上田信『人口の中国史――先史時代から19世紀まで』(岩波新書)を読んでいるのですが、些末なところでツッコミどころが多くなかなか進みません。とりあえず覚え書きとして吐き出しておきます。 p.12「東に向かった群は、東地中海沿岸を経てヨーロッパに到達する。西に向かった群は、アラビア半島の西岸から南岸へ、そしてペルシア湾へと、魚介類を主な食料として人口を増やしながら、生息域を拡げていった」 人類の出アフリカの話ですが、常識的に考えて「東に向かった群」と「西に向かった群」が東西逆でしょう。同ページの「海岸沿いに西に進んだヒトは、インド亜大陸へと広がり」も東西間違っているのが痛いです。 pp.43-44「現在の広東の南越国を滅ぼすために、江西から広東のあいだの分水嶺を掘りぬいて、霊渠と呼ばれる運河を建設して、大軍を送り込み、現在のヴェトナム北部までを版図に加えた」 いやこれ秦代の話として書かれてるん