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日本銀行の次の一手は追加緩和との見方が一段と増えており、エコノミストの半数弱に達した。来週の金融政策決定会合でフォワードガイダンス(政策金利の指針)を見直すとの見方も少数ながら出ている。
エコノミスト48人を対象に15-18日に実施した調査で、次の政策変更は追加緩和との予想が23人(48%)と3月の前回調査(37%)からさらに増加した。年内の政策変更を予想したのは11人で、うち10人が追加緩和だった。日銀が24、25両日開く金融政策決定会合は、エコノミストの大勢が現状維持を予想した。
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10月予定される「消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」というフォワードガイダンスが今会合で修正されると予想したのは、JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミスト、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミスト、ソニーフィナンシャルホールディングスの菅野雅明チーフエコノミスト。
鵜飼氏は「展望リポートで成長率とインフレの見通しをかなり引き下げることに伴い、緩和の継続期間を『少なくとも2020年中』に延ばす」と予想。六車氏は、昨年7月の導入時からの情勢の変化や、主要国の中央銀行が世界経済の下振れリスクを反映し政策方針やフォワードガイダンスを緩和方向に変更していることを理由に挙げる。菅野氏は「時間軸を1年程度延長する可能性が高い」とみる。
現在のフォワードガイダンスは消費増税という特定時点のイベントにひも付けているため、遅かれ早かれ見直しは必須。オックスフォード・エコノミクスの長井滋人在日代表は「緩和を長期化させる方向での見直しを前倒しで行う可能性は十分にある」として、10月の見直しを予想する。
東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「現行のフォワードガイダンスは消費税率引き上げの影響を見極めることができる時期まで有効なので、理屈的には10月を過ぎても変える必要はない」としながらも、「7月から10月には緩和方向の印象をやや強める微修正が行われるのではないか」とみる。
追加緩和としてレンジ拡大も
世界経済の先行き不透明感を受けた先進各国の長期金利低下を受けて、国内の長期金利はこのところマイナス圏内で推移している。日銀は昨年7月会合でフォワードガイダンスを導入するとともに、長期金利の変動許容レンジをそれまでの0%を挟み上限0.1%から2倍に拡大した。レンジ拡大は従来、金融引き締め方向の手段と位置付けられてきたが、最近は追加緩和手段とみる向きも増えている。
加藤氏は「先行き追加緩和が必要になったときは、フォワードガイダンスをより明確に緩和方向に強化しつつ、10年金利のターゲットは変えずに変動幅を0.4%に拡大して、国債買い入れをやや増額するかもしれない」と予想する。
日銀は今会合で経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定し、2021年度までの見通しを示す。消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(政策委員の中央値)のエコノミスト予想(中央値)は、19年度が1.1%上昇から1.0%へ、20年度が1.5%から1.4%へと小幅下方修正され、21年度は1.6%上昇と2%の物価目標には届かない姿となった。