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現在まわりに溢れている「趣味」は、必ずその人が属する共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完... 現在まわりに溢れている「趣味」は、必ずその人が属する共同体の内部にあり、洗練されていて、極めて完全なものだ。考え方や生き方をリアルに考え直し、ときには変えてしまうというようなものではない。だから趣味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。心を震わせ、精神をエクスパンドするような、失望も歓喜も興奮もない。真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。 つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。 村上龍著『無趣味のすすめ』の全五段新聞広告に掲載された「本文『無趣味のすすめ』より」という文章である。 僕は今朝の朝日新聞の広告を見るまでこの本については全く知らなかったが、広告自身によれば、「大反響、9万部突破!」なのだそうである。さすが村上龍、さすが幻冬舎である。でも、感心し
2009/05/12 リンク