいになったわけですよ。だからもう極端に言えば「同率61位が80作品ある」みたいな感じなんですよね。今日寝て明日起きたらぜんぜん別のリストを作っているかもしれない。その程度のものです。 ちなみに私がリアルタ
なんとなく思い立ったときにやってみるコーナーです。本当に素人目で見たときの「いいな」なのでデザインの専門的な解説などはありません。作品内容の良し悪しとも関係ありません。 過去のやつ → 2017年版 2021年版 TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA 大きくて目立つ黄色い文字と、光り輝く熱狂感、そして主人公の不敵な笑み。まさにRTAのような勢いを感じます。一発で印象に残りますよね。 ジェノヴァの弟子 輝きならこっちだって負けてないぜ、とばかりにキラキラのビカビカ、タイトルロゴまで閃光エフェクトで飾られている。なんだかよくわからんがド派手すぎる。いやあ好きですね。 刻をかける怪獣 これはタイトルロゴが好きですね。こういうデザインって何て言えばいいんだろ。何か言い方がありそう。キャラクターはわかりやすく『怪獣8号』なんですが、この太くて無骨なタイトルロゴによって異なる印象になっている気がしま
「ラノベレーベルから出てるのがラノベ」論(以下「レーベル論」)、この明らかにトートロジーな言説が世間に広まったのは、とある横光三国志コラのせいだったと記憶しています(もちろんレーベル論自体はそれ以前からありましたが)。どこが初出なのかもわからないのでリンクは貼りませんが、そのセリフをいくつか引用してみましょう。 最初に断言しておきます。ライトノベルというのは文章の内容ではなくレーベルによる分類です! SFやミステリのような内容によるジャンル分けとは根本的に異なるのネ。 「ジャンル分けではない」というのは正しいですね。SF・ミステリ・ファンタジー・ホラーなどはジャンルの分類ですが、ライトノベルはさまざまなジャンルを含んだプラットフォームなので、コンテンツとしては「漫画」や「アニメ」などと横並びのカテゴリになります。ただし、「小説」という大カテゴリのなかではサブカテゴリ的に扱われている、という
「一般文芸」という不思議な言葉がある。出版業界用語の一種で、普通の辞書には載っていない言葉である。ラノベ業界においては「ラノベ以外の小説」という意味で使われることが多いが、別にラノベ発祥というわけでもない。よく本を読む人でも「そんな言葉は知らなかった」ということも多いだろう。明確に定義されているわけではないし、誰が言いはじめて、いつから使われているのかもわからない。 しかし、いまや我々はインターネットだけで明治以降のさまざまな書籍を全文検索して用例を調べることができる。そう「国立国会図書館デジタルコレクション」である。ありがたやありがたや。というわけで「一般文芸」について検索してみよう。 検索できるかぎりにおいて、おそらく最も古いのが1892年(明治25年)『哲学雑誌』内の一文である。 文學史といふ名稱は文學の歴史即ち「リテラツールグシヒテ」といふ意味なるべしと思ひしに此度の三書は文學史と
1. 『あなたの未来を許さない』 ひとことで言えば「クレイジー百合バトロワ」。未来人が現代で秘密裏に開催している「未来のない人間を集めて殺し合いをさせる」というTVショー。その参加者のひとり、学校ではイジメられているような鈍臭い陰キャ少女が、しかし心から愛する幼馴染のために「天性の殺戮者」として覚醒していく。トリッキーなように見えてものすごく直球のエンタメなんですよね。味方にしろ敵にしろ一癖も二癖もあるキャラクターたち。超能力が与えられた参加者を無能力の主人公が食い破っていく熱いバトル。そして少女たちの抱える巨大な感情。最高でした。 2.『ダンジョンシーカーズ』 ダンジョンシーカーズ~スマホアプリからはじまる現代ダンジョン制圧録~(サーガフォレスト)1 作者:七篠康晴一二三書房Amazonいわゆる「現代ダンジョンもの」なんですが、この作品はボーイ・ミーツ・ガールを主軸にしているのが特徴です
MF文庫Jの2022年の紙書籍の売上が電撃文庫を超える prtimes.jp ラノベ業界では長らく電撃文庫がナンバーワンであり、それがずっと意識に刷り込まれていたので、これはなかなか衝撃的なニュースでしたね。おそらく電撃文庫の看板作品である『SAO』や『86』の新刊があまり出なかったことと、MF文庫Jの看板作品『ようこそ実力至上主義の教室へ』がアニメ第2期の放映で爆発的に売り上げを伸ばしたこと、MF文庫Jのボカロ小説が好調だったことなどが要因としてあるのだと思われます。 なお電子書籍の売上を加味するとまだ電撃文庫のほうが上らしいです。 ラノベVtuber「本山らの」が電撃文庫編集者となって大復活 www.youtube.com 昨年、大学卒業とともにVtuberを卒業していた本山らのさんが、KADOKAWAに就職して電撃文庫の編集者となりVtuberとしても復活。Vtuber業界全体を見渡
「男女あべこべ」あるいは「貞操逆転」などと呼ばれるジャンルがある(以下「貞操逆転」で統一する)。 いわゆる「性転換」や「とりかへばや」などとは異なり、男女の社会的役割や倫理観がまったく逆転している世界を描くもので、特に性的な価値観の逆転により「女性が性に積極的」「男性は性に消極的」という描写が重視されている。ジェンダーSF的に描かれることもあれば、ただ単にそういうシチュエーションでエロを書きたいだけのこともある。というか現在のところは後者のほうが圧倒的に多い。 この記事では、そうした「貞操逆転」というジャンルがどのように発展してきたかを考えるために、備忘録程度にだが代表的な作品をまとめてみたいと思う。 沼正三『家畜人ヤプー』 EHSは女権制国家であり、EHSは女系の女子によって相続される女王による君主制国家である。政治や軍事の大権は女性のみが持つ。人間(白人)の女性に代わって出産をする子宮
ラノベの市場規模の話を突き詰めていくと「いったいどこまでをライトノベルと見なすか?」ということが問題になってくる。ラノベの市場規模を調べるのは難しい。なぜなら「ライトノベル」と見なされる範囲が変動するからである。ラノベの市場規模の発表をしているのは、主に「出版科学研究所の出版指標」と「ORICONエンタメ・マーケット白書」であるが、彼らが定める「ライトノベル」の基準は明らかにされていない。 たとえば「ライト文芸はライトノベルに含まれるか?」という問いは非常に繊細な政治的問題を孕んでいる。私自身は間違いなくライトノベルに含まれると思っているが、「ライト文芸はライトノベルではない」と考えている人も多い。おそらく市場規模の調査においても「ライト文芸」はライトノベルに含まれていない。というか含めると収拾がつかなくなるのだろう。イラスト付きの一般文芸などいまやありふれている。どこまでがライト文芸なの
はじめに 「キャラクター小説」。ライトノベルを説明するときによく使われる言葉ですが、例によって定義は曖昧です。そこで「キャラクター小説」の初期の定義を確認し、そこからどのように用法が派生していったかを探り、そして「もう使わんほうがいいんじゃね?」という結論に持っていく、というのがこの記事の主旨となります。 そもそも「キャラクター小説」という言葉がよく知られるようになったのは大塚英志『キャラクター小説の作り方』からだと思うので、そこでの「キャラクター小説」の説明を最初に引用します。 ただし、大前提として『キャラクター小説の作り方』が刊行されたのは2003年(というか2000年からザ・スニーカーで連載されたコラムをまとめたもの)であり、『ハルヒ』ブームなどを経てライトノベルが急拡大していく直前、まだ「ライトノベル」が未成熟でどのように発展していくかわからない、「ライトノベル」という呼称すら十分
かつて『ガンパレード・マーチ』というゲームがありました。伝説のゲームです。愛すべき個性的なキャラクターたち。簡素だが自由度の高さを感じさせる箱庭的なプレイフィール。膨大な世界設定を背負った謎めいたストーリー。私も非常に楽しませていただきました。 その『ガンパレード・マーチ』のゲームデザイナーである芝村裕吏氏が開発に参加したゲーム『LOOP8(ループエイト)』が2023年6月1日に発売されます。ガンパレのゲームシステムを踏襲したRPGということです。いえーい。買うぜ。というか買ったぜ。DL版を事前購入したぜ。 loop8.marv.jp なんかインタビューとかも公開されたりして盛り上がっております。 news.denfaminicogamer.jp しかし。 しかしですね。いにしえのオタクほど「芝村裕吏」という人物を信頼していない。悲しいかなそれも事実なんですよね。 というのもガンパレのあと
1. 『ヘンダーソン氏の福音を』 TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 7 ~ヘンダーソン氏の福音を~ (オーバーラップ文庫) 作者:SchuldオーバーラップAmazon個人的に今年は「なろう系の評判いい作品をあらためて読んでみよう」キャンペーンを開催していまして、この作品もそのうちの一作でした。心躍る冒険を描くオーソドックスな異世界転生もので、分かりやすく売りになるような設定とかは無いんですが、とにかく基本的な部分のクオリティがめちゃくちゃ高いんですよ。一巻だけは昨年読んでいたんですが、そのときはあんまりピンと来なくて、そのあと2巻も読んでみるかと思ったら面白くて、続けて3巻も読んでみたら超絶バチクソ面白かった。というわけで、ちょっとスロースターターな作品なんですが、しかしそのウィークポイントを補って余りある面白さだと思います。 あと注意点として、各巻の最後に「ifルートを描
角川歴彦、逮捕 www3.nhk.or.jp ラノベ業界を牛耳るKADOKAWAの会長であり、ライトノベルの歴史にも深く関わる存在であった角川歴彦が、東京オリンピック絡みの贈賄容疑で逮捕されました。出版業界的にもラノベ業界的にも激震が走った事件でしたね。まだ裁判も終わっていないのであくまで「容疑者」ではありますが、かつての「角川お家騒動」を考えると、歴史は繰り返すというか何というか、なニュースでした。 12年ぶりにスニーカー大賞の「大賞」が出る sneakerbunko.jp スニーカー大賞の「大賞」はなかなか出ないことで有名であり、しかもかつての受賞者には「吉田直」「安井健太郎」「谷川流」とレーベルの看板を張った作家が並ぶということで、ラノベ新人賞では随一というくらいのブランド力を持っています(そして歴代の受賞者全員が現在はスニーカー文庫で書いていないという呪いもある)。今回の受賞作も宣
はじめに ご存知のとおり、現在のラノベ業界は「ラブコメブーム」真っ盛りです。2000年代に起きたものを「第一次ブーム」とすると、今回は「第二次ブーム」ということになるでしょう。まだまだなろう系の勢いも健在という中で、いかにして「ラブコメブーム」が起きたのか、それはいったいどのようなブームなのか、というところを、個人的な史観をまじえて語ってみたいと思います。よろしくお願いします。 前史「第一次ラブコメラノベブーム」 大雑把には、90年代のラノベ業界はファンタジーやSFが強く、1998年の『ブギーポップは笑わない』を画期として現代ものが流行りはじめ、それを受けて2000年代前半に『灼眼のシャナ』[2002年]や『とある魔術の禁書目録』[2004年]といった異能バトルの流行があり、その後に第一次ラブコメブームが到来した、というのがラノベ史の概略となります。 もちろん90年代〜2000年代前半にも
今年も『このライトノベルがすごい!』が発売されました。既存の作品に贈られる「文学賞」的なものが少ないラノベ業界にあって、最も規模が大きく最も注目度が高いイベントといえるでしょう。 このライトノベルがすごい! 2023 宝島社Amazon んで、毎年思うんですが、やっぱりWeb票って要らなくないですか??? 宝島社の『この○○がすごい!』シリーズは、『このラノ』の他に『このミステリーがすごい!』や『このマンガがすごい!』があるんですけど、その二つはどちらも書評家なり書店員なりの「プロ」「マニア」にしか投票権が無いんですよね。一方で『このラノ』だけは、プロやマニアなどのいわゆる「協力者」の投票の他に、「Web上で誰でも投票できるアンケート」というのが加味されているわけです。 例として(今年の投票結果をいきなりネタバレするのもアレなので)昨年のトップ5を挙げてみます。 2021年のWebアンケー
どれくらい増えたのか? まずはライトノベルのアニメ化作品一覧 - Wikipediaをもとに、2010年以降のラノベアニメの年間作品数を数えてみました。「テレビアニメ」しか数えていないので劇場版やOVAは除外です。ちなみに「新作」というのは要するにシリーズ二期とか三期とかを除外した数です。2022年の数値はこれから始まる秋アニメの数も加算しています。数え間違いがあったらごめんなさい。 年 ラノベアニメ作品数 うち新作 2010年 13作品 12作品 2011年 19作品 18作品 2012年 25作品 19作品 2013年 31作品 22作品 2014年 27作品 19作品 2015年 27作品 21作品 2016年 19作品 15作品 2017年 21作品 18作品 2018年 26作品 19作品 2019年 23作品 19作品 2020年 19作品 13作品 2021年 35作品 25
「ダークファンタジーって知ってる?」 と訊かれたら「なんか暗くて怖くて重くて人がたくさん死んでいくような、漫画で言えば『ベルセルク』とか、ドラマで言えば『ゲーム・オブ・スローンズ』とか、ゲームで言えば『エルデンリング』みたいなファンタジーのことでしょ?」と答える人が多いのではないだろうか。 でも「ダークファンタジーってホラーのことだよ」と言われたらどうだろう。確かにそんな用法を見かけることもある気がする。たとえば『呪術廻戦』は公式でそう銘打たれている。 異才が拓く、ダークファンタジーの新境地! 『呪術廻戦』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト あるいは『鬼滅の刃』などもダークファンタジーと呼ばれることが多い。 まずは簡単に、『鬼滅の刃』自体の概要を紹介しよう。本作は、「人を食う鬼と人間の闘いを描いたダークファンタジー」だ。 【解説】映画『鬼滅の刃』に宿る名作漫画への敬愛と「人の弱さ、心の
以前、韓国語でやったやつの中国編です。とりあえず「百度百科」のそれらしい項目をDeepLと百度翻訳で翻訳していこうと思います。 韓国編はこちら。 Web小説 网络小说_百度百科 現状 台湾 (中略) 台湾のWeb小説は「情色文学(訳注:情色=エロティック)」から始まった。大学生が独自に設置したネット掲示板のセックスコーナーで、その利用者が創作物を公開しはじめた。その後、学校の事情で個人向けプラットフォームに移されたが、この流れは多くの読者に影響を与え、彼らは創作に参加するようになっていった。「情色文学」とは言うものの、実際には感情描写が中心で、エロティックな描写はむしろあっさりしていた。 それから作品は「情色」の領域から脱し、痞子蔡の『第一次的親密接触』のように、キャンパスライフを記録した、爽やかな学園小説へと移行していった。 こうしてネット文学が芽生えはじめたのである。 现状 台湾 (中
「競馬ラノベ」といえば何を思い浮かべますか? と、いきなり訊かれても、多くの人はなかなか思いつかないんじゃないでしょうか。私も今は亡きノベルゼロの『駿英血統』くらいしか記憶にありません。ラノベ近縁の作品としては『風の向こうへ駆け抜けろ』や『きみはジョッキー』といった作品が挙げられるかもしれません。あるいは、なろう作品では「競馬」ならぬ「競ドラゴン」を描いたファンタジーがいくつかあったと思います。とはいえ、総じて言えば「競馬ラノベ」は珍しいと言わざるをえないでしょう。 考えてみれば不思議なことです。『ダービースタリオン』『ウイニングポスト』といったゲームは競馬ブームの一翼を担いましたし、漫画などでも『みどりのマキバオー』や『じゃじゃ馬グルーミン☆UP!』といった名作が数多くあります。なにより昨年リリースされた『ウマ娘プリティーダービー』の熱狂は記憶に新しいところでしょう。ライトノベルもいわゆ
1. 魔王2099 魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿 (富士見ファンタジア文庫) 作者:紫 大悟KADOKAWAAmazon勇者に倒された不死身の魔王が五百年を経て復活したら科学と魔法が融合した世界になっていた…というサイバーパンク魔王勇者もの。個人的に「上手い」と「面白い」と「好き」はそれぞれ微妙に違う評価だと思っているんですけど、この作品は「上手くて面白くて好き」なんですよね。しっかりとした技巧で土台を造り、その上に優れたアイディアを乗せて、さらにケレン味もたっぷりと含んでいる。だがしかし刊行ペースが…遅い…どうか続刊を頼む…。 2. サイレント・ウィッチ サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS) 作者:依空 まつりKADOKAWAAmazon自己評価がめちゃくちゃ低い天才魔女と、彼女を取り巻くちょっと意地悪なイケメンたち。構図としては女性向けに近いけども
YouTube「マンガ動画」のノベライズが増加 現在は「漫画エンジェルネコオカ」からの書籍化が多いでしょうか。ネコオカのマンガ動画には、脚本としてラノベ作家が協力していることも多く、単純な「ノベライズ」というよりは「共同企画」のような形になっているようにも感じます。 マンガ動画の第一人者だった「フェルミ研究所」が更新を終了するといったニュースもありましたが、まだどう転ぶかわからないマンガ動画が、これからラノベ業界とどう関わっていくのかは気になるところです。「小説家になろう」と違ってYouTubeには収益化機能があるので、有名投稿者ほど書籍化を目指すインセンティブがないんじゃないかとも思いますが。 あと、このあたりはMF文庫Jがかなり積極的に動いていて、マンガ動画やボカロ小説を矢継ぎ早に刊行し、さらに先ほど発表されていましたが、にじさんじのVtuber来栖夏芽の小説家デビューも手掛けるという
「クーデレ」とは何か? 「クーデレ」というオタク用語がある。 Wikipedia・ピクシブ百科事典・ニコニコ大百科では、それぞれ以下のように説明されている。 クーデレは、「クール」に「デレデレ」の略から作られた造語で、初見ではクールで近寄りがたいものの、打ち解けていくうちに好意的な態度、いわゆる「デレデレした態度」をとるタイプのことを指す言葉である。 クーデレ - Wikipedia 普段はクールだが、口数が少なく感情を表に出さなかったり、感情表現が苦手だったりするため、その分好意を抱く特定の人に対して親しくなるとデレデレ甘えたり、可愛らしい面を見せる、内心の愛情が人一倍熱い人物のこと。 クーデレ (くーでれ)とは【ピクシブ百科事典】 ツンデレがパターンこそいくつかあれどツンとデレのギャップに萌えるという概念があるのと同じように、基本的にクール時のそっけなさとデレのギャップに萌える属性であ
日本のコンテンツ業界を「なろう系」が席巻するにしたがって、中国や韓国のWeb小説事情も漏れ伝わってくるようになりました。それによれば、中国でも韓国でも、細かい差異はありつつ、似たような主人公最強もの、異世界転生もの、ゲーム転生もの、あるいは悪役令嬢ものが流行しているようです。ところが、それらについて互いにどう影響しているのか、というところが、なかなかはっきりしません。 「異世界転生は二十年前から定着していますよ」みたいな韓国人のインタビューがあったり、「日本のWeb小説は時代遅れだよ」という中国の翻訳ブログがあったり、もちろん日本でもWeb小説を語るときに「中国や韓国の影響があった」なんて話は聞かないわけで、じゃあいったいどこが最初でどこから影響を受けているんだ、もしかすると収斂進化のようにWeb小説では似たジャンルが流行するというだけなのか……などと悩んでいた次第です。 日本のラノベ、ネ
はじめに ライトノベルの読者年齢について語られるとき、近年はしばしば「高齢化した」ということが指摘されます。 しかしその多くは「現在のラノベ読者年齢が高い」ことだけをもって「高齢化した」と言っており、10年前あるいは20年前のラノベ読者年齢と比較していることはほとんどありません。なにせ資料が少ないからです。 私は2000年代からラノベ関連のニュースを観測していますが、ラノベ読者年齢の推移を表すわかりやすいデータはほとんど無かったと思います。しかも、10年前ならもっと資料が残っていたと思うのですが、いまや2000年代の多くの記事は削除されており、ネット上では遡れなくなっています。 というわけで、現在でも残っている「ラノベの読者年齢」のデータを、いまのうちに整理しておこうというのがこの記事の主旨です。 あらかじめ言っておくと、この記事を読んでも「ライトノベルの読者年齢」はわかりません。そのもの
書き起こしというほどでもない。聴きながら他の参加者の発言をメモしていたものを元に、後から動画を聴き直して自分の発言を補完したもの。詳しくは動画をお聴きください。 www.youtube.com 自己紹介(00:03:30〜) 夏鎖 ラノベブログ7年。イキってるラノベ読み。 mizunotori ラノベを本格的に読み始めたのは2003年くらい。最近のオススメは「魔王2099」。 リイエル なろう系Vtuber。ラノベは2003年くらいから。ここ5年ほどはラノベから離れ気味だったが、Web小説を読み始めて、なろう作品を紹介するような活動をしている。 岡田 編集者。2012年から「このライトノベルがすごい!」を担当。ラノベは2002年くらいから読んでいる。 平和 編集者。ラノベを読み始めたのはスレイヤーズのアニメくらいからで、大学の時期は離れていたが、2003年ごろからはずっとラノベを読んでいる
ふと思いついたので好きな表紙をだらっと挙げていきます。本当に素人目で見たときの「いいな」なのでデザインの専門的な解説などはありません。作品内容の良し悪しとも関係ありません。 前回似たようなことをやったときのはこちら。 https://kazenotori.hatenablog.com/entry/2017/06/17/211132 主人公じゃない! こういうのってデザイン的にはなんて言うんでしょう。レトロポップ? 原色が映えて、タイトルのフォントとも合っていて、演劇のポスターみたいで綺麗ですよね。 春夏秋冬代行者 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の作者・暁佳奈の新作なんですが、ただただ純粋に美麗ですよね。強い。上下巻で表紙が繋がってるやつ、みんな大好き。 オーバーライト これもラノベ読みのあいだでは話題になった表紙ですね。「グラフィティ」を題材にした作品だということで、殴り書きしたよう
レジェンドノベルスとは? 2018年10月に講談社が立ち上げたライトノベルレーベルが「レジェンドノベルス」です。いきなり「全部傑作!ハズレなし!」と豪語したり、「ネクストファンタジー」という謎のジャンル名をアピールしたり、講談社本体が「NOVEL DAYS」という小説投稿サイトを立ち上げている横で「セルバンテス」という独自の小説投稿サイトを運営したりと、熱意があるのか空回っているのかよくわからないレーベルでしたが、セルバンテスは2020年5月に閉鎖、レジェンドノベルスの新刊は2020年11月以来音沙汰なし、先日になってようやく来月「電子書籍のみ」で新刊が出るとアナウンスされたという状況です。つまり崖っぷちです。 レーベルカラーとしては良くも悪くも「意識が高い」という感じでしょうか。いわゆる「なろう系」作品を取り扱うWeb文芸レーベルではあるのですが、ラインナップがわりと個性的と言いますか、
はじめに ラノベってエタっても許されるコンテンツでいいな 増田のこの記事をきっかけに、「エタる」というスラング自体の発祥とかの話が盛り上がっていたので、ちょっと当時の5chを発掘してみた。最初は増田に投稿するつもりだったが、思ったよりURLが多くなったのでブログに書くことにする(増田では記事に多くのURLが含まれると投稿が弾かれてしまうのだ)。 「エタる」とは? 「エタる」は「作品が未完のまま終わること」を意味する。「エターる」「エターなる」「エターナる」「エターナル」などの表記揺れがある。 最初は「エターナル」だったのが、「エターナる」と動詞化され、のちに「エターなる」と変換されることが多くなり、それが「エターになる」と解釈されて「エター」と略され、再び動詞化して「エターる」、さらに「エタる」まで短縮されたと思われる。 現在ではWeb小説界隈で使われることが多いが、元はRPGツクール界隈
世代分けって楽しいですよね。 無意味に「第3世代の特徴はこうだ!」などとレッテルを貼ったり、「第1世代の素晴らしさと比べて最近の世代は」「第7世代の面白さを理解できない老害は消えろ」なんてワイキャイと言い争いたいものです。 というわけでライトノベル作品の世代分けを考えてみましょう。 第1世代 ソノラマ・コバルト世代 1977年 高千穂遙『クラッシャージョウ』 1979年 栗本薫『グイン・サーガ』 1980年 新井素子『星へ行く船』 1982年 田中芳樹『銀河英雄伝説』 1983年 菊地秀行『吸血鬼ハンターD』 1984年 氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』 ラノベ史のスタンスは「ソノラマ・コバルトから始める」か「スニーカー・ファンタジアから始める」かで大きく分かれる気がしますが、ここではとりあえず「スニーカー・ファンタジア以前」をひと括りに「第1世代」として位置づけようと思います。 ソノ
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