最近、スマートフォンのnanoSIM化が加速している。iPhoneでは2世代前のiPhone 5から対応しているので、何をいまさら…なのだが。
この秋の新製品である「Xperia Z3」をはじめ、本格的に移行がはじまったのだ。そこで、格安SIMもnanoSIMに対応させてみた。
格安nanoSIMは各社用意している!
現在、ほとんどの格安SIMはサイズが3種類用意されていることが多い。標準、マイクロ、ナノで、端末に合わせて対応するサイズのSIMを使わなければならない。
サイズが違うと物理的に入らないが、無理矢理サイズを合わせてしまう強引な方法がないわけではない。しかし、それなりにリスクのある方法なので、SIMのサイズは端末に合わせるが原則だ。
3種類あるうち、標準サイズに対応する機種はすでに非常に少なく、LTE対応機となるとさらに少ないが、まったくないわけではない。格安の中古モバイルルーターやUSB接続の通信アダプターとなると、意外にも標準SIMが活躍する。
現在もっとも使い道が多いのがmicroSIMだろう。格安SIMで使われることの多いLTE対応のAndroidスマートフォンのほとんどがこのサイズ。最近登場のフィーチャーフォン(ガラケー)にもmicroSIMの端末が増えている。
格安SIMのほとんどがドコモ回線ということもあり、ドコモのスマートフォンを使う場合となれば、やはりmicroSIM対応というケースが多いはずだ。
そして最も小さく、これから対応機種が増えるのがnanoSIM。iPhoneは5以降がこのサイズで、auでは中古相場が安くて便利な「URBANO L01/L02」がnanoSIM。Xperiaは最新のZ3はnanoSIMとなっており、端末の薄型が進むと内部のスペース確保のためにさらにnanoSIM化が広がっていく可能性がある。
iPhone以外の端末のnanoSIM化はまだはじまったばかりだが、格安SIM側ではもう各社nanoSIMの用意がある。SIMの購入(申込)時にサイズの指定があるので選べばいいだけだ。
SIMのサイズを変更する方法は!?
では、すでにmicroSIMなどを利用している場合、nanoSIMにするにはどうしたらいいか。手数料を払ってSIMサイズを変更してもらう方法と、新たに申し込んで古いほうは解約する方法の2パターンがある。
ほとんどの場合、(解約の簡単な格安SIMだからこそ)余計な手続きをするよりもさっと乗り換えてしまう方が便利なのだが、格安SIMを使うからには1円でも節約したいという気持ちもわかる。その場合はSIMの交換手続きを行なう。
たとえば、この連載でも何度も出てきているIIJmioの場合、「SIMカードサイズ変更」という手続きで変更が可能。手数料は2160円がかかるが、あらためて申し込むと契約事務手数料が3240円かかる。
つまり、変更手続きをしたほうが1080円もお得だ。しかも、高速通信量などはそのまま引き継がれるので、変更する月の料金を二重で払うこともない。
デメリットは格安SIMによっては使えない期間ができること。IIJmioでは変更の準備ができた段階、つまりIIJmioの中で新しいSIMの準備ができた段階で使えるSIMが切り替わり、新しいSIMがユーザーの手元に届くまでの間は利用できなくなる。
中にはケイ・オプティコムの「mineo」のように、新しいSIMを受け取った後に切り替え手続きをユーザーがする方法をとっているところもあり、その場合は空白期間はない。
空白期間がいやならば、多少お金がかかっても新しいSIMを買ってしまうのもありだろう。新しいSIMと既存のSIMで二重に料金がかかる期間があるが、その分、高速通信容量が増えたり両方の端末が使えたりするので、損するだけではないはずだ。
なお、回線契約に“縛り”のある格安SIMの場合は簡単に解約できない。たとえばauの回線を使ったmineoや、音声通話付きのSIMの場合は、契約期間がまだある場合は費用面からもSIMサイズ変更を申し込むのがベターだろう。
また、SIMサイズが変更できないサービスもあるので注意が必要だ。ヨドバシカメラで販売している「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」は、料金プランもそうだがSIMサイズ変更もできない。この場合は解約して新たに申し込むしかない。
次ページへ続く、「SIMサイズ変更申し込みは各社ウェブサイトから可能」

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