本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
Appleにとって「2015年」は、さらなる飛躍の年となるかひと波乱の年となるか、どちらにでも解釈できる材料が揃っている。そのうち特に気になる3つをピックアップし、2015年のApple製品の動向を考えてみたい。
ウェアラブル端末は商業的にアリかナシか?
最初にして最大の見どころは「Apple Watch」
2015年最初にして最大の見どころは、やはり「Apple Watch」だろう。話題の新デバイスという意味合いもあるが、むしろ「ウェアラブル端末は商業的にアリかナシか」の有力な判断材料(と世間から受け取られてしまう)であり、発売から間髪入れずに「サードパーティーによるネイティブアプリ開発への道筋を示すかどうか」という期待値もあることから、多少の猶予期間をおいて判断すべきだと考えている。
発売当初は、ハードウェアとしてのデザインや機能に耳目が集まるだろうが、当コラム的には断然「アプリのつくり」に注目したい。かつてiPhoneがそうだったように、Appleがサードパーティーに対し陰に陽にどのような開発を促すかで、プラットフォームとしての命運が大きく変わるからだ。
第156回『Apple Watchのユニークさは、まさにここにある - 「WatchKit」』でも紹介したとおり、WatchKitを使い開発するアプリの実行部分はiPhone側にあり、Apple Watch側のアプリ(Watch App)へのデータ転送はBluetooth Smartを使うスタイルだ(関連リンク)。パフォーマンス的にもバッテリー消費的にも通信がボトルネックとなりうるが、Watch App側で画像などのリソースをキャッシュする仕組みによりこれを緩和し、動作と転送容量という2面においての“軽さ”を実現している。
「Bluetooth 4.2」「IPv6/6LoWPAN」を採用するか?
しかし、Bluetoothの仕様が変わるとどうなるか。最新規格「Bluetooth 4.2」では、Bluetooth Smartの通信速度が2.5倍高速化されたが、2014年内(残すところ数日だが)にはBluetooth SmartデバイスがIPv6/6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)を介してインターネットへ接続可能となる。
Apple Watchにこの「Bluetooth 4.2改」が採用されるなら、iPhoneなしには大したことができそうにないと見なされているこのデバイスの評価も変わることだろう。
Apple Watchは2015年にも発売予定だが、ソフトウェアアップデート対応を含めBluetooth 4.2を利用できるかどうか、IPv6/6LoWPANがサポートされるのかどうか。Watch Appのあり方を左右しうる機能なだけに、そこに注目したい。
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