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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第138回

消費増税がされた今、あらためて格安SIMの10の基本的疑問に答える

2019年11月03日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 消費増税とともに便乗値上げとまでは行かなくても、身近なものが確実に価格上昇しており、節約できるものは節約したいのは当然だ。そこで、あらためて安価なスマホと格安SIMに注目している人も多いはず。そうした人に格安SIMに対する疑問や不安、そしてその答えをまとめてみたい。

料金が安いSIMへ差し替えて使うことから格安SIMという呼び方が一般的になった

【格安SIMへの基本的な疑問 その1】
そもそも格安SIMって何?

→定義はいろいろだが、ドコモ/au/ソフトバンク以外の携帯電話事業者による格安な通信サービス。

 「格安SIM」とくくられているサービスでは、自社で基地局などを建築して電波を飛ばすのではなく、ドコモ/au/ソフトバンクの3大主要キャリアから回線を借り受けてサービスを提供しているところがほとんど。そうした事業者はMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)と呼ばれる。

格安SIMの代表格、IIJmio。格安SIMの多くは主要キャリアから回線を借り受けてサービスを提供しており、こうした事業者をMVNOと呼ぶ。MVNOの中にはさらに大手のMVNOから回線を借りているケースもある

 ただしY!mobile、UQ mobileはそれぞれソフトバンク、auと同一のキャリアショップで扱われることが多く(Y!mobileはソフトバンク自身で提供、UQ mobileはKDDIの子会社でMVNO)、主要キャリアの第二のブランドという意味で“サブブランド”と区別されることも多い。

 MVNOによる格安SIMは、大手ではIIJmio、OCN モバイル ONE、mineoなど多数の事業者、またMVNOから自前の回線を構築して利用する事業者(MNOと呼ばれる)に現在移行中の楽天モバイルがある。

 格安SIMは格安スマホなどとも呼ばれるが、以前はスマートフォン自体は売らずにSIMカードだけ提供し、手持ちの機器からSIMを差し替えて使うことがメインの時期があったので、前者の呼び方もまだまだ残っている。もちろん今でもSIMだけを受け取り、手持ちのスマートフォン(たとえばiPhone)に刺さっているSIMと入れ替えるだけで、料金を安くして電話番号も同じ、スマホもそのままという使い方も可能だ。

【格安SIMへの基本的な疑問 その2】
安いんだからドコモ/au/SBより、回線の品質が悪いのでは?

→主に混雑時のデータ伝送が遅くなることがあるだけで、すべてが悪くなるわけではない。

 「品質が悪い」という表現にはいろいろな意味が含まれるが、単純に「安かろう悪かろう」というのは間違い。主に違いが出るのは混雑時のデータ通信の速度で、昼休みの12時台と夕方に速度が遅い時間帯がある。

 たとえば、昼時に速度が遅くて動画が視聴できないといった問題は生じるが、どの格安SIMも同じではなく、事業者やネットワークタイプによって状況はさまざま。全体的にはサブランドよりもMVNOの格安SIMのほうが混雑時に弱い傾向があるが、それ以外の時間帯では速度が逆転することもある。

【格安SIMへの基本的な疑問 その3】
圏外になりやすいのでは? エリアが狭くなると困る

→ドコモ/au/ソフトバンクからネットワークを借りているので、サービスエリアは基本的に同じ。

 サービスエリアは基本的にそのMVNOが借りているネットワークによるので、ドコモのネットワークを使う格安SIMであれば、サービスエリアはドコモと同じになる。

ドコモから回線を借りている格安SIMの場合、サービスエリアは当然ドコモと同じ。ただし、端末によってはドコモが提供するすべての周波数に対応していないケースもある。その場合はエリアが狭くなる可能性もある

 ただ、使う機種によっては対応周波数帯の違いによってエリアが変わってくる場合もある。たとえば、ドコモで販売されたスマホをSIMロック解除して、ソフトバンクのネットワークの格安SIMで使うような場合は、ソフトバンク独自の周波数では利用できず、サービスエリアが狭まることはある。

 一方で、3キャリアで基本的に共通の仕様になっている(つまり1モデルで3キャリアに対応している)iPhoneの場合、SIMロックさえ解除さえしてしまえば、auで買ったiPhoneとドコモで買ったiPhoneでエリアに違いが出るようなことはない。

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