Googleからペナルティを受けた大手ブランド10社 - Rap GeniusからBBCまで
2014年02月17日
ライター:Danny Sullivan
SEO

※この記事はMarketing Landの許諾を得て、以下の記事を翻訳したものです。
10 Big Brands That Were Penalized By Google, From Rap Genius To The BBC

今年はすでに数々の大手ブランドがGoogleのペナルティを受けている。まず、Rap Genius。厳しいペナルティを受け、同社の名前の検索では見つけることができないほどだ。それから、トラフィックに悪影響を与えたかもしれないExpediaへのペナルティ疑惑。しかし、これはおなじみの展開でもある。大手ブランドがGoogleのルールに違反してトラブルに見舞われ、しかし、最終的には軽いバーチャルなお仕置きを受けて潔くGoogleへ戻ってくる。
以下に、長年に渡って様々な理由でGoogleからペナルティを受けてきた大手ブランドを、新しいものから順に並べる。一部のルール違反は故意によるものではなかったくらいだ。

10) Rap Geniusとツイートへのリンク

Rap Genius ロゴ

Rap Geniusは、ブロガーからの投稿をツイートするのと引き換えに、歌詞コンテンツへのリンクを追加するようにブロガーを勧誘した。2013年のクリスマスイブにこの取引が明るみに出て、GoogleのWebスパムチームリーダーのマット・カッツ氏は、GoogleはRap Geniusを調査する、と発言した。
クリスマス当日、Rap GeniusはGoogleからペナルティを受け、社名検索では検索結果のトップページに表示されなくなった。Rap Geniusはまた、歌詞関連の検索からのトラフィックも失った。「不自然なリンク」の削除に取り組み、Rap GeniusのGoogleによるペナルティは10日後に解除された。

  • 発生時: 2013年12月
  • 違反内容: 不自然なリンク
  • ペナルティ: サイトのほぼ全体の評価が下がり、Googleの検索結果トップページにランキングされなくなった。社名検索ではランクインしなくなった
  • ペナルティ期間: 10日間

9) MozillaとUGCスパム

Mozilla ロゴ

あのMozillaである。人気のオープンソースのFirefoxブラウザを作っているMozillaも、Googleからペナルティを受けたことがある。しかし、Rap Geniusのケースとは異なり、原因は極めて限定されたものであった。ユーザーが生成したコンテンツの1ページが、妥当でないとみなされたのである。

Mozillaが手動アクションの通知、つまり、人間のスパムリビューワーにより、同サイトがペナルティを受けるに値すると決断が下されたというGoogleからのメッセージを受けて、この状況は判明したのである。
「Googleは御社サイトに手動スパムアクションを適用しました」と書かれたメッセージに懸念したMozillaは、Googleのウェブマスターフォーラムに助けを求めたGoogleはすぐに、原因はMozillaのサイトの中の1ページだけであることを明確にした。1か月後には、UGCコンテンツ関連の同様のGoogleペナルティがSprintにも起きた。さらに、この件と多少関連して、Digg全体がGoogleから一時的に削除された。1ページのみに影響を及ぼすつもりだったGoogleが間違いを犯したために起きたケースである。

  • 発生時: 2013年4月
  • 違反内容: UGCスパム
  • ペナルティ: 1ページのランキング評価が明らかに低下した
  • ペナルティ期間: 期間なし、対象ページが削除されたため

8) BBCと謎の「不自然なリンク」

BBC ロゴ

Googleが権威ある英国放送協会 (BBC) にペナルティを課すことがありうるだろうか? 実際、Googleはペナルティを課した。Mozillaと同様、このペナルティの原因はたった1ページであり、この時は「不自然なリンク」がそのページに向けられていると判断された。手動アクションの通知がBBC に届き、この事態が発覚した。Mozillaと同様、BBCはGoogleのウェブマスターフォーラムに助けを求め、その結果、このペナルティは1つの記事が原因であるという返答をGoogleから得ることができた。原因ページが再表示されることはなかったので、どのように解決されたかは明らかではない。おそらく、Googleはこのペナルティをすぐに解除したと思われる。

  • 発生時: 2013年3月
  • 違反内容: 不自然なリンク
  • ペナルティ: 1ページのランキング評価が明らかに低下した
  • ペナルティ期間: 未確認

7) Interfloraと記事広告リンク?

Rap Genius ロゴ
Rap Geniusと同様、InterfloraもGoogleからペナルティを受けた。社名によるランキングはなくなり、一般的な花関連の検索結果へのランキングもなくなった。なぜか? Interfloraのペナルティに関して、Googleから公式な理由は述べられなかった。ペナルティ事例に関しては、これはまったく普通の反応ではあるが、一方Interfloraからも発言はなかった。
しかし、Googleはすぐに、そのリンクが、ランキングクレジットを転送しないnofollowやその他のメソッドを利用しない「記事広告」コンテンツに対する警告を強化した。明らかに一部のリンクを削除した後、Interfloraのペナルティは11日間で解除された。興味深いのは、この2年前にリンク購入を非難された数多くのオンライン花屋に対して、Googleは厳しい行動は取らなかったことだ。
  • 発生時: 2013年2月
  • 違反内容: おそらく、記事広告またはその他の記事にあった有料リンク
  • ペナルティ: サイトのほぼ全体への評価が下がり、Googleの検索結果のトップページへのランキングしなくなった。社名でのランクインはなくなった。
  • ペナルティ期間: 11日間

6) Overstock: リンクと交換で割引

Overstock ロゴ

Overstockがウェブサイトへのリンクと引き換えに、学校に割引を提供していることをあるライバル会社が見つけ出し、OverstockとGoogleの間に問題が起きた。非常に具体的な、アンカーテキスト付きで特定製品へリンクが張られていた。このリンクは、「掃除機」や「ギフトバスケット」などの検索ワードによるOverstockのランキングを助けていた。ウォールストリートジャーナルは、Overstockがペナルティを受けたことを記事にした。おそらく、GoogleへOverstockの件をレポートした同ライバル社が情報を流したのであろう。
Overstockは2か月後にペナルティを解除されたことに非常に満足して、このニュースに関してプレスリリースを出した。この件による収益への影響は5%に及ぶかもしれず、ペナルティが課せられた数週間後に、 投資家に対する陳述書を証券取引委員会に提出した、と述べた。また、年次報告では、2011年の第1四半期と第2四半期の収益に「悪影響」を与えた原因として、このペナルティを挙げた。

  • 発生時: 2011年2月
  • 違反内容: サイトへリンクを張る代わりに割引を提供する形式での有料リンク。
  • ペナルティ: サイトのほぼ全体の評価が下がり、Googleの検索結果のトップページにランキングされなくなった。おそらく、社名のランキングは維持したと思われる。
  • ペナルティ期間: 2か月

5) JC Penneyと有料リンク

JC Penney ロゴ

ニューヨークタイムズは、小売業者のJC PennyがGoogleでのランキングを上げるためにどのようにリンクを購入しているかに関して詳しい記事を書いた。この記事には、珍しいGoogleによる違反の確認さえ含まれていた。同記事が発行された時にはすでに、JC Pennyはペナルティを受けていた。 JC Pennyが社名検索で表示されなくなったかは明らかではないが、同社が販売する製品に関連する一般的な検索ワードの多くにおいてランキングは下がった。有料リンクを排除し、加えて、このトラブルに関して同社のSEO会社を非難した後、JC Pennyは90日後にGoogleで多くのトップランキングを再獲得した。

  • 発生時: 2011年2月
  • 違反内容: 有料リンク
  • ペナルティ: 多くのページが、Googleの検索結果のトップページでのランキングが低下した。
  • ペナルティ期間: 90日間

4) ワシントンポストとリンク販売

ワシントンポスト ロゴ

2007年10月、Googleのランキングを左右するためにリンクを販売するサイトに対し、ペナルティを課すとし、大きな変更を行った。そしてほどなく、いくつかのサイトが実際にペナルティを受けた。その中には、ForbesやEngadget、そうしたサイトの典型ともいえる、ワシントンポストが含まれていた。
これまで挙げた例とは異なり、Googleがそれを実行する権利を保有しながらも、これらのペナルティを受けたサイトはGoogleでのランキングを失うことはなかった。したがって、Google検索で、ホームページやコンテンツを見つけることは可能なままだった。
その代わり、対象サイトのPageRankバリューが削減された。PageRankはGoogleがWebページに割り当てる重要度バリューであり、ページのランキング方法を決定する際に使用される数多くの要因の1つである。したがって、一部のサイトはトラフィックが減少したかもしれない。しかし、影響が大きければ大きい程、PageRankスコアが低くなり、購入先としての価値が低く見られるようにもなる。これが、リンク販売市場の「価値の低下」を助ける、Googleの手段である。

  • 発生時: 2007年10月
  • 違反内容: リンク販売
  • ペナルティ: PR7からPR5へPageRankバリューを低下
  • ペナルティ期間: 修復時は不明。おそらく、数ヶ月以内。現在PR8

3) BMWとクローキング

BMW ロゴ

クローキングとは、ページを収集する検索エンジンの自動「クローラ」に対して表示するサイトのコンテンツと、人間のユーザーに対して表示するコンテンツを別のものにする手法である。Googleはクローキングを好まず、処罰に値するものとみなしている。クローキングは、大手ブランドに対して課された初期のペナルティの原因となった。またこの理由で、BMWドイツのサイトがペナルティを受けたのである。
Googleは同サイト全体を削除した。当時、これは一大ニュースとなった。(FINANCIAL TIMES, CNET,ニューヨークタイムズ,BBC NEWS)これはまた、何がGoogleを悩まし続けているのかを浮き彫りにした。この件が発生した時、私は、検索者は同サイトを見つけることを期待しているから、Googleはすぐに同サイトを回復する必要があるだろうと、書いた。その3日後、BMWは検索結果に復活した

  • 発生時: 2006年2月
  • 違反内容: クローキング
  • ペナルティ: サイトの削除
  • ペナルティ期間: 3日間

2) WordPressと誘導スパム

WordPress ロゴ

まさか、非常に多くのブロガーに愛されているプログラム、このMarketing Landでも使用しているWordPressが、スパムが理由でGoogleからペナルティを受けた? その通り。かなり以前の、WordPressが若かりし頃、より高いランキングを求めていたサードパーティ企業のページをホストしたことがあった。記事が人気のWordPressサイトの中にあれば、これらのランキングを獲得するのはより簡単だった。このページには、他のコンテンツへの隠しリンクもあった。

アンディ・バイオ氏がこの事実を発表すると、すぐに議論と混沌が巻き起こった。WordPressの設立者であるマット・マレンウェッグ氏は、イタリア休暇に出かけたばかりで、この反応に対応するのは難しかった。しかし、かなり迅速に、この件が広告に導入された悪質な実験であったと述べ、謝罪した。

  • 発生時: 2005年3月
  • 違反内容: 誘導ページ
  • ペナルティ: サイトのホームページは社名ではランクしなくなった。PageRankはPR8からなしへと低下した。他の「インサイド」ページは問題なかった。
  • ペナルティ期間: 2日間

1) SearchKing、リンク販売と米国憲法修正第1項

SearchKing ロゴ

SearchKingはここまで挙げてきたブランドのような大手ではないと思うかもしれない。最初に約束したトップ10リストと違うって? まあ、落ち着いてほしい。下記のボーナスで満足いただけると思う。しかし、SearchKingへのペナルティは最も初期の、最も有名なものの1つである。Googleの権利を保護する訴訟へと発展し、同社の検索結果で同社が望むことを実行できるのかどうかに焦点が集まった。

SearchKingは、当時、「PR Ad Network」に支援された小規模検索エンジンであった。Googleで高いランキングを得ることを目的にリンクを売買する人のためのサービスであった。Googleはこれを好まず、2002年9月にSearchKingのPageRankスコアをPR8からPR4へ下げた。これに対し、SearchKingは2002年10月の低下に関してGoogleを相手取って訴訟を起こした。

翌年、Googleがサイトに高いPageRankスコアを与えるか否かなど、GoogleのリスティングはGoogleの意見であり、米国憲法修正第1項の規定に従って政府の干渉から保護されると、裁判官は判決を下した。約4年後、SearchKingがリンク販売モデルを破棄すると、PageRankスコアを回復したばかりか、上昇しPR7となった。

  • 発生時: 2002年9月
  • 違反内容: リンク販売
  • ペナルティ:社名ではサイトのホームページはランキングされなくなった。PageRankはPR8からなしに引き下げられた。他の「インサイド」ページは問題なかった。
  • ペナルティ期間: 3年7か月

ボーナス: Googleは繰り返し何度も自社にペナルティを課している

Google ロゴ

故意にGoogleスパムするサイトは数多く存在し、これには一部の大手ブランドも含まれている。一方、悪事を働く気はなく、トラブルに巻き込まれるサイトも存在する。Googleのルールに違反するつもりはなく物事を実行した結果、Googleの規則に反してしまうというものだ。

このまたとない実例がGoogle自体である。リンク購入からクローキングまで様々なルール違反で自社に対して5回のアクションを取っている。これに関する詳細は、Search Engine Landサイトにある関連記事を読んでほしい。

5 Times Google Penalized Itself For Breaking Its Own SEO Rules

Expediaは?

Expedia ロゴ

上記のリストにExpediaが含まれていないのはなぜか? それはペナルティが確認されていないからである。Interfloraも公式には認めなかった。しかし、Expediaの事例とは異なり、Interfloraのホームページは長期間Googleに表示されなかったので、厳しいペナルティを受けたことが事実上確認されたといえる。

Expediaの件は、有料リンクに関連していると思われる。しかし、ExpediaもGoogleも、この件でペナルティが課せられたことを認めることはない。わかっているのは、Expediaに向けて普通でないリンクが張られていることが指摘された後、GoogleにおけるExpediaのビジビリティが減少したようだという点だけである。同社名は引き続きランキングしている。
ペナルティなのだろうか? そうかもしれない。または、Googleが疑わしい有料リンクに対して一掃行動を取ったのかもしれない。ランキング方式から削除した時に、Expediaは一部の検索ワードでうまく機能しなくなったのかもしれない。

今月の収支報告においてペナルティについて質問されたとき、ExpediaのCEOは質問をはぐらかし、直接質問には答えなかったが、代わりに、Google (「一大パートナー」と呼んだ) からの長年のトラフィックは増加し続けていると述べた

その他のサイトはどうであろうか? 公開質問状待ち…

英国の大手ハリファックス銀行がペナルティを受けたという疑惑についてはどうだろうか? また、その他数社のブランドがペナルティを受けたと推測されており、この1週間程、あらゆる場で噂となっている。
この件については明日、姉妹サイトのSearch Engine Landで詳しく話すことにする。(編集部追記:Open Letter: Why Search Engine Land Will & Won’t Cover Someone Being Penalized By Google)手短に言えば、公式にペナルティを受けたか否かを確認するのは難しいことがほとんどである。Googleは滅多に発言しないし、経験則に基づいて推測できるだけである。

ホームページが表示されなくなった場合、わかりやすい兆候ではあるが、この理由は他にも複数ある。サイトの推計検索ビジビリティが落ち込んでいるとグラフが示していれば、ペナルティの可能性があるが、これにも、別の理由が複数ある。
また、一部企業を追放したいという動機でライバル社からたれこみがある時、懸念があるといえる。さらに、 Googleがペナルティを課したサイトすべて、または、ペナルティを課したと疑われるサイトすべてについて記事にするとすれば、それだけを書かなければならない程の量となる。

この先、上記の例からすでに学んだ内容以外の新しい知識を得られる場合、または、本当に独特なひねりのある状況など、特別な事例で特に注目すべきものである場合、ペナルティを受けたサイトについて記事にするつもりだ。
繰り返しになるが、この件に関しては明日のSeach Engine Landも見てほしい。ここでの記事のフォローアップも追記する予定である。それまで、次の関連記事をお忘れなく。

5 Times Google Penalized Itself For Breaking Its Own SEO Rules