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黄輪雑貨本店 新館

今日の旅岡さん

黄輪雑貨本店のブログページです。 小説や待受画像、他ドット絵を掲載しています。 よろしくです(*゚ー゚)ノ

    Index ~作品もくじ~

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    前回に引き続き、twitterで見かけた可愛いコーデを描いてみました。

    線画。

    エルフ耳にしたのは単なる趣味です。

    チャイナだとかゴスロリだとか、ファンタジックな衣装に惹かれるのは認めるところですが、
    こう言うストリート的でカジュアルなファッションも好き。
    ちなみに、元絵のコーデだけだとちょっと絵面が寂しいかなと感じたので、バッグも足してます。


    カラー。

    元絵に忠実なパターン1。


    こないだのクルマのドット絵で作ったけどボツになった、
    グラデーション(赤→青)を適用したパターン2。
    意外にも違和感が無い。


    ちょっとやんちゃ路線にしてみたパターン3。
    イラスト;カジュアル風(習作)
    »»  2019.06.13.
    最近書かずに描いてばっかりですね……。
    とは言え、ちゃんと琥珀暁は書いてるところです。もう少しお待ちを。
    待ってる間にこんなものでも。

    チャイナ風の猫娘。略してちゃいねこ。
    線画。

    10年前から言ってますが、僕は猫と中華デザインと可愛いものが大好きです
    その3つがここに合体顕現。

    カラー。

    藍+三毛。……と言うと「蒼天剣」の主人公みたいだ。
    きっとこの娘はご先祖かご子孫なんでしょう。


    金+キジトラ。なんとも神々しくケバケバしい。
    見ただけで金満家なんだなと想像できてしまう。


    白黒+スノーシュー。上と打って変わって清楚なイメージ。
    イラスト;チャイナ風(習作)
    »»  2019.06.20.
    こないだ「」を描いたことで、双月世界の種族紹介に使えそうな素材が一通りたまりました。
    ただ、短耳も描いたのは描いたんですが、あれを種族紹介に使用するのは今ひとつ気が進まなかったので、改めてもう一枚。

    線画。

    今回はプレッピー(学生)風。女子高生をイメージしています。
    あと、最近の流行も取り入れ、タピオカミルクティを飲ませてます。
    この子の体型ではタピオカチャレンジは無理ですが。

    カラー。

    特に何も考えず塗っています。
    テーマも特にありません。



    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
    イラスト;プレッピー風(習作)
    »»  2019.06.27.
    こないだのタピオカ飲んでる娘がtwitterでそこそこ好評だったので、
    これまでに描いた他の娘も交えてもう1点制作。

    線画。
    190630_2.jpg
    脳内設定。
    ・右の娘は「旅岡 紅子(たびおか べにこ)」さん。
    ブーム前からタピオカは大好き。
    ただし本当は黒いのより白いのが好き
    あと、ミルクティじゃなくココナッツミルクの方がいい
    ・真ん中の娘は「富士見 柚子(ふじみ ゆうこ)」さん。
    お姉ちゃんは目立ちたがりの売れっ子アイドル
    その影響なのか、こっちはわりと大人し目の性格。
    ・左の娘は「虎海 雅(とらみ みやび)」さん。
    ご覧の通りのお嬢様で、高身長で、ダイナマイトなボディの持ち主。
    おだてられると調子に乗る。旅岡さんのいいおもちゃ。
    ・3人とも同じ高校の同級生。なおこの高校、わりと名門だが校則はゆるめ。
    その証拠に、3人とも同じ制服かと思いきや、よく見れば細部が微妙に違う。

    カラー。
    190630_2.jpg
    twitterにて掲載したキャプションを、いつものように編集・加筆して転載します。

    旅岡さん「雅ちゃんやったらタピオカチャレンジでけそうやんな」
    富士見さん「雅ちゃんなら余裕でしょ」
    虎海さん「ええ。造作もございませんわ(ドヤァ)」
    富「うん、やっぱりできちゃうよね。(パチパチ)でも実際できるトコ見るとさー」
    旅「ドヤ顔がハラ立つな。あとおっぱいの存在感もハラ立つ。デカすぎやん」
    富「紅ちゃんちっちゃいもんね」
    旅「ほっといて。柚ちゃんかてあたしとトントンやん」
    富「(´・ω・)」
    旅「でも実際どないなん、雅ちゃん? 載せてて冷たないん?」
    虎「多少は。でもすぐいただきますから」ズゾゾゾゾゾゾゾ
    富「えっ」
    旅「……あっちゅう間に無くなったで」
    富「あれ750mlって書いてなかった?」
    虎「仮に『早飲みチャレンジ』だったとしてもわたくし、勝つ自信がございますわよ」
    旅「マジか」
    タピオカチャレンジいけるん?
    »»  2019.07.04.
    そこそこ好評らしいので、シリーズ化してみることにしました。
    需要があるのか分かりませんが。

    ちなみにこのシリーズは、ゆるーい話を展開していくだけです。
    超展開や急展開の類はありません。
    悪と戦いません。魔法使いません。異世界行きません。
    戦車砲や機銃撃ちません。キャンプしません。百合も咲きません。
    ただただタピオカミルクティ飲んで友達と駄弁るだけの話です。

    ただその友達に、何の説明もなくファンタジックなお耳が付いてるだけで。



    線画。
    190630_2.jpg
    脳内設定。
    ・左の娘は「大江双葉(おおえ ふたば)」さん。
    見た目クールで言葉数は少ない方なので、近付きがたい感じはある。
    でも困ってる子がいたら割とほっとけないタイプ。
    ちょくちょく忘れ物しちゃう旅岡さんの、最後の希望。
    ・旅岡さんと大江さんは中等部からの付き合い。やたら席が隣同士になる腐れ縁。
    ちなみに二人が通ってる学校は中高大一貫。きっと大学部に行っても、
    同じ講義に出たり同じゼミ入ったりするんだろうなーと、大江さんは思ってる。
    ・ちなみに今月に入って既に、大江さんはソフトクリームを3回食べている。
    旅岡さんのおごりで。

    カラー。

    いつものように、twitterより

    旅岡さん「おはよ、ほんで朝からゴメンやけど」
    大江さん「おはよう。なに?」
    旅「宿題やるの忘れてん。見せてもろてええ? 数IIのヤツ」
    大「いいよ」
    旅「ありがとー! めっちゃ助かるわぁ。お礼にまたソフトおごるしな」
    大「うん」
    旅「あとゴメンけど、英語もええかな。……国語も」
    大「……全部?」
    旅「ちゃうねん。数IIと英語と国語だけでええねん。生物はやってん」
    大「日本史は?」
    旅「え」
    大「日本史。先週出たやつ。今日提出」
    旅「あー……。言われたら……あった……ような……気が……」
    大「見る?」
    旅「見るっ」
    大「ミルクティもおごりね。タピオカ無いやつ」
    旅「あうぅ」
    朝からゴメンやけど
    »»  2019.07.08.
    2ヶ月ぶりに旅岡さんシリーズ。
    今度はよくタピオカミルクティ頼むお店での一コマ。



    ・右の娘は「猫藤雛(みょうどう ひな)」さん。
     野球部のエース投手。外野も行ける二刀流タイプ。
    ・150km/h近い豪速球とやたら切れるスライダー、やたら落ちるフォークが彼女の武器。
    ・今年の夏の地区予選には中継ぎと抑えで出場。
     決勝の7回表で登板するも、前の回で既に2点リードされており、防ぐので精一杯。
     それでも9回裏2アウト一塁の場面で二塁打を放ち、1点を取り返す。
     逆転サヨナラのチャンスを作ったものの、後が続かず。終わったあと、泣いた。
    ・カープファン。今の推しは大瀬良大地投手。
     なお去年のシーズン終了間際は、やっぱり泣いた。ツライです。
    ・アジアンスイーツ店の、イチゴの豆花がお気に入り。
     そのせいか、クラスは違うのに旅岡さんと割と出くわすし、割と一緒にお茶する。

    ・奥のお姐さんは通称「黄大姐(ホァンダージェ)」さん。
     アジアンスイーツ店のオーナー。
    ・このお店以外にも手広く商売しているらしい、とは雅ちゃんからの情報。
    ・30そこそこくらいに見えるが威圧感がスゴい、とは柚ちゃんからの感想。
    ・「絶対トシの話しちゃダメだよ」、とは店員の兎波さんからの忠告。





    猫藤さん「やーっと合宿終わったよ」
    旅岡さん「おつかれ。野球部やったっけ」
    猫「そーそー。ほらこれ、グローブんとこだけ真っ白」
    黄大姐「お嬢ちゃん、ガッコのエースってセンセ言ってたね」
    猫「あー、うん、まあ」
    黄「未来のオータニとかほめてたよ」
    旅「おー。なんかよー分からんけどすごそうやん」
    猫「オータニって、大谷翔平選手? うーん……大谷選手かぁ」
    黄「あら、びみょーな反応ね。嬉しくない?」
    猫「そりゃ嬉しいけど、どうせなら『未来の前田』とか『未来の大瀬良』が良かった」
    旅「それもよー分からん。野球全然知らんし」
    黄「ま、ま、もしプロになったら、取材はココで受けてね。オマケするよ」
    猫「はいはい、なれたらねー」
    未来のオー……、なんやったっけ?
    »»  2019.09.15.



    旅岡「暑くないん?」
    猫藤「暑いよ。すっごい暑い。10月の気温じゃないよね、マジで」
    旅「脱いだらええやん。あたしも半袖やで」
    猫「なんか負けた気がしてやだ」
    旅「何に?」
    猫「季節とか……自然? とかに」
    旅「……負けでええから脱ぎいや」
    猫「負けるの嫌だもん」
    旅「勝ってどないすんねん。っちゅうか勝つとか負けるとか無いやろ、そんなもん」
    猫「あたしの中にはあるんだよ。勝ち負け」
    旅「暑苦しいなー……もぉ」
    猫「……でも、正直言うと」
    旅「なんよ?」
    猫「暑さに負けてもいいかなとは思ってるところ」
    旅「アホやな。素直に負けたらこれおごったるよ」
    猫「さっきから気になってたけど、その赤いの、何?」
    旅「スイカジュース黄さんの店の新商品。あんた赤いのん好きやろ?」
    猫「……負けた!」
    その赤いの、何?
    »»  2019.10.02.


    虎海「あなたとお手合わせする時をわたくし、心待ちにしておりましたわ」
    猫藤「奇遇だね……あたしもだよ!」
    虎「春の雪辱、果たしてご覧に入れますわ」
    猫「ふっふっふ……返り討ちにしてやるさ」

    大江「たかが体育祭でテンション上がりすぎじゃない?」
    旅岡「体育会系の血が騒いでんねやろ」
    大「熱血かー」
    旅「あたしらには無縁の世界やな」
    大「だね」
    旅「ほんで春のヤツって、球技大会ん時の話やろか」
    大「結局あれって虎海さんがスタンドプレーして退場させられただけだよね」
    旅「雛ちゃん的にはキッチリ決着付けたいんやろ。熱血やし」
    大「熱血ねぇ」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    旅岡さんたちの学年の、アスリート女子ツートップとうわさされているこの両名。
    片や文武両道のスーパーお嬢様、虎海雅。
    片やプロもうならす超高校級エース、猫藤雛。
    かねてより「この二人の直接対決が見てみたい!」とささやかれていた。

    実は春の球技大会でも、バスケ部門にてこの両名がぶつかっていたのだが、
    そこで雅ちゃんはやらかした。
    開始2分で早くも一人で12点獲る猛攻を見せるも、
    調子に乗りすぎてダンクシュートまで決めてしまい、その結果、ゴールが破損。
    当然、試合は中断。雅ちゃんは先生に怒られ、そのまま退場となった。
    その後コートを換えて試合続行となり、雛ちゃん側のチームが逆転勝利した。

    ……が、そんな結果で満足するようなスポ根少女、雛ちゃんではない。
    機会があればもう一度ガチで対決したいと願っており、それが今日、叶うこととなった。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    そして閉会式の後、互いにやり遂げた顔で、ガッチリと握手する二人の姿があった。
    大江「漫画みたい」
    旅岡「ほんまやね」
    大「熱血だもんね」
    旅「やっぱりあたしらには分からん世界やな」
    大「そだね」
    旅「ほんでもあたしらも結構動き回ったし、お腹空いてもーたわ。
     後で黄さんのお店行かへん?」
    大「いいね」
    旅「あの二人も誘ってくるわー。折角やしこの機会にお互い、お友達になってもらおーや」
    大「おせっかい焼き」
    旅「そんなんちゃうて。おもろそうやからやん」
    大「……それはちょっと分かる」
    体育会系の血が騒いでんねやろ
    »»  2019.10.11.
    旅岡さんの新作を制作するべく、習作がてら、新しい娘を描きました。
    プレッピースタイル(冬)。
    自分で言うのもなんですが、今回はかなり美人さんに描けました。



    ・お名前……「夜狼奈々(やがみ なな)」さん。
    ・見ての通りの委員長キャラ。クラス委員長もやってるし、生徒会にも在籍。
    ・眼光が鋭いのは近眼のせい。眼鏡を外すと「眼力がめっちゃヤバい」と言われる。
     だけど眼鏡有りでも威圧感が隠せないのは、狼耳のせいか尻尾のせいか、
     それとも177cmと言う、クラス1の高身長のためか。
    ・ちなみにクラス2番は、173cmの虎海お嬢様。2人が並んで立つと、周りから人が消える。
    ・その威圧感のせいで、下級生からは最敬礼で挨拶されるし、中等部の子はなかなか近付いてくれない。
     近所の猫だって、彼女を見るなり飛び上がって走り出す。
    ・極めつけに、言葉遣いもかなりトゲトゲしい。ツンの塊である。
    「あんたなんでまだ課題提出してないのよ!? 今週締め切りよ!? 分かってんの!?」



    ・が、実はかなり面倒見が良く、頼み事を断れない性格。
     クラス委員長になったのも、理由の半分は見た目のせいだが、
     もう半分は「やってくれそう」と言う皆の期待を断れなかったせい。
    ・外はツンツン中はデレ。
    「はぁ……、もう言い訳いいから、どこで詰まってるか言いなさいよ。教えたげるから。
     でも勘違いしないでよ? 教えたげるの、今回だけだからね?
     全員提出って言われてるんだからキッチリ期限までに全員提出させたいの。それだけ」



    夜狼「あんたみたいに何にも考えずに、気さくに近寄って来てくれる子ばっかりならいいのに」
    旅岡「叶わぬ願いやな」
    夜狼「何か言った?」
    旅岡「ナンデモアラヘンヨー」
    イラスト;プレッピー風(習作)
    »»  2019.11.11.
    旅岡さんたちの通う学校の文化祭で催される「店舗」の中で、
    いわゆる「喫茶店モノ」は生徒会抽選による定員制となっている。
    と言うのも教室内は火気厳禁であり、調理は専用教室でしか行なえない。
    その上、中高大一貫性であるために、4室しか無い調理室を皆が一斉に使うと大混乱になるからである。
    そんな事情があるので当然、喫茶店の競争率は高い。
    なのでクラスで何をするか会議した時も、喫茶店を提案しなかった。
    アジアンスイーツ大好き、食いしんぼの旅岡さん以外は。
    と言って、文化祭での催しモノなんて大抵喫茶店かお化け屋敷、
    さもなくばテーマの良く分からない展示くらいしか無いと言うのが相場。
    結局、旅岡さんの猛プッシュ以外に決定打も無く、
    クラス委員長の夜狼さんはダメもとで喫茶店に応募した。
    ……そしたらあろうことか、当選してしまったのである。
    絶対ムリと思っていただけに、皆大慌てとなった。
    発案者の旅岡さんでさえ当選と聞いて「うそぉ!?」と叫んだくらいである。
    勿論言い出しっぺの彼女も一応アイデアだけは温めていたものの、
    それ以外の準備なんか全くできていなかった!

    旅岡さんのアイデア――それは黄さんのお店で出ているスイーツをそのまま出してはどうか、と言うものだった。
    これならば事前準備は黄さんへの連絡だけで済むし、
    搬入も店からそのまま調理室の冷蔵庫へ運ぶだけ。
    翌日お茶を淹れて温めれば、そのまま店に出せる。
    黄さんも学校への大量搬入ができてボロ儲け、旅岡さんたちも楽して店が出せる。
    双方ウィンウィン、旅岡さんのアイデアの勝利である。

    が、喫茶店に出す量となると結構なモノになってしまう。
    黄さんからも「決まったら早く教えてね。1週間前とかちょこっと困るからね」と念押しされていたが、
    通達された時点でその1週間前である。旅岡さんは慌てて店へと駆け出そうとした。
    が、ここでクラス一の見栄っ張り、虎海お嬢様から「わたくしにお任せなさい」の一声。彼女が連絡してくれると言うのだ。
    クラスの皆はほっと一安心。搬入を虎海さんに一任し、他の皆は店づくりに集中した。
    無論、旅岡さんのアイデアは、クラス会議の場で旅岡さん自身が説明していたし、
    その場にいた虎海さんにも、間違い無く伝わっていたはずなのだ。
    ところが――繰り返すが――虎海さんは見栄っ張りだった。

    そして文化祭前日、事件は起こった。

    見栄っ張りの虎海さんは「出来合いのモノをそのままお出しするなんて」などと、
    いかにも一度も調理経験の無い類の人間が安易に考えそうな極めて面倒臭いことをお考えあそばせ、
    完成品ではなく原材料を持って来させたのだ。
    しかも当の本人は用事があるとか言って調理室には来ず、
    虎海さんのお屋敷の使用人さんに持って来させると言う、
    トンデモお嬢様っぷりをご発揮あそばされたのである。
    当然、旅岡さんも夜狼さんも「話がちゃうやんけ!?」と激怒したが、時既に遅し。

    かくして、そのまま調理室に置いて行かれた総重量50キロのタピオカ粉と小麦粉、
    あんこ、そして茶葉の山を前にし、旅岡さんと夜狼さんは途方に暮れた。
    文化祭は明日に迫っている。時間は残り、約半日。

    手の空いた者を総動員しての、調理地獄が始まった。



    旅岡「うー……終われへん」
    夜狼「口じゃなく手動かしてよ。もうギリギリだって、あたし何回言った?」
    旅岡「分かってるけどー……言いたなるやんか」
    夜狼「ボーッとしない! 桃まんもゴマ団子も、あと200個ずつ作んなきゃいけないのよ!?」
    旅岡「はうぅー……」
    夜狼「にしても、ほんっっっとに虎海さんにはアタマ来るわね。みんなこーしてヒィヒィ言ってんのに。
    後で絶対あたしが文句言ってやるわ」
    富士見「……ほんと面倒見いいよね、いいんちょ」
    大江「ほんとにねー」
    夜狼「そこの二人、聞こえてるわよ。ほら手ぇ動かす!」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    なお、文化祭にはどうにか間に合った模様。
    ……全員の顔は粉と疲労で蒼白だったものの。

    夜狼「でも意外だったのは、あんたがこーゆーの料理できたってことよね。あんたいなかったらマジで詰んでたわ」
    旅岡「料理は得意やねん、あたし。……でももう一生分作ったかも知れへん」
    夜狼「あたしだってこんなにお団子丸めたの、生まれて初めてよ」
    クラスのみんな「本当にな」



    そして虎海さんは罰として、文化祭後のおつかれさま会用の桃まん、
    クラス全員分を、一人で作らされる羽目になったとさ。
    めでたしめでたし。
    一生分作ったかも知れへん
    »»  2019.11.18.


    新学期が始まってもいつも通り。
    いつも通り、旅岡さんは良く食べる。
    かばんの中もコートのポケットの中も、お菓子でいっぱい。
    そして新学期早々、下校中に買い食いし始めた。

    旅岡「もぐもぐ」
    猫藤「しっかしコイツ、良く食べるよな」
    富士見「ホントにねー」
    旅岡「もぐもぐ」
    猫藤「でも全然太ってないよな。何かスポーツとかやってんの?」
    旅岡「んー、全然?」
    富士見「体動かすのキライって言ってたもんね」
    猫藤「マジで? あたしめっちゃ筋トレしてどうにかコレだぞ? まあ、ご飯の量とかはアレだけどもさ」
    旅岡「もぐもぐ」
    富士見「雛ちゃん、あたしの倍は食べてるもんね。……あ、そのブローチ!」
    旅岡「もぐもぐ……んぅ?」
    富士見「『タマキ・フカクサ』の? あたしそのブランド好きなの」
    旅岡「ほーはんひゃ……もぐもぐ」
    富士見「どこで買ったの?」
    旅岡「いほほにほはっへん……もぐもぐ……おははんは……もぐもぐ……ほほふほーひふふっへへは……もぐもぐ」
    富士見「……? (もぐもぐとしか聞こえないよぉ)」
    猫藤「ところでさ、紅って何かやんないの? クラブとか」
    旅岡「もぐもぐ……ごくん。やらへんなぁ」
    富士見「面倒臭いから?」
    旅岡「や、あたし家事せなアカンもん。あんまり時間無いねん」
    猫藤・富士見「えっ!?」
    旅岡「なんやの」
    猫藤「いや、アンタが家事やってるってイメージ無かったから。いっつもお気楽って感じだし」
    富士見「同じく。……あ、でも料理得意だもんね、紅ちゃん。お母さんとかお父さんはどうしてるの?」
    旅岡「二人とも仕事で家、おらんねん。おとんは単身赴任やし、おかんは平日昼間出っぱなしやし」
    猫藤「あのー……何か、ごめんな」
    旅岡「別に謝らんでも」
    猫藤「いやさ、アンタもっと気楽に生きてるもんだと思ってたから」
    旅岡「ん? 気楽やで?」
    富士見「じゃさ、普段は紅ちゃん一人なの?」
    旅岡「んーん。夜にはおかん帰って来るし、さっきもちょと言うたけど、従姉妹がしょっちゅう来んねん」
    富士見「さっき? ……あのもぐもぐ言ってたアレ?」
    旅岡「ん? んー、多分それ」
    富士見「さっきの何て言ってたの?」
    旅岡「んー? ……んー、あんまんに夢中になっとったから何言うてたか忘れた」
    富士見「そ、そう……」
    猫藤「……コイツ本っ当、気楽に生きてんなぁ」
    おきらくもぐもぐ
    »»  2020.01.06.
    こないだ架空ロゴ素材を作ったので、早速使用してみました。



    今日の旅岡さん」より、大江さん。
    以前からこの娘の着ているモノにこのロゴは付いていたんですが、
    これまでは一々描いてました。「素材」として使ったのは今回が初。

    ロゴを使うついでに、今の季節に合うコーデで揃えてみました。
    旅岡さんはダッフルコートの印象ですが、この娘はダウンジャケットだろうなー、と。
    ちなみに富士見さんはノーカラーコート。猫藤さんは言わずもがな。



    カラー版。
    顔立ちからクール系の印象を持たれがちですが、実はピンクと可愛いモノが大好き。
    ちなみに帽子とブーツについては、去年描いてたものと同じ。
    この頃はまだ、タピオカミルクティ大好きな食いしん坊の話なんて影も形も無かったんだよなぁ……。



    色違いバージョンその1。
    顔に合わせて、クールでダークな色合いにしてみました。



    色違いバージョンその2。
    こないだの携帯待受を作った際に制作したグラデーションを適用してみました。
    なんか氷の、……もとい、雪の妖精って感じ。
    イラスト;カジュアル風(大江さん)
    »»  2020.01.27.
    こないだの記事でちょこっと書いたSSの続きがてら、富士見さん。

    線画。

    この娘にも色々事情があり、あんまり目立つことができません。
    なので普段から、そんなに派手な格好はしません。
    でもちょっとカワイイ格好もしたいな、と言う欲求もにじみ出ていたり。

    カラー。

    地味な色。都市迷彩かと思う色合いです。

    色違いその1。

    なので試しにピンク色に染めてみました。
    これはやりすぎたなぁ……。

    色違いその2。

    前回と同じく、携帯待受のグラデーションで塗ってみました。
    ホッキョクギツネ。
    イラスト;ガーリー風(富士見さん)
    »»  2020.02.03.
    前2作のSSを1本にまとめました。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



    富士見「こないだ紅ちゃんから聞いたんだけど、
    紅ちゃんって自宅通学だけど家事も一人で全部やってるらしいの」
    大江「だね」
    富「あ、双葉ちゃんは知ってるんだ」
    大「何回かあの娘の家行ってるもん」
    富「あれ、そうなんだ? でね、紅ちゃんって補習行ってたよね、冬休み」
    大「うん」
    富「夏休みも行ってたよね」
    大「どっちも1日だけだけどね。ちゃちゃっと再テストやって終わったって言ってた」
    富「でもさ、補習受けるって結構ヤバいよね?」
    大「かもね」
    富「でね、成績悪いのってもしかしたら、家事で忙しいからなのかもって」
    大「……どうかな」
    富「あたし心配してるの。このままじゃ紅ちゃん、また補習受けるかもだし、
    もしかしたら留年とかってなっちゃうかもだし……」
    大「大丈夫だと思うよ。今まで何とかしてたし」
    富「でも勉強って段々難しくなるし、もしもって思ったらさー……」
    大「うーん」
    富「でね、でね、もうすぐテスト期間でしょ?
    その間だけでも、紅ちゃんのところ行って助けられないかなって」
    大「いいんじゃない、そこまでしなくて」
    富「でも……」

    旅岡さんとは中等部からの長い付き合いなので、大江さんは知っている。
    家庭環境とか家事が忙しいとか、そんなことに関係無く、
    ただ単に、旅岡さんが直前までやる気出ないタイプであることを。
    でもそれを富士見さんに説明しても、なんか納得してもらえなさそう。
    そう考えた大江さんは、とりあえず相槌だけ打っていた。

    大「まあ、やりたいならそう言ってみたらいいんじゃない?」
    富「うん、後でラインしてみる」
    大(……既読スルーだろうなぁ。あいつに『テスト勉強しよう』って言っても、絶対はいって言わないだろうし)
    結構ヤバいよね?
    »»  2020.02.06.
    件の新型肺炎に伴い、あちこちの学校が休校となっている。
    旅岡さんたちも例外ではなく、寮生・自宅生共に、
    全員が自室・自宅にて待機することになってしまった。

    「……やんな?」
    「うん」
    「なんであんたウチ来とるんよ」
    「ヒマだし」
    「意味無いやんか」
    「ここから外に出なきゃ大丈夫でしょ。ここ3人しかいないし」

    休校ではあるが、ほとんどの学生は暇に耐えられるはずも無い。
    よってこっそり友達の家を訪ねる子は、相当数存在する。
    勿論、大江さんもその一人である。
    「わざわざウチ来んでも、ゲームやったらネットで一緒にでけるやんか。ラインで話もでけるし」
    「あれめんどい」
    「何がやねん」
    「なんかが」
    ちなみに2月下旬に休校が決まったため、本来その時期に実施されるはずだった期末テストは、
    休校期間が終了し次第行われる予定となっている。
    「ラインって言えばさ、ゆっこのライン見た?」
    「ゆっこの? あー、テス勉しよか言うてたアレ?」
    「返事来ないって言われたんだけど」
    「……めんどい」
    「『めんどい』やないやん。学生は勉強してナンボやんか」
    と、2人の後ろから声が飛ぶ。旅岡さんの従姉妹の円(まどか)さんである。
    「叔母さんも『あの子一々言わな勉強せんわー』言うてはるで」
    「そっちかて『あの子は毎日毎日そっちにお邪魔して』て言うてはったで」
    「(´・ω・)」
    ぐうの音も出ない、と言う顔をしつつも、円さんは言い訳する。
    「そんなん言うてもうちご飯作るん下手やしおかんもずーっと仕事したはるし、
    こっち来たら紅ちゃんがなんやかんやで作ってくれるし……」
    「……言うてたらもうお昼やな。ほんならボチボチ作るわ。ゲーム代わって」
    「ん、おっけ」
    プレイヤーを交代したところで、円さんが寝そべっていた大江さんのお尻をぺちぺち叩く。
    「あんたそんな気ぃ抜いててええんか~? 今日こそめっためたのぎったぎたやで~?」
    煽られるが、大江さんはクッションを抱えた姿勢のまま、微動だにしない。
    「こないだあたし相手に12デス食らったの誰?」
    「あ、あれから修行したし!? 紅相手なら10キル余裕やし!?」
    「あたしあいつに20キルしたことある」
    「うぐ、……ま、負けへんで今回は!」
    「じゃ今回もフルボッコする」
    2人の掛け合いを尻目に、旅岡さんは冷蔵庫を開けた。
    (ゆうべの餃子のタネ残っとるし……ご飯と卵と混ぜて炒飯やな)



    「でけたでー」
    「なんでこんなボコられんねん……こっちは全武器中最速連射やで、最速」
    「でも射程短いじゃん。それで特攻かけるからだよ。いい加減ステ極振りのロマン武器やめたら?」
    「ロマン武器でやるからおもろいねん。もっぺんや!」
    「でけた言うてるやんか。早よ来なご飯冷めるで」

    わざわざウチ来んでも
    »»  2020.03.16.
    特に今回はストーリーもコンセプトも無く、ただただ描きたいものを描いただけです。

    エプロン姿(着替え途中)の旅岡さん。
    線画。

    ロゴについては後日紹介予定。
    基本的にこの娘は料理属性なので、このエプロンもその方向に使用するつもりで着せたものなんですが、
    ……なんか四角形のロゴマークが付いたエプロンって、プラモ店の店主みたいだなぁって。

    カラー。


    なお、他の娘だと色違い版を作るところなんですが、なんでかこの娘は上手く行かない。
    微妙な色合いばかりになってしまう。何故なのか……。
    そんなわけで、今回は1色のみです。
    イラスト;エプロン(習作) / 何か粉混ぜて焼くわ
    »»  2020.04.06.
    またあつ森で描いたマイデザインをイラストに起こしてみました。
    ぐんぷくワンピース

    線画。


    今回は虎海さんに、モデルになってもらいました。
    うちで軍服ワンピースって言ったらこの娘ですし。

    19:30現在;取り急ぎ、いつもの更新時刻に間に合わせました。
    カラー版とちゃんとしたSSは後程。


    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    2020.05.04 23:00 追記

    カラー版できました。
    色の方もミリタリー仕様。


    カーキグリーン。


    ネイビーブルー。


    ワインレッド。


    こちらもマイデザインを公開しているので、よろしければお使い下さい。
    イラスト;ゴシック風+ミリタリー風 / なんかめちゃめちゃ
    »»  2020.05.04.


    今回は猫藤さん。
    そろそろ開幕しますしね。



    (この動画分かりにっかぁ。これで合うとんか?
    なんか違うよーな……でも下半身鍛えられよる感はあるっちゃあるけぇ……うーん?)

    ステイホーム中、動画サイトを参考に自主トレする野球少女、猫藤さん。
    でも彼女は忘れている。最初観ようと思っていたのは肩周りのトレーニングだったことを。

    「ふー……ふーっ……おっし、あともう1セットじゃ!」

    所期の目的をすっかり忘れて別のトレーニングメニューをこなす猫藤さん。
    一通りやり切って満足したところで、スマホ固定のために置いたグリップボールを見て思い出すまで、あと10分。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    猫藤さんは元々影響されやすい子で、皆と一緒にいる時は標準語なのはそのせい。
    なので誰にも影響されない、一人でいる時だと広島弁全開。
    元々広島生まれで、高校からスポーツ推薦で旅岡さんたちの学校に編入し、今は学生寮で一人暮らし。
    部屋の中は真っ赤っか。これもお父さんとお兄さんの影響。



    そんな彼女がもしも学校の子に影響を受け、別のチームに鞍替えしてしまったら。

    中日。


    阪神。
    イラスト;スポーツウェア / これで合うとんか?
    »»  2020.06.15.
    そう言えば旅岡さんを初めて描いてから1年以上経ってました。

    と言うわけで、自分の画力上達具合を確認するため、
    このイラストをリメイクしてみました。

    線画。

    昨年に比べて体の造形がガッチリしたなぁ。
    ちょっと体格がしっかりしすぎな気もしなくはないですが、
    昨年のがひょろひょろすぎた、あまりに細すぎたって面もありますね。


    カラー。

    色は昨年とほぼ同様。
    ……だけだと芸が無いので、


    ほうじ茶ミルクティバージョンと、


    抹茶ミルクティバージョン。
    イラスト;プレッピー風 / ちょとコレ飲んでみてよ
    »»  2020.07.26.


    なんやかんやの都合のいい力によって、世界的不安が一拭されつつある旅岡さんたちの日常だが、
    やはりまだ、各所に色濃く影響が残っており――。

    旅岡「やっとや思たら、再来週にはもう学校やで。2週間て」
    円「ええやんか。今年は3ヶ月近くお休みあったようなもんやんか」
    旅岡「あんなん『休み』やなくて『謹慎』やんか。どこにも遊び行かれへんかったんやし」
    円「文句言わんの。結局遊んでたやんか。こないだのテストも……」
    旅岡「平均ギリ60ちょいやったんやからええやんか。追試無しやで。えっへん」
    円「威張って言うコトかっ」
    旅岡「それよりおねえ、折角いま、『旅行しようや』みたいなアレやってんねんから、どっか連れてってーや」
    円「そう言うのんは普通、親にねだるもんやろ。なんでウチやねん」
    旅岡「おかんずっと仕事やし、おとんはまだ仕事先から帰って来いひんし、
    ほんならおねえに頼むしか無いやんか?」
    円「……しゃーないなぁ。近場でええか?」
    旅岡「やっぱおねえ、話が分かるぅ。全然ええよ、遠すぎてもしんどいし」
    円「折角やし誰か誘うか? 2、3人くらいやったら全然行けるで」
    旅岡「ほんならー……ゆっこは確実に行けるやろし……雛はどないやろ?」

    (夏休み旅行一緒行く?)<旅岡
    (部活だいじょぶ?)
    猫藤>(行く行く)
    (大会無くなったから部活死んでる。ほぼ自主練ばっか)
    (どこ? いつ?)
    (近いとこ。今おねえと相談しとる)<旅岡
    猫藤>(決まったら教えてー)
    (あいよー)<旅岡


    と、旅岡さんの背後からスマホを見ていた円さんが、ぷにぷにとほおをつつく。
    円「双葉は?」
    旅岡「誘う誘う。ほな、これで3人やな」
    円「アイツおらんとなー」
    旅岡「おねえ、めっちゃ双葉のことお気にやんな」
    円「趣味が合うんや、趣味が」
    円「ほな何持って行く? あ○森は絶対いるやろ?
    みんなで遊ぶコト考えて、アソビ○全買っとこかな。あとはス○ブラとマ○オカートと……」
    旅岡「雛はス○ッチ持ってへんで。
    て言うかおねえ、先に目的地と場所決めよーや。何でいきなりゲームの話してんねん」
    円「……えっへへへー」
    円「ほなドコ行く? 単純に考えて温泉か海かキャンプかやけど」
    旅岡「んー……どこがええんやろ? ちょっと調べてみよかな
    ……お、ゆっこと双葉から返信来たわ。行けるって」
    円「よっしゃ。ほな雛ちゃん呼んだり」
    旅岡「なんで?」
    円「ウチがス○ッチ買うたる。遊ぶんやったらみんなでの方がええやんか」
    旅岡「……おねえ、ちゃんと貯金とかしてるか? 使いすぎやで。旅行ねだっといてなんやけども」
    やっぱおねえ、話が分かるぅ
    »»  2020.08.09.
    夏休み、温泉へ一泊二日の旅行へ行くことになった旅岡さん。
    クルマを借り、北の方へ。

    「どこまで行くん?」
    「ウチのおかんの知り合いがやっとるトコや」
    「環(たまき)さんの知り合い? ホンマ人脈広いなぁ」
    「おかん、昔は色々やってはったからな。今は手芸一本やけど」
    「しゅげい?」

    と、後部座席の富士見さんが狐耳をぴこっと揺らす。

    「どんなの作ってるんですか、旅岡さん?」
    「なんでやねん。いつもみたく『紅ちゃん』でええやんか」

    ミラー越しに話しかけた旅岡さんに、富士見さんがぱたぱた手を振る。

    「いや違くて、えっと、お姉さんの方」
    「なんか勘違いしとるみたいやけど、おねえは『お姉ちゃん』やなくて『従姉妹』な」
    「あっ、そうなの? すみません、えっと……」

    顔を真っ赤にする富士見さんに、円さんもミラー越しに応じる。

    「ええよ、コイツが説明してへんだけやし。ほな自己紹介しとこか。
    ウチは深草円。円って呼んでくれたらええからな」
    「はーい。……あ、えっと、円さん、さっきの……」

    尋ねかけたが、同時に大江さんが口を開く。

    「円、途中どっか寄る? 飲み物欲しい」
    「え、双葉ちゃん? 呼び捨て……」

    富士見さんは目を丸くするが――。

    「あー、せやな。ちょっとコンビニ寄ろか」

    どうやら当の本人は、意に介していないらしい。

    「あ、あの、……いいんですか?」

    旅岡さんが、「ええねん」と返す。

    「おねえは精神年齢あたしらと一緒やもん」
    「なんちゅうコト言うねん。ウチ、一回り年上やねんで」

    円さんは口を尖らせたが、旅岡さんは鼻で笑う。

    「口開いたらすぐゲームの話するやんか、おねえは」
    「オトナがゲームしたってええやんか」
    「週3であたしん家に来て、双葉と遊びまくっとるやん。
    横で見てたらふつーに友達やし、一回り上感ゼロやで」
    「そんなん言うんやったらクルマ乗せへんで」

    円さんも応戦するが――。

    「すぐ怒るとこがコドモじゃん」

    大江さんにまで突っ込まれ、円さんは「ぐぬぬ」とうなった。

    「でも財布は大人って言うか、スゴいよ」

    と、猫藤さんが助太刀する。

    「ビックリしたもん。いきなり『ゲーム買う』ってライン来たし、
    マジに買ってもらったし。赤いの、って言うかピンクいの」
    「ピンク? じゃ、あたしのとおそろいか」

    大江さんはそう言って、かばんからゲーム機を取り出す。

    「ほら、ピンク」
    「お~。……あー、と」

    猫藤さんが、遠慮がちにぼそっと尋ねる。

    「……みんな何のゲームしてる?」

    大江さん「マ○クラ」
    富士見さん「あ○森」
    旅岡さん「ブ○ワイ」

    バラバラの答えが返り、猫藤さんの猫耳が垂れていく。

    「……誰か野球、やってる?」
    「やってない」
    「全然」
    「ごめん」
    「そか……」

    しょんぼりする猫藤さんに、円さんが応じる。

    「一緒に買うたアレやんな? 面白そうやからウチも買うてみよかなーて思てたトコやねん。
    旅行から帰ったら一緒に買いに行こか」
    「ホンマけぇ!? ……じゃないや、本当ですか!?」
    「おっ、さてはカープ推しやな?」
    「あ、はい!」

    野球の話題を振られた途端、猫藤さんは饒舌になった。

    「あたし生まれが広島で……」
    「そら推すわな。よっしゃ、ほんならウチは阪神いじろ」
    「じゃ、あたしも頑張ってぶちつよチーム作ります!」
    「あんまり強くせんといてやー。ウチ、ゲームへたっぴやし」
    「え、そうなんですか?」

    と、二人のやり取りを眺めていた大江さんが、クスっと笑う。

    「円はそーゆーとこ、姉御肌って感じするよ」
    「へっへっへ、どーや紅? ウチ姉御やで、姉御」

    得意満面の笑みを向けた円さんに、旅岡さんは苦い顔を返した。

    「そーゆーとこやで、おねえ」

    そーゆーとこやで
    »»  2020.08.18.


    温泉宿にやって来た旅岡さん一行。
    チェックインを済ませた後、街をうろつくことに。

    「もぐもぐ」
    大方の予想通り、旅岡さんは温泉饅頭をほおばっている。
    「見て見てー、紅ちゃん」
    そして富士見さんも横に並び、黄色いソフトクリームをなめる。
    「『地元の野菜を使ったご当地ソフト』だって」
    「へー」

    饅頭を飲み込み、旅岡さんがチラっと見る。

    「何味?」
    「かぼちゃ」
    「他には?」
    「人参とほうれんそう。あと、お芋も」
    「お芋は美味しそうやな」

    言うが早いか、旅岡さんはソフトクリーム屋へ向かう。

    「本当にあいつ、食い意地張ってんなぁ」
    「ねー」
    猫藤さんもおだんごを片手に、富士見さんのところに来る。
    「あれ、前にも同じよーな話したっけ? あたしとゆっことあいつで」
    「したした。……あ、そう言えばなんだけどね」

    富士見さんは上着に付けたブローチを指差す。

    「ほら、前にあたし『タマキ・フカクサ』ブランド好きって言ってたよね。
    このブローチもそうなんだけど」
    「そーだっけ」
    「でね、円さんのかばんにも『タマキ・フカクサ』付いてたの。
    円さんも好きなのかなって」
    「かも知れんね」

    あんまり興味が無いらしく、猫藤さんは生返事する。

    「円さんいま、双葉ちゃんとどこか行っちゃってるし、後で聞いてみたいなって。
    紅ちゃんに聞いてもなんか要領を得ないって言うか、言葉足らずって言うか」
    「あるね、それは。あいつ時々、マジで食べ物しか目に入ってない時あるもん。今とか」
    「そうね。今とか」

    二人の目線の先には、ソフトクリームを両手にそれぞれ抱えている旅岡さんの姿があった。

    「ごめーん、どっちか持ってー。おカネ出されへんくなったー」
    「もぉー……。あたし行って来るね」
    「へーい」
    マジで食べ物しか
    »»  2020.08.24.
    温泉街をあちこち回っている内に日も暮れてきたので、
    旅岡さんたちは宿に戻って温泉へ。



    「あー……っ、気持ちいいね」
    「すっげー汗かいたもんなぁ」

    大江さんと猫藤さんが並んで湯船に浸かったところで、
    いつものように円さんが寄って来る。

    「なぁなぁ双葉ぁ~、後で……」

    「あ、そうだ円さん」と、猫藤さんが口を開く。

    「ゆっこが聞きたいことあるって言ってましたよ」
    「ん~? ウチにぃ?」

    言われて円さんは、まだ髪を洗っていた富士見さんに声をかけた。

    「ゆっこちゃ~ん、なんやった~?」
    「えっ、あっ、ちょっと待って下さい」

    慌てて泡を洗い流し、富士見さんが振り返る。

    「あ、あのですね」「あれっ!?」と、今度は猫藤さんが声を上げる。

    「ゆっこって、すげー似てんな? あの、アレ、アイドルの、えーと」
    「きっこだろ。富士見橘子」大江さんが代わりに答える。
    「そー、それそれ。似てるよな?」
    「そりゃ似てるよ」

    大江さんは肩をすくめ、髪をバックにまとめた富士見さんを指す。

    「妹だし」
    「え、マジけ?」
    「マジだよ」
    「そーだったの!? へぇー!?」
    「あ、あのー、雛ちゃん」

    富士見さんは困った顔で、ぺらぺら手を振って返した。

    「それ、あんまり大声で言わないでね。お姉ちゃん、気にしてるから。
    『プライベート晒さないようにしてるから言いふらすな』って」
    「……あ、そなの? ごめんな、騒いじゃって」
    「ううん、いいよ。……それで、円さ」

    言いかけて、富士見さんは口をつぐんでしまった。
    円さんはもうその場を離れ、旅岡さんに絡んでいたからだ。

    「紅ぃ~、あんたホンマにぺったんこちゃんやな~」
    「ほっといて。ホンマにもう、おねえは酔うとタチ悪いな。今日は早よ寝えや?」
    「ふぇへへへへへ~」
    「……はぁ」

    円さんの後姿を眺め、富士見さんはため息をついた。

    「あれじゃ何聞いてもワケ分かんなさそう」
    「だね。……で、ゆっこ。何聞きたかったの?」
    「いやほら、円さんのかばんに付いてたブローチ」
    「ああ、環さんのやつ」
    「そう、『タマキ・フカクサ』のやつ! 円さんもあのブランド好きなのかなって」
    「そりゃ嫌いじゃないだろ」
    「やっぱりそうなんだ! へぇー……」

    ニコニコを笑みを浮かべ、「しっかり泡流してくるね」
    と言って離れた富士見さんの尻尾を眺めながら、猫藤さんがつぶやく。

    「あいつ、ピンと来てなくね?」
    「だろうね。多分頭ん中で、話がつながってない」
    「ここぞってとこで察し悪いよな、ゆっこって」
    「つっても『有名デザイナーが実は友達の伯母さんでした』って、普通考えないよ」
    「そりゃそうか。あたしだって今の今まで、
    ゆっこのお姉ちゃんのこと知らんかったもんなぁ」



    こうして富士見さんが真実を悟ることも無いまま、
    温泉旅行の夜は更けていくのであった……。

    あいつ、ピンと来てなくね?
    »»  2020.08.31.


    10月31日。
    旅岡さんたちは虎海さんのお家、いや、お屋敷に招待されていた。

    「『本日の催し物 ハロウィンパーティ』、……紅の予想当たったね」

    シーツを被った大江さんの一言に、旅岡さんがうなずく。

    「雅ちゃんと話しとると、なーんか一言二言抜けよるからな。
    言葉通りドレスだけ着とったら、逆に恥かいとったわ」

    そう返しつつ、旅岡さんも百均で間に合わせた帽子をポン、と叩く。

    「今日やるパーティ言うたら大体これやろしな」
    「ま、一応ってことでドレスも着てきたけどね」

    と、あっちこっちのテーブルに群がるオバケたちの中に知っている顔を見付け、二人は同時に声を上げる。

    「あ」「おっ?」
    「なーによ?」

    そこにいたのは、吸血鬼風の格好をした夜狼さんだった。

    「あ、や、来てたんだって」
    「わたしが来ちゃいけないっての?」

    とっさに旅岡さんはごまかす。

    「いやいや、そんなん言うてへんやん。
    奈々の趣味と合わへんのちゃうかって思っただけやん」
    「ミヤとは結構一緒に遊んでんのよ。共通の趣味もあるし」
    「そうなんや。あ、話変わるけどな、めちゃめちゃ似合うてんな、そのカッコ」

    旅岡さんにほめられ、夜狼さんの顔に朱が差す。

    「え、……そ、そう? 似合ってる?
    でも間に合わせって言うかとりあえずって言うか、ちゃんと揃えられなくて」
    「全然そんな感じせえへんよ。クオリティめちゃ高やん。ほんま奈々、センスええわぁ」
    「……ありがと」

    夜狼さんはいたずらっぽく笑いながら、両手を挙げる。

    「うふふ……、ぎゃおー」
    「わー血ぃ吸われるー」

    じゃれる旅岡さんと夜狼さんを眺めながら、大江さんはぼそっとつぶやいた。

    「……こいつ本当に誰とでも仲良くなるなぁ。すげーわ」
    こいつ本当に誰とでも仲良くなるなぁ
    »»  2020.10.26.
    年の暮れ。
    旅岡さん家も、大掃除やらおせちの準備やらで大忙し。



    旅岡さん「おかん、こっちのレンコンさんは全部輪切りでええんやな?
    ほんでもういっこは乱切りやんな、おっけおっけ」



    ちなみに何やかやと言い訳を付け、円さんは年末も大江さんを引き連れて、旅岡さん家に押しかけています。
    その分、お年玉は弾んでくれるようですが……。
    「せやないと困るわ。今も掃除手伝わんと、おこたで双葉とゲームしとるし。
    あれ多分、そのまんまお正月までこもる気やわ」
    そのまんまお正月までこもる気やわ
    »»  2020.12.28.
    昨年暮れから、クリスタの仕様把握を続けています。
    使えば使うほど、フォトショップとは比べ物にならないくらいの便利さを感じます。
    3Dデッサンモデルまで付属してるって……すごいなぁこれ。

    そんなわけで今回描いたのがこちら。

    「あつまれ どうぶつの森」で作ったマイデザインを元に、
    夜狼さんを描いてみました。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



    虎海さん家にお招きされた夜狼さん。
    共通の趣味である「ミリタリーもの」の新作が仕上がったと聞かされ、喜び勇んで試着に応じたものの――。

    夜狼「ねえ、ミヤ?」
    虎海「はい」
    夜狼「あんた、『軍服ワンピの新作で』可愛いのって言ったわよね?
    いや、そりゃ可愛いのは確かに可愛いんだけどさ、でもこれふつーにただのドレスじゃないの。
    どこにミリタリー感あんのよ? 可愛いけど」
    虎海「……やはり、そうですわよね。わたくしも妙と感じておりましたけれど」
    夜狼「いちお、ブーツも履いてみたけどさ、まあ、似合わなくも無いっちゃ無いわよ?
    でもあんたさ、これ着てサバゲは無理でしょ」
    虎海「さようですわね。仕立てた方も、そのような用途は考慮されていらっしゃらないでしょう。
    恐らく発注の折に、何かの行き違いがあったのではないかと」
    夜狼「で、どーすんのよこれ? 可愛いっちゃ可愛いけど」
    虎海「そうですわね、……では、そちらは奈々に差し上げます」
    夜狼「へっ?」
    虎海「恐らく仕立て直しを命じたとしても、そのドレスは廃棄されてしまうでしょうし。
    廃品を押し付けるような形で申し訳無く存じますけれど、
    もし奈々がお気に召したようであれば、是非お使いいただいた方が喜ばれるでしょう」
    夜狼「いや、でも、……マジで言ってんの? そりゃもらえるなら嬉しいっちゃ嬉しいけどね」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    色違い。



    虎海さんと夜狼さんはミリタリー界隈の、同好の士。
    予定が合えば二人でエアガン担いでサバイバルゲームに参戦する仲。
    ちなみに虎海さんの愛銃はシグのSG552。最前線に乗り込んで暴れ撃ちするため、
    仲間内では『突撃姫』と呼ばれて頼りにされる。
    そして夜狼さんの愛銃はH&KのPSG-1。吶喊した虎海さんを迎え撃とうと動いた相手を次々仕留めるため、
    仲間内では『狙撃騎士』と呼ばれて畏れられている。

    そんな二人の最近のブームは、軍服ワンピでサバゲしつつ撮影する女子会。
    「意外と同じ趣味の『同志』が多くてね、最近このジャンル、アツいのよ」



    ……とか何とか顔を上気させた夜狼さんに聞かされたものの、
    興味の無いことは全力でスルーする旅岡さんは、聞いて3秒で忘れた。
    可愛いっちゃ可愛いけど
    »»  2021.01.04.
    今回は黄輪雑貨店内での、セルフクロスオーバー。
    そして年賀状の回答編。



    旅岡「アンタドコから来たん?」
    ねこ車掌「にゃーん」
    旅岡「そうかー、にゃーんかー。アンタなんで駅長さんみたいな帽子被ってんのん?」
    ねこ車掌「にゃーん!」
    旅岡「触ったらアカンかー、ゴメンゴメン」
    ねこ車掌「にゃーん」
    旅岡「帽子に手ぇ出さんかったらアンタ、ホンマ大人しいコやね。ほれ、こちょこちょ~」
    ねこ車掌「ごろごろ……」



    旅岡さんは「他人の『されて嫌なこと』」がピンと来る娘である。
    なので基本的に、他人が嫌う行動はまず執らない。
    それが誰とでも仲良くなる秘訣なのだろう。
    そうかー、にゃーんかー
    »»  2021.01.25.
    210328_0.jpg

    黄さんのアジアンスイーツ店の店員さん、兎波さんと兎倉さん。
    二人は別に姉妹ではないし、親戚でもない。
    ないはずなのだが、顔も身長も3サイズも、そして金田朋子並みのベビーボイスまでもが全部一緒。
    旅岡さんも見分けが付かないし、恐らく常連の誰もが分かっていない。
    だけど黄さんはどうやら、見分けが付いているらしい。
    「見分け方? カンタンよ、カンタン。ケイは右利きだけどジュンは左利きよ」
    「……どっちがケイでどっちがジュンなん?」

    210328_0.jpg

    兎波「啊啊、今年的四分之一结束了(あーあ、今年も1/4終わりか)」
    兎倉「是了(だね)」
    兎波「我们几岁了?我们的生命超过四分之一(あたしらもう何歳よ? 人生1/4過ぎどころじゃないし)」
    兎倉「你再说一遍(またか)」
    兎波「但是我还没有结婚,也找不到任何人(結婚どころか相手もいないし)」
    兎倉「好吧、好吧。连大姐……(大丈夫だって。姐さんもまだ……)」
    黄「你说了什么吗?(何か言った?)」
    兎波「哇!?(うわぁ!?)」兎倉「大姐!?(姐さん!?)」
    黄「你们有空、兔波、兔仓。你们喜欢『传道』吗?还是您喜欢剥20公斤的甘薯?(ヒマそーね、兎波、兎倉。『お話』とお芋20kg剥くの、どっちする?)」
    兎波・兎倉「……甘薯(……お芋)」
    お話とお芋、どっちする?
    »»  2021.03.29.


    3月の終わりと4月の始めは、なんだか気温の見極めが難しい。
    桜が見頃だと思って軽装で近くの公園に行くと、
    まだ咲いてないわ寒風吹き荒れるわでがっかりな気持ちになるし、
    かと思って次の日曜、あったかくして行ってみたら、
    もう散り始めてるわ暑くてたまらないわで散々な目に遭ったりする。

    そんな時に何となく参考にするのは、他人の服装。
    街行く人たちがコートを脱いでたら、
    「じゃ明日から薄手のカーディガンくらいでいいかな」
    と思ったりする。
    しかし他人の感覚は決して自分のそれと一致するものではなく、
    みんなが丁度いいと思ったコーデも、
    自分には寒かったり暑かったりすることは、往々にしてある。



    富士見さん「今日寒いよね。そんなカッコで大丈夫なの?」
    旅岡さん「あたし的にはちょい暑いくらいやねんけど」
    富「だって気温20度だよ?」
    旅「20度あったらブレザー脱いでちょうどくらいや思うけど」
    富「マジ? わたし今、上着欲しいくらいなんだけど」
    旅「寒がりやな」
    富「そっちこそ暑がりなんじゃないの?」
    旅「まあ、昔から冬でも部屋ん中やとおっきいシャツ一枚やったけどな」
    富「ヘンだよそれ~」
    旅「ほなアンタ、部屋ん中でもタイツか?」
    富「履いてるし、その上に毛糸の靴下も」
    旅「冷え性なん?」
    富「わりと」
    旅「そんなもこもこの耳と尻尾あんのにな」
    富「あるからこーゆー体質なんじゃないかなぁ」
    あるからこーゆー体質なんじゃないかなぁ
    »»  2021.04.05.
    富士見「餃子パーティって言うからすぐ食べるもんだと思ってたのに」
    旅岡「作るトコからやるんがおもろいんやんか。……っておかん、帰って来たかな」
    「ただいまー、……あら? なんや賑やかやね」
    富士見「あ、お邪魔してまーす、……え? え、え、ちょっ!?
    この人って、え、あの、……深草周さん!?」
    円(ええリアクションするなぁ~♪)



    状況が良く分からんと言う関西人は、
    招かれた友達の家が実は上沼恵美子さんの家だった、
    というシチュエーションを想像しよう。
    富士見さんの驚きが理解できるはずだ。

    人懐こい旅岡さんは、よく家に人を招く。
    そして旅岡さんのお母さんを見て、お客さんは一様に目を丸くする。
    何故ならそのお母さん、深草周(ふかくさあまね/芸名)さんは
    料理番組やバラエティの司会をやっている有名人なのだ。
    富士見さんにしてもつい1時間前、
    ワイドショーでコメントしていた彼女の姿を見たばかりなくらいなのである。
    そして旅岡さん家で周さんと出会った瞬間のお客さんの反応を眺めるのは、
    円さんにとって愉悦の一時である。



    周「あれ?」

    ところが今回、逆に周さんも驚いた様子である。

    周「誰や思たらきっちゃんやん。朝会うた時と髪型ちゃうけど、美容院さん行かはったん?
    て言うかメイクも変えたん? ……て言うか、……別人やな? あれ、でもよー似てはるなぁ……?」
    旅岡「おかん、もしかして『きっこ』のこと言うてる? 富士見橘子」
    周「うん」
    旅岡「その子、妹やで。きっこの」
    周「いもーと? へぇ、そうなんや。アンタもよー色々知り合いいとるなぁ。
    奥におる2人も友達やんな?」
    旅岡「一人は友達。もひとりはその友達。今日知り合うてん」
    周「アンタはまた会ってすぐの人を家に呼んで……。おとんそっくりやなホンマに」
    ええリアクションするなぁ~♪
    »»  2021.05.10.
    今年は何かが起こる――!
    夜狼さんが「ソフトボール」を引いた瞬間、球技大会運営委員会の全員がそう直感した。

    旅岡さんの学校の1学期の恒例行事である球技大会は、1学年4クラスを紅白・男女別に分けて開催される。
    また、種目は学年ごとに分かれており、それぞれの学年代表がくじを引いて決定する。
    ちなみに旅岡さんの学年の代表は、B組の夜狼さんになった。

    夜狼さんがそのくじを引いた瞬間、彼女を含めた学年クラス代表4名全員が、C組のことを思い浮かべた。
    C組には何故か、野球部のエースがゴロゴロ固まっているからである。
    女子だけでも、ご存知二刀流の猫藤さんや、主だった大会でほぼ毎回先発投手となる狐菅(こすが)さんなど、
    この組だけで他の高校と交流試合ができてしまうくらいにスター選手が揃っている。
    そんな野球特化状態のC組を引き入れれば、今年の球技大会は勝ちが確定する。
    続いて行われた紅白決めのくじは、より一層の緊張感が漂った。
    夜狼さんも勝利を祈って、くじ箱の中に手を突っ込んだが――つかんだくじは白。
    C組の代表は、紅を引いていた。



    大会当日。
    旅岡さんたちのクラス側、即ち白組は9割方負けが決まったようなものだったが、
    それでもB組にはあのお騒がせお嬢様、虎海さんがいるのである。
    白組は虎海さんのずば抜けた身体能力に一縷の希望を寄せつつ、大会に望んだ。

    ゲームは白組先攻で開始。まずは狐菅さんがあっさり2アウトを取った。
    そこまでは紅組が計画した通りの試合運びである。
    このペースで6回まで狐菅さんが投げ切り、裏のどこかで1点、2点でも取ってしまえば、
    残り3回を猫藤さんがキッチリ抑えて決着。それが紅組の立てていた戦略だった。
    その戦略が狂ったのは3投目、虎海さんの打順でだった。

    狐菅さんだって虎海さんがスゴいと言ううわさは聞いていたので、少なからず警戒していた。
    しかしこの時ほんのちょこっと、超高校級エースのプライドが勝ってしまった。
    変化球やチェンジアップなどの小細工を弄さず、直球だけで方を付けようとしてしまったのだ。
    とは言え最高152km/hを記録したこともある、プロをもうならす自慢の爆速ストレートである。
    ろくに野球経験の無い普通の高校生では、目で捉えることすら不可能なはずだった。

    だが、やはりと言うか――虎海お嬢様は普通ではなかった。
    「はああッ!」
    気合一閃、なんと初球を完璧に真芯で捉えてしまわれたのである。
    ぱぁん、と軟球が破裂したんじゃないかと思うような快音を立てて、
    球はグラウンド端のフェンスを軽々超えて飛んで行ってしまった。



    打ちのめされかけた狐菅さんではあったが、それでもすぐ立て直し、
    どうにか6回まで、失点1点のまま抑え続けた。
    虎海さんも1打席目こそ場外ホームランをお決め遊ばせたものの、
    その後はファールやフライを連発。
    肝を潰しかけていた紅組も「なんだただのロマン砲か」とほっと胸をなでおろしつつ、
    当初の計画通り、4回と6回にそれぞれ1点ずつ取って逆転。
    勢いに乗ったまま7回から猫藤さんが登板し、皆の期待通りにしっかり抑えてくれた。
    しかし白組だって、このまま負けてはいられない。
    特に1回表以降、凡打を繰り返されていらっしゃった虎海お嬢様は、
    次第に苛立ちをお募り遊ばされていた。
    そして9回表2アウト2塁の、もう後がない場面。
    虎海お嬢様が、本日4度目の打席にお立ちになられた。

    ご存知の通り、虎海お嬢様は自信家で目立ちたがりで、あけすけに言ってしまえば傲慢な方である。
    この勝敗がかかった局面において、あろうことかお嬢様は、
    左手に握ったバットを猫藤さんの頭上はるか上に、お掲げになられてしまったのだ。
    そう、超高校級エースの猫藤さんを相手にして、
    予告ホームランなどと言う大変はしたない行為をなさってしまったのである。



    「……~ッ、ナメっちゃねえッ!」
    当然、猫藤さんはブチギレた。力を目一杯右手に込め、渾身のストレートを放つ。
    「りゃああッ!」
    1回表の時と同様、虎海さんはガッチリと真芯で捉え、球を打ち返した。
    快音が轟いたその瞬間、白組は歓喜しかけ、紅組は絶望しかける。だが――。
    「ナメんなっちゃったろうがああッ!」
    フィジカルおばけの虎海お嬢様が全力で打ち返し、眼前に迫っていたピッチャーライナーを、
    猫藤さんは体を目一杯ひねってつかみ、見事に受け止めたのである。

    完全にブチギレていたはずの猫藤さんが、まさかの「打たせる」投球で怪物、
    いや、怪童お嬢様を華麗に仕留めると言う素晴らしいファインプレーを最後の最後に見せて、大会は幕を閉じた。
    「そりゃ頭に血ぃ上ったっちゃけど、暴投なんかするわけないって。
    そこは流石に、あたしだってエースのつもりだしさ」
    この年の球技大会が伝説となったのは、言うまでもない。



    一方――。
    「やっぱあんたの料理、最高だわ」
    「ホントホント。こんな美味しい唐揚げ、お店でも出ないよ~」
    「へっへー」
    補欠の補欠で、ベンチにまったく入る予定の無い旅岡さんたちは、
    グラウンドのすみっこで平和にお昼のおべんとを楽しんでいた。
    あたしだってエースのつもりだしさ
    »»  2021.05.31.
    6/27は旅岡さんの誕生日。ブログ的には旅岡さんの初登場日です。



    と言うわけで初登場時と同じポーズを取ってもらいました。
    ……が、タピオカブームもとっくの昔に過ぎ去ってしまったため、
    もうタピオカドリンクは持たせません。



    店員の兎波さん「紅ちゃん、紅ちゃん。新発売のスイーツ食べてみない?」
    旅岡「ほなそれちょーだい」
    店員の兎倉さん「はいよー。お得意さんだしいっこオマケしたげる」
    旅岡「ありがとー、……ってピスタチオアイスとナッツアイス? 豆と豆やな」
    兎波「姐御が『今年は豆系アイス絶対流行るよ(*´ω`*)』ってゴリ押ししたんだよね」
    兎倉「他にも小豆でしょ、チョコでしょ、ココナツでしょ……」
    旅岡「小豆とチョコはまだ豆やけどココナツはちゃうやろ。名前にナッツ的なんが付いてるだけやんか」
    兎波「そこが姐御なんだよねー。なんでもかんでもこじつけて無理くりタマ揃えてくるって言うか」
    兎倉「これだ! って思ったら最初から最大火力で爆撃する人だし」
    兎波「好みのオトコ見つけた時だって全力全開でアピールかけるもんだから、相手は困った顔して逃げちゃうんだよね」
    兎倉「そーそー、お客さんだって見境なく口説くもんだから……」
    旅岡「……それでこの店、滅多に男性客いてへんねんな」
    旅岡さんの誕生日 / 豆系アイス絶対流行るよ(*´ω`*)
    »»  2021.06.28.
    誕生日に入院と言うことでげんなりしていた私、黄輪ですが、
    誕生日祝い兼手術の応援にイラストほしい(´・ω・)」とお願いしたところ、
    友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が旅岡さんのイラストを描いてくれました。
    本当にありがとうございます!



    どこかの記事で「十人並み」「普通の顔」
    「そこまでめちゃめちゃ美人と言うわけでもない」と評価しはしましたが、
    この娘はかなりお気に入りです。
    その娘をこんなにかわいく描いていただけて、嬉しい限りです。



    以下、いつものSS。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
    おまつりいこーやー…… / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 旅岡さん(野川真実さんより)
    »»  2021.09.05.
    旅岡さんに引き続き、友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が大江さんのイラストを描いてくれました。
    重ね重ね、ありがとうございます!





    真実さんからSSを期待されてたので、今回も追加します。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
    見た目でニンゲン決め付けんな / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 大江さん(野川真実さんより)
    »»  2021.09.06.
    せっかく今日はイベントがあるので、便乗してみました。
    クリスマスカラーの二人。



    旅岡さんがプロ顔負けの料理スキルを持っていることはご周知の通り。
    そのためクリスマスなどの、美味しいご飯が山ほど出ることが確定しているイベントは、
    彼女の友人たちは積極的に開こうとするし、
    そこで旅岡さんが出してくれる料理を、一際心待ちにしているのである。

    大江「言葉を失うって……マジでこれだわ」
    富士見「ほんっっっとそれ」
    猫藤「ぶちうめぇ」

    下手なレストランよりはるかにクオリティの高いクリスマス料理に舌鼓を打っている彼女たちの前に、
    いつものように円さんがニヤニヤしながら、イチゴのショートケーキを持って来た。

    円「じゃーん、特製クリスマスケーキ! まるで店のヤツみたいやろ? ええ出来になったわ、ホンマ」

    円さんが自慢したところで、彼女の後ろで旅岡さんが憮然としていた。

    旅岡「自分で作ったみたいに言わんといてや。作ったん、99%あたしやで。
    おねえはイチゴ乗っけただけやんか。しかもつまみぐいしとるし。口にクリーム付いとるで」
    円「えっへへ~♪」
    おねえはイチゴ乗っけただけやんか
    »»  2021.12.24.


    今回も「阪神電鉄 甲子園駅」でひと仕事終え、旅岡さんのいる学校に戻ってきたねこ車掌。
    いつもの寝床である高等部の中庭で丸くなっていたところ、突然ひょいと抱き上げられてしまった。

    「あら、簡単に捕まえられましたわね」

    お騒がせお嬢様、虎海さんである。
    しかし、……と言うかやはりと言うか、お嬢様はいささかガサツであられるため、
    ぬいぐるみを狙うUFOキャッチャーのごとく、ねこ車掌をかなりぞんざいにつかんでしまった。
    当然、ねこ車掌の機嫌は一瞬で最悪に変わる。

    ねこ車掌「フギャーッ! シャーッ!」

    ねこ車掌は怒り狂った咆哮を立て、下ろすよう意思表示しているようだが、虎海さんに猫の言葉は分からない。

    虎海さん「きゃっ!? ちょ、ちょっと! 落ち着いて下さいませ!」
    ねこ車掌「フーッ! フシャーッ!」
    虎海さん「え、えっと、えっとー……ど、どうすれば……?」

    虎海さんはパニックになってしまい、その場に立ち尽くす。

    「……あんた何しとるんよ」

    と、そこへ現れたのは旅岡さん。

    虎海さん「紅子さ~ん、助けてちょうだ~い!」
    旅岡さん「助けてやあらへんがな。下ろしたらええやんか」
    虎海さん「で、でもケガしたら」
    旅岡さん「しゃがんだらええやんか。……しゃーないなー」

    そう言うと旅岡さんは、虎海さんの懐からするっとねこ車掌を取り上げた。

    虎海さん「えっ!?」
    旅岡さん「あんた、猫の扱い下手やなぁ。勉強もスポーツもでけるのに」

    いとも簡単にねこ車掌を取り上げられ、虎海さんは目を丸くする。

    虎海さん「あなた……意外な特技がございますのね」
    旅岡さん「この子とは結構付き合い長いねん。なー?」
    ねこ車掌「ぅなー♪」

    一転、ねこ車掌は旅岡さんの腕の中で、心地よさそうな表情を浮かべていた。
    猫の扱い下手やなぁ
    »»  2022.01.24.


    あっさりねこ車掌を腕に抱き込んだ旅岡さん。
    「あたしに抱えられた途端にゴロゴロ言いよるなー。アンタ猫かぶりやなー」
    「なぅ~♪」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    やたら自分は旅岡さんにしかめっ面させてるような気がしたため
    過去のイラストを探ってみたところ、これまでに描いた23件中、笑顔のものはなんと3件だけ。
    笑ってないなぁ、この娘。たまにはにっこりさせてやらないと、なんか申し訳ない。

    と言うわけで前回のイラストの直後のシチュエーションとして、
    ねこ車掌を抱きかかえた旅岡さんのイラスト。



    ……確かににっこりしてるんですが、これは満面の笑みなのか?
    アンタ猫かぶりやなー / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 旅岡さん(野川真実さんより)
    »»  2022.02.07.
    先週まで寒くて震えていたかと思えば急に暖かくなり、
    それが3日、4日と続くともう冬物の出番は無さそうかな、と安心し、
    コートをクリーニングに出したりセーターを押し入れの奥にしまい込んだりとひと頑張りし、
    新しい季節の到来を心待ちにしていたら、今日はなんだか妙に寒い。
    とても耐えられなくなり、慌ててしまい込んだセーターを引っ張り出す。
    季節のはざまは、いつも用意と片付けの見極めが難しい。

    先週、紙袋いっぱいに冬物を詰め込んでクリーニング屋に向かおうとした大江さんを見つけた円さん。
    円「まだちょっと早いんとちゃう?」
    大江「いや、もう暑いくらいだし」
    円「そう思うやろ? ところがもう2、3日経ったらあれっ? ってなるんよ」
    大江「いや、でももう3月も下旬だし」
    円「悪いコト言わんから、4月になるまで待っとき」
    大江「……まあ、円がそう言うんなら」

    そして今週――平均気温は3日連続で前日を下回り、
    街ゆく人の半分近くが薄手のジャケットやカーディガンにマフラー姿と言うちぐはぐな格好で、
    顔を真っ青にして寒がっていた。
    円「な? まだ冬物しまわへんでよかったやろ? 寒の戻りっちゅーヤツや」
    大江「珍しく年相応に頼りになるじゃん。おかげで助かった」
    円「言うても明日はまた暖かくなるて言うてはるし、桜もつぼみ付いとる。
    『あったか~い』飲んで美味しいんもボチボチおしまいやな。
    ちゅうワケで今シーズン最後のお楽しみや」
    そう言って円さんは、大江さんにコーヒーを渡した。
    円「アンタはシュガーレスのカフェラテやったな」
    大江「ありがと」
    と、二人並んでコーヒーで乾杯したところで、旅岡さんが空っぽの紙袋を手に戻って来た。
    旅岡「あ、コーヒー飲んどる。人にクリーニング押し付けといて……」
    円「ちゃんとアンタの分も買うてるで~。激甘マシマシブレンド。お駄賃や」

    まだ冬物しまわへんでよかったやろ?
    »»  2022.03.28.
    6/27は旅岡紅子さんのブログ初登場日、そして誕生日。



    と言うわけで毎年恒例のポーズ。
    今年のスイーツはチョコミントスムージー。



    スイーツ店店長の黄さん「紅ちゃん、紅ちゃん。コレ今年の限定メニュー。どーね?」
    旅岡さん「チョコミント味やからスッキリ感は出とるし、アーモンドミルクがベースやからしつこくならへんし味もええねんけど、量が少な目やね。客側のコスパ悪いと『わーおいしー』で終わってリピート付かへんで。夏はどこの店も飲み物系スイーツ大売り出しやねんから、初動の一発で終わったら他のスイーツに競り負けて埋もれっぱなしになるで?」
    黄「……い、意外とガチの意見ね。わたし的に『わーおいしー』程度の期待してたよ」

    旅岡さんは食にはうるさい。
    旅岡さんの誕生日 / い、意外とガチの意見ね
    »»  2022.06.27.


    天狐ちゃん「……」
    夜狼さん「……」
    ねこ車掌(ブルブル)
    一見、緊迫したシーンが展開されているようにも見えるが、実情はまったく違うのである。



    次の仕事に取り掛かる前に英気を養うべく、街をぶらついていたねこ車掌。
    ねこであるため、歩いているだけでも普通にかわいいともてはやされるし、
    写真を撮られてSNSに「#ねこ #カワイイ #帽子」などとタグを付けて投稿されてしまったりもする。
    この日もスマホを向けられたりなでなでふかふかもちもちされたりと、
    存分に可愛がってもらったので、気合も十分。
    さあ、次の仕事先に出かけるか――と意気込んだところで、ねこ車掌の前に天狐ちゃんが現れた。

    天狐ちゃん「おっ! お前さんかー」

    天狐ちゃんもかわいいモノは好きな性質なので、ねこ車掌を一撫でしてやろうと近寄ったところ――。

    夜狼さん「……!」

    天狐ちゃんの前に、やたら目つきの悪い「狼」の娘が現れた。
    彼女の姿、いや、目を見て、天狐ちゃんは警戒する。

    天狐ちゃん(コイツ……ナニする気だ? こんなかわいい猫ちゃんにらみつけやがって……?
    まさかコイツ、いじめるつもりじゃねーだろーな……!?)

    そんなことを考えていたが、彼女も自分の顔を鏡で見るべきである。
    何故なら天狐ちゃんも相当目つきが悪い方だからだ。
    そして天狐ちゃんの前に現れた夜狼さんも、ほとんど同じことを考えていた。
    かくして両者は互いに相手がねこ車掌をいじめようとしていると勘違いし、にらみ合う形になってしまった。

    災難なのはねこ車掌である。
    せっかく仕事への気分が高まってきたところで、こんな怖い娘二人に挟まれでしまったのである。
    溜まったやる気もすっかりしぼんでしまい、一刻も早く逃げ出したかったのだが、
    二人とも時折、チラチラとこっちをにらんでくるので、一歩も動けない。
    全国の鉄道をのほほんと渡り歩いてきた車掌も、こんな修羅場に巻き込まれた経験は無し。
    果たしてねこ車掌の運命やいかに……!?



    なお――この後、やはり偶然通りがかった旅岡さんが「あんたら何でこんなトコでメンチ切り合うてんの?」
    と介入してくれたため、ねこ車掌は無事に解放された。
    ついでに旅岡さんにわしゃわしゃふにふにしてもらい、
    改めて整ったねこ車掌は、意気揚々と仕事に出かけていった。
    ねこ車掌の運命やいかに……!?
    »»  2022.07.25.
    趣味と言うものは、必ずしも周囲の理解を得られるものではない。

    ミリタリーモノが大好きな虎海お嬢様だが、家族からの反応はちょっとひんやりしている。
    両親からは遠回しにやめろと言われているし、妹からはもっとはっきり、
    「そんなお召し物では一緒に外を歩けません」と突き放されている。
    そもそも今の日本、軍事関係にあんまり熱を上げていると、
    変わり者か危険人物扱いされてしまう。
    虎海お嬢様は、そうした意見をおしなべて「偏見と誤解」「正しい理解ではない」と捉えているし、
    無理に理解してもらおうとも思っていない。
    でも同好の士がなかなか得られないのは、ちょっとさみしいのである。

    そんなある日のこと。
    いつものように軍服ワンピースでカッチリ決めて街をご散策されていると、
    通りの向こうからゴシックロリータの雰囲気をにじませた、長耳の女の子が歩いてくる。
    しかしどこか、物足りないような印象も受ける。
    「まだ」「あと一歩」「もう一息」、そんな様子だった。
    そんな彼女のしっくり来ない姿が目に映った瞬間、お嬢様は彼女に声をかけた。

    虎海「あなた……『同志』の匂いを感じますわね」

    突然声をかけられ、横を通り過ぎかけたその娘はくるんと首を回す。

    パラ「わたくしのことでしょうか」
    虎海「ええ。あなたもお好きでしょう?
    様式美と機能美を兼ね備えた、わたくしのような服装が」

    彼女はしばらく無表情で虎海お嬢様を見つめていたが、その仏頂面のまま、やがて口を開いた。

    パラ「否定はいたしません。いいえ、むしろ強く肯定いたします」
    虎海「ではついてらっしゃい」
    パラ「承知しました。わたくしもあなたの服装から
    高い共感性及び信頼性を確認いたしましたため、同行いたします」

    何だか質の悪い翻訳アプリにかけたような話し方のその娘の手を引き、
    虎海お嬢様はお気に入りのお店――ゴシックブランド「
    シェベル・ザ・ドール」直営店に向かった。



    店に入ったその瞬間――やはり無表情のままではあったが――
    パラの目の色が明らかに変わったのを、お嬢様は感じ取った。

    虎海「お気に召したかしら?」
    パラ「大変魅力的です」

    彼女は若干食い気味に、お嬢様の問いに答えた。
    その反応に、お嬢様はにこっと口角を上げる。

    虎海「色良いお返事ですわね。わたくしも紹介した甲斐があると言うもの。
    良ければ何点か見繕って差し上げますけれど、いかがかしら?」
    パラ「ありがとうございます。あなたに全幅の信頼をお寄せいたします」

    同好の士がなかなか得られないのは、やっぱりちょっとさみしいが――
    得られたその時は、何物にも代えがたい喜びを感じるものである。
    それは虎海お嬢様にとっても、そしてパラにとっても同様だった。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    そして全身ガッチガチにミリタリー風ファッションで固めて帰って来たパラを見て、
    小鈴が目を丸くした。

    小鈴「アンタ、ドコかに討ち入りでもする気なの?」
    パラ「これはわたくしの趣味です」
    小鈴「……あ、そ」

    他のみんなからもひんやりした反応を返され、
    その日のパラは、ちょっとさみしそうだった。
    お気に召したかしら?
    »»  2022.09.19.
    今年も虎海家のハロウィンパーティに招待された旅岡さんと大江さん。
    例によって例のごとく、円さんに衣装代をたかりに行ったところ、
    ――やはりいつものように二つ返事で「えーよ」と快諾されはしたのだが――
    なんとなーくイタズラっぽい笑みを浮かべていたことが、ちょっぴり気にかかった。

    そしてパーティの当日。いざ出かけようかとしていた旅岡さんたちの前に、
    クラシカルな'80年代スポーツカーに乗った魔女、いや、円さんが現れた。



    円「ハロウィンパーティ行くんやろ? ウチも一緒に行くで~。準備もカンペキや」

    突然の登場に、旅岡さんたちは面食らった。

    大江「いや、行くでって言われても」
    旅岡「おねえは招待されてへんやん」

    呆れた声を上げた二人に、円さんは数日前と同じ、
    イタズラっぽい笑みを浮かべて返した。

    円「と思うやん?ほーら招待状」

    円さんの言う通り、彼女の手には虎海家の家紋が付いた招待状が握られている。

    旅岡「どこでもろたん?」
    大江「円って、雅ちゃんと面識あったっけ?」
    円「ソコはチョイチョイってなもんや。ウチも仕事の筋で色々ツテがあるし」
    旅岡「おねえは仕事だけはホンマにでけるからなぁ」
    大江「だけはね」
    円「えらい言われよーやな……乗せたらへんで、もぉ」

    チョイチョイってなもんや
    »»  2022.10.31.
    もういくつ寝ると年末、と言う頃。
    街は緑と赤に彩られ、もうすぐやって来る大イベントに備え始めている。
    そんな最中、旅岡さんと大江さん、富士見さんは円さんのクルマに乗って、
    駅近くのショッピングモールに来ていた。

    円「ほな、ウチは駐車してくるから先に本屋行っといてなー」
    みんな「はーい」

    エレベータホール前で降ろされ、そのまま乗り込んだところで、
    旅岡さんが「なあなあ」と口を開いた。



    旅岡「今年のクリスマス、おねえにサプライズプレゼントしよかな思てるんよ」
    大江「いいじゃん。なんだかんだ色々お世話になってるもんね」
    富士見「でも紅ちゃんがそう考えるってことは、円さんも同じこと考えてそーだよね。似た者同士だし」
    旅岡・大江「……ありうる」



    なお富士見さんの予測は当たっていた。

    円「合流する前にしれっとナイショでプレゼント買うといたろーっと」
    同じこと考えてそーだよね
    »»  2022.11.21.
    今日は楽しいクリスマス。
    旅岡さん家ではいつものように円さんを交え、友達同士でクリスマスパーティを開こうとしていた。

    が、その前に……。



    大江「はいこれ。……えっと、これ、プレゼント。クリスマスのやつ。
    紅とゆっこが買おうって、で、あたしも買ったからついで、じゃなくて、えーと、ちゃんとしたやつ。
    その、いつもお世話になってるしって思って」
    円「アンタ今日はよーしゃべるなぁ。照れ屋さんやね」

    大江さんがそろそろと差し出した紙袋を、円さんがニコニコ笑いながら受け取る。

    円「ありがとなー、双葉。
    そうそう、実はウチからもプレゼントあるんよ。ほーらマフラー」



    大江「お、……お揃い?」
    円「せやでー。ウチが黄色でアンタがピンクのん」
    大江「えっと、……これって、その、……ペアルッk」
    円「あ、紅とゆっこちゃんにもちゃーんとおそろいにしとるからな。水色と緑色で」
    旅岡「ありがとなー、おねえ」
    富士見「ありがとうございまーす」
    大江「……あ、そうだよね、うん」

    円さんからもらったマフラーを巻いた大江さんは、とっても嬉しそうだった。
    えっと、これ
    »»  2022.12.24.
    黄「今年の干支は兎! 兎と言えばウチの店員!
    だからほら兎倉、兎波! 精一杯オシャレポーズして!
    縁起いい猫ちゃんも持ってきたからコレ一緒に撮ってインスタにアップしてお店のアピールするよ!」
    兎倉「おkっす」
    兎波「へぇーい……」
    死んだ目をしているねこ車掌「……」



    と言うわけで鳥取駅から戻ってきて早々、
    ねこ車掌はアジアンスイーツ店店主の黄大姐に連れ去られてしまった。



    そしてInstagramやTikTok、Twitterなど、
    目ぼしいSNSに片っ端からアップしてみたところ、
    次のようなコメントが付いた。

    「ねこの目死んでて草」
    「てか店員の目も死んでない?」
    「真ん中のオバチャンの圧がすごい」
    「店員さんがおばちゃんにやらされてる感が半端ない」
    「おばちゃん必死すぎワロタ」

    コメントを見た瞬間、おばちゃ……もとい、黄さんの目も死んだ。
    精一杯オシャレポーズして!
    »»  2023.01.09.
    世の中には三種類の人間がいる。
    猫に好かれる人、猫に嫌われる人、そして猫は好きだし何なら向こうから寄ってくるけど、
    アレルギーのせいで逃げざるを得ない人である。



    いつものようにふらりと学内にやって来たねこ車掌を抱き上げてる旅岡さんは一番目。
    そして「いいなぁ」とうらやましそうに遠くから眺めてる富士見さんは三番目である。

    と、ねこ車掌が旅岡さんの懐を離れ、ヨチヨチとした足取りで富士見さんの方に寄っていく。
    ねこ車掌「うな~ぉ」

    SNSのインフルエンサー級にかわいいねこ車掌に近付かれて嬉しい思いをする反面、
    富士見さんの目と鼻はもう既によろしくない反応を示し始めていた。



    富士見「あっあっ、それ以上近付かないでー……くしゅっ」

    富士見さんがくしゃみするのを見て、旅岡さんは目を丸くした。

    旅岡「えっ、猫アレルギーなん?」
    富士見「うん……好きなんだけど……ぐすっ……絶対あたし触れない……へくちっ」

    そんなフワフワの耳と尻尾しとるのに!?
    ……とは思ったものの、旅岡さんは尋ねず、
    ねこ車掌をひょいとつかんで富士見さんから距離を取ってあげた。
    えっ、猫アレルギーなん?
    »»  2023.04.24.
    明日、6/27は旅岡さんのブログ初登場日兼誕生日です。



    毎年この時期にはこのポーズで、
    何かしらのスイーツを持たせたイラストを制作することにしています。
    流石に通算4回描いた中で、一番いい出来かなと思います。



    スイーツ店の黄大姐「今年の夏に向けて鬼盛りスイーツ特集考えたのよ。
    おいしい! デカい! かわいい! で人気爆発ね」

    旅岡「んー……盛り付けは確かにかわええし、サイズの割に値段もお得感あるかなーとは思うねん。
    でもな、女子中高生にこんな鬼盛り持たせて夏のあっつい街中ウロウロさせたら、
    食べ切れんでめっちゃ溶けてくるやん。どろーって手に垂れてくるやん。
    濡れティッシュなんぼあっても足らんくなるやん。うわーなるやん。
    そしたら帰り道が地獄のデスロードやで。加減考えーや」

    黄大姐「ありゃー……それじゃグランデサイズで出すのはやめた方がいいね」

    黄さんは旅岡さんの意見を相当買っている。
    「あのコ、卒業したらウチに来てくれないかなー」
    とボソッとつぶやいていたのを、店員の兎倉さんは聞き逃さなかった。
    旅岡さんの誕生日 / うわーなるやん
    »»  2023.06.26.
    矢端さんから添削いただいた内容X(ツイッター)で得た情報を元に、
    旅岡さんの誕生日イラストを描き直してみました。



    ついでにねこ車掌も足して、
    今年の暑中見舞いの答え合わせも本日行います。



    登校日の帰りに黄大姐のスイーツ店に来た旅岡さん。

    旅岡さん「あ」

    と、店先で寝転んでいるねこ車掌を見つけ、軽く手を振ってやる。

    ねこ車掌「にゃーん」

    カウンターにいた店員の兎波さんが、いつも通りの気だるそうな、
    しかしどこか楽しそうな目を向けてくる。

    兎波「今日は客の入りがいーんだよね。
    学園が登校日ってこともあるけど、その子のおかげもあるみたい」

    そんなことを言った兎波さんに、旅岡さんは肩をすくめて返した。

    旅岡「この子ちゃっかりしとるで。
    休み中は駅前でも商店街でも全然顔見せへんかったのに、
    登校日ん時だけここ来てごろんごろんしてるねんで?
    みんなからおやつもらおう思てるんやろな」

    それを肯定するかのように、ねこ車掌が鳴く。

    ねこ車掌「にゃーん♪」

    兎波さんは苦笑しながら、「ボスもそー言ってたよ」と答える。

    兎波「あ、これ、ねこが食べても大丈夫なやつだから。
    『お駄賃代わりにお客さんからあげてやってね』、だってさ」

    そう言って兎波さんは、ドライフルーツを旅岡さんに手渡した。

    旅岡「どっちもちゃっかり者やな。ウィンウィンってやつやな」

    店を出たところで、旅岡さんはねこ車掌にドライフルーツを食べさせてやった。

    ねこ車掌「うな~ん♪」
    この子ちゃっかりしとるで
    »»  2023.08.07.

    前回に引き続き、twitterで見かけた可愛いコーデを描いてみました。

    線画。

    エルフ耳にしたのは単なる趣味です。

    チャイナだとかゴスロリだとか、ファンタジックな衣装に惹かれるのは認めるところですが、
    こう言うストリート的でカジュアルなファッションも好き。
    ちなみに、元絵のコーデだけだとちょっと絵面が寂しいかなと感じたので、バッグも足してます。


    カラー。

    元絵に忠実なパターン1。


    こないだのクルマのドット絵で作ったけどボツになった、
    グラデーション(赤→青)を適用したパターン2。
    意外にも違和感が無い。


    ちょっとやんちゃ路線にしてみたパターン3。

    イラスト;カジュアル風(習作)

    2019.06.13.[Edit]
    前回に引き続き、twitterで見かけた可愛いコーデを描いてみました。線画。エルフ耳にしたのは単なる趣味です。チャイナだとかゴスロリだとか、ファンタジックな衣装に惹かれるのは認めるところですが、こう言うストリート的でカジュアルなファッションも好き。ちなみに、元絵のコーデだけだとちょっと絵面が寂しいかなと感じたので、バッグも足してます。カラー。元絵に忠実なパターン1。こないだのクルマのドット絵で作ったけどボ...

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    最近書かずに描いてばっかりですね……。
    とは言え、ちゃんと琥珀暁は書いてるところです。もう少しお待ちを。
    待ってる間にこんなものでも。

    チャイナ風の猫娘。略してちゃいねこ。
    線画。

    10年前から言ってますが、僕は猫と中華デザインと可愛いものが大好きです
    その3つがここに合体顕現。

    カラー。

    藍+三毛。……と言うと「蒼天剣」の主人公みたいだ。
    きっとこの娘はご先祖かご子孫なんでしょう。


    金+キジトラ。なんとも神々しくケバケバしい。
    見ただけで金満家なんだなと想像できてしまう。


    白黒+スノーシュー。上と打って変わって清楚なイメージ。

    イラスト;チャイナ風(習作)

    2019.06.20.[Edit]
    最近書かずに描いてばっかりですね……。とは言え、ちゃんと琥珀暁は書いてるところです。もう少しお待ちを。待ってる間にこんなものでも。チャイナ風の猫娘。略してちゃいねこ。線画。10年前から言ってますが、僕は猫と中華デザインと可愛いものが大好きです。その3つがここに合体顕現。カラー。藍+三毛。……と言うと「蒼天剣」の主人公みたいだ。きっとこの娘はご先祖かご子孫なんでしょう。金+キジトラ。なんとも神々しくケバケバ...

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    こないだ「」を描いたことで、双月世界の種族紹介に使えそうな素材が一通りたまりました。
    ただ、短耳も描いたのは描いたんですが、あれを種族紹介に使用するのは今ひとつ気が進まなかったので、改めてもう一枚。

    線画。

    今回はプレッピー(学生)風。女子高生をイメージしています。
    あと、最近の流行も取り入れ、タピオカミルクティを飲ませてます。
    この子の体型ではタピオカチャレンジは無理ですが。

    カラー。

    特に何も考えず塗っています。
    テーマも特にありません。



    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    イラスト;プレッピー風(習作)

    2019.06.27.[Edit]
    こないだ「熊」を描いたことで、双月世界の種族紹介に使えそうな素材が一通りたまりました。ただ、短耳も描いたのは描いたんですが、あれを種族紹介に使用するのは今ひとつ気が進まなかったので、改めてもう一枚。線画。今回はプレッピー(学生)風。女子高生をイメージしています。あと、最近の流行も取り入れ、タピオカミルクティを飲ませてます。この子の体型ではタピオカチャレンジは無理ですが。カラー。特に何も考えず塗って...

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    こないだのタピオカ飲んでる娘がtwitterでそこそこ好評だったので、
    これまでに描いた他の娘も交えてもう1点制作。

    線画。
    190630_2.jpg
    脳内設定。
    ・右の娘は「旅岡 紅子(たびおか べにこ)」さん。
    ブーム前からタピオカは大好き。
    ただし本当は黒いのより白いのが好き
    あと、ミルクティじゃなくココナッツミルクの方がいい
    ・真ん中の娘は「富士見 柚子(ふじみ ゆうこ)」さん。
    お姉ちゃんは目立ちたがりの売れっ子アイドル
    その影響なのか、こっちはわりと大人し目の性格。
    ・左の娘は「虎海 雅(とらみ みやび)」さん。
    ご覧の通りのお嬢様で、高身長で、ダイナマイトなボディの持ち主。
    おだてられると調子に乗る。旅岡さんのいいおもちゃ。
    ・3人とも同じ高校の同級生。なおこの高校、わりと名門だが校則はゆるめ。
    その証拠に、3人とも同じ制服かと思いきや、よく見れば細部が微妙に違う。

    カラー。
    190630_2.jpg
    twitterにて掲載したキャプションを、いつものように編集・加筆して転載します。

    旅岡さん「雅ちゃんやったらタピオカチャレンジでけそうやんな」
    富士見さん「雅ちゃんなら余裕でしょ」
    虎海さん「ええ。造作もございませんわ(ドヤァ)」
    富「うん、やっぱりできちゃうよね。(パチパチ)でも実際できるトコ見るとさー」
    旅「ドヤ顔がハラ立つな。あとおっぱいの存在感もハラ立つ。デカすぎやん」
    富「紅ちゃんちっちゃいもんね」
    旅「ほっといて。柚ちゃんかてあたしとトントンやん」
    富「(´・ω・)」
    旅「でも実際どないなん、雅ちゃん? 載せてて冷たないん?」
    虎「多少は。でもすぐいただきますから」ズゾゾゾゾゾゾゾ
    富「えっ」
    旅「……あっちゅう間に無くなったで」
    富「あれ750mlって書いてなかった?」
    虎「仮に『早飲みチャレンジ』だったとしてもわたくし、勝つ自信がございますわよ」
    旅「マジか」

    タピオカチャレンジいけるん?

    2019.07.04.[Edit]
    こないだのタピオカ飲んでる娘がtwitterでそこそこ好評だったので、これまでに描いた他の娘も交えてもう1点制作。線画。脳内設定。・右の娘は「旅岡 紅子(たびおか べにこ)」さん。ブーム前からタピオカは大好き。ただし本当は黒いのより白いのが好き。あと、ミルクティじゃなくココナッツミルクの方がいい。・真ん中の娘は「富士見 柚子(ふじみ ゆうこ)」さん。お姉ちゃんは目立ちたがりの売れっ子アイドル。その影響なの...

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    そこそこ好評らしいので、シリーズ化してみることにしました。
    需要があるのか分かりませんが。

    ちなみにこのシリーズは、ゆるーい話を展開していくだけです。
    超展開や急展開の類はありません。
    悪と戦いません。魔法使いません。異世界行きません。
    戦車砲や機銃撃ちません。キャンプしません。百合も咲きません。
    ただただタピオカミルクティ飲んで友達と駄弁るだけの話です。

    ただその友達に、何の説明もなくファンタジックなお耳が付いてるだけで。



    線画。
    190630_2.jpg
    脳内設定。
    ・左の娘は「大江双葉(おおえ ふたば)」さん。
    見た目クールで言葉数は少ない方なので、近付きがたい感じはある。
    でも困ってる子がいたら割とほっとけないタイプ。
    ちょくちょく忘れ物しちゃう旅岡さんの、最後の希望。
    ・旅岡さんと大江さんは中等部からの付き合い。やたら席が隣同士になる腐れ縁。
    ちなみに二人が通ってる学校は中高大一貫。きっと大学部に行っても、
    同じ講義に出たり同じゼミ入ったりするんだろうなーと、大江さんは思ってる。
    ・ちなみに今月に入って既に、大江さんはソフトクリームを3回食べている。
    旅岡さんのおごりで。

    カラー。

    いつものように、twitterより

    旅岡さん「おはよ、ほんで朝からゴメンやけど」
    大江さん「おはよう。なに?」
    旅「宿題やるの忘れてん。見せてもろてええ? 数IIのヤツ」
    大「いいよ」
    旅「ありがとー! めっちゃ助かるわぁ。お礼にまたソフトおごるしな」
    大「うん」
    旅「あとゴメンけど、英語もええかな。……国語も」
    大「……全部?」
    旅「ちゃうねん。数IIと英語と国語だけでええねん。生物はやってん」
    大「日本史は?」
    旅「え」
    大「日本史。先週出たやつ。今日提出」
    旅「あー……。言われたら……あった……ような……気が……」
    大「見る?」
    旅「見るっ」
    大「ミルクティもおごりね。タピオカ無いやつ」
    旅「あうぅ」

    朝からゴメンやけど

    2019.07.08.[Edit]
    そこそこ好評らしいので、シリーズ化してみることにしました。需要があるのか分かりませんが。ちなみにこのシリーズは、ゆるーい話を展開していくだけです。超展開や急展開の類はありません。悪と戦いません。魔法使いません。異世界行きません。戦車砲や機銃撃ちません。キャンプしません。百合も咲きません。ただただタピオカミルクティ飲んで友達と駄弁るだけの話です。ただその友達に、何の説明もなくファンタジックなお耳が付...

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    2ヶ月ぶりに旅岡さんシリーズ。
    今度はよくタピオカミルクティ頼むお店での一コマ。



    ・右の娘は「猫藤雛(みょうどう ひな)」さん。
     野球部のエース投手。外野も行ける二刀流タイプ。
    ・150km/h近い豪速球とやたら切れるスライダー、やたら落ちるフォークが彼女の武器。
    ・今年の夏の地区予選には中継ぎと抑えで出場。
     決勝の7回表で登板するも、前の回で既に2点リードされており、防ぐので精一杯。
     それでも9回裏2アウト一塁の場面で二塁打を放ち、1点を取り返す。
     逆転サヨナラのチャンスを作ったものの、後が続かず。終わったあと、泣いた。
    ・カープファン。今の推しは大瀬良大地投手。
     なお去年のシーズン終了間際は、やっぱり泣いた。ツライです。
    ・アジアンスイーツ店の、イチゴの豆花がお気に入り。
     そのせいか、クラスは違うのに旅岡さんと割と出くわすし、割と一緒にお茶する。

    ・奥のお姐さんは通称「黄大姐(ホァンダージェ)」さん。
     アジアンスイーツ店のオーナー。
    ・このお店以外にも手広く商売しているらしい、とは雅ちゃんからの情報。
    ・30そこそこくらいに見えるが威圧感がスゴい、とは柚ちゃんからの感想。
    ・「絶対トシの話しちゃダメだよ」、とは店員の兎波さんからの忠告。





    猫藤さん「やーっと合宿終わったよ」
    旅岡さん「おつかれ。野球部やったっけ」
    猫「そーそー。ほらこれ、グローブんとこだけ真っ白」
    黄大姐「お嬢ちゃん、ガッコのエースってセンセ言ってたね」
    猫「あー、うん、まあ」
    黄「未来のオータニとかほめてたよ」
    旅「おー。なんかよー分からんけどすごそうやん」
    猫「オータニって、大谷翔平選手? うーん……大谷選手かぁ」
    黄「あら、びみょーな反応ね。嬉しくない?」
    猫「そりゃ嬉しいけど、どうせなら『未来の前田』とか『未来の大瀬良』が良かった」
    旅「それもよー分からん。野球全然知らんし」
    黄「ま、ま、もしプロになったら、取材はココで受けてね。オマケするよ」
    猫「はいはい、なれたらねー」

    未来のオー……、なんやったっけ?

    2019.09.15.[Edit]
    2ヶ月ぶりに旅岡さんシリーズ。今度はよくタピオカミルクティ頼むお店での一コマ。・右の娘は「猫藤雛(みょうどう ひな)」さん。 野球部のエース投手。外野も行ける二刀流タイプ。・150km/h近い豪速球とやたら切れるスライダー、やたら落ちるフォークが彼女の武器。・今年の夏の地区予選には中継ぎと抑えで出場。 決勝の7回表で登板するも、前の回で既に2点リードされており、防ぐので精一杯。 それでも9回裏2アウト一塁の場...

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    旅岡「暑くないん?」
    猫藤「暑いよ。すっごい暑い。10月の気温じゃないよね、マジで」
    旅「脱いだらええやん。あたしも半袖やで」
    猫「なんか負けた気がしてやだ」
    旅「何に?」
    猫「季節とか……自然? とかに」
    旅「……負けでええから脱ぎいや」
    猫「負けるの嫌だもん」
    旅「勝ってどないすんねん。っちゅうか勝つとか負けるとか無いやろ、そんなもん」
    猫「あたしの中にはあるんだよ。勝ち負け」
    旅「暑苦しいなー……もぉ」
    猫「……でも、正直言うと」
    旅「なんよ?」
    猫「暑さに負けてもいいかなとは思ってるところ」
    旅「アホやな。素直に負けたらこれおごったるよ」
    猫「さっきから気になってたけど、その赤いの、何?」
    旅「スイカジュース黄さんの店の新商品。あんた赤いのん好きやろ?」
    猫「……負けた!」

    その赤いの、何?

    2019.10.02.[Edit]
    旅岡「暑くないん?」猫藤「暑いよ。すっごい暑い。10月の気温じゃないよね、マジで」旅「脱いだらええやん。あたしも半袖やで」猫「なんか負けた気がしてやだ」旅「何に?」猫「季節とか……自然? とかに」旅「……負けでええから脱ぎいや」猫「負けるの嫌だもん」旅「勝ってどないすんねん。っちゅうか勝つとか負けるとか無いやろ、そんなもん」猫「あたしの中にはあるんだよ。勝ち負け」旅「暑苦しいなー……もぉ」猫「……でも、正直...

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    虎海「あなたとお手合わせする時をわたくし、心待ちにしておりましたわ」
    猫藤「奇遇だね……あたしもだよ!」
    虎「春の雪辱、果たしてご覧に入れますわ」
    猫「ふっふっふ……返り討ちにしてやるさ」

    大江「たかが体育祭でテンション上がりすぎじゃない?」
    旅岡「体育会系の血が騒いでんねやろ」
    大「熱血かー」
    旅「あたしらには無縁の世界やな」
    大「だね」
    旅「ほんで春のヤツって、球技大会ん時の話やろか」
    大「結局あれって虎海さんがスタンドプレーして退場させられただけだよね」
    旅「雛ちゃん的にはキッチリ決着付けたいんやろ。熱血やし」
    大「熱血ねぇ」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    旅岡さんたちの学年の、アスリート女子ツートップとうわさされているこの両名。
    片や文武両道のスーパーお嬢様、虎海雅。
    片やプロもうならす超高校級エース、猫藤雛。
    かねてより「この二人の直接対決が見てみたい!」とささやかれていた。

    実は春の球技大会でも、バスケ部門にてこの両名がぶつかっていたのだが、
    そこで雅ちゃんはやらかした。
    開始2分で早くも一人で12点獲る猛攻を見せるも、
    調子に乗りすぎてダンクシュートまで決めてしまい、その結果、ゴールが破損。
    当然、試合は中断。雅ちゃんは先生に怒られ、そのまま退場となった。
    その後コートを換えて試合続行となり、雛ちゃん側のチームが逆転勝利した。

    ……が、そんな結果で満足するようなスポ根少女、雛ちゃんではない。
    機会があればもう一度ガチで対決したいと願っており、それが今日、叶うこととなった。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    そして閉会式の後、互いにやり遂げた顔で、ガッチリと握手する二人の姿があった。
    大江「漫画みたい」
    旅岡「ほんまやね」
    大「熱血だもんね」
    旅「やっぱりあたしらには分からん世界やな」
    大「そだね」
    旅「ほんでもあたしらも結構動き回ったし、お腹空いてもーたわ。
     後で黄さんのお店行かへん?」
    大「いいね」
    旅「あの二人も誘ってくるわー。折角やしこの機会にお互い、お友達になってもらおーや」
    大「おせっかい焼き」
    旅「そんなんちゃうて。おもろそうやからやん」
    大「……それはちょっと分かる」

    体育会系の血が騒いでんねやろ

    2019.10.11.[Edit]
    虎海「あなたとお手合わせする時をわたくし、心待ちにしておりましたわ」猫藤「奇遇だね……あたしもだよ!」虎「春の雪辱、果たしてご覧に入れますわ」猫「ふっふっふ……返り討ちにしてやるさ」大江「たかが体育祭でテンション上がりすぎじゃない?」旅岡「体育会系の血が騒いでんねやろ」大「熱血かー」旅「あたしらには無縁の世界やな」大「だね」旅「ほんで春のヤツって、球技大会ん時の話やろか」大「結局あれって虎海さんがスタ...

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    旅岡さんの新作を制作するべく、習作がてら、新しい娘を描きました。
    プレッピースタイル(冬)。
    自分で言うのもなんですが、今回はかなり美人さんに描けました。



    ・お名前……「夜狼奈々(やがみ なな)」さん。
    ・見ての通りの委員長キャラ。クラス委員長もやってるし、生徒会にも在籍。
    ・眼光が鋭いのは近眼のせい。眼鏡を外すと「眼力がめっちゃヤバい」と言われる。
     だけど眼鏡有りでも威圧感が隠せないのは、狼耳のせいか尻尾のせいか、
     それとも177cmと言う、クラス1の高身長のためか。
    ・ちなみにクラス2番は、173cmの虎海お嬢様。2人が並んで立つと、周りから人が消える。
    ・その威圧感のせいで、下級生からは最敬礼で挨拶されるし、中等部の子はなかなか近付いてくれない。
     近所の猫だって、彼女を見るなり飛び上がって走り出す。
    ・極めつけに、言葉遣いもかなりトゲトゲしい。ツンの塊である。
    「あんたなんでまだ課題提出してないのよ!? 今週締め切りよ!? 分かってんの!?」



    ・が、実はかなり面倒見が良く、頼み事を断れない性格。
     クラス委員長になったのも、理由の半分は見た目のせいだが、
     もう半分は「やってくれそう」と言う皆の期待を断れなかったせい。
    ・外はツンツン中はデレ。
    「はぁ……、もう言い訳いいから、どこで詰まってるか言いなさいよ。教えたげるから。
     でも勘違いしないでよ? 教えたげるの、今回だけだからね?
     全員提出って言われてるんだからキッチリ期限までに全員提出させたいの。それだけ」



    夜狼「あんたみたいに何にも考えずに、気さくに近寄って来てくれる子ばっかりならいいのに」
    旅岡「叶わぬ願いやな」
    夜狼「何か言った?」
    旅岡「ナンデモアラヘンヨー」

    イラスト;プレッピー風(習作)

    2019.11.11.[Edit]
    旅岡さんの新作を制作するべく、習作がてら、新しい娘を描きました。プレッピースタイル(冬)。自分で言うのもなんですが、今回はかなり美人さんに描けました。・お名前……「夜狼奈々(やがみ なな)」さん。・見ての通りの委員長キャラ。クラス委員長もやってるし、生徒会にも在籍。・眼光が鋭いのは近眼のせい。眼鏡を外すと「眼力がめっちゃヤバい」と言われる。 だけど眼鏡有りでも威圧感が隠せないのは、狼耳のせいか尻尾の...

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    旅岡さんたちの通う学校の文化祭で催される「店舗」の中で、
    いわゆる「喫茶店モノ」は生徒会抽選による定員制となっている。
    と言うのも教室内は火気厳禁であり、調理は専用教室でしか行なえない。
    その上、中高大一貫性であるために、4室しか無い調理室を皆が一斉に使うと大混乱になるからである。
    そんな事情があるので当然、喫茶店の競争率は高い。
    なのでクラスで何をするか会議した時も、喫茶店を提案しなかった。
    アジアンスイーツ大好き、食いしんぼの旅岡さん以外は。
    と言って、文化祭での催しモノなんて大抵喫茶店かお化け屋敷、
    さもなくばテーマの良く分からない展示くらいしか無いと言うのが相場。
    結局、旅岡さんの猛プッシュ以外に決定打も無く、
    クラス委員長の夜狼さんはダメもとで喫茶店に応募した。
    ……そしたらあろうことか、当選してしまったのである。
    絶対ムリと思っていただけに、皆大慌てとなった。
    発案者の旅岡さんでさえ当選と聞いて「うそぉ!?」と叫んだくらいである。
    勿論言い出しっぺの彼女も一応アイデアだけは温めていたものの、
    それ以外の準備なんか全くできていなかった!

    旅岡さんのアイデア――それは黄さんのお店で出ているスイーツをそのまま出してはどうか、と言うものだった。
    これならば事前準備は黄さんへの連絡だけで済むし、
    搬入も店からそのまま調理室の冷蔵庫へ運ぶだけ。
    翌日お茶を淹れて温めれば、そのまま店に出せる。
    黄さんも学校への大量搬入ができてボロ儲け、旅岡さんたちも楽して店が出せる。
    双方ウィンウィン、旅岡さんのアイデアの勝利である。

    が、喫茶店に出す量となると結構なモノになってしまう。
    黄さんからも「決まったら早く教えてね。1週間前とかちょこっと困るからね」と念押しされていたが、
    通達された時点でその1週間前である。旅岡さんは慌てて店へと駆け出そうとした。
    が、ここでクラス一の見栄っ張り、虎海お嬢様から「わたくしにお任せなさい」の一声。彼女が連絡してくれると言うのだ。
    クラスの皆はほっと一安心。搬入を虎海さんに一任し、他の皆は店づくりに集中した。
    無論、旅岡さんのアイデアは、クラス会議の場で旅岡さん自身が説明していたし、
    その場にいた虎海さんにも、間違い無く伝わっていたはずなのだ。
    ところが――繰り返すが――虎海さんは見栄っ張りだった。

    そして文化祭前日、事件は起こった。

    見栄っ張りの虎海さんは「出来合いのモノをそのままお出しするなんて」などと、
    いかにも一度も調理経験の無い類の人間が安易に考えそうな極めて面倒臭いことをお考えあそばせ、
    完成品ではなく原材料を持って来させたのだ。
    しかも当の本人は用事があるとか言って調理室には来ず、
    虎海さんのお屋敷の使用人さんに持って来させると言う、
    トンデモお嬢様っぷりをご発揮あそばされたのである。
    当然、旅岡さんも夜狼さんも「話がちゃうやんけ!?」と激怒したが、時既に遅し。

    かくして、そのまま調理室に置いて行かれた総重量50キロのタピオカ粉と小麦粉、
    あんこ、そして茶葉の山を前にし、旅岡さんと夜狼さんは途方に暮れた。
    文化祭は明日に迫っている。時間は残り、約半日。

    手の空いた者を総動員しての、調理地獄が始まった。



    旅岡「うー……終われへん」
    夜狼「口じゃなく手動かしてよ。もうギリギリだって、あたし何回言った?」
    旅岡「分かってるけどー……言いたなるやんか」
    夜狼「ボーッとしない! 桃まんもゴマ団子も、あと200個ずつ作んなきゃいけないのよ!?」
    旅岡「はうぅー……」
    夜狼「にしても、ほんっっっとに虎海さんにはアタマ来るわね。みんなこーしてヒィヒィ言ってんのに。
    後で絶対あたしが文句言ってやるわ」
    富士見「……ほんと面倒見いいよね、いいんちょ」
    大江「ほんとにねー」
    夜狼「そこの二人、聞こえてるわよ。ほら手ぇ動かす!」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    なお、文化祭にはどうにか間に合った模様。
    ……全員の顔は粉と疲労で蒼白だったものの。

    夜狼「でも意外だったのは、あんたがこーゆーの料理できたってことよね。あんたいなかったらマジで詰んでたわ」
    旅岡「料理は得意やねん、あたし。……でももう一生分作ったかも知れへん」
    夜狼「あたしだってこんなにお団子丸めたの、生まれて初めてよ」
    クラスのみんな「本当にな」



    そして虎海さんは罰として、文化祭後のおつかれさま会用の桃まん、
    クラス全員分を、一人で作らされる羽目になったとさ。
    めでたしめでたし。

    一生分作ったかも知れへん

    2019.11.18.[Edit]
    旅岡さんたちの通う学校の文化祭で催される「店舗」の中で、いわゆる「喫茶店モノ」は生徒会抽選による定員制となっている。と言うのも教室内は火気厳禁であり、調理は専用教室でしか行なえない。その上、中高大一貫性であるために、4室しか無い調理室を皆が一斉に使うと大混乱になるからである。そんな事情があるので当然、喫茶店の競争率は高い。なのでクラスで何をするか会議した時も、喫茶店を提案しなかった。アジアンスイー...

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    新学期が始まってもいつも通り。
    いつも通り、旅岡さんは良く食べる。
    かばんの中もコートのポケットの中も、お菓子でいっぱい。
    そして新学期早々、下校中に買い食いし始めた。

    旅岡「もぐもぐ」
    猫藤「しっかしコイツ、良く食べるよな」
    富士見「ホントにねー」
    旅岡「もぐもぐ」
    猫藤「でも全然太ってないよな。何かスポーツとかやってんの?」
    旅岡「んー、全然?」
    富士見「体動かすのキライって言ってたもんね」
    猫藤「マジで? あたしめっちゃ筋トレしてどうにかコレだぞ? まあ、ご飯の量とかはアレだけどもさ」
    旅岡「もぐもぐ」
    富士見「雛ちゃん、あたしの倍は食べてるもんね。……あ、そのブローチ!」
    旅岡「もぐもぐ……んぅ?」
    富士見「『タマキ・フカクサ』の? あたしそのブランド好きなの」
    旅岡「ほーはんひゃ……もぐもぐ」
    富士見「どこで買ったの?」
    旅岡「いほほにほはっへん……もぐもぐ……おははんは……もぐもぐ……ほほふほーひふふっへへは……もぐもぐ」
    富士見「……? (もぐもぐとしか聞こえないよぉ)」
    猫藤「ところでさ、紅って何かやんないの? クラブとか」
    旅岡「もぐもぐ……ごくん。やらへんなぁ」
    富士見「面倒臭いから?」
    旅岡「や、あたし家事せなアカンもん。あんまり時間無いねん」
    猫藤・富士見「えっ!?」
    旅岡「なんやの」
    猫藤「いや、アンタが家事やってるってイメージ無かったから。いっつもお気楽って感じだし」
    富士見「同じく。……あ、でも料理得意だもんね、紅ちゃん。お母さんとかお父さんはどうしてるの?」
    旅岡「二人とも仕事で家、おらんねん。おとんは単身赴任やし、おかんは平日昼間出っぱなしやし」
    猫藤「あのー……何か、ごめんな」
    旅岡「別に謝らんでも」
    猫藤「いやさ、アンタもっと気楽に生きてるもんだと思ってたから」
    旅岡「ん? 気楽やで?」
    富士見「じゃさ、普段は紅ちゃん一人なの?」
    旅岡「んーん。夜にはおかん帰って来るし、さっきもちょと言うたけど、従姉妹がしょっちゅう来んねん」
    富士見「さっき? ……あのもぐもぐ言ってたアレ?」
    旅岡「ん? んー、多分それ」
    富士見「さっきの何て言ってたの?」
    旅岡「んー? ……んー、あんまんに夢中になっとったから何言うてたか忘れた」
    富士見「そ、そう……」
    猫藤「……コイツ本っ当、気楽に生きてんなぁ」

    おきらくもぐもぐ

    2020.01.06.[Edit]
    新学期が始まってもいつも通り。いつも通り、旅岡さんは良く食べる。かばんの中もコートのポケットの中も、お菓子でいっぱい。そして新学期早々、下校中に買い食いし始めた。旅岡「もぐもぐ」猫藤「しっかしコイツ、良く食べるよな」富士見「ホントにねー」旅岡「もぐもぐ」猫藤「でも全然太ってないよな。何かスポーツとかやってんの?」旅岡「んー、全然?」富士見「体動かすのキライって言ってたもんね」猫藤「マジで? あたし...

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    こないだ架空ロゴ素材を作ったので、早速使用してみました。



    今日の旅岡さん」より、大江さん。
    以前からこの娘の着ているモノにこのロゴは付いていたんですが、
    これまでは一々描いてました。「素材」として使ったのは今回が初。

    ロゴを使うついでに、今の季節に合うコーデで揃えてみました。
    旅岡さんはダッフルコートの印象ですが、この娘はダウンジャケットだろうなー、と。
    ちなみに富士見さんはノーカラーコート。猫藤さんは言わずもがな。



    カラー版。
    顔立ちからクール系の印象を持たれがちですが、実はピンクと可愛いモノが大好き。
    ちなみに帽子とブーツについては、去年描いてたものと同じ。
    この頃はまだ、タピオカミルクティ大好きな食いしん坊の話なんて影も形も無かったんだよなぁ……。



    色違いバージョンその1。
    顔に合わせて、クールでダークな色合いにしてみました。



    色違いバージョンその2。
    こないだの携帯待受を作った際に制作したグラデーションを適用してみました。
    なんか氷の、……もとい、雪の妖精って感じ。

    イラスト;カジュアル風(大江さん)

    2020.01.27.[Edit]
    こないだ架空ロゴ素材を作ったので、早速使用してみました。「今日の旅岡さん」より、大江さん。以前からこの娘の着ているモノにこのロゴは付いていたんですが、これまでは一々描いてました。「素材」として使ったのは今回が初。ロゴを使うついでに、今の季節に合うコーデで揃えてみました。旅岡さんはダッフルコートの印象ですが、この娘はダウンジャケットだろうなー、と。ちなみに富士見さんはノーカラーコート。猫藤さんは言わ...

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    こないだの記事でちょこっと書いたSSの続きがてら、富士見さん。

    線画。

    この娘にも色々事情があり、あんまり目立つことができません。
    なので普段から、そんなに派手な格好はしません。
    でもちょっとカワイイ格好もしたいな、と言う欲求もにじみ出ていたり。

    カラー。

    地味な色。都市迷彩かと思う色合いです。

    色違いその1。

    なので試しにピンク色に染めてみました。
    これはやりすぎたなぁ……。

    色違いその2。

    前回と同じく、携帯待受のグラデーションで塗ってみました。
    ホッキョクギツネ。

    イラスト;ガーリー風(富士見さん)

    2020.02.03.[Edit]
    こないだの記事でちょこっと書いたSSの続きがてら、富士見さん。線画。この娘にも色々事情があり、あんまり目立つことができません。なので普段から、そんなに派手な格好はしません。でもちょっとカワイイ格好もしたいな、と言う欲求もにじみ出ていたり。カラー。地味な色。都市迷彩かと思う色合いです。色違いその1。なので試しにピンク色に染めてみました。これはやりすぎたなぁ……。色違いその2。前回と同じく、携帯待受のグラデ...

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    前2作のSSを1本にまとめました。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



    富士見「こないだ紅ちゃんから聞いたんだけど、
    紅ちゃんって自宅通学だけど家事も一人で全部やってるらしいの」
    大江「だね」
    富「あ、双葉ちゃんは知ってるんだ」
    大「何回かあの娘の家行ってるもん」
    富「あれ、そうなんだ? でね、紅ちゃんって補習行ってたよね、冬休み」
    大「うん」
    富「夏休みも行ってたよね」
    大「どっちも1日だけだけどね。ちゃちゃっと再テストやって終わったって言ってた」
    富「でもさ、補習受けるって結構ヤバいよね?」
    大「かもね」
    富「でね、成績悪いのってもしかしたら、家事で忙しいからなのかもって」
    大「……どうかな」
    富「あたし心配してるの。このままじゃ紅ちゃん、また補習受けるかもだし、
    もしかしたら留年とかってなっちゃうかもだし……」
    大「大丈夫だと思うよ。今まで何とかしてたし」
    富「でも勉強って段々難しくなるし、もしもって思ったらさー……」
    大「うーん」
    富「でね、でね、もうすぐテスト期間でしょ?
    その間だけでも、紅ちゃんのところ行って助けられないかなって」
    大「いいんじゃない、そこまでしなくて」
    富「でも……」

    旅岡さんとは中等部からの長い付き合いなので、大江さんは知っている。
    家庭環境とか家事が忙しいとか、そんなことに関係無く、
    ただ単に、旅岡さんが直前までやる気出ないタイプであることを。
    でもそれを富士見さんに説明しても、なんか納得してもらえなさそう。
    そう考えた大江さんは、とりあえず相槌だけ打っていた。

    大「まあ、やりたいならそう言ってみたらいいんじゃない?」
    富「うん、後でラインしてみる」
    大(……既読スルーだろうなぁ。あいつに『テスト勉強しよう』って言っても、絶対はいって言わないだろうし)

    結構ヤバいよね?

    2020.02.06.[Edit]
    前2作のSSを1本にまとめました。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -富士見「こないだ紅ちゃんから聞いたんだけど、紅ちゃんって自宅通学だけど家事も一人で全部やってるらしいの」大江「だね」富「あ、双葉ちゃんは知ってるんだ」大「何回かあの娘の家行ってるもん」富「あれ、そうなんだ? でね、紅ちゃんって補習行ってたよね、冬休み」大「うん」富「夏休みも行ってたよね」大「どっちも1日だけだけどね。ちゃちゃっと再...

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    件の新型肺炎に伴い、あちこちの学校が休校となっている。
    旅岡さんたちも例外ではなく、寮生・自宅生共に、
    全員が自室・自宅にて待機することになってしまった。

    「……やんな?」
    「うん」
    「なんであんたウチ来とるんよ」
    「ヒマだし」
    「意味無いやんか」
    「ここから外に出なきゃ大丈夫でしょ。ここ3人しかいないし」

    休校ではあるが、ほとんどの学生は暇に耐えられるはずも無い。
    よってこっそり友達の家を訪ねる子は、相当数存在する。
    勿論、大江さんもその一人である。
    「わざわざウチ来んでも、ゲームやったらネットで一緒にでけるやんか。ラインで話もでけるし」
    「あれめんどい」
    「何がやねん」
    「なんかが」
    ちなみに2月下旬に休校が決まったため、本来その時期に実施されるはずだった期末テストは、
    休校期間が終了し次第行われる予定となっている。
    「ラインって言えばさ、ゆっこのライン見た?」
    「ゆっこの? あー、テス勉しよか言うてたアレ?」
    「返事来ないって言われたんだけど」
    「……めんどい」
    「『めんどい』やないやん。学生は勉強してナンボやんか」
    と、2人の後ろから声が飛ぶ。旅岡さんの従姉妹の円(まどか)さんである。
    「叔母さんも『あの子一々言わな勉強せんわー』言うてはるで」
    「そっちかて『あの子は毎日毎日そっちにお邪魔して』て言うてはったで」
    「(´・ω・)」
    ぐうの音も出ない、と言う顔をしつつも、円さんは言い訳する。
    「そんなん言うてもうちご飯作るん下手やしおかんもずーっと仕事したはるし、
    こっち来たら紅ちゃんがなんやかんやで作ってくれるし……」
    「……言うてたらもうお昼やな。ほんならボチボチ作るわ。ゲーム代わって」
    「ん、おっけ」
    プレイヤーを交代したところで、円さんが寝そべっていた大江さんのお尻をぺちぺち叩く。
    「あんたそんな気ぃ抜いててええんか~? 今日こそめっためたのぎったぎたやで~?」
    煽られるが、大江さんはクッションを抱えた姿勢のまま、微動だにしない。
    「こないだあたし相手に12デス食らったの誰?」
    「あ、あれから修行したし!? 紅相手なら10キル余裕やし!?」
    「あたしあいつに20キルしたことある」
    「うぐ、……ま、負けへんで今回は!」
    「じゃ今回もフルボッコする」
    2人の掛け合いを尻目に、旅岡さんは冷蔵庫を開けた。
    (ゆうべの餃子のタネ残っとるし……ご飯と卵と混ぜて炒飯やな)



    「でけたでー」
    「なんでこんなボコられんねん……こっちは全武器中最速連射やで、最速」
    「でも射程短いじゃん。それで特攻かけるからだよ。いい加減ステ極振りのロマン武器やめたら?」
    「ロマン武器でやるからおもろいねん。もっぺんや!」
    「でけた言うてるやんか。早よ来なご飯冷めるで」

    わざわざウチ来んでも

    2020.03.16.[Edit]
    件の新型肺炎に伴い、あちこちの学校が休校となっている。旅岡さんたちも例外ではなく、寮生・自宅生共に、全員が自室・自宅にて待機することになってしまった。「……やんな?」「うん」「なんであんたウチ来とるんよ」「ヒマだし」「意味無いやんか」「ここから外に出なきゃ大丈夫でしょ。ここ3人しかいないし」休校ではあるが、ほとんどの学生は暇に耐えられるはずも無い。よってこっそり友達の家を訪ねる子は、相当数存在する。...

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    特に今回はストーリーもコンセプトも無く、ただただ描きたいものを描いただけです。

    エプロン姿(着替え途中)の旅岡さん。
    線画。

    ロゴについては後日紹介予定。
    基本的にこの娘は料理属性なので、このエプロンもその方向に使用するつもりで着せたものなんですが、
    ……なんか四角形のロゴマークが付いたエプロンって、プラモ店の店主みたいだなぁって。

    カラー。


    なお、他の娘だと色違い版を作るところなんですが、なんでかこの娘は上手く行かない。
    微妙な色合いばかりになってしまう。何故なのか……。
    そんなわけで、今回は1色のみです。

    イラスト;エプロン(習作) / 何か粉混ぜて焼くわ

    2020.04.06.[Edit]
    特に今回はストーリーもコンセプトも無く、ただただ描きたいものを描いただけです。エプロン姿(着替え途中)の旅岡さん。線画。ロゴについては後日紹介予定。基本的にこの娘は料理属性なので、このエプロンもその方向に使用するつもりで着せたものなんですが、……なんか四角形のロゴマークが付いたエプロンって、プラモ店の店主みたいだなぁって。カラー。なお、他の娘だと色違い版を作るところなんですが、なんでかこの娘は上手く...

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    またあつ森で描いたマイデザインをイラストに起こしてみました。
    ぐんぷくワンピース

    線画。


    今回は虎海さんに、モデルになってもらいました。
    うちで軍服ワンピースって言ったらこの娘ですし。

    19:30現在;取り急ぎ、いつもの更新時刻に間に合わせました。
    カラー版とちゃんとしたSSは後程。


    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    2020.05.04 23:00 追記

    カラー版できました。
    色の方もミリタリー仕様。


    カーキグリーン。


    ネイビーブルー。


    ワインレッド。


    こちらもマイデザインを公開しているので、よろしければお使い下さい。

    イラスト;ゴシック風+ミリタリー風 / なんかめちゃめちゃ

    2020.05.04.[Edit]
    またあつ森で描いたマイデザインをイラストに起こしてみました。ぐんぷくワンピース。線画。今回は虎海さんに、モデルになってもらいました。うちで軍服ワンピースって言ったらこの娘ですし。19:30現在;取り急ぎ、いつもの更新時刻に間に合わせました。カラー版とちゃんとしたSSは後程。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2020.05.04 23:00 追記カラー版できました。色の方もミリタリー仕様。カーキグリーン。ネイビーブル...

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    今回は猫藤さん。
    そろそろ開幕しますしね。



    (この動画分かりにっかぁ。これで合うとんか?
    なんか違うよーな……でも下半身鍛えられよる感はあるっちゃあるけぇ……うーん?)

    ステイホーム中、動画サイトを参考に自主トレする野球少女、猫藤さん。
    でも彼女は忘れている。最初観ようと思っていたのは肩周りのトレーニングだったことを。

    「ふー……ふーっ……おっし、あともう1セットじゃ!」

    所期の目的をすっかり忘れて別のトレーニングメニューをこなす猫藤さん。
    一通りやり切って満足したところで、スマホ固定のために置いたグリップボールを見て思い出すまで、あと10分。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    猫藤さんは元々影響されやすい子で、皆と一緒にいる時は標準語なのはそのせい。
    なので誰にも影響されない、一人でいる時だと広島弁全開。
    元々広島生まれで、高校からスポーツ推薦で旅岡さんたちの学校に編入し、今は学生寮で一人暮らし。
    部屋の中は真っ赤っか。これもお父さんとお兄さんの影響。



    そんな彼女がもしも学校の子に影響を受け、別のチームに鞍替えしてしまったら。

    中日。


    阪神。

    イラスト;スポーツウェア / これで合うとんか?

    2020.06.15.[Edit]
    今回は猫藤さん。そろそろ開幕しますしね。(この動画分かりにっかぁ。これで合うとんか?なんか違うよーな……でも下半身鍛えられよる感はあるっちゃあるけぇ……うーん?)ステイホーム中、動画サイトを参考に自主トレする野球少女、猫藤さん。でも彼女は忘れている。最初観ようと思っていたのは肩周りのトレーニングだったことを。「ふー……ふーっ……おっし、あともう1セットじゃ!」所期の目的をすっかり忘れて別のトレーニングメニ...

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    そう言えば旅岡さんを初めて描いてから1年以上経ってました。

    と言うわけで、自分の画力上達具合を確認するため、
    このイラストをリメイクしてみました。

    線画。

    昨年に比べて体の造形がガッチリしたなぁ。
    ちょっと体格がしっかりしすぎな気もしなくはないですが、
    昨年のがひょろひょろすぎた、あまりに細すぎたって面もありますね。


    カラー。

    色は昨年とほぼ同様。
    ……だけだと芸が無いので、


    ほうじ茶ミルクティバージョンと、


    抹茶ミルクティバージョン。

    イラスト;プレッピー風 / ちょとコレ飲んでみてよ

    2020.07.26.[Edit]
    そう言えば旅岡さんを初めて描いてから1年以上経ってました。と言うわけで、自分の画力上達具合を確認するため、このイラストをリメイクしてみました。線画。昨年に比べて体の造形がガッチリしたなぁ。ちょっと体格がしっかりしすぎな気もしなくはないですが、昨年のがひょろひょろすぎた、あまりに細すぎたって面もありますね。カラー。色は昨年とほぼ同様。……だけだと芸が無いので、ほうじ茶ミルクティバージョンと、抹茶ミルク...

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    なんやかんやの都合のいい力によって、世界的不安が一拭されつつある旅岡さんたちの日常だが、
    やはりまだ、各所に色濃く影響が残っており――。

    旅岡「やっとや思たら、再来週にはもう学校やで。2週間て」
    円「ええやんか。今年は3ヶ月近くお休みあったようなもんやんか」
    旅岡「あんなん『休み』やなくて『謹慎』やんか。どこにも遊び行かれへんかったんやし」
    円「文句言わんの。結局遊んでたやんか。こないだのテストも……」
    旅岡「平均ギリ60ちょいやったんやからええやんか。追試無しやで。えっへん」
    円「威張って言うコトかっ」
    旅岡「それよりおねえ、折角いま、『旅行しようや』みたいなアレやってんねんから、どっか連れてってーや」
    円「そう言うのんは普通、親にねだるもんやろ。なんでウチやねん」
    旅岡「おかんずっと仕事やし、おとんはまだ仕事先から帰って来いひんし、
    ほんならおねえに頼むしか無いやんか?」
    円「……しゃーないなぁ。近場でええか?」
    旅岡「やっぱおねえ、話が分かるぅ。全然ええよ、遠すぎてもしんどいし」
    円「折角やし誰か誘うか? 2、3人くらいやったら全然行けるで」
    旅岡「ほんならー……ゆっこは確実に行けるやろし……雛はどないやろ?」

    (夏休み旅行一緒行く?)<旅岡
    (部活だいじょぶ?)
    猫藤>(行く行く)
    (大会無くなったから部活死んでる。ほぼ自主練ばっか)
    (どこ? いつ?)
    (近いとこ。今おねえと相談しとる)<旅岡
    猫藤>(決まったら教えてー)
    (あいよー)<旅岡


    と、旅岡さんの背後からスマホを見ていた円さんが、ぷにぷにとほおをつつく。
    円「双葉は?」
    旅岡「誘う誘う。ほな、これで3人やな」
    円「アイツおらんとなー」
    旅岡「おねえ、めっちゃ双葉のことお気にやんな」
    円「趣味が合うんや、趣味が」
    円「ほな何持って行く? あ○森は絶対いるやろ?
    みんなで遊ぶコト考えて、アソビ○全買っとこかな。あとはス○ブラとマ○オカートと……」
    旅岡「雛はス○ッチ持ってへんで。
    て言うかおねえ、先に目的地と場所決めよーや。何でいきなりゲームの話してんねん」
    円「……えっへへへー」
    円「ほなドコ行く? 単純に考えて温泉か海かキャンプかやけど」
    旅岡「んー……どこがええんやろ? ちょっと調べてみよかな
    ……お、ゆっこと双葉から返信来たわ。行けるって」
    円「よっしゃ。ほな雛ちゃん呼んだり」
    旅岡「なんで?」
    円「ウチがス○ッチ買うたる。遊ぶんやったらみんなでの方がええやんか」
    旅岡「……おねえ、ちゃんと貯金とかしてるか? 使いすぎやで。旅行ねだっといてなんやけども」

    やっぱおねえ、話が分かるぅ

    2020.08.09.[Edit]
    なんやかんやの都合のいい力によって、世界的不安が一拭されつつある旅岡さんたちの日常だが、やはりまだ、各所に色濃く影響が残っており――。旅岡「やっとや思たら、再来週にはもう学校やで。2週間て」円「ええやんか。今年は3ヶ月近くお休みあったようなもんやんか」旅岡「あんなん『休み』やなくて『謹慎』やんか。どこにも遊び行かれへんかったんやし」円「文句言わんの。結局遊んでたやんか。こないだのテストも……」旅岡「平均...

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    夏休み、温泉へ一泊二日の旅行へ行くことになった旅岡さん。
    クルマを借り、北の方へ。

    「どこまで行くん?」
    「ウチのおかんの知り合いがやっとるトコや」
    「環(たまき)さんの知り合い? ホンマ人脈広いなぁ」
    「おかん、昔は色々やってはったからな。今は手芸一本やけど」
    「しゅげい?」

    と、後部座席の富士見さんが狐耳をぴこっと揺らす。

    「どんなの作ってるんですか、旅岡さん?」
    「なんでやねん。いつもみたく『紅ちゃん』でええやんか」

    ミラー越しに話しかけた旅岡さんに、富士見さんがぱたぱた手を振る。

    「いや違くて、えっと、お姉さんの方」
    「なんか勘違いしとるみたいやけど、おねえは『お姉ちゃん』やなくて『従姉妹』な」
    「あっ、そうなの? すみません、えっと……」

    顔を真っ赤にする富士見さんに、円さんもミラー越しに応じる。

    「ええよ、コイツが説明してへんだけやし。ほな自己紹介しとこか。
    ウチは深草円。円って呼んでくれたらええからな」
    「はーい。……あ、えっと、円さん、さっきの……」

    尋ねかけたが、同時に大江さんが口を開く。

    「円、途中どっか寄る? 飲み物欲しい」
    「え、双葉ちゃん? 呼び捨て……」

    富士見さんは目を丸くするが――。

    「あー、せやな。ちょっとコンビニ寄ろか」

    どうやら当の本人は、意に介していないらしい。

    「あ、あの、……いいんですか?」

    旅岡さんが、「ええねん」と返す。

    「おねえは精神年齢あたしらと一緒やもん」
    「なんちゅうコト言うねん。ウチ、一回り年上やねんで」

    円さんは口を尖らせたが、旅岡さんは鼻で笑う。

    「口開いたらすぐゲームの話するやんか、おねえは」
    「オトナがゲームしたってええやんか」
    「週3であたしん家に来て、双葉と遊びまくっとるやん。
    横で見てたらふつーに友達やし、一回り上感ゼロやで」
    「そんなん言うんやったらクルマ乗せへんで」

    円さんも応戦するが――。

    「すぐ怒るとこがコドモじゃん」

    大江さんにまで突っ込まれ、円さんは「ぐぬぬ」とうなった。

    「でも財布は大人って言うか、スゴいよ」

    と、猫藤さんが助太刀する。

    「ビックリしたもん。いきなり『ゲーム買う』ってライン来たし、
    マジに買ってもらったし。赤いの、って言うかピンクいの」
    「ピンク? じゃ、あたしのとおそろいか」

    大江さんはそう言って、かばんからゲーム機を取り出す。

    「ほら、ピンク」
    「お~。……あー、と」

    猫藤さんが、遠慮がちにぼそっと尋ねる。

    「……みんな何のゲームしてる?」

    大江さん「マ○クラ」
    富士見さん「あ○森」
    旅岡さん「ブ○ワイ」

    バラバラの答えが返り、猫藤さんの猫耳が垂れていく。

    「……誰か野球、やってる?」
    「やってない」
    「全然」
    「ごめん」
    「そか……」

    しょんぼりする猫藤さんに、円さんが応じる。

    「一緒に買うたアレやんな? 面白そうやからウチも買うてみよかなーて思てたトコやねん。
    旅行から帰ったら一緒に買いに行こか」
    「ホンマけぇ!? ……じゃないや、本当ですか!?」
    「おっ、さてはカープ推しやな?」
    「あ、はい!」

    野球の話題を振られた途端、猫藤さんは饒舌になった。

    「あたし生まれが広島で……」
    「そら推すわな。よっしゃ、ほんならウチは阪神いじろ」
    「じゃ、あたしも頑張ってぶちつよチーム作ります!」
    「あんまり強くせんといてやー。ウチ、ゲームへたっぴやし」
    「え、そうなんですか?」

    と、二人のやり取りを眺めていた大江さんが、クスっと笑う。

    「円はそーゆーとこ、姉御肌って感じするよ」
    「へっへっへ、どーや紅? ウチ姉御やで、姉御」

    得意満面の笑みを向けた円さんに、旅岡さんは苦い顔を返した。

    「そーゆーとこやで、おねえ」

    そーゆーとこやで

    2020.08.18.[Edit]
    夏休み、温泉へ一泊二日の旅行へ行くことになった旅岡さん。クルマを借り、北の方へ。「どこまで行くん?」「ウチのおかんの知り合いがやっとるトコや」「環(たまき)さんの知り合い? ホンマ人脈広いなぁ」「おかん、昔は色々やってはったからな。今は手芸一本やけど」「しゅげい?」と、後部座席の富士見さんが狐耳をぴこっと揺らす。「どんなの作ってるんですか、旅岡さん?」「なんでやねん。いつもみたく『紅ちゃん』でええ...

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    温泉宿にやって来た旅岡さん一行。
    チェックインを済ませた後、街をうろつくことに。

    「もぐもぐ」
    大方の予想通り、旅岡さんは温泉饅頭をほおばっている。
    「見て見てー、紅ちゃん」
    そして富士見さんも横に並び、黄色いソフトクリームをなめる。
    「『地元の野菜を使ったご当地ソフト』だって」
    「へー」

    饅頭を飲み込み、旅岡さんがチラっと見る。

    「何味?」
    「かぼちゃ」
    「他には?」
    「人参とほうれんそう。あと、お芋も」
    「お芋は美味しそうやな」

    言うが早いか、旅岡さんはソフトクリーム屋へ向かう。

    「本当にあいつ、食い意地張ってんなぁ」
    「ねー」
    猫藤さんもおだんごを片手に、富士見さんのところに来る。
    「あれ、前にも同じよーな話したっけ? あたしとゆっことあいつで」
    「したした。……あ、そう言えばなんだけどね」

    富士見さんは上着に付けたブローチを指差す。

    「ほら、前にあたし『タマキ・フカクサ』ブランド好きって言ってたよね。
    このブローチもそうなんだけど」
    「そーだっけ」
    「でね、円さんのかばんにも『タマキ・フカクサ』付いてたの。
    円さんも好きなのかなって」
    「かも知れんね」

    あんまり興味が無いらしく、猫藤さんは生返事する。

    「円さんいま、双葉ちゃんとどこか行っちゃってるし、後で聞いてみたいなって。
    紅ちゃんに聞いてもなんか要領を得ないって言うか、言葉足らずって言うか」
    「あるね、それは。あいつ時々、マジで食べ物しか目に入ってない時あるもん。今とか」
    「そうね。今とか」

    二人の目線の先には、ソフトクリームを両手にそれぞれ抱えている旅岡さんの姿があった。

    「ごめーん、どっちか持ってー。おカネ出されへんくなったー」
    「もぉー……。あたし行って来るね」
    「へーい」

    マジで食べ物しか

    2020.08.24.[Edit]
    温泉宿にやって来た旅岡さん一行。チェックインを済ませた後、街をうろつくことに。「もぐもぐ」大方の予想通り、旅岡さんは温泉饅頭をほおばっている。「見て見てー、紅ちゃん」そして富士見さんも横に並び、黄色いソフトクリームをなめる。「『地元の野菜を使ったご当地ソフト』だって」「へー」饅頭を飲み込み、旅岡さんがチラっと見る。「何味?」「かぼちゃ」「他には?」「人参とほうれんそう。あと、お芋も」「お芋は美味し...

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    温泉街をあちこち回っている内に日も暮れてきたので、
    旅岡さんたちは宿に戻って温泉へ。



    「あー……っ、気持ちいいね」
    「すっげー汗かいたもんなぁ」

    大江さんと猫藤さんが並んで湯船に浸かったところで、
    いつものように円さんが寄って来る。

    「なぁなぁ双葉ぁ~、後で……」

    「あ、そうだ円さん」と、猫藤さんが口を開く。

    「ゆっこが聞きたいことあるって言ってましたよ」
    「ん~? ウチにぃ?」

    言われて円さんは、まだ髪を洗っていた富士見さんに声をかけた。

    「ゆっこちゃ~ん、なんやった~?」
    「えっ、あっ、ちょっと待って下さい」

    慌てて泡を洗い流し、富士見さんが振り返る。

    「あ、あのですね」「あれっ!?」と、今度は猫藤さんが声を上げる。

    「ゆっこって、すげー似てんな? あの、アレ、アイドルの、えーと」
    「きっこだろ。富士見橘子」大江さんが代わりに答える。
    「そー、それそれ。似てるよな?」
    「そりゃ似てるよ」

    大江さんは肩をすくめ、髪をバックにまとめた富士見さんを指す。

    「妹だし」
    「え、マジけ?」
    「マジだよ」
    「そーだったの!? へぇー!?」
    「あ、あのー、雛ちゃん」

    富士見さんは困った顔で、ぺらぺら手を振って返した。

    「それ、あんまり大声で言わないでね。お姉ちゃん、気にしてるから。
    『プライベート晒さないようにしてるから言いふらすな』って」
    「……あ、そなの? ごめんな、騒いじゃって」
    「ううん、いいよ。……それで、円さ」

    言いかけて、富士見さんは口をつぐんでしまった。
    円さんはもうその場を離れ、旅岡さんに絡んでいたからだ。

    「紅ぃ~、あんたホンマにぺったんこちゃんやな~」
    「ほっといて。ホンマにもう、おねえは酔うとタチ悪いな。今日は早よ寝えや?」
    「ふぇへへへへへ~」
    「……はぁ」

    円さんの後姿を眺め、富士見さんはため息をついた。

    「あれじゃ何聞いてもワケ分かんなさそう」
    「だね。……で、ゆっこ。何聞きたかったの?」
    「いやほら、円さんのかばんに付いてたブローチ」
    「ああ、環さんのやつ」
    「そう、『タマキ・フカクサ』のやつ! 円さんもあのブランド好きなのかなって」
    「そりゃ嫌いじゃないだろ」
    「やっぱりそうなんだ! へぇー……」

    ニコニコを笑みを浮かべ、「しっかり泡流してくるね」
    と言って離れた富士見さんの尻尾を眺めながら、猫藤さんがつぶやく。

    「あいつ、ピンと来てなくね?」
    「だろうね。多分頭ん中で、話がつながってない」
    「ここぞってとこで察し悪いよな、ゆっこって」
    「つっても『有名デザイナーが実は友達の伯母さんでした』って、普通考えないよ」
    「そりゃそうか。あたしだって今の今まで、
    ゆっこのお姉ちゃんのこと知らんかったもんなぁ」



    こうして富士見さんが真実を悟ることも無いまま、
    温泉旅行の夜は更けていくのであった……。

    あいつ、ピンと来てなくね?

    2020.08.31.[Edit]
    温泉街をあちこち回っている内に日も暮れてきたので、旅岡さんたちは宿に戻って温泉へ。「あー……っ、気持ちいいね」「すっげー汗かいたもんなぁ」大江さんと猫藤さんが並んで湯船に浸かったところで、いつものように円さんが寄って来る。「なぁなぁ双葉ぁ~、後で……」「あ、そうだ円さん」と、猫藤さんが口を開く。「ゆっこが聞きたいことあるって言ってましたよ」「ん~? ウチにぃ?」言われて円さんは、まだ髪を洗っていた富士...

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    10月31日。
    旅岡さんたちは虎海さんのお家、いや、お屋敷に招待されていた。

    「『本日の催し物 ハロウィンパーティ』、……紅の予想当たったね」

    シーツを被った大江さんの一言に、旅岡さんがうなずく。

    「雅ちゃんと話しとると、なーんか一言二言抜けよるからな。
    言葉通りドレスだけ着とったら、逆に恥かいとったわ」

    そう返しつつ、旅岡さんも百均で間に合わせた帽子をポン、と叩く。

    「今日やるパーティ言うたら大体これやろしな」
    「ま、一応ってことでドレスも着てきたけどね」

    と、あっちこっちのテーブルに群がるオバケたちの中に知っている顔を見付け、二人は同時に声を上げる。

    「あ」「おっ?」
    「なーによ?」

    そこにいたのは、吸血鬼風の格好をした夜狼さんだった。

    「あ、や、来てたんだって」
    「わたしが来ちゃいけないっての?」

    とっさに旅岡さんはごまかす。

    「いやいや、そんなん言うてへんやん。
    奈々の趣味と合わへんのちゃうかって思っただけやん」
    「ミヤとは結構一緒に遊んでんのよ。共通の趣味もあるし」
    「そうなんや。あ、話変わるけどな、めちゃめちゃ似合うてんな、そのカッコ」

    旅岡さんにほめられ、夜狼さんの顔に朱が差す。

    「え、……そ、そう? 似合ってる?
    でも間に合わせって言うかとりあえずって言うか、ちゃんと揃えられなくて」
    「全然そんな感じせえへんよ。クオリティめちゃ高やん。ほんま奈々、センスええわぁ」
    「……ありがと」

    夜狼さんはいたずらっぽく笑いながら、両手を挙げる。

    「うふふ……、ぎゃおー」
    「わー血ぃ吸われるー」

    じゃれる旅岡さんと夜狼さんを眺めながら、大江さんはぼそっとつぶやいた。

    「……こいつ本当に誰とでも仲良くなるなぁ。すげーわ」

    こいつ本当に誰とでも仲良くなるなぁ

    2020.10.26.[Edit]
    10月31日。旅岡さんたちは虎海さんのお家、いや、お屋敷に招待されていた。「『本日の催し物 ハロウィンパーティ』、……紅の予想当たったね」シーツを被った大江さんの一言に、旅岡さんがうなずく。「雅ちゃんと話しとると、なーんか一言二言抜けよるからな。言葉通りドレスだけ着とったら、逆に恥かいとったわ」そう返しつつ、旅岡さんも百均で間に合わせた帽子をポン、と叩く。「今日やるパーティ言うたら大体これやろしな」「ま...

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    年の暮れ。
    旅岡さん家も、大掃除やらおせちの準備やらで大忙し。



    旅岡さん「おかん、こっちのレンコンさんは全部輪切りでええんやな?
    ほんでもういっこは乱切りやんな、おっけおっけ」



    ちなみに何やかやと言い訳を付け、円さんは年末も大江さんを引き連れて、旅岡さん家に押しかけています。
    その分、お年玉は弾んでくれるようですが……。
    「せやないと困るわ。今も掃除手伝わんと、おこたで双葉とゲームしとるし。
    あれ多分、そのまんまお正月までこもる気やわ」

    そのまんまお正月までこもる気やわ

    2020.12.28.[Edit]
    年の暮れ。旅岡さん家も、大掃除やらおせちの準備やらで大忙し。旅岡さん「おかん、こっちのレンコンさんは全部輪切りでええんやな?ほんでもういっこは乱切りやんな、おっけおっけ」ちなみに何やかやと言い訳を付け、円さんは年末も大江さんを引き連れて、旅岡さん家に押しかけています。その分、お年玉は弾んでくれるようですが……。「せやないと困るわ。今も掃除手伝わんと、おこたで双葉とゲームしとるし。あれ多分、そのまんま...

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    昨年暮れから、クリスタの仕様把握を続けています。
    使えば使うほど、フォトショップとは比べ物にならないくらいの便利さを感じます。
    3Dデッサンモデルまで付属してるって……すごいなぁこれ。

    そんなわけで今回描いたのがこちら。

    「あつまれ どうぶつの森」で作ったマイデザインを元に、
    夜狼さんを描いてみました。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



    虎海さん家にお招きされた夜狼さん。
    共通の趣味である「ミリタリーもの」の新作が仕上がったと聞かされ、喜び勇んで試着に応じたものの――。

    夜狼「ねえ、ミヤ?」
    虎海「はい」
    夜狼「あんた、『軍服ワンピの新作で』可愛いのって言ったわよね?
    いや、そりゃ可愛いのは確かに可愛いんだけどさ、でもこれふつーにただのドレスじゃないの。
    どこにミリタリー感あんのよ? 可愛いけど」
    虎海「……やはり、そうですわよね。わたくしも妙と感じておりましたけれど」
    夜狼「いちお、ブーツも履いてみたけどさ、まあ、似合わなくも無いっちゃ無いわよ?
    でもあんたさ、これ着てサバゲは無理でしょ」
    虎海「さようですわね。仕立てた方も、そのような用途は考慮されていらっしゃらないでしょう。
    恐らく発注の折に、何かの行き違いがあったのではないかと」
    夜狼「で、どーすんのよこれ? 可愛いっちゃ可愛いけど」
    虎海「そうですわね、……では、そちらは奈々に差し上げます」
    夜狼「へっ?」
    虎海「恐らく仕立て直しを命じたとしても、そのドレスは廃棄されてしまうでしょうし。
    廃品を押し付けるような形で申し訳無く存じますけれど、
    もし奈々がお気に召したようであれば、是非お使いいただいた方が喜ばれるでしょう」
    夜狼「いや、でも、……マジで言ってんの? そりゃもらえるなら嬉しいっちゃ嬉しいけどね」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    色違い。



    虎海さんと夜狼さんはミリタリー界隈の、同好の士。
    予定が合えば二人でエアガン担いでサバイバルゲームに参戦する仲。
    ちなみに虎海さんの愛銃はシグのSG552。最前線に乗り込んで暴れ撃ちするため、
    仲間内では『突撃姫』と呼ばれて頼りにされる。
    そして夜狼さんの愛銃はH&KのPSG-1。吶喊した虎海さんを迎え撃とうと動いた相手を次々仕留めるため、
    仲間内では『狙撃騎士』と呼ばれて畏れられている。

    そんな二人の最近のブームは、軍服ワンピでサバゲしつつ撮影する女子会。
    「意外と同じ趣味の『同志』が多くてね、最近このジャンル、アツいのよ」



    ……とか何とか顔を上気させた夜狼さんに聞かされたものの、
    興味の無いことは全力でスルーする旅岡さんは、聞いて3秒で忘れた。

    可愛いっちゃ可愛いけど

    2021.01.04.[Edit]
    昨年暮れから、クリスタの仕様把握を続けています。使えば使うほど、フォトショップとは比べ物にならないくらいの便利さを感じます。3Dデッサンモデルまで付属してるって……すごいなぁこれ。そんなわけで今回描いたのがこちら。「あつまれ どうぶつの森」で作ったマイデザインを元に、夜狼さんを描いてみました。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -虎海さん家にお招きされた夜狼さん。共通の趣味である「ミリタリーもの」の...

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    今回は黄輪雑貨店内での、セルフクロスオーバー。
    そして年賀状の回答編。



    旅岡「アンタドコから来たん?」
    ねこ車掌「にゃーん」
    旅岡「そうかー、にゃーんかー。アンタなんで駅長さんみたいな帽子被ってんのん?」
    ねこ車掌「にゃーん!」
    旅岡「触ったらアカンかー、ゴメンゴメン」
    ねこ車掌「にゃーん」
    旅岡「帽子に手ぇ出さんかったらアンタ、ホンマ大人しいコやね。ほれ、こちょこちょ~」
    ねこ車掌「ごろごろ……」



    旅岡さんは「他人の『されて嫌なこと』」がピンと来る娘である。
    なので基本的に、他人が嫌う行動はまず執らない。
    それが誰とでも仲良くなる秘訣なのだろう。

    そうかー、にゃーんかー

    2021.01.25.[Edit]
    今回は黄輪雑貨店内での、セルフクロスオーバー。そして年賀状の回答編。旅岡「アンタドコから来たん?」ねこ車掌「にゃーん」旅岡「そうかー、にゃーんかー。アンタなんで駅長さんみたいな帽子被ってんのん?」ねこ車掌「にゃーん!」旅岡「触ったらアカンかー、ゴメンゴメン」ねこ車掌「にゃーん」旅岡「帽子に手ぇ出さんかったらアンタ、ホンマ大人しいコやね。ほれ、こちょこちょ~」ねこ車掌「ごろごろ……」旅岡さんは「他人の...

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    210328_0.jpg

    黄さんのアジアンスイーツ店の店員さん、兎波さんと兎倉さん。
    二人は別に姉妹ではないし、親戚でもない。
    ないはずなのだが、顔も身長も3サイズも、そして金田朋子並みのベビーボイスまでもが全部一緒。
    旅岡さんも見分けが付かないし、恐らく常連の誰もが分かっていない。
    だけど黄さんはどうやら、見分けが付いているらしい。
    「見分け方? カンタンよ、カンタン。ケイは右利きだけどジュンは左利きよ」
    「……どっちがケイでどっちがジュンなん?」

    210328_0.jpg

    兎波「啊啊、今年的四分之一结束了(あーあ、今年も1/4終わりか)」
    兎倉「是了(だね)」
    兎波「我们几岁了?我们的生命超过四分之一(あたしらもう何歳よ? 人生1/4過ぎどころじゃないし)」
    兎倉「你再说一遍(またか)」
    兎波「但是我还没有结婚,也找不到任何人(結婚どころか相手もいないし)」
    兎倉「好吧、好吧。连大姐……(大丈夫だって。姐さんもまだ……)」
    黄「你说了什么吗?(何か言った?)」
    兎波「哇!?(うわぁ!?)」兎倉「大姐!?(姐さん!?)」
    黄「你们有空、兔波、兔仓。你们喜欢『传道』吗?还是您喜欢剥20公斤的甘薯?(ヒマそーね、兎波、兎倉。『お話』とお芋20kg剥くの、どっちする?)」
    兎波・兎倉「……甘薯(……お芋)」

    お話とお芋、どっちする?

    2021.03.29.[Edit]
    黄さんのアジアンスイーツ店の店員さん、兎波さんと兎倉さん。二人は別に姉妹ではないし、親戚でもない。ないはずなのだが、顔も身長も3サイズも、そして金田朋子並みのベビーボイスまでもが全部一緒。旅岡さんも見分けが付かないし、恐らく常連の誰もが分かっていない。だけど黄さんはどうやら、見分けが付いているらしい。「見分け方? カンタンよ、カンタン。ケイは右利きだけどジュンは左利きよ」「……どっちがケイでどっちが...

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    3月の終わりと4月の始めは、なんだか気温の見極めが難しい。
    桜が見頃だと思って軽装で近くの公園に行くと、
    まだ咲いてないわ寒風吹き荒れるわでがっかりな気持ちになるし、
    かと思って次の日曜、あったかくして行ってみたら、
    もう散り始めてるわ暑くてたまらないわで散々な目に遭ったりする。

    そんな時に何となく参考にするのは、他人の服装。
    街行く人たちがコートを脱いでたら、
    「じゃ明日から薄手のカーディガンくらいでいいかな」
    と思ったりする。
    しかし他人の感覚は決して自分のそれと一致するものではなく、
    みんなが丁度いいと思ったコーデも、
    自分には寒かったり暑かったりすることは、往々にしてある。



    富士見さん「今日寒いよね。そんなカッコで大丈夫なの?」
    旅岡さん「あたし的にはちょい暑いくらいやねんけど」
    富「だって気温20度だよ?」
    旅「20度あったらブレザー脱いでちょうどくらいや思うけど」
    富「マジ? わたし今、上着欲しいくらいなんだけど」
    旅「寒がりやな」
    富「そっちこそ暑がりなんじゃないの?」
    旅「まあ、昔から冬でも部屋ん中やとおっきいシャツ一枚やったけどな」
    富「ヘンだよそれ~」
    旅「ほなアンタ、部屋ん中でもタイツか?」
    富「履いてるし、その上に毛糸の靴下も」
    旅「冷え性なん?」
    富「わりと」
    旅「そんなもこもこの耳と尻尾あんのにな」
    富「あるからこーゆー体質なんじゃないかなぁ」

    あるからこーゆー体質なんじゃないかなぁ

    2021.04.05.[Edit]
    3月の終わりと4月の始めは、なんだか気温の見極めが難しい。桜が見頃だと思って軽装で近くの公園に行くと、まだ咲いてないわ寒風吹き荒れるわでがっかりな気持ちになるし、かと思って次の日曜、あったかくして行ってみたら、もう散り始めてるわ暑くてたまらないわで散々な目に遭ったりする。そんな時に何となく参考にするのは、他人の服装。街行く人たちがコートを脱いでたら、「じゃ明日から薄手のカーディガンくらいでいいかな」...

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    富士見「餃子パーティって言うからすぐ食べるもんだと思ってたのに」
    旅岡「作るトコからやるんがおもろいんやんか。……っておかん、帰って来たかな」
    「ただいまー、……あら? なんや賑やかやね」
    富士見「あ、お邪魔してまーす、……え? え、え、ちょっ!?
    この人って、え、あの、……深草周さん!?」
    円(ええリアクションするなぁ~♪)



    状況が良く分からんと言う関西人は、
    招かれた友達の家が実は上沼恵美子さんの家だった、
    というシチュエーションを想像しよう。
    富士見さんの驚きが理解できるはずだ。

    人懐こい旅岡さんは、よく家に人を招く。
    そして旅岡さんのお母さんを見て、お客さんは一様に目を丸くする。
    何故ならそのお母さん、深草周(ふかくさあまね/芸名)さんは
    料理番組やバラエティの司会をやっている有名人なのだ。
    富士見さんにしてもつい1時間前、
    ワイドショーでコメントしていた彼女の姿を見たばかりなくらいなのである。
    そして旅岡さん家で周さんと出会った瞬間のお客さんの反応を眺めるのは、
    円さんにとって愉悦の一時である。



    周「あれ?」

    ところが今回、逆に周さんも驚いた様子である。

    周「誰や思たらきっちゃんやん。朝会うた時と髪型ちゃうけど、美容院さん行かはったん?
    て言うかメイクも変えたん? ……て言うか、……別人やな? あれ、でもよー似てはるなぁ……?」
    旅岡「おかん、もしかして『きっこ』のこと言うてる? 富士見橘子」
    周「うん」
    旅岡「その子、妹やで。きっこの」
    周「いもーと? へぇ、そうなんや。アンタもよー色々知り合いいとるなぁ。
    奥におる2人も友達やんな?」
    旅岡「一人は友達。もひとりはその友達。今日知り合うてん」
    周「アンタはまた会ってすぐの人を家に呼んで……。おとんそっくりやなホンマに」

    ええリアクションするなぁ~♪

    2021.05.10.[Edit]
    富士見「餃子パーティって言うからすぐ食べるもんだと思ってたのに」旅岡「作るトコからやるんがおもろいんやんか。……っておかん、帰って来たかな」「ただいまー、……あら? なんや賑やかやね」富士見「あ、お邪魔してまーす、……え? え、え、ちょっ!?この人って、え、あの、……深草周さん!?」円(ええリアクションするなぁ~♪)状況が良く分からんと言う関西人は、招かれた友達の家が実は上沼恵美子さんの家だった、というシ...

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    今年は何かが起こる――!
    夜狼さんが「ソフトボール」を引いた瞬間、球技大会運営委員会の全員がそう直感した。

    旅岡さんの学校の1学期の恒例行事である球技大会は、1学年4クラスを紅白・男女別に分けて開催される。
    また、種目は学年ごとに分かれており、それぞれの学年代表がくじを引いて決定する。
    ちなみに旅岡さんの学年の代表は、B組の夜狼さんになった。

    夜狼さんがそのくじを引いた瞬間、彼女を含めた学年クラス代表4名全員が、C組のことを思い浮かべた。
    C組には何故か、野球部のエースがゴロゴロ固まっているからである。
    女子だけでも、ご存知二刀流の猫藤さんや、主だった大会でほぼ毎回先発投手となる狐菅(こすが)さんなど、
    この組だけで他の高校と交流試合ができてしまうくらいにスター選手が揃っている。
    そんな野球特化状態のC組を引き入れれば、今年の球技大会は勝ちが確定する。
    続いて行われた紅白決めのくじは、より一層の緊張感が漂った。
    夜狼さんも勝利を祈って、くじ箱の中に手を突っ込んだが――つかんだくじは白。
    C組の代表は、紅を引いていた。



    大会当日。
    旅岡さんたちのクラス側、即ち白組は9割方負けが決まったようなものだったが、
    それでもB組にはあのお騒がせお嬢様、虎海さんがいるのである。
    白組は虎海さんのずば抜けた身体能力に一縷の希望を寄せつつ、大会に望んだ。

    ゲームは白組先攻で開始。まずは狐菅さんがあっさり2アウトを取った。
    そこまでは紅組が計画した通りの試合運びである。
    このペースで6回まで狐菅さんが投げ切り、裏のどこかで1点、2点でも取ってしまえば、
    残り3回を猫藤さんがキッチリ抑えて決着。それが紅組の立てていた戦略だった。
    その戦略が狂ったのは3投目、虎海さんの打順でだった。

    狐菅さんだって虎海さんがスゴいと言ううわさは聞いていたので、少なからず警戒していた。
    しかしこの時ほんのちょこっと、超高校級エースのプライドが勝ってしまった。
    変化球やチェンジアップなどの小細工を弄さず、直球だけで方を付けようとしてしまったのだ。
    とは言え最高152km/hを記録したこともある、プロをもうならす自慢の爆速ストレートである。
    ろくに野球経験の無い普通の高校生では、目で捉えることすら不可能なはずだった。

    だが、やはりと言うか――虎海お嬢様は普通ではなかった。
    「はああッ!」
    気合一閃、なんと初球を完璧に真芯で捉えてしまわれたのである。
    ぱぁん、と軟球が破裂したんじゃないかと思うような快音を立てて、
    球はグラウンド端のフェンスを軽々超えて飛んで行ってしまった。



    打ちのめされかけた狐菅さんではあったが、それでもすぐ立て直し、
    どうにか6回まで、失点1点のまま抑え続けた。
    虎海さんも1打席目こそ場外ホームランをお決め遊ばせたものの、
    その後はファールやフライを連発。
    肝を潰しかけていた紅組も「なんだただのロマン砲か」とほっと胸をなでおろしつつ、
    当初の計画通り、4回と6回にそれぞれ1点ずつ取って逆転。
    勢いに乗ったまま7回から猫藤さんが登板し、皆の期待通りにしっかり抑えてくれた。
    しかし白組だって、このまま負けてはいられない。
    特に1回表以降、凡打を繰り返されていらっしゃった虎海お嬢様は、
    次第に苛立ちをお募り遊ばされていた。
    そして9回表2アウト2塁の、もう後がない場面。
    虎海お嬢様が、本日4度目の打席にお立ちになられた。

    ご存知の通り、虎海お嬢様は自信家で目立ちたがりで、あけすけに言ってしまえば傲慢な方である。
    この勝敗がかかった局面において、あろうことかお嬢様は、
    左手に握ったバットを猫藤さんの頭上はるか上に、お掲げになられてしまったのだ。
    そう、超高校級エースの猫藤さんを相手にして、
    予告ホームランなどと言う大変はしたない行為をなさってしまったのである。



    「……~ッ、ナメっちゃねえッ!」
    当然、猫藤さんはブチギレた。力を目一杯右手に込め、渾身のストレートを放つ。
    「りゃああッ!」
    1回表の時と同様、虎海さんはガッチリと真芯で捉え、球を打ち返した。
    快音が轟いたその瞬間、白組は歓喜しかけ、紅組は絶望しかける。だが――。
    「ナメんなっちゃったろうがああッ!」
    フィジカルおばけの虎海お嬢様が全力で打ち返し、眼前に迫っていたピッチャーライナーを、
    猫藤さんは体を目一杯ひねってつかみ、見事に受け止めたのである。

    完全にブチギレていたはずの猫藤さんが、まさかの「打たせる」投球で怪物、
    いや、怪童お嬢様を華麗に仕留めると言う素晴らしいファインプレーを最後の最後に見せて、大会は幕を閉じた。
    「そりゃ頭に血ぃ上ったっちゃけど、暴投なんかするわけないって。
    そこは流石に、あたしだってエースのつもりだしさ」
    この年の球技大会が伝説となったのは、言うまでもない。



    一方――。
    「やっぱあんたの料理、最高だわ」
    「ホントホント。こんな美味しい唐揚げ、お店でも出ないよ~」
    「へっへー」
    補欠の補欠で、ベンチにまったく入る予定の無い旅岡さんたちは、
    グラウンドのすみっこで平和にお昼のおべんとを楽しんでいた。

    あたしだってエースのつもりだしさ

    2021.05.31.[Edit]
    今年は何かが起こる――!夜狼さんが「ソフトボール」を引いた瞬間、球技大会運営委員会の全員がそう直感した。旅岡さんの学校の1学期の恒例行事である球技大会は、1学年4クラスを紅白・男女別に分けて開催される。また、種目は学年ごとに分かれており、それぞれの学年代表がくじを引いて決定する。ちなみに旅岡さんの学年の代表は、B組の夜狼さんになった。夜狼さんがそのくじを引いた瞬間、彼女を含めた学年クラス代表4名全員が、C...

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    6/27は旅岡さんの誕生日。ブログ的には旅岡さんの初登場日です。



    と言うわけで初登場時と同じポーズを取ってもらいました。
    ……が、タピオカブームもとっくの昔に過ぎ去ってしまったため、
    もうタピオカドリンクは持たせません。



    店員の兎波さん「紅ちゃん、紅ちゃん。新発売のスイーツ食べてみない?」
    旅岡「ほなそれちょーだい」
    店員の兎倉さん「はいよー。お得意さんだしいっこオマケしたげる」
    旅岡「ありがとー、……ってピスタチオアイスとナッツアイス? 豆と豆やな」
    兎波「姐御が『今年は豆系アイス絶対流行るよ(*´ω`*)』ってゴリ押ししたんだよね」
    兎倉「他にも小豆でしょ、チョコでしょ、ココナツでしょ……」
    旅岡「小豆とチョコはまだ豆やけどココナツはちゃうやろ。名前にナッツ的なんが付いてるだけやんか」
    兎波「そこが姐御なんだよねー。なんでもかんでもこじつけて無理くりタマ揃えてくるって言うか」
    兎倉「これだ! って思ったら最初から最大火力で爆撃する人だし」
    兎波「好みのオトコ見つけた時だって全力全開でアピールかけるもんだから、相手は困った顔して逃げちゃうんだよね」
    兎倉「そーそー、お客さんだって見境なく口説くもんだから……」
    旅岡「……それでこの店、滅多に男性客いてへんねんな」

    旅岡さんの誕生日 / 豆系アイス絶対流行るよ(*´ω`*)

    2021.06.28.[Edit]
    6/27は旅岡さんの誕生日。ブログ的には旅岡さんの初登場日です。と言うわけで初登場時と同じポーズを取ってもらいました。……が、タピオカブームもとっくの昔に過ぎ去ってしまったため、もうタピオカドリンクは持たせません。店員の兎波さん「紅ちゃん、紅ちゃん。新発売のスイーツ食べてみない?」旅岡「ほなそれちょーだい」店員の兎倉さん「はいよー。お得意さんだしいっこオマケしたげる」旅岡「ありがとー、……ってピスタチオア...

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    誕生日に入院と言うことでげんなりしていた私、黄輪ですが、
    誕生日祝い兼手術の応援にイラストほしい(´・ω・)」とお願いしたところ、
    友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が旅岡さんのイラストを描いてくれました。
    本当にありがとうございます!



    どこかの記事で「十人並み」「普通の顔」
    「そこまでめちゃめちゃ美人と言うわけでもない」と評価しはしましたが、
    この娘はかなりお気に入りです。
    その娘をこんなにかわいく描いていただけて、嬉しい限りです。



    以下、いつものSS。

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    おまつりいこーやー…… / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 旅岡さん(野川真実さんより)

    2021.09.05.[Edit]
    誕生日に入院と言うことでげんなりしていた私、黄輪ですが、「誕生日祝い兼手術の応援にイラストほしい(´・ω・)」とお願いしたところ、友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が旅岡さんのイラストを描いてくれました。本当にありがとうございます!どこかの記事で「十人並み」「普通の顔」「そこまでめちゃめちゃ美人と言うわけでもない」と評価しはしましたが、この娘はかなりお気に入りです。その娘をこんなにかわいく描いていた...

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    旅岡さんに引き続き、友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が大江さんのイラストを描いてくれました。
    重ね重ね、ありがとうございます!





    真実さんからSSを期待されてたので、今回も追加します。

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    見た目でニンゲン決め付けんな / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 大江さん(野川真実さんより)

    2021.09.06.[Edit]
    旅岡さんに引き続き、友人の野川真実さん(@MsTarepanda)が大江さんのイラストを描いてくれました。重ね重ね、ありがとうございます!真実さんからSSを期待されてたので、今回も追加します。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -...

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    13周年記念イラスト / じゃあ遠慮はいらないわね

    2021.10.18.[Edit]
    ブログ開設13周年イラスト、完成しました。記念イラストと言うことで、うちの色んな世界のキャラを詰め込んでみました。最近ほぼ週1で動画に出演している小鈴。そして旅岡さんと円さんと、あとねこ車掌。……DWはなかなかクロスオーバーが難しいので割愛。以下、いつものSS。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -...

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    せっかく今日はイベントがあるので、便乗してみました。
    クリスマスカラーの二人。



    旅岡さんがプロ顔負けの料理スキルを持っていることはご周知の通り。
    そのためクリスマスなどの、美味しいご飯が山ほど出ることが確定しているイベントは、
    彼女の友人たちは積極的に開こうとするし、
    そこで旅岡さんが出してくれる料理を、一際心待ちにしているのである。

    大江「言葉を失うって……マジでこれだわ」
    富士見「ほんっっっとそれ」
    猫藤「ぶちうめぇ」

    下手なレストランよりはるかにクオリティの高いクリスマス料理に舌鼓を打っている彼女たちの前に、
    いつものように円さんがニヤニヤしながら、イチゴのショートケーキを持って来た。

    円「じゃーん、特製クリスマスケーキ! まるで店のヤツみたいやろ? ええ出来になったわ、ホンマ」

    円さんが自慢したところで、彼女の後ろで旅岡さんが憮然としていた。

    旅岡「自分で作ったみたいに言わんといてや。作ったん、99%あたしやで。
    おねえはイチゴ乗っけただけやんか。しかもつまみぐいしとるし。口にクリーム付いとるで」
    円「えっへへ~♪」

    おねえはイチゴ乗っけただけやんか

    2021.12.24.[Edit]
    せっかく今日はイベントがあるので、便乗してみました。クリスマスカラーの二人。旅岡さんがプロ顔負けの料理スキルを持っていることはご周知の通り。そのためクリスマスなどの、美味しいご飯が山ほど出ることが確定しているイベントは、彼女の友人たちは積極的に開こうとするし、そこで旅岡さんが出してくれる料理を、一際心待ちにしているのである。大江「言葉を失うって……マジでこれだわ」富士見「ほんっっっとそれ」猫藤「ぶち...

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    今回も「阪神電鉄 甲子園駅」でひと仕事終え、旅岡さんのいる学校に戻ってきたねこ車掌。
    いつもの寝床である高等部の中庭で丸くなっていたところ、突然ひょいと抱き上げられてしまった。

    「あら、簡単に捕まえられましたわね」

    お騒がせお嬢様、虎海さんである。
    しかし、……と言うかやはりと言うか、お嬢様はいささかガサツであられるため、
    ぬいぐるみを狙うUFOキャッチャーのごとく、ねこ車掌をかなりぞんざいにつかんでしまった。
    当然、ねこ車掌の機嫌は一瞬で最悪に変わる。

    ねこ車掌「フギャーッ! シャーッ!」

    ねこ車掌は怒り狂った咆哮を立て、下ろすよう意思表示しているようだが、虎海さんに猫の言葉は分からない。

    虎海さん「きゃっ!? ちょ、ちょっと! 落ち着いて下さいませ!」
    ねこ車掌「フーッ! フシャーッ!」
    虎海さん「え、えっと、えっとー……ど、どうすれば……?」

    虎海さんはパニックになってしまい、その場に立ち尽くす。

    「……あんた何しとるんよ」

    と、そこへ現れたのは旅岡さん。

    虎海さん「紅子さ~ん、助けてちょうだ~い!」
    旅岡さん「助けてやあらへんがな。下ろしたらええやんか」
    虎海さん「で、でもケガしたら」
    旅岡さん「しゃがんだらええやんか。……しゃーないなー」

    そう言うと旅岡さんは、虎海さんの懐からするっとねこ車掌を取り上げた。

    虎海さん「えっ!?」
    旅岡さん「あんた、猫の扱い下手やなぁ。勉強もスポーツもでけるのに」

    いとも簡単にねこ車掌を取り上げられ、虎海さんは目を丸くする。

    虎海さん「あなた……意外な特技がございますのね」
    旅岡さん「この子とは結構付き合い長いねん。なー?」
    ねこ車掌「ぅなー♪」

    一転、ねこ車掌は旅岡さんの腕の中で、心地よさそうな表情を浮かべていた。

    猫の扱い下手やなぁ

    2022.01.24.[Edit]
    今回も「阪神電鉄 甲子園駅」でひと仕事終え、旅岡さんのいる学校に戻ってきたねこ車掌。いつもの寝床である高等部の中庭で丸くなっていたところ、突然ひょいと抱き上げられてしまった。「あら、簡単に捕まえられましたわね」お騒がせお嬢様、虎海さんである。しかし、……と言うかやはりと言うか、お嬢様はいささかガサツであられるため、ぬいぐるみを狙うUFOキャッチャーのごとく、ねこ車掌をかなりぞんざいにつかんでしまった。...

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    あっさりねこ車掌を腕に抱き込んだ旅岡さん。
    「あたしに抱えられた途端にゴロゴロ言いよるなー。アンタ猫かぶりやなー」
    「なぅ~♪」

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    やたら自分は旅岡さんにしかめっ面させてるような気がしたため
    過去のイラストを探ってみたところ、これまでに描いた23件中、笑顔のものはなんと3件だけ。
    笑ってないなぁ、この娘。たまにはにっこりさせてやらないと、なんか申し訳ない。

    と言うわけで前回のイラストの直後のシチュエーションとして、
    ねこ車掌を抱きかかえた旅岡さんのイラスト。



    ……確かににっこりしてるんですが、これは満面の笑みなのか?

    アンタ猫かぶりやなー / 「今日の旅岡さん」イラスト ~ 旅岡さん(野川真実さんより)

    2022.02.07.[Edit]
    あっさりねこ車掌を腕に抱き込んだ旅岡さん。「あたしに抱えられた途端にゴロゴロ言いよるなー。アンタ猫かぶりやなー」「なぅ~♪」- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -やたら自分は旅岡さんにしかめっ面させてるような気がしたため、過去のイラストを探ってみたところ、これまでに描いた23件中、笑顔のものはなんと3件だけ。笑ってないなぁ、この娘。たまにはにっこりさせてやらないと、なんか申し訳ない。と言うわけで前回...

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    先週まで寒くて震えていたかと思えば急に暖かくなり、
    それが3日、4日と続くともう冬物の出番は無さそうかな、と安心し、
    コートをクリーニングに出したりセーターを押し入れの奥にしまい込んだりとひと頑張りし、
    新しい季節の到来を心待ちにしていたら、今日はなんだか妙に寒い。
    とても耐えられなくなり、慌ててしまい込んだセーターを引っ張り出す。
    季節のはざまは、いつも用意と片付けの見極めが難しい。

    先週、紙袋いっぱいに冬物を詰め込んでクリーニング屋に向かおうとした大江さんを見つけた円さん。
    円「まだちょっと早いんとちゃう?」
    大江「いや、もう暑いくらいだし」
    円「そう思うやろ? ところがもう2、3日経ったらあれっ? ってなるんよ」
    大江「いや、でももう3月も下旬だし」
    円「悪いコト言わんから、4月になるまで待っとき」
    大江「……まあ、円がそう言うんなら」

    そして今週――平均気温は3日連続で前日を下回り、
    街ゆく人の半分近くが薄手のジャケットやカーディガンにマフラー姿と言うちぐはぐな格好で、
    顔を真っ青にして寒がっていた。
    円「な? まだ冬物しまわへんでよかったやろ? 寒の戻りっちゅーヤツや」
    大江「珍しく年相応に頼りになるじゃん。おかげで助かった」
    円「言うても明日はまた暖かくなるて言うてはるし、桜もつぼみ付いとる。
    『あったか~い』飲んで美味しいんもボチボチおしまいやな。
    ちゅうワケで今シーズン最後のお楽しみや」
    そう言って円さんは、大江さんにコーヒーを渡した。
    円「アンタはシュガーレスのカフェラテやったな」
    大江「ありがと」
    と、二人並んでコーヒーで乾杯したところで、旅岡さんが空っぽの紙袋を手に戻って来た。
    旅岡「あ、コーヒー飲んどる。人にクリーニング押し付けといて……」
    円「ちゃんとアンタの分も買うてるで~。激甘マシマシブレンド。お駄賃や」

    まだ冬物しまわへんでよかったやろ?

    2022.03.28.[Edit]
    先週まで寒くて震えていたかと思えば急に暖かくなり、それが3日、4日と続くともう冬物の出番は無さそうかな、と安心し、コートをクリーニングに出したりセーターを押し入れの奥にしまい込んだりとひと頑張りし、新しい季節の到来を心待ちにしていたら、今日はなんだか妙に寒い。とても耐えられなくなり、慌ててしまい込んだセーターを引っ張り出す。季節のはざまは、いつも用意と片付けの見極めが難しい。先週、紙袋いっぱいに冬物...

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    6/27は旅岡紅子さんのブログ初登場日、そして誕生日。



    と言うわけで毎年恒例のポーズ。
    今年のスイーツはチョコミントスムージー。



    スイーツ店店長の黄さん「紅ちゃん、紅ちゃん。コレ今年の限定メニュー。どーね?」
    旅岡さん「チョコミント味やからスッキリ感は出とるし、アーモンドミルクがベースやからしつこくならへんし味もええねんけど、量が少な目やね。客側のコスパ悪いと『わーおいしー』で終わってリピート付かへんで。夏はどこの店も飲み物系スイーツ大売り出しやねんから、初動の一発で終わったら他のスイーツに競り負けて埋もれっぱなしになるで?」
    黄「……い、意外とガチの意見ね。わたし的に『わーおいしー』程度の期待してたよ」

    旅岡さんは食にはうるさい。

    旅岡さんの誕生日 / い、意外とガチの意見ね

    2022.06.27.[Edit]
    6/27は旅岡紅子さんのブログ初登場日、そして誕生日。と言うわけで毎年恒例のポーズ。今年のスイーツはチョコミントスムージー。スイーツ店店長の黄さん「紅ちゃん、紅ちゃん。コレ今年の限定メニュー。どーね?」旅岡さん「チョコミント味やからスッキリ感は出とるし、アーモンドミルクがベースやからしつこくならへんし味もええねんけど、量が少な目やね。客側のコスパ悪いと『わーおいしー』で終わってリピート付かへんで。夏は...

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    アイス食べたいなぁ……

    2022.07.04.[Edit]
    富士見「あっつぃ……」ダイエットのため野球部の猫藤さんの自主トレーニングに付いて来たものの、帰宅部の富士見さんでは体力的に釣り合わず、ランニング2km時点で早々にバテてしまった。富士見(あっついなぁ……あっついのに)一方の猫藤さんはランニング中に偶然横を走っていた銀髪狼っ娘と何故か競争を始めてしまい、すっかりヒートアップしていた。富士見(あっついのに雛ちゃん……なんであんな楽しそうに爆走してるんだろう……)...

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    天狐ちゃん「……」
    夜狼さん「……」
    ねこ車掌(ブルブル)
    一見、緊迫したシーンが展開されているようにも見えるが、実情はまったく違うのである。



    次の仕事に取り掛かる前に英気を養うべく、街をぶらついていたねこ車掌。
    ねこであるため、歩いているだけでも普通にかわいいともてはやされるし、
    写真を撮られてSNSに「#ねこ #カワイイ #帽子」などとタグを付けて投稿されてしまったりもする。
    この日もスマホを向けられたりなでなでふかふかもちもちされたりと、
    存分に可愛がってもらったので、気合も十分。
    さあ、次の仕事先に出かけるか――と意気込んだところで、ねこ車掌の前に天狐ちゃんが現れた。

    天狐ちゃん「おっ! お前さんかー」

    天狐ちゃんもかわいいモノは好きな性質なので、ねこ車掌を一撫でしてやろうと近寄ったところ――。

    夜狼さん「……!」

    天狐ちゃんの前に、やたら目つきの悪い「狼」の娘が現れた。
    彼女の姿、いや、目を見て、天狐ちゃんは警戒する。

    天狐ちゃん(コイツ……ナニする気だ? こんなかわいい猫ちゃんにらみつけやがって……?
    まさかコイツ、いじめるつもりじゃねーだろーな……!?)

    そんなことを考えていたが、彼女も自分の顔を鏡で見るべきである。
    何故なら天狐ちゃんも相当目つきが悪い方だからだ。
    そして天狐ちゃんの前に現れた夜狼さんも、ほとんど同じことを考えていた。
    かくして両者は互いに相手がねこ車掌をいじめようとしていると勘違いし、にらみ合う形になってしまった。

    災難なのはねこ車掌である。
    せっかく仕事への気分が高まってきたところで、こんな怖い娘二人に挟まれでしまったのである。
    溜まったやる気もすっかりしぼんでしまい、一刻も早く逃げ出したかったのだが、
    二人とも時折、チラチラとこっちをにらんでくるので、一歩も動けない。
    全国の鉄道をのほほんと渡り歩いてきた車掌も、こんな修羅場に巻き込まれた経験は無し。
    果たしてねこ車掌の運命やいかに……!?



    なお――この後、やはり偶然通りがかった旅岡さんが「あんたら何でこんなトコでメンチ切り合うてんの?」
    と介入してくれたため、ねこ車掌は無事に解放された。
    ついでに旅岡さんにわしゃわしゃふにふにしてもらい、
    改めて整ったねこ車掌は、意気揚々と仕事に出かけていった。

    ねこ車掌の運命やいかに……!?

    2022.07.25.[Edit]
    天狐ちゃん「……」夜狼さん「……」ねこ車掌(ブルブル)一見、緊迫したシーンが展開されているようにも見えるが、実情はまったく違うのである。次の仕事に取り掛かる前に英気を養うべく、街をぶらついていたねこ車掌。ねこであるため、歩いているだけでも普通にかわいいともてはやされるし、写真を撮られてSNSに「#ねこ #カワイイ #帽子」などとタグを付けて投稿されてしまったりもする。この日もスマホを向けられたりなでなでふかふか...

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    趣味と言うものは、必ずしも周囲の理解を得られるものではない。

    ミリタリーモノが大好きな虎海お嬢様だが、家族からの反応はちょっとひんやりしている。
    両親からは遠回しにやめろと言われているし、妹からはもっとはっきり、
    「そんなお召し物では一緒に外を歩けません」と突き放されている。
    そもそも今の日本、軍事関係にあんまり熱を上げていると、
    変わり者か危険人物扱いされてしまう。
    虎海お嬢様は、そうした意見をおしなべて「偏見と誤解」「正しい理解ではない」と捉えているし、
    無理に理解してもらおうとも思っていない。
    でも同好の士がなかなか得られないのは、ちょっとさみしいのである。

    そんなある日のこと。
    いつものように軍服ワンピースでカッチリ決めて街をご散策されていると、
    通りの向こうからゴシックロリータの雰囲気をにじませた、長耳の女の子が歩いてくる。
    しかしどこか、物足りないような印象も受ける。
    「まだ」「あと一歩」「もう一息」、そんな様子だった。
    そんな彼女のしっくり来ない姿が目に映った瞬間、お嬢様は彼女に声をかけた。

    虎海「あなた……『同志』の匂いを感じますわね」

    突然声をかけられ、横を通り過ぎかけたその娘はくるんと首を回す。

    パラ「わたくしのことでしょうか」
    虎海「ええ。あなたもお好きでしょう?
    様式美と機能美を兼ね備えた、わたくしのような服装が」

    彼女はしばらく無表情で虎海お嬢様を見つめていたが、その仏頂面のまま、やがて口を開いた。

    パラ「否定はいたしません。いいえ、むしろ強く肯定いたします」
    虎海「ではついてらっしゃい」
    パラ「承知しました。わたくしもあなたの服装から
    高い共感性及び信頼性を確認いたしましたため、同行いたします」

    何だか質の悪い翻訳アプリにかけたような話し方のその娘の手を引き、
    虎海お嬢様はお気に入りのお店――ゴシックブランド「
    シェベル・ザ・ドール」直営店に向かった。



    店に入ったその瞬間――やはり無表情のままではあったが――
    パラの目の色が明らかに変わったのを、お嬢様は感じ取った。

    虎海「お気に召したかしら?」
    パラ「大変魅力的です」

    彼女は若干食い気味に、お嬢様の問いに答えた。
    その反応に、お嬢様はにこっと口角を上げる。

    虎海「色良いお返事ですわね。わたくしも紹介した甲斐があると言うもの。
    良ければ何点か見繕って差し上げますけれど、いかがかしら?」
    パラ「ありがとうございます。あなたに全幅の信頼をお寄せいたします」

    同好の士がなかなか得られないのは、やっぱりちょっとさみしいが――
    得られたその時は、何物にも代えがたい喜びを感じるものである。
    それは虎海お嬢様にとっても、そしてパラにとっても同様だった。

    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

    そして全身ガッチガチにミリタリー風ファッションで固めて帰って来たパラを見て、
    小鈴が目を丸くした。

    小鈴「アンタ、ドコかに討ち入りでもする気なの?」
    パラ「これはわたくしの趣味です」
    小鈴「……あ、そ」

    他のみんなからもひんやりした反応を返され、
    その日のパラは、ちょっとさみしそうだった。

    お気に召したかしら?

    2022.09.19.[Edit]
    趣味と言うものは、必ずしも周囲の理解を得られるものではない。ミリタリーモノが大好きな虎海お嬢様だが、家族からの反応はちょっとひんやりしている。両親からは遠回しにやめろと言われているし、妹からはもっとはっきり、「そんなお召し物では一緒に外を歩けません」と突き放されている。そもそも今の日本、軍事関係にあんまり熱を上げていると、変わり者か危険人物扱いされてしまう。虎海お嬢様は、そうした意見をおしなべて「...

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    今年も虎海家のハロウィンパーティに招待された旅岡さんと大江さん。
    例によって例のごとく、円さんに衣装代をたかりに行ったところ、
    ――やはりいつものように二つ返事で「えーよ」と快諾されはしたのだが――
    なんとなーくイタズラっぽい笑みを浮かべていたことが、ちょっぴり気にかかった。

    そしてパーティの当日。いざ出かけようかとしていた旅岡さんたちの前に、
    クラシカルな'80年代スポーツカーに乗った魔女、いや、円さんが現れた。



    円「ハロウィンパーティ行くんやろ? ウチも一緒に行くで~。準備もカンペキや」

    突然の登場に、旅岡さんたちは面食らった。

    大江「いや、行くでって言われても」
    旅岡「おねえは招待されてへんやん」

    呆れた声を上げた二人に、円さんは数日前と同じ、
    イタズラっぽい笑みを浮かべて返した。

    円「と思うやん?ほーら招待状」

    円さんの言う通り、彼女の手には虎海家の家紋が付いた招待状が握られている。

    旅岡「どこでもろたん?」
    大江「円って、雅ちゃんと面識あったっけ?」
    円「ソコはチョイチョイってなもんや。ウチも仕事の筋で色々ツテがあるし」
    旅岡「おねえは仕事だけはホンマにでけるからなぁ」
    大江「だけはね」
    円「えらい言われよーやな……乗せたらへんで、もぉ」

    チョイチョイってなもんや

    2022.10.31.[Edit]
    今年も虎海家のハロウィンパーティに招待された旅岡さんと大江さん。例によって例のごとく、円さんに衣装代をたかりに行ったところ、――やはりいつものように二つ返事で「えーよ」と快諾されはしたのだが――なんとなーくイタズラっぽい笑みを浮かべていたことが、ちょっぴり気にかかった。そしてパーティの当日。いざ出かけようかとしていた旅岡さんたちの前に、クラシカルな'80年代スポーツカーに乗った魔女、いや、円さんが現れた...

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    もういくつ寝ると年末、と言う頃。
    街は緑と赤に彩られ、もうすぐやって来る大イベントに備え始めている。
    そんな最中、旅岡さんと大江さん、富士見さんは円さんのクルマに乗って、
    駅近くのショッピングモールに来ていた。

    円「ほな、ウチは駐車してくるから先に本屋行っといてなー」
    みんな「はーい」

    エレベータホール前で降ろされ、そのまま乗り込んだところで、
    旅岡さんが「なあなあ」と口を開いた。



    旅岡「今年のクリスマス、おねえにサプライズプレゼントしよかな思てるんよ」
    大江「いいじゃん。なんだかんだ色々お世話になってるもんね」
    富士見「でも紅ちゃんがそう考えるってことは、円さんも同じこと考えてそーだよね。似た者同士だし」
    旅岡・大江「……ありうる」



    なお富士見さんの予測は当たっていた。

    円「合流する前にしれっとナイショでプレゼント買うといたろーっと」

    同じこと考えてそーだよね

    2022.11.21.[Edit]
    もういくつ寝ると年末、と言う頃。街は緑と赤に彩られ、もうすぐやって来る大イベントに備え始めている。そんな最中、旅岡さんと大江さん、富士見さんは円さんのクルマに乗って、駅近くのショッピングモールに来ていた。円「ほな、ウチは駐車してくるから先に本屋行っといてなー」みんな「はーい」エレベータホール前で降ろされ、そのまま乗り込んだところで、旅岡さんが「なあなあ」と口を開いた。旅岡「今年のクリスマス、おねえ...

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    今日は楽しいクリスマス。
    旅岡さん家ではいつものように円さんを交え、友達同士でクリスマスパーティを開こうとしていた。

    が、その前に……。



    大江「はいこれ。……えっと、これ、プレゼント。クリスマスのやつ。
    紅とゆっこが買おうって、で、あたしも買ったからついで、じゃなくて、えーと、ちゃんとしたやつ。
    その、いつもお世話になってるしって思って」
    円「アンタ今日はよーしゃべるなぁ。照れ屋さんやね」

    大江さんがそろそろと差し出した紙袋を、円さんがニコニコ笑いながら受け取る。

    円「ありがとなー、双葉。
    そうそう、実はウチからもプレゼントあるんよ。ほーらマフラー」



    大江「お、……お揃い?」
    円「せやでー。ウチが黄色でアンタがピンクのん」
    大江「えっと、……これって、その、……ペアルッk」
    円「あ、紅とゆっこちゃんにもちゃーんとおそろいにしとるからな。水色と緑色で」
    旅岡「ありがとなー、おねえ」
    富士見「ありがとうございまーす」
    大江「……あ、そうだよね、うん」

    円さんからもらったマフラーを巻いた大江さんは、とっても嬉しそうだった。

    えっと、これ

    2022.12.24.[Edit]
    今日は楽しいクリスマス。旅岡さん家ではいつものように円さんを交え、友達同士でクリスマスパーティを開こうとしていた。が、その前に……。大江「はいこれ。……えっと、これ、プレゼント。クリスマスのやつ。紅とゆっこが買おうって、で、あたしも買ったからついで、じゃなくて、えーと、ちゃんとしたやつ。その、いつもお世話になってるしって思って」円「アンタ今日はよーしゃべるなぁ。照れ屋さんやね」大江さんがそろそろと差し...

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    黄「今年の干支は兎! 兎と言えばウチの店員!
    だからほら兎倉、兎波! 精一杯オシャレポーズして!
    縁起いい猫ちゃんも持ってきたからコレ一緒に撮ってインスタにアップしてお店のアピールするよ!」
    兎倉「おkっす」
    兎波「へぇーい……」
    死んだ目をしているねこ車掌「……」



    と言うわけで鳥取駅から戻ってきて早々、
    ねこ車掌はアジアンスイーツ店店主の黄大姐に連れ去られてしまった。



    そしてInstagramやTikTok、Twitterなど、
    目ぼしいSNSに片っ端からアップしてみたところ、
    次のようなコメントが付いた。

    「ねこの目死んでて草」
    「てか店員の目も死んでない?」
    「真ん中のオバチャンの圧がすごい」
    「店員さんがおばちゃんにやらされてる感が半端ない」
    「おばちゃん必死すぎワロタ」

    コメントを見た瞬間、おばちゃ……もとい、黄さんの目も死んだ。

    精一杯オシャレポーズして!

    2023.01.09.[Edit]
    黄「今年の干支は兎! 兎と言えばウチの店員!だからほら兎倉、兎波! 精一杯オシャレポーズして!縁起いい猫ちゃんも持ってきたからコレ一緒に撮ってインスタにアップしてお店のアピールするよ!」兎倉「おkっす」兎波「へぇーい……」死んだ目をしているねこ車掌「……」と言うわけで鳥取駅から戻ってきて早々、ねこ車掌はアジアンスイーツ店店主の黄大姐に連れ去られてしまった。そしてInstagramやTikTok、Twitterなど、目ぼしい...

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    世の中には三種類の人間がいる。
    猫に好かれる人、猫に嫌われる人、そして猫は好きだし何なら向こうから寄ってくるけど、
    アレルギーのせいで逃げざるを得ない人である。



    いつものようにふらりと学内にやって来たねこ車掌を抱き上げてる旅岡さんは一番目。
    そして「いいなぁ」とうらやましそうに遠くから眺めてる富士見さんは三番目である。

    と、ねこ車掌が旅岡さんの懐を離れ、ヨチヨチとした足取りで富士見さんの方に寄っていく。
    ねこ車掌「うな~ぉ」

    SNSのインフルエンサー級にかわいいねこ車掌に近付かれて嬉しい思いをする反面、
    富士見さんの目と鼻はもう既によろしくない反応を示し始めていた。



    富士見「あっあっ、それ以上近付かないでー……くしゅっ」

    富士見さんがくしゃみするのを見て、旅岡さんは目を丸くした。

    旅岡「えっ、猫アレルギーなん?」
    富士見「うん……好きなんだけど……ぐすっ……絶対あたし触れない……へくちっ」

    そんなフワフワの耳と尻尾しとるのに!?
    ……とは思ったものの、旅岡さんは尋ねず、
    ねこ車掌をひょいとつかんで富士見さんから距離を取ってあげた。

    えっ、猫アレルギーなん?

    2023.04.24.[Edit]
    世の中には三種類の人間がいる。猫に好かれる人、猫に嫌われる人、そして猫は好きだし何なら向こうから寄ってくるけど、アレルギーのせいで逃げざるを得ない人である。いつものようにふらりと学内にやって来たねこ車掌を抱き上げてる旅岡さんは一番目。そして「いいなぁ」とうらやましそうに遠くから眺めてる富士見さんは三番目である。と、ねこ車掌が旅岡さんの懐を離れ、ヨチヨチとした足取りで富士見さんの方に寄っていく。ねこ...

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    明日、6/27は旅岡さんのブログ初登場日兼誕生日です。



    毎年この時期にはこのポーズで、
    何かしらのスイーツを持たせたイラストを制作することにしています。
    流石に通算4回描いた中で、一番いい出来かなと思います。



    スイーツ店の黄大姐「今年の夏に向けて鬼盛りスイーツ特集考えたのよ。
    おいしい! デカい! かわいい! で人気爆発ね」

    旅岡「んー……盛り付けは確かにかわええし、サイズの割に値段もお得感あるかなーとは思うねん。
    でもな、女子中高生にこんな鬼盛り持たせて夏のあっつい街中ウロウロさせたら、
    食べ切れんでめっちゃ溶けてくるやん。どろーって手に垂れてくるやん。
    濡れティッシュなんぼあっても足らんくなるやん。うわーなるやん。
    そしたら帰り道が地獄のデスロードやで。加減考えーや」

    黄大姐「ありゃー……それじゃグランデサイズで出すのはやめた方がいいね」

    黄さんは旅岡さんの意見を相当買っている。
    「あのコ、卒業したらウチに来てくれないかなー」
    とボソッとつぶやいていたのを、店員の兎倉さんは聞き逃さなかった。

    旅岡さんの誕生日 / うわーなるやん

    2023.06.26.[Edit]
    明日、6/27は旅岡さんのブログ初登場日兼誕生日です。毎年この時期にはこのポーズで、何かしらのスイーツを持たせたイラストを制作することにしています。流石に通算4回描いた中で、一番いい出来かなと思います。スイーツ店の黄大姐「今年の夏に向けて鬼盛りスイーツ特集考えたのよ。おいしい! デカい! かわいい! で人気爆発ね」旅岡「んー……盛り付けは確かにかわええし、サイズの割に値段もお得感あるかなーとは思うねん。...

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    矢端さんから添削いただいた内容X(ツイッター)で得た情報を元に、
    旅岡さんの誕生日イラストを描き直してみました。



    ついでにねこ車掌も足して、
    今年の暑中見舞いの答え合わせも本日行います。



    登校日の帰りに黄大姐のスイーツ店に来た旅岡さん。

    旅岡さん「あ」

    と、店先で寝転んでいるねこ車掌を見つけ、軽く手を振ってやる。

    ねこ車掌「にゃーん」

    カウンターにいた店員の兎波さんが、いつも通りの気だるそうな、
    しかしどこか楽しそうな目を向けてくる。

    兎波「今日は客の入りがいーんだよね。
    学園が登校日ってこともあるけど、その子のおかげもあるみたい」

    そんなことを言った兎波さんに、旅岡さんは肩をすくめて返した。

    旅岡「この子ちゃっかりしとるで。
    休み中は駅前でも商店街でも全然顔見せへんかったのに、
    登校日ん時だけここ来てごろんごろんしてるねんで?
    みんなからおやつもらおう思てるんやろな」

    それを肯定するかのように、ねこ車掌が鳴く。

    ねこ車掌「にゃーん♪」

    兎波さんは苦笑しながら、「ボスもそー言ってたよ」と答える。

    兎波「あ、これ、ねこが食べても大丈夫なやつだから。
    『お駄賃代わりにお客さんからあげてやってね』、だってさ」

    そう言って兎波さんは、ドライフルーツを旅岡さんに手渡した。

    旅岡「どっちもちゃっかり者やな。ウィンウィンってやつやな」

    店を出たところで、旅岡さんはねこ車掌にドライフルーツを食べさせてやった。

    ねこ車掌「うな~ん♪」

    この子ちゃっかりしとるで

    2023.08.07.[Edit]
    矢端さんから添削いただいた内容とX(ツイッター)で得た情報を元に、旅岡さんの誕生日イラストを描き直してみました。ついでにねこ車掌も足して、今年の暑中見舞いの答え合わせも本日行います。登校日の帰りに黄大姐のスイーツ店に来た旅岡さん。旅岡さん「あ」と、店先で寝転んでいるねこ車掌を見つけ、軽く手を振ってやる。ねこ車掌「にゃーん」カウンターにいた店員の兎波さんが、いつも通りの気だるそうな、しかしどこか楽し...

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