日本でのIE人気も磐石ではない!?
世界のトップシェアはChrome! IE天下の日本は少数派
2014年05月05日 09時00分更新
『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』の他、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(以上、日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki
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前回はOSのシェアをテーマに取り上げたが、ブラウザーのシェアはOSと関係している。1990年後半、Windowsがシェアを握るのに従って、Windowsに搭載されたInternet Explorerが市場を席巻していったのを覚えている人も多いだろう。
しかし、その後強力な機能を備えたブラウザーとして、FirefoxやChromeが登場しており、現在ではだいぶ勢力図も変わっているようだ。世界と日本におけるシェアはどうなっているのだろうか。
移り変わりが激しいブラウザーの歴史
ブラウザーのシェアを見ていくにあたり、まず簡単に歴史を振り返ってみよう。最初のウェブブラウザーは1991年に発表されたWorldWideWebだ。その後1993年にリリースされたMosaicは画像が表示できる最初のブラウザーの1つであり、ブラウザーの利用者が増加するきっかけとなった。その後、1994年に誕生したNetscape Navigatorが一時主流の座についた。
ところが、1995年にMicrosoftのInternet Explorer(IE)が登場。Netscape Navigatorは有料のシェアウェアであったのに対してIEは無料。その上、IEはあらかじめWindowsに組み込まれていたため、Windowsが普及するに連れてIEが市場を席巻、ピーク時の2002年には市場の約95%を占めるに至った。
その後1996年にOpera、2002年にはNetscape Navigatorの後継とも言えるFirefoxが誕生。AppleによるSafariは2003年、GoogleのChromeは2008年に登場している。
上記の通り、約23年前に誕生したブラウザーは今日まで激しいシェア争いを繰り返しており、「ブラウザー戦争」などとも呼ばれている。
右肩上がりのChrome、右肩下がりのIE
調査会社StatCounterのデータによると、世界のモバイル以外のブラウザーシェアは2014年3月時点でトップがChromeであり、43.66%と約半分を占めている。続いて2位はIE(22.58%)、3位はFirefox(18.75%)、4位Safari(9.91%)、5位Opera(1.38%)となった。IEはすでにトップシェアをChromeに譲り渡した上、その差もChrome:IE=約2:1にまで拡大していたのだ。
世界のブラウザーシェア(2014年3月時点) | ||
---|---|---|
順位 | ブラウザー | シェア |
1 | Chrome | 43.66% |
2 | Internet Explorer | 22.58% |
3 | Firefox | 18.75% |
4 | Safari | 9.91% |
5 | Opera | 1.38% |
※StatCounter調べ
2008年からの推移を見てみると、Chromeのシェアは一貫して右肩上がりに増えている。2012年5月頃にIEを抜き去り、それ以来Chromeがシェアのトップにいるのだ。一方のIEはこれと対照的に右肩下がりであり、シェアを減らし続けている。
Chromeは動作が速く拡張機能が充実している点、ログインして利用することでGoogleの各種サービス、ブックマークや履歴等をあらゆるパソコンで利用できるといった点が受けていると考えられる。
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