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最新スマホも続々登場! Mobile World Congress 2013レポ 第5回

AppleとGoogleに支配されているモバイル業界を解放する!?

Mozilla「Firefox OS」今夏に端末登場! KDDIも来年に

2013年02月25日 17時00分更新

文● 末岡洋子

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KDDIは1~2年以内に搭載端末をリリース予定
Firefox OSという名称になって1年で本格始動

 Mozillaは「Mobile World Congress 2013」の前日となる2月24日、プレス発表会を開催した。ウェブベースのモバイルOS「Firefox OS」の開発を進めてきたMozillaはこの日、オペレーター17社、携帯電話メーカー4社と提携し、2013年夏に最初のスマートフォンがブラジルやポーランドなどの市場で発売開始となる見通しを示した。日本の事業者としては、KDDIが提携を正式に発表。1〜2年の間に製品を投入するとした。

「Firefox OS」の初の端末となりそうなZTEのFirefox OSスマホ。25日に発表となる

 Firefox OSは「Boot to Gecko(B2G)」として開発を進めてきたモバイル向けのウェブベースのOSである。Mozillaは2012年のMWCで、Firefox OSというブランド名とTelefonica、T-Mobileなどとの提携を発表していた。あれから1年、Mozillaは提携企業がオペレーター17社、携帯電話メーカー4社に拡大したと発表、Qualcommなどを入れると23社がFirefox OSイニシアティブに参加を表明しているという。Firefox OSスマートフォンの製品化が進みつつあることを印象づけた。

大いにそろったオペレーターや端末メーカーの幹部。KDDIやZTE、Qualcommなども含まれる

現在のモバイル業界はAppleとGoogleに支配されている?
“モバイルを解放する”「Firefox OS」

 発表会でパートナー各社を紹介したMozillaのCEO、Gary Kovacs氏は、Firefox OSの狙いとして「モバイルを解放する」と説明する。これはMozillaがウェブブラウザーの「Firefox」で目指した「ウェブを解放する」の考えと同じで、「HTML5をベースとすることで全員がモバイルに参加できる」と語る。

MozillaのCEO、Gary Kovacs氏、「野心的なプロジェクトといわれたが……」とこれまでの成果に胸を張った

 端末の自由度を高め、低価格化を実現するだけでなく、開発面でもオープンによるメリットを受けられるという。「OTT(Over the top)プレイヤー(オペレーターのネットワーク上で通信をはじめサービスを提供するウェブ企業)がサービスを実現できる」「一握りの会社がモバイルを独占する状態を変える必要がある」と意気込んだ。

 オペレーターでは、当初から名前が挙がっていたTelefonica、T-Mobileなどに加えて、ノルウェーのTelnor、ブラジルのAmerica Movilなど多数のオペレーターの名前が発表された。その中にKDDIの名前もある。ベンダー側ではZTEとAlcatel One Touch(TCL Communication Technology)に加え、Huawei Technologies、LGの名前が発表された。端末はすべて、当初から提携しているQualcommのSnapdragonを採用することになる。

 この日、T-Mobile、Telefonica、Telenor、America Movilが2013年夏より自社が提供する一部の市場でローンチし、拡大していく計画を明かした。当初は2013年初めといわれていたことから、若干ずれ込んだ形となる。

 たとえばTelefonicaではブラジル、コロンビア、スペインなどの国で提供を開始し、2014年には自社が展開する全ての市場でFirefox OSスマートフォンを提供するとした。Telenorはハンガリーなどの東欧、T-Mobileもポーランドからスタートするという。「提携企業のコミットにより、今後1年でFirefox OSスマートフォンを世界の主要な大陸でローンチできる」とKovacs氏は語る。

 CEO自らが出席したオペレーターも多く、Telefonicaの会長兼CEO、Cesar Alierta氏は「2種類による(AppleとAndroid/Google)独占は利益を産まない」とFirefox OSを採用する理由を述べた。T-Mobileは親会社Deutsche Telekomの会長兼CEO、Rene Obermann氏が参加し、「(Firefox OSの)大きな成功を確信している」と言葉を添えた。

ZTEはMWC初日にFirefox OS搭載端末を正式発表

 端末も完成段階にあり、会場ではZTEの実機を使ってデモしていた。ZTEはMWC初日でのプレスカンファレンスで、Firefox OSスマホを正式発表するという。通話、SMSなどの電話特有の機能をはじめ、すべてHTML5などのウェブ技術で実現しており、オフライン機能も備える。

u2と入力すると、オンライン音楽サービスのSoundCloud、コンサートチケットサービスSoundkick、Twitter、Wikipediaと、関連すると思われるものをすべて表示してくれる

 Facebook、Twitterといった人気のあるサードパーティーのアプリケーションをプリインストールし、「Firefox Marketplace」からも入手できる。コンタクトはFacebookと統合済み。写真を撮ってスマホ上で編集、その後共有するなどのことも可能だ。ニーズの高い機能として、コスト管理アプリなども搭載する。

アプリストア「Firefox Marketplace」は現在、Android向けFirefox Auroraでプレビュー公開の段階にある。Firefox OSスマホと同時に正式版になる予定だ

 また独自の検索機能もデモ、キーワードを入力するとユーザーに関係があると思われるものをすべて表示してくれる様子を見せてくれた。「アプリのエコシステムは? と聞かれるが、新しいエコシステムではない。いまウェブ開発をしている人すべてが、Firefox向けに開発している」とMozillaの製品担当シニアバイスプレジデント、Jay Sullivan氏は述べた。

「制限のないOSに魅力」と語るKDDI関係者
端末のリリースは2014年半ばか?

 KDDIを代表して発表会に参加した取締役執行役員専務コンシューマ事業本部長兼ソリューション事業本部担当兼グローバル事業本部担当兼商品統括本部担当の石川雄三氏は、発表会終了後取材に応じ、記者団の質問に答えた。

KDDIの石川氏。デモを見た感想として、「思ったよりちゃんと動くと感じた」と笑顔を見せた

 Firefox OSについて、「制限のないOS」と魅力を語ったものの、KDDIが作り込むのか、メーカーはどこにするのかなど詳細についてはまだ決定していないと述べた。なお、NTTドコモが開発を予定しているといわれるTizenについては、実際に2つを比較してFirefox OSを選んだとのこと。今後プロジェクトを本格化させる計画で、1年後となる2014年初めにはまだ登場していないだろうと見通しを示した。


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