Nintendo Switch『なつもん』が『ブレワイ』くらいワイルドに遊べると口コミ続出。ヤンチャ心を自由に発揮できる夏休みゲーム

『なつもん! 20世紀の夏休み』が、自由度が高いとして話題になっている。『なつもん! 20世紀の夏休み』は、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームだ。

なつもん! 20世紀の夏休み』が、自由度が高いとして話題になっている。同作は、スパイク・チュンソフトからNintendo Switch向けに7月28日に発売された作品。原作・脚本・ゲームデザインを綾部和氏が手がけたことで、『ぼくのなつやすみ』系のゲームとして話題になる……かと思いきや、その自由度の高さが注目を集めている。


『なつもん! 20世紀の夏休み』は、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームだ。主人公となるのは、10歳の少年さとる。サーカス団の団長のひとり息子として、紆余曲折ありながら、海の見える緑豊かな田舎町であるよもぎ町にやってきた。夏休みという限られた期間で、この場所でさまざまな冒険や出会いを体験することとなる。

開発の座組としては、パブリッシャーは前出したようにスパイク・チュンソフトが担当しているほか、『ぼくのなつやすみ』シリーズを手がけてきたミレニアムキッチンの綾部和氏が、原作・脚本・ゲームデザインを担当。また開発には『牧場物語』生みの親である和田康宏氏が率いるトイボックスが参加している。


綾部和氏が手がける夏休みゲームということで、優しさとビターさが混じったテキスト、モノローグ風のナレーション、甘酸っぱさもあるイベントなど、どこか懐かしい独特な世界観が特徴だ。そうした系譜をもつということで、本作では色濃い“なつやすみ体験”が可能となる。しかしながら、本作の魅力はそこだけではない。とにかく自由なのである。

固定カメラが多いこのジャンルのゲームでは珍しく、三人称視点の採用。さらにオープンワールドシステムを導入している。一部建物に入るにあたってはほんのりロードが発生するが、基本的には広大なフィールドをロードなしで探索できる形式となっている。さらに、本作では「壁登り」が可能。この仕様がアクロバティックな探索を可能にしているのだ。


本作ではスタミナゲージにあたる要素が存在しており、ダッシュおよび壁登りではそれらを消費。イベントをこなすことで上限が増えていく。壁登りは、基本的にあらゆるオブジェクトですることが可能。山や家をワイルドに登っていく。そして屋根の上を渡るなどして自由な探索を進めることが可能だ。屋根の上にはアイテムなどが落ちており、壁登りを駆使することはゲーム内でも当然のように推奨されている。


前述したように「ぼくのなつやすみ」系のゲームは、固定カメラ式が多かった。移動ルートやカメラは制限されており、せっせと歩いて移動し景観を楽しむゲームだった。一方で本作は、その景観の上にのぼってアクロバティックに移動できるわけだ。さらに本作ではゲームが進めば多段ジャンプができたり、“パラシュート”のようなアイテムにより滑空も可能。壁登りの要素などもあわせて、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と似ているとされており、『なつもんオブザワイルド』として面白がられている。Twitterユーザーのゆきのさんの以下の動画を見ればわかりやすいだろう。


本作はAAA級オープンワールドではないものの、世界に干渉できるものが多い点も魅力。たとえば車や電車はぶつかれば止まるし、登ることができる(登ったからといってどうということもないが)。空き缶を踏めば壊れる。おもちゃ銃アイテムを入手すれば、人や動物に対して銃撃可能(あくまでおもちゃレベルだが)。主人公が利用できる要素自体はさほど多くないながらも、ゲーム内のものに対してアクションできることが多い。ひとつの要素からさまざまな遊びが広がる、なかなかインタラクティブなゲームなのである。そうした点もあってか、クチコミが広がっているのだろう。


またこれらのオープンワールドが導入されている一方で、快適さについても配慮がなされている。まず本作では原則落下ダメージが存在しない。屋根上からも落ち放題。さらに水辺では水泳ができるが、水泳中はスタミナ消費もない。またフィールド内に散らばるアイテムや生物については、未取得のものは光ったり強調されるなど、誘導もなされている。ファストトラベルとなるバス移動は、フィールドのどこにいてもチケット利用できるのも便利。このように、オープンワールドで遊ぶ上で“本作にとってストレスになりうるもの”を丁寧に削ぎ落としている。いろいろとヤンチャできるだけでなく、ストレスなく遊べる点も、本作の魅力をSNSに投稿する後押しする要因のひとつになっているだろう。

一方で、綾部和氏によるミレニアムキッチンらしさは健在。テキスト量が多いほか、テキストパターンは多彩。ブラックジョークも随所に織り込まれており、夏休みらしさは存分に味わえる。また本作はそもそも限られた時間の中で、フィールドを歩き回るという点で、一般的なオープンワールドとは少し設計が異なる。そうした点を踏まえ、“単に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に似ているゲーム”では決してない点は強調したい。

どっかで見たようなギミックもある


実際にどういうゲームか気になった方は、まず体験版で本作に触れてみるといいだろう。1日目を体験できるので、壁登りなどは楽しめる。『なつもん! 20世紀の夏休み』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。




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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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