2014年9月18日「ad:tech tokyo 2014」(アドテック東京 2014)に、ニュースキュレーションアプリ「Gunosy」福島良典CEO、日経新聞電子版の渡辺洋之編成局長らが登壇。日経・渡辺編成局長がGunosyらキュレーションメディア事業者と「連携していきたい」と誘い、Gunosy福島CEOが「ぜひ組みたい」と応じる一幕があった。
Gunosy 福島良典CEO 写真:編集部
「われわれはキュレーションって面白いと思ってる」
日経新聞電子版の編成に加え、日経新聞のキュレーションアプリ「NiiD」制作にも携わった渡辺洋之編成局長はそう話す。概算700~1000万人の読者を持つ日経新聞電子版を運営しているが、記事を読者に伝える方法として従来の新聞やウェブのニュースだけでは足らず、「キュレーション(メディア)は日経の中にないとダメだった」という。
渡辺編成局長は「日経はオープン路線。是非はあるが、なんらかの関係をもって、ビジネス経済メディアではないところを含めて連携していきたい。それがなんらかのエコシステムを作れるんじゃないかと思っている。セッションが終わったあと話をしたい」として、キュレーションメディアにラブコールを送った。
受けて、Gunosyの福島良典CEOは「若い人は新聞を読んでおらずアプリを見ている。(新聞社が)アプローチ出来ていない層に手助けをしたい。なので、ぜひ組ませてくださいといったところ」と応じた。
Gunosyはもともと自然言語処理の理論にもとづき、個人が興味・関心のあるニュースを集めてくるアプリ。だが参入起業が増えるとともにニュース事業者のテクノロジーはコモディティー化し、記事勝負の局面にさしかかった。経済誌大手・東洋経済から人材を登用したユーザベースの「NewsPics」が代表的だ。
時勢を受け、理論先行のGunosyも「将来的には編集長を置くかもしれない」(福島CEO)。
「(人工知能と人間の)二軸対立はナンセンスだなと思っていて、どっちも使えばいいじゃんというのがGunosyの考え。面白いコンテンツが作れるとか、これってアルゴリズムじゃ出来ないんだという部分が(人間にとって)大事になるんじゃないかと思っている」(福島CEO)
スマートニュースがハフィントンポストの松浦茂樹元編集長を採用したように、Gunosyと日経新聞のあいだに大型人事の可能性もある。競合も含め、ニュースメディアはしばらく活発な動きが続きそうだ。