能見 左脇腹違和感で登録抹消へ 阪神 散々4位転落 

[ 2014年6月30日 05:30 ]

<神・中>9失点の能見(右から3人目)は3回途中で降板

セ・リーグ 阪神2―10中日

(6月29日 甲子園)
 阪神の能見篤史投手(35)が29日の中日戦の3回に左脇腹の違和感を訴えて緊急降板した。試合も初回に8失点を喫するなど大敗。今季ワーストの5連敗となり借金2、4月5日以来となる4位に転落した。能見は30日に出場選手登録を抹消される。逆襲を目指す和田阪神が、さらに苦境に立たされることになった。

 能見は自ら“異変”を訴えた。3回、2死三塁の場面でルナにストレートの四球を与えた直後。マウンドを降りると、左手を挙げて捕手の藤井を呼び寄せた。一言、二言、会話を交わし、事情を把握した女房役は、ベンチへ合図をし、今度は中西投手コーチが飛び出してきた。

 鳥谷、西岡ら他の内野手も心配そうに様子をうかがう中で、左腕は左脇腹をさする仕草を見せた。確認した中西コーチがベンチへ向けて両手でバツ印を送り、和田監督が球審に2番手・渡辺の名前を告げた。

 直後、クラブハウスで待機していたトレーナー数人と、チームドクターがベンチ裏に駆けつけるなど、エースの緊急降板に周囲は慌ただしくなった。それでも、試合中に病院へ行くことはなく、能見は最後までベンチで試合を見届けた。

 試合後、報道陣に囲まれた能見は、負傷は脇腹か?との問いに「違う」と答え「いろいろあるよ。何の異変かなぁ」とはぐらかし、淡々と言葉をつないだ。

 和田監督も負傷箇所について「脇腹というところ。ちょっと伸ばしたかな。違和感があるということだった。ちょっとこれから調べてもらわないとはっきりしたことは分からない」と話し、症状の大きさは現時点では不明だが、30日に出場選手登録を抹消されることになった。その場合は中継ぎに配置転換され、この日3イニングを投げた榎田が代役を務めることも考えられる。

 故障が原因なのか、初回からまさかの大乱調だった。大島と谷の連打で無死一、三塁とされるとエルナンデスにはあっさりと中前へ運ばれ先制点を献上。続くルナには左中間スタンドへ3ランを浴びるなど、先頭打者から7人連続出塁を許して、この回だけで被安打7で8失点。早々と試合の行方を決定付けた。

 今季最短となる2回2/39失点で降板。5月24日のソフトバンク戦で5勝目をマークして以来、1か月以上も白星から遠ざかっている。前回22日の楽天戦の4回に続いて5回持たずにマウンドを去り、「最近(早期降板が)多いから。迷惑かけっぱなし」と唇を噛んだ。

 今季ワーストの5連敗で、中日に抜かれて4位に転落。さらにエース離脱…というトリプルショック。逆転優勝どころかBクラスからの脱出さえ困難な状況になった。

 ≪甲子園で勝率5割≫本拠地の甲子園では1分けを挟んで5連敗となり、今季は16勝16敗1分けの勝率5割となった。4月9日から30日にかけて球団タイ記録の甲子園10連勝を飾ったが、交流戦で3勝9敗と大きく負け越した。また、和田監督就任以降の年度別成績は、12年が27勝29敗4分け、13年が28勝29敗3分けと2年連続で負け越し、ホームの強みを発揮できていない。

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