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ソニーは、PC「VAIO」の新モデルとして、外形寸法120×245×19.8mm(縦×横×厚さ)の小型ノートPC「type P」を1月16日より順次発売する。型番は「VGN-P70H」。ワンセグチューナ内蔵で価格はオープンプライス。店頭予想価格は10万円前後の見込み。カラーバリエーションはペリドットグリーン、クリスタルホワイト、ガーネットレッド用意する。OSはWindows Vista Home Basic 32bit版。 また、ワンセグは非搭載だが、NTTドコモのワイヤレスWANを内蔵し、GPSユニットも内蔵した「VGN-P80H」も用意する。カラーはクリスタルホワイト。近日発売予定で、店頭予想価格は同じく10万円前後の見込み。
オーナーメイドモデルも用意され、ベース構成(60GB HDD)では79,800円となる。ワンセグチューナを追加すると94,800円。ノイズキャンセリングイヤフォン(NC)を追加すると82,800円。ワンセグ/NCを両方追加し、さらに64GB SSDに変更すると112,800円。CPUはAtom Z540/Z530/Z520から選択可能。キーボードの英字配列、Webカメラの有無なども選択できる。OSはVista Home Basic/Home Premium/Business(全て32bit版)が選べるが、XPは用意していない。カラーリングは3色に加え、オニキスブラックも選択できる。
横幅245mm、厚さ19.8mm、長形3号の封筒とほぼ同等のサイズを実現したVAIO。ポケットに収まるサイズから「ポケットスタイルPC」と名付けられている。店頭販売モデルの「P70H」に標準バッテリを搭載した際の重量は634g。SSDモデルの場合は588gまで軽量になる。 小型PCだがキーピッチ16.5mmのキーボードを搭載。リチウムイオンポリマー充電池を採用し、標準バッテリで約4.5時間、オプションの大容量バッテリ使用時は約9時間というスタミナも実現している。液晶ディスプレイは8型のワイドだが、解像度1,600×768ドットと高精細なパネルを採用しているのも特徴。天板にはマグネシウム合金を採用し、光沢感のある多層塗装をほどこした。
店頭販売用モデルの標準スペックは、CPUがAtom Z520(1.33GHz)、メモリは2GBのオンボードで増設はできない。HDDは1.8インチで60GB。光学ドライブは内蔵しない。メモリーカードスロットはメモリースティックデュオ(PRO-HG)スロットに加え、SDカードスロットも備えている。インターフェイスはUSB 2.0×2。PCカードスロットは備えていない。IEEE 802.11b/g/nの無線LANと、Bluetooth 2.1+EDRにも対応。ステレオスピーカーとモノラルマイクを内蔵し、Webカメラも装備する。オプションのディスプレイ/Ethernetアダプタを用いて、アナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)の外部映像出力も行なえる。
■ 豊富なAV機能 AV機能的には「VGN-P70H」がワンセグチューナを内蔵。録画やEPG表示に対応するほか、VAIOシリーズとしては初めてアンテナを内蔵型とした。これにより、スッキリとしたデザインを維持したという。 IntelのMenlowプラットフォームを採用し、チップセットにIntelシステムコントローラハブ(US15W)を搭載。内蔵のハードウェアデコード機能を使い、ハイビジョン動画の再生支援機能が利用できる。プリインストールしているDLNA対応のプレーヤーソフト「VAIO Media plus」で支援機能が利用できるほか、ファイルによってはWindows Media Playerでもアクセラレーションが利用できるという。ただし、フルスクリーンで再生する必要がある。 同社ではAVCHDカメラで撮影したハイビジョン動画を、ビューワーとして再生するなどの活用を想定しており、ソニー製カメラで撮影したフルHD/16Mbps程度の動画が再生できることを考慮して開発したという。そのため、24Mbpsの動画などは想定されていない。
オーナーメイドモデルではノイズキャンセリングイヤフォンが追加できる。騒音を拾うマイクを備えたカナル型イヤフォンが付属し、周囲の騒音を約1/4に低減できるという。 また、OSを起動せずに音楽や動画ファイルにアクセスするインスタントモードも装備。Linuxベースで動作する簡易OSで、UIにはクロスメディアバーを採用。Windowsの動画/静止画/音楽保存ファイルにアクセスでき、再生できるが、ハイビジョン動画の再生支援機能は利用できない。WebブラウザもMozilla Firefoxを備えており、Skypeも利用できる。
「P80H/W」に内蔵するドコモのワイヤレスWANは、FOMAハイスピードに対応しており、下り最大7.2Mbpsの高速通信が可能。「定額データプラン HIGH-SPEED」もサポートしている。さらに、同モデルではGPSも備え、無線LANを使って位置を把握するPlaceEngine技術も内蔵。これらを使って「VAIO Location Search」から位置情報を取得。オンラインではPetaMapにリンクし、現在地周辺のスポット情報が閲覧できる。オフラインでも地図アプリ「プロアトラスSV4 for VAIO」を用いて地図表示や経路検索が可能。レーダーでスポット情報を表示する「x-Radar」も用意する。
■ 「ネットブックとは違う、新たな市場開拓を」
ソニーマーケティングITビジネス部門の松原昭博氏は、「小型モバイルの“新しいありかた”を提案するもの」として「type P」を紹介。スーツの内ポケットから実物を取り出し「ポケットスタイルPC」というコンセプトをアピールした。 モバイルノート市場では5万円程度の低価格なネットブックが人気を集めている。「type P」も79,800円からと低価格なPCだが、ソニー VAIO事業本部PC事業部の赤羽良介氏はポケットに入る携帯性や、機能面の充実、質感の高さなどを挙げ「ネットブックとは違うものだと考えている」と語る。
さらに、「ネットブック市場に参入するかどうか、将来の事はわからないが、お客様はVAIOに“驚き”や“感動”を与える製品を期待していると思っている。よって、ネットブック市場に参入するのではなく、まったく新しい市場をこのtype Pで創造していきたい。最高のパフォーマンスを求めるならB5サイズのノートになるが、“いつも持ち出して、新しい体験ができる手放せないPC”としてtype Pの普及に全力を尽くしたい」と意気込みを語った。
□ソニーのホームページ
(2009年1月8日) [AV Watch編集部/[email protected]]
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