「Nexus 5」の発表と同時に公開された、Androidの新バージョン「Android 4.4(KitKat)」。数字上は0.1だけの増加だが、コードネームはAndroid 4.1~4.3で共通だった「Jelly Bean」から変更されていることからもわかるように、若干意味合いが大きいバージョンアップと言える。

発表時は衝撃だったものの、すっかり見慣れた感があるドロイドくん型KitKat
新興国市場で販売されるエントリー端末でも
快適に動作するようにシステムをスリム化
特にポイントとして挙げられるのが、Android 4.4のリリースノートに「Making Android for everyone」という見出しとともに一番最初に紹介されている、システムのスリム化だ。
Windowsに代表されるパソコン向けOSと同様に、Androidもバージョンアップごとにハードウェアリソースへの要求を拡大していた。しかし、Android 4.4ではカーネル、メモリーマネージメントのすべてに手を入れて省メモリー化を進め、512MBメモリー搭載端末でも快適に動くようにしたという。
この改良の背景には、エントリークラスのAndroid端末の爆発的な広がりがある。新興国市場で売られている、日本円で数千円程度のスマートフォンは、600MHzのシングルコアCPUに512MBメモリーといった、(日本での感覚からすれば)極めて低スペックな端末が多い。
これらの端末ではリソースの要求がより小さなAndroid 2.3などを搭載しているケースがあり、セキュリティーや機能面で弱点を抱えたAndroid端末が世界でいまだ生み出され続けている。この状況を改善するための取り組みというわけである。
