2014年7月3日に日本先行発売となったAMD「A10-7800」。兄貴分である「A10-7850K」は、低価格ながら、CPUとGPU性能のバランスがよく、それほどヘビーなゲームタイトルをしないユーザー向けとしては、リーズナブルかつはフォーマンスの高い一品とあって、発売直後から品薄になる人気を見せた。
その下位に位置する「A10-7800」は、何が違うのか。注目は次の2点。CPUコアクロックとTDPだ。というわけで、下表をまずは見てもらいたい。
APUの比較表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
開発コード | Kaveri | Richland | ||||
モデルナンバー | A10-7850K | A10-7800 | A10-6800K | |||
CPUコア数 | 4 | 4 | 4 | |||
GPUコア数 | 8 | 8 | 6相当 | |||
CPUコアクロック (ターボ時最大) |
3.7GHz(4GHz) | 3.5GHz(3.9GHz) | 4.1GHz(4.4GHz) | |||
GPU SP数 | 512 | 512 | 384 | |||
GPUコアクロック | 720MHz | 720MHz | 844MHz | |||
2次キャッシュ | 4MB | 4MB | 4MB | |||
TDP | 95W | 65W | 100W |
「A10-7800」は、「A10-7850K」よりもCPUコアクロックは200MHz、Turbo Core時は100MHz低いが、TDPは65Wへと下がっている。とくに後者2つの強化が魅力的である。取り急ぎベンチマーク結果を紹介していこう。
なるべく最小TDPに近づけるための
ベンチマーク構成
ベンチマークは、「A10-7800」のほかに、「A10-7850K」、「A10-6800K」を用意し比較することにした。これにより、TDPの変化がわかるだろう。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | AMD「A10-7800」(GHz) AMD「A10-7850K」(3.7GHz) AMD「A10-6800K」(4.1GHz) |
マザーボード | GIGABYTE「GA-F2A88X-UP4」(AMD A88X) |
メモリー | AMD「R938G2130U1K」(DDR3-2133 4GB×2) |
SSD | CFD「CSSD-S6T128NHG6Q」(128GB) |
電源ユニット | Corsair「RM650」(650W) |
OS | Windows 8.1 update x64 |
その他構成を軽くチェックすると、マザーボードはGIGABYTE「GA-F2A88X-UP4」。メモリーはAMD Radeon R9 Gamers Series「R938G2130U1K」(DDR3-2133 CL10-11-11-30)、システムSSDはCFDの「CSSD-S6T128NHG6Q」を用意した。
APUの性能を活かせる高速なメモリーを使用しつつ、最小に近いTDPを見るための構成だ。そのため、電源も80PLUS GOLD認証を取得するCorsair「RM650」を選んだ。
まずは3DMarkから
3DMark Version 1.3.708を使用してのベンチマークから見ていこう。測定したものは、Cloud Gate、Sky Dribver、Fire Strike。それぞれ3回計測し、その平均値をグラフとして掲載している。グラフィックスドライバーは、Catalyst 14.6 Betaで、以下のベンチマークでも同様だ。
結果としては、APU向けとして新設されたSky Driveの結果が明瞭でわかりやすい。GPU性能が変わらない「A10-7850K」とは誤差範囲の結果となった。またこの傾向はFire Strike、Fire Strike Extremeも同様であり、Cloud Gateのみ、やや大きな差が生まれている。
さて、Ice Stormだが、これはスマホ・タブレット向けのものであり、デスクトップ向けではない。また最近のスマホのベンチマーク結果を見ているとわかるが、すっかりインフレバトルになっているため、ベンチマーク項目としては定期確認レベルという読者諸氏も多いだろう。
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