サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
今年の「#文学」
digitalword.seesaa.net
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ルース・ベネディクトの『菊と刀――日本文化の型』 外国人によって書き著された日本人論の代表作が、アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが1946年に出版した『菊と刀――日本文化の型』である。彼女は一度も日本の土地を訪れることなく、参考文献と日系移民へのインタビューによって日本文化と日本民族の気質を深く洞察し『菊と刀』という貴重な日本文化論を書き上げた。『菊と刀』は元々アメリカ陸軍がルース・ベネディクトに委嘱したもので、西欧人とは異なる日本人固有の文化・気質を理解することで太平洋戦争後の円滑な占領統治に役立てるものであった。 ルース・ベネディクトは、アメリカ・ヨーロッパが帰属する西欧文化
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 横断的研究法(cross-sectional method)・縦断的研究法(longitudinal method)・コホート法(世代差分析) 統計学的調査・解析を伴う科学的な量的研究法には、その調査対象と調査を実施する時間軸の違いによって、『横断的研究法(cross-sectional method)』と『縦断的研究法(longitudinal method)』がある。今まで、心理学分野で統計学的調査を行う場合に、縦断的であるか横断的であるかを考慮して研究することが多いのは発達心理学の分野であった。 しかし、受精の瞬間から死に至る時間過程の発達を研究対象とする発達心理学以外にも、教育心理
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 リベラル・フェミニズム(liberal feminism)とラディカル・フェミニズム(radical feminism)の思想:4 この記事は、[前回の記事]の続きになります。フェミニズムの思想や価値観は、各分野において多岐にわたって複雑化しているが、フェミニズムの『歴史的な変化』は大きく以下の“3つの期間”に分類することができるとされている。最近のフェミニズムは、『リベラル・フェミニズム』と『ラディカル・フェミニズム』との対立図式が強調されやすくなっている。 リベラル・フェミニズムは個人主義的・リバタリアン的な価値観に根ざして『男性の敵視・結婚や家族の否定』をしないようになっているが、ラ
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 A.バンデューラの社会的学習理論(social learning theory) カナダの心理学者アルバート・バンデューラ(Albert Bandura, 1925-)が提起した社会的学習理論(social learning theory)とは、行動主義的な連合学習(ロールプレイと強化子による学習)とは異なる『モデリング(他者の行動の観察)による学習』のことである。学習心理学・行動科学(行動主義心理学)における社会的学習(social learning)という概念には、『社会的環境における学習』という意味と『社会的行動の学習』という意味とがある。A.バンデューラが社会的学習という場合には、
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ジョルジュ・バタイユの『呪われた部分』3:蕩尽による享楽を排除する近代社会の経済‐労働構造 この項目は、[前回の記事]の続きになります。バタイユの著作『呪われた部分』は、経済合理性に偏った『限定された経済学』を補完・超克する『一般経済学(普遍経済学)』を構想している。タイトルにある『呪われた部分』とは何かということであるが、端的には経済合理性(利益獲得を目指す損得勘定)の価値判断の枠に収まらない『消費(蕩尽)・ハレ(祝祭)・宗教(神秘)・エロス(セクシュアリティ)・芸術文化』などのことである。 バタイユは人間の喜びや快楽の本質を『生産・蓄積過程』にではなく『消費・蕩尽過程』に見出しているの
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 恋(エロス)と愛(ラブ)と博愛(アガペー)の違い 男女の恋愛感情には、『エロス・ルーダス・ストロゲー・プラグマ・マニア・アガペー』の6つの種類が想定されることが多いが、それぞれ以下のような特徴を持つ恋愛感情となっている。交際している一般的な男女の間の恋愛感情は『エロス(eros)』であることが多く、信頼関係や利他感情、生活の共有度が高まるにつれて『愛(love)』へと移行していきやすくなる。 エロス……性的欲求や自己愛を中核に持つ『情熱的な恋愛』 ルーダス……執着心や独占欲が弱い楽しむための『遊戯的な恋愛』 ストロゲー……信頼感情や安心感を基盤とする『友愛的・家族的な恋愛』。友愛を指し示す
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 クルト・レヴィンの『場の理論(field theory)』 ゲシュタルト心理学者のクルト・レヴィン(Kurt Lewin, 1890-1947)は、『接近‐接近・接近‐回避・回避‐回避』の葛藤(conflict)の類型論(3つのパターン)を提起したが、レヴィンは人間がある対象に接近したいと思うか回避したいと思うかの違いは、『誘発性(valence)』によって生まれると考えた。 ある対象や状況が人間を引きつけて接近させようとする時には『正の誘発性』が生じているのであり、反対にある対象や状況が人間を引き離して回避させようとする時には『負の誘発性』が生じているというわけである。そして、この誘発性
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ミシェル・フーコーの『狂気の歴史』『監獄の誕生』『性の歴史』:規律訓練システムと環境管理システムが生成する『生権力・生政治』 フーコーはマルティン・ハイデッガーの『技術的存在理解』をキーワードにして、人間存在や自我アイデンティティが各時代の権力システムの影響を受けていると語り、日常的な行動実践や価値判断の枠組みは社会に遍在する『権力の構造』によって規定される。『狂気の歴史(1961)』では古代社会において『神秘・聖性』を付与されていた狂気が、近代社会において『排除・治療(矯正)』の対象となる精神疾患に変化したプロセスを考察している。ミシェル・フーコーの研究方法については、[フーコーの知の考
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 デイビッド・リースマンの『孤独な群衆(Lonely Crowd)』 アメリカの社会学者デイビッド・リースマン(1909-2002)は、著書『孤独な群衆(Lonely Crowd)』の中で人間の性格類型を『伝統指向型(tradition-directed)・内部指向型(inner-directed)・他人指向型(other-directed)』の三つに分類して、中間大衆層の基本的性格傾向(他人指向型)を『孤独な群衆』という概念でまとめた。伝統指向型(tradition-directed)の性格類型は『過去の伝統と同じように行動する』という行為規範に支えられており、伝統指向型の個人で構成される
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ニーチェの哲学思想の読解3:“ディオニュソス的なもの”と“アポロン的なもの”の対比 1869年に24歳の若さでバーゼル大学の教授になったニーチェは、ドイツのロマン主義的な音楽家ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner, 1813-1883)にはじめ傾倒しており、古典音楽や古代ギリシアの哲学・文化・価値観の研究考察を経由して『悲劇の誕生(1872年)』が書かれることになった。 ナチス党やアドルフ・ヒトラーは、ニーチェの『ニーベルンゲンの指環』『ローエングリン』といったワーグナー作品へのかつての傾倒を、ドイツ民族主義やゲルマン至上主義の賞賛として解釈し
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 パルマコン(ファルマコン, pharmakon)と批判精神・創造性 古代ギリシア神話には『パルマケーの泉』というものがあるが、パルマケーの泉の水はこの世のものとは思えないほどに美味しく、誰もがその水を飲みたい欲求に逆らえないとされる。しかし、その欲求に従ってパルマケーの泉の水をゴクゴクと飲んでしまうと、泉の中に引き込まれてしまいその生命を落としてしまう。 パルマケーの泉は『魅惑・美味』と『死』という両義的な存在であり、パルマケーは『パルマコン(pharmakon, 薬)』という言葉の語源にもなっている。パルマコンは英語の“pharmacy(薬),pharmacology(薬学)”の語源でも
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ゲシュタルト心理学の『図と地(figure and ground)』 ゲシュタルト心理学では『部分的要素』に還元できない『全体性(形態)』を重視するが、私たちが情景・状況の全体を知覚する時には『図と地(figure and ground)』の分離が生まれる。全体的な情景・場面の中には、知覚(認識)の焦点が合わされる『図(figure)』と知覚の焦点から外れて背景になる『地(ground)』とがあり、通常は『図の違い・図と地の境界線』によって事物や状況の差異を知覚しているのである。そこにどんな『図(事物)』があるのかを明確に知覚するためには、『図』と『背景(地)』の境界線を無意識的に知覚する
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 グールディング夫妻の再決断療法(redecision therapy)と交流分析 グールディング夫妻(Robert & Mary Goulding)が考案した再決断療法(redecision therapy)とは、交流分析の脚本分析とゲシュタルト療法の現在主義(今の原則)の影響を受けた心理療法である。通常、再決断療法は、交流分析の集団療法の一分野として認識されており、原則的には一対一の個人面接(個人精神療法)ではなく、集団でそれぞれの人生の問題について発表しあうような集団面接構造(集団精神療法)を用いることになる。人間は過去の人間関係や人生経験によって、大まかな人生のストーリーの筋書きであ
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 過剰適応症候群(over-adjustment syndrome)・会社人間症候群(syndrome of faithful employee) 過剰適応症候群(over-adjustment syndrome)とは、複数の人間の利害が絡み合う社会環境(職場環境)に過度に適応して、自分の自然な欲求や個人的な感情を強く抑圧することで発病する症候群のことである。過剰適応とは、周囲の環境や他人に対して自分の意見や行動を無理に合わせることであり、『周囲の気分を害する不満』を口に一切口に出さず、『会社や集団の不利益になるような個人的都合』を押し殺すことである。自分だけでなく家族の生活を維持する為に働
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ジャック・デリダのファロ・セントリスム(男根中心主義,phallo-centrism) ポストモダンの哲学者ジャック・デリダ(Jacques Derrida,1930-2004)は、階層的な二項対立図式の枠組みを内部から論理的に解体する『脱構築(deconstruction)』の技法を確立しようとした。 西洋哲学の伝統的な形而上学に潜む『矛盾・差別・欺瞞の構造』を脱構築によって浮かび上がらせ、その構造を中立的・公正的な観点から批判しようとしたのである。紀元前6世紀にまで遡る古代ギリシア哲学の時代から、西欧の形而上学には『男性-女性・理性-感情・精神-肉体・普遍-特殊・真理-虚偽・神聖-世俗
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 アドラー心理学の代替案(alternatives) オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー(Alfred Adler, 1870-1937)は、S.フロイトの精神分析と理論的に対立して独自のアドラー心理学(個人心理学)を創始した。アドラー心理学は人間の精神活動の基本原理を『劣等性の補償=優越への意志』に置いているが、アドラー心理学に基づくカウンセリングは『人間関係の分析・現実的な目的の達成』を重視するかなり実践的(実用的)なものである。 A.アドラーは人間は自分の弱点・欠点が集中する器官(部分・能力)に対して『器官劣等性』を抱き、それが複雑な『劣等性コンプレックス』の原因になると考え
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線 創造・計画・思考・判断など人間の高次脳機能を駆動する中心的な精神機能が『記憶』であるが、ドイツの心理学者へルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus, 1850-1909)は『記憶(記銘・保持・再生)』が時間経過によってどのように変化するのかを実験法を用いて忘却曲線という形で記述した。環境条件を統制した客観的な実験的研究を重視したヘルマン・エビングハウスは、エルンスト・ヴェーバー(1795-1878)やグスタフ・テオドール・フェヒナー(1801-1887)といった古典的な精神物理学の心理学者の影響を強く受けていたが、エビングハウスの名を
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 グレゴリー・ベイトソンのダブル・バインド理論(double bind theory)と芸術のユーモア 『精神の生態学』を構想した社会学者・文化人類学者のグレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson, 1904-1980)は、不快な緊張感や不安感を生起させるコミュニケーション・パターンについて『ダブル・バインド理論(double bind theory)』を提唱した。ダブル・バインドは『二重拘束』と翻訳されるように、二つの異なる内容のメッセージを受け取ることで精神状態が拘束されて身動きが取れなくなることを意味する。ダブル・バインド状態(二重拘束状態)は、階層(レベル)の異なる二つ以
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 R.トリヴァースの“親の投資理論”:雄と雌の繁殖戦略と育児投資 アメリカの進化生物学者ロバート・トリヴァース(Robert L. Trivers1943-)は、哺乳類の雄と雌の繁殖行動(異性獲得競争・育児)の違いについて説明する『親の投資理論』を提唱した。哺乳類の“雄(男性)”の多くは配偶者となる“雌(女性)”を巡って様々な形で競争(闘争)をするが、反対に“雌(女性)”は“雄(男性)”よりも育児行動に多くの時間と労力を割くことが多い。近代社会における人間(ヒト)の男性と女性は例外的に『仕事・育児の役割分担(協働・協力)』をすることができるが、動物種の多くは先天的な遺伝要因によって育児の役割
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 新行動主義のC.L.ハルのS-O-R理論(Stimulus-Organism-Response Theory) 『行動主義心理学のS-R理論』の記事では、J.B.ワトソンのS-R理論(Stimulus-Response Theory)を元に外部世界の刺激(S:Stimulus)に対する反応(R:Response)の連合(結合)として、人間の行動形成機序(行動メカニズム)を理解した。環境要因の影響を過度に重視して、『外部刺激に対する条件反射の束』であるS-R連合で人間の行動を理解しようとするワトソンの行動主義は、行き過ぎた『環境決定論』として批判されることがある。 ワトソンの行動主義が想定し
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 実存主義的心理療法と実存主義的アプローチ 『実存主義(existentialism)』とは人間固有の存在形式を考察して、“私”の生きる意味や目的を追求していく思想潮流であるが、『抽象的・一般的な心理モデル』に依拠しない実存主義は心理学にも大きな影響を与えた。アメリカの心理学者ロロ・メイ(Rollo May, 1909-1994)が1958年に『実存(Existence)』という共著を出したが、『実存』は副題に「A new dimension in psychiatry and psychology」とあるように、実存主義的・現象学的な人間観を反映した心理療法の書籍でもある。ロロ・メイが『実
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 学習理論の高原現象(plateau phenomenon) 知識学習や技術学習をする時に、その上達の程度を示す学習曲線は一直線に伸びていくわけではなく、何処かの時点で停滞して上達のスピードが落ちることがある。学習時間をどれだけ延長しても学習効果が殆ど上がらなくなる現象を『高原現象(plateau phenomenon)』というが、その名前の由来は「上達が停滞した学習曲線の平坦な部分」が高原(plateau=プラトー)のように見えるからである。高原現象は『一つの課題』を連続してやり過ぎたり、『身体的疲労』が蓄積し過ぎたり、『精神的ストレス』が強まりすぎたりすることで起こってくるもので、生得的
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 交流分析のミニ脚本(miniscript)とストッパー(stopper) 『交流分析の人生脚本』の続きになるが、心理学者のテイビー・ケーラー(Taibi Kahler)とヘッジス・ケーパー(Hedges Caper)は、長期的スパンの『人生脚本』に対して短期的スパンの『ミニ脚本(mini script)』の概念を提起した。ミニ脚本とは人生脚本の下位概念であり、『極めて短い時間に起こる行動パターン(行動の特徴的な傾向)』のことである。言い換えれば、『マクロな人生脚本』は『ミクロなミニ脚本』の積み重ねによって実現されるのであり、人生脚本の計画的なあらすじ・物語はミニ脚本の行動によって強化されて
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション・マスメディアとパーソナルメディア コミュニケーション(communication)とは、一般に『意思疎通・情報伝達』と翻訳されるように、複数の個人(集団)の間で『同一の規則(コード)』に基づき『意思・考え・感情』を伝達することである。コミュニケーションには、メッセージ(各種の情報)を伝えようとする『発信者(発話者)』とメッセージを受け取ろうとする『受信者(受話者)』がいる。メッセージをやり取りする発信者と受信者の間で、『意味内容・感情体験の共有(了解・理解)』が行われることによってコミュニケーションの目的は達成されることになる。広義のコ
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』と権威主義的パーソナリティ(サディズム・マゾヒズム) ジョン・ロックやジャン・ジャック・ルソー、ジョン・スチュアート・ミルなどの民主的な啓蒙思想によって、自由主義や民主主義(デモクラシー)は近代国家の政治体制を動かす中心的理念となった。しかし、依存心・従属心の強い民衆は、必ずしも自由主義や民主主義に賛同するとは限らず、強大な権力を握って民衆の生活を豊かにしようとする独裁的な指導者(政府)を拒絶するとは限らない。何故なら、民衆の多くは「偉大な理想(普遍的な理念)」よりも「明日の生活(現実的な利害)」を重視するからであり、「個人の自由(主体的な人生)」より
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 アパシー・シンドローム(apathy syndrome)と退却神経症 アパシー(apathy)とは、アイデンティティ拡散状態と深い関係がある『無気力・無感動・無関心・無快楽(アンヘドニア)』を主要な特徴(精神的態度)とする症候群のことである。 一番初めにアパシー概念を精神医学領域に持ち込んだのは、ハーバード大学の精神科医R.H.ウォルターズ(R.H.Walters)である。アパシーの原義は、ギリシア語の“apatheia(アパテイア)”である。アパテイアとは、物理的な快楽に否定的な禁欲主義を説くストア派で使われた用語で、世界の根本原理を観照(テオリア)する平静な精神状態のことを意味した。日
孫‐祖父母関係評価尺度・孫版2:孫から見た祖父母の機能の評価尺度 『孫‐祖父母関係評価尺度』では、孫と祖父母の日常的・情緒的な双方向のやり取りに加えて、『世代間継承(価値や伝統の伝達)・存在そのものであるBeingの価値・ライフサイクルを踏まえた人生全体の展望』なども測定できるように工夫が為されています。 孫‐祖父母関係評価尺度1:老年期の発達課題である『人生の統合・叡智の獲得・死の受容』 『孫‐祖父母関係評価尺度』は、『孫から見た祖父母の機能』と『祖父母から見た孫の機能』を測定することができます。 質問項目に対する選択肢は、『はい(○:2点)・いいえ(×:0点)・どちらでもない(△:1点)』のシンプルな三件法になっています。ここでは、「孫・祖父母の機能」に関係する代表的な質問項目を取り上げています。 孫‐祖父母関係評価尺度の孫版 【Ⅰ 存在受容機能】 1.つらいことがある時、祖父(祖母)
心理学やカウンセリング、精神医学、哲学などに関連した“キーワード・専門用語”のブログです。“心理学用語事典・学術用語事典”を作成します。2017年4月の時点で“1500記事以上”の用語を解説しています。 イラショナル・ビリーフ(irrational belief) アルバート・エリス(A.Ellis)が確立した論理療法やREBT(論理情動行動療法,Rational Emotional Behavioural Therapy)では、ABC理論(ABCDE理論)のモデルをもとに説得的な心理学的アプローチが行われる。 『人間の不適応な感情・気分・行動』は、客観的な出来事(A:Affairs)から直接引き起こされるのではなく、物事の捉え方や解釈の仕方である認知傾向(信念体系)によって引き起こされるとするのがエリスの基本的な考え方である。 論理療法の説得的な面接技法によって、『イラショナル・ビリーフ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Keyword Project+Psychology:心理学事典のブログ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く