ここで必要になるのは、匿名ダイアリーを読んで怒りや憤りを覚えたとしても、批判コメントを書きたくなる欲求をグッと押さえつけて、無視を貫くことだ。反応が少なくなれば、人々から反応されること自体を目的として書かれる投稿は数を減らしていくだろう。また、どのみち100字では大して意味のある意見を書くこともできないし、匿名ダイアリーの書き手を批判したところで世の中の改善には結びつかないことも承知しておくべきだ。重要なのは、差別や分断を煽る内容によって自分の良心や善性が操作されることを防ぎ、より賢明で有意義なかたちで自分の公共性を発揮しようと努めることだ。 https://www.shobunsha.co.jp/?p=8450 496頁