この連載が本になりました!
「ランキングが上がらない」「開発費が回収できない」アプリを作って終わりにしない現場のノウハウを凝縮。 「DL数が伸びない」「DAUが増えない」「課金されない」スマホアプリビジネスの悩みを、ASO、広告運用、内部改善など、豊富な事例をもとに解説。iOS/Androidマーケの全体像がつかめる国内唯一のアプリマーケ実践本です。連載時から大幅に加筆修正し、最新情報を盛り込みました!
事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87
価格:2,700円 (本体2,500円) /形態:B5変 (208ページ)
ISBN:978-4-04-866451-6
スマートフォンアプリのマーケティングノウハウを紹介する本連載。前回の記事では、Google Play やApp Storeから提供される情報を使ったマーケット分析の方法を紹介しました。
今回は、アプリ内のユーザーの行動をGoogle アナリティクスを使って分析する方法を事例とともに紹介します。
Google アナリティクスでアプリを分析する方法
Web担当者におなじみのアクセス解析ツール「Google アナリティクス」には、iOS/Androidアプリ用のSDKが用意されています。SDKを利用し、専用のトラッキングコードをアプリに埋め込むことで、アプリ解析ツールとしても使えます。Googleアナリティクスをアプリへ組み込む方法については、Google Developerの解説を参照してください。
Googleアナリティクスを使うと、「アプリを使っているユーザー数」「アプリの中で閲覧が多いコンテンツ」「ユーザーが離脱するタイミング」「利用の多い時間帯」など、アプリの集客や利用促進、改善に役立つユーザー動向を分析できます。
代表的な指標と見方
Google アナリティクスによるアプリ分析では、Web解析と同様、さまざまなデータを取得できますが、今回はアプリの集客と利用促進に役立つ指標をピックアップして紹介します。
[1]ユーザー
「サマリー」の時間別/日別/週別/月別を切り替え、DAU(Daily Active User:1日にアプリを利用したユーザー数)、MAU(Monthly Active User:月間のアクティブユーザー数)、WAU(Weekly Active User:1週間のアクティブなユーザー数)を把握します。「アプリのバージョン」「地域」「デバイスとネットワーク」といった属性を追加してクロス集計すると、属性別のアクティブユーザーも調べられます。
このほか、「ユーザー」メニューでは以下のようなデータが取得できます。
- インストールされているアプリのバージョン
- 新規ユーザーとリピーターの割合
- 地域別のユーザーの割合
- 端末(iPhone 5 、iPhone 5c 、 iPad 、 iPad mini Retina など)の割合
- ネットワーク回線、キャリア(docomo 、KDDI 、Softbank )の割合
[2]集客
新規ユーザー数の推移、アプリがダウンロードされているマーケットを把握します。Google Playで配信しているAndroidアプリの場合は、ユーザーがアプリに到達するまでの経路や、ダウンロードに繋がる参照元の特定もできます。
「集客」メニューでは以下のデータを取得できます。
- 新規ユーザーの属性(OS、アプリのバージョン、地域)
- アプリマーケット(アプリマーケット名)
- 参照元(Google Play のみ)
- 参照フロー(Google Play のみ)
- AdWords
このうち、Google Play配信アプリでのみ有効な「参照元」を見ると、ユーザーがどこを経由してGoogle Playストアにアクセスしたかを以下のプライマリディメンションで特定できます。
- 参照元/メディア(Google Playストアを訪問する直前にいた場所/参照元を訪問した方法)
- キャンペーン(パラメーターを追加することで、さらに詳しく特定可能)
- 参照元
- メディア
- キーワード(ダウンロードに至ったGoogle Play内での検索キーワード表示)
同じくGoogle Play配信アプリでは、「参照フロー」から、ユーザー獲得のプロセスをトラフィック量で確認できます。
参照フローは以下の3つのステップで表示されます。
- Playストアビュー:Google Playのアプリ説明ページの閲覧回数
- インストール:インストール回数
- 新規ユーザー:アプリ初回起動回数
赤枠部分を切り替えることで、参照元やキャンペーン別のストア到達、インストール、アプリの初回起動を把握できます。
[3]行動
スマートフォンアプリの解析では、アプリ内の画面表示回数を「スクリーンビュー」という単位で数えます。スクリーンビューはWebサイトの「ページビュー」に相当する概念で、Googleアナリティクスではアプリの画面ごとに仮想的なURLを割り当てて計測します。
「行動」メニューでは、スクリーンビューをもとに、アプリ内でのユーザーの行動を把握します。
具体的には、以下のようなデータを取得できます。
- スクリーン名別のスクリーンビュー数
- アプリ起動中のスクリーンの遷移先、アプリを閉じた(離脱した)スクリーン名
- 指定期間のリピート回数(アプリを起動した回数)、起動間隔(1日おきか1週間おきか)
- アプリ内にある機能の利用頻度(Facebookへのシェア数/Twitterへのシェア数/検索回数/お知らせの閲覧数など)
たとえば以下のように、ユーザーが離脱したスクリーンを確認できます。