2011年3月11日の東日本大震災以降、世の中で起きた瞬間の出来事をすぐ調べ、知ることができる手段として認知が進んだTwitter。様々な出来事を通じ、世界中の人たちがTwitterをどのように活用するのか「学習」するケースが顕著になった。Twitterは今後どのような役割を担い、またどのような展望を持っているのか。Twitter社のKaren Wickre氏に話を聞いた。
Twitterは元々がモバイル向けにデザインされているとWickre氏は言う。
「Twitterはご存じの通り、携帯電話のText(SMS)で利用できるように設計されました。その後スマートフォンが普及し、アプリによって、ユーザー体験がより良いものになりました。これからだけではなく、将来的にも、モバイルがメインの市場になり続けると考えています。モバイルが出先だけでなく、家の中や学校など、今までデスクトップでWebが利用されてきた空間でも利用されるようになり、『生活にインテグレートされている(取り入れられている)』環境が顕著になってきました」(Wickre氏)
またiPhone向けのOS、iOS 5からTwitterがOSに統合され、リンクや写真などを瞬時に共有することもできるようになった。
「クリスマスにスマートフォンを購入した際、初期設定にTwitterが含まれるようになった」といわれるように、非常に堅調だったクリスマスシーズンのスマートフォン販売に連動して、Twitterの登録・設定数も伸びたとWickre氏は指摘している。
日本はiモードからモバイル先進国
アメリカもいよいよモバイル大国へ
米国で暮らしていて、筆者が感じ取ってきた変化は、ウェブの軸足が、いよいよデスクトップからモバイルへ変化したのではないか、ということだった。
日本人からすれば、iモード以来、Webの普及にモバイルが活躍してきたことから「今頃?」と思われるかもしれない。しかし、スマートフォンや、固定回線よりも速いLTEの普及などの要因で、「アメリカでも、いよいよ」といったところではないだろうか。
こうした“モバイルへのトランジション”に対し、これまでのデスクトップで普及してきたサービスは、抜本的なモバイル対応を迫られている。一時Facebookに対してネガティブな議論が多く聞かれたこともあったが、モバイルへの対応の遅れが表面化していたことが要因の1つだったと言えるだろう。
モバイル対応は、ただ単にサービスをアプリ化するだけでは不十分で、ライフスタイルや仕草までモバイルを研究してサービスを対応させる必要がある。例えばGoogleはAndroidプラットフォームを持つことで、自社サービスのモバイル化の道筋を立てたと位置づけられるだろう。
こうした環境の中で、モバイル生まれのTwitterは、ユーザー数や利用方法などを多彩に増やしていこうと目論んでいる。