『ウィッチャー3』のゲラルト、「61歳」だったと原作新小説で判明
『ウィッチャー』シリーズの主人公ゲラルトについて、原作小説にて生年がついに判明。たとえば『ウィッチャー3 ワイルドハント』において61歳となることが明らかとなり、話題を呼んでいる。
『ウィッチャー』シリーズは、ポーランドの作家アンドレイ・サプコフスキ氏の小説シリーズを題材とするアクションRPGだ。CD PROJEKT RED(以下、CDPR)が開発を手がけてきた。これまでには3つのナンバリング作品が展開されており、架空のファンタジー世界を舞台に、怪物退治の専門家ウィッチャーであるゲラルトの物語が繰り広げられてきた。凄惨あるいはセクシャルな描写も多く、大人向けな作風もシリーズの特徴となっている。
今回、そんなゲラルトの小説版での年齢が判明し、話題となっている。ゲラルトの年齢についてはこれまで、『ウィッチャー3 ワイルドハント』(以下、ウィッチャー3)においてはヴェセミルがゲラルトに対して「お前も100歳近いんだから」と言及する台詞が存在。またサプコフスキ氏が過去にインタビューでゲラルトの年齢について、1267年時点で50歳を超えていると発言していたこともあった。とはいえ具体的な年齢は長らく不明であった。
一方、サプコフスキ氏が手がける小説シリーズの最新作「Rozdroże Kruków」がポーランドにて11月末に発売。同作においてついにゲラルトの生年が判明した。これによると、ゲラルトが誕生したのは作中世界の1211年だという。つまり、小説版とタイムラインが共通しているとすれば1272年を舞台とする『ウィッチャー3』時点でゲラルトは61歳ということになる。先述のヴェセミルのセリフなどからも“100歳近い”と考えていたファンは多いようで、意外さから話題となっている様子だ。
またゲラルトの年齢が判明したことで、すでに生年が明かされていた作中のほかのキャラクターとの年齢差もファンによって算出されている。ゲラルトはダンディリオンより18歳年上、シリより41歳年上、イェネファーより38歳年下といった年齢差となるようだ。特にイェネファーとの年齢の開きは意外だったファンも多い様子。そのほかコミュニティでは改めてゲラルトの人間関係を、年齢差を踏まえて振り返るといった盛り上がりを見せている。
なおゲラルトを含めウィッチャーたちは「草の試練」によって変異しており、人間と比べて老化が遅くなるといった超人的な能力をもつ。またイェネファーたち魔術師も、呪文や薬によって老化を遅くしている設定がある。さらにゲラルトは草の試練によって白髪になったとされる。ゲラルトの年齢の意外性が話題となっているのは、そうした設定により人間関係や見た目から年齢を予想しづらかったことも背景としてあるのだろう。
ちなみにNetflixドラマの「ウィッチャー」シリーズでは、ゲラルトの生年が1160年とされていた。「Rozdroże Kruków」まで長らく年齢についての公式設定は存在しなかったこともあり、ドラマ版では独自に設定されていたようだ。先述のヴェセミルのセリフも見るに、ゲーム版でも、年齢をぼかしつつもゲラルトに独自の年齢が想定されてきたのかもしれない。61歳という年齢の判明は、開発を手がけるCDPRにとっても驚きの新情報だった可能性はありそうだ。
なおゲーム版はナンバリング第4作となる『ウィッチャーIV』が開発中で、同作では主人公がゲラルトからシリに交代となる。過去にはゲラルト役の英語版声優であるDoug Cockle氏が、ゲラルトは主役ではなくなるものの、同作でも登場することを示唆していた(関連記事)。同作のゲラルトの年齢について、原作小説で判明した設定が踏襲されるのか、あるいは引き続き年齢についてぼかしたまま描かれるのかも注目されるところだ。
『ウィッチャーIV(The Witcher IV)』は、CDPRにより開発中だ。