CES 2013期間中に開催される、独自の家電/IT関連イベントのひとつ「ShowStoppers」には、電子ペーパーで名高いE Ink社が、小さなブースを設けていた。E Inkの電子ペーパーと言えば、国内で発売されている電子書籍専用端末のほとんどで採用されているほど、電子書籍とのつながりが深い。
「はて? E Inkが何を展示しているのでしょう?」と思った記者は、ブースを訪れて驚いた。そこでは電子ペーパーをさまざまな製品や機能に使う応用事例が多数並んでいたのだ。
あらゆる小型液晶を電子ペーパーで置き換え!?
ご存じのとおり、E Inkの電子ペーパーは書き換え時以外、表示のための電力消費がない超低消費電力な表示装置である。その特性を生かして、現在なら液晶パネルかLEDを組み合わせるような用途を、電子ペーパーで置き換えてしまおうというのが、E Inkの展示であった。なるほどLEDより表現力は大幅に向上するし、液晶パネルより低消費電力なので、用途とコスト次第で小型表示装置の電子ペーパー化は大いにありだろう。
電子ペーパーで携帯電話・スマホを作っちゃえ!
応用事例の中でも特に面白かったのが、サムスン製らしいフィーチャーフォンの展示である。なんとフルキー部分を小さく区切られた電子ペーパーにしているのだ。これなら端末の向きやアプリによって、キーに割り当てられた機能や配列が変わっても、表示を変えることでユーザーに押すべきキーをわかりやすく示せる。
もうひとつは、実際に似たような製品を作っている企業もあると言われる、電子ペーパーと液晶パネルを使った2画面スマートフォンだ(ただしモックアップ)。現在のスマートフォンは、画面非表示時のステイタスを示すには、少数のLEDを使う程度。そこで、液晶パネルの反対側に電子ペーパーをつけてしまい、書き換え頻度や範囲が比較的少ない情報はこちらで常時表示しておく。かつてのフィーチャーフォンにあった「サブディスプレー」よりも大きく、多種多様な情報を表示できるのが特徴だ。この仕組みならバッテリー消費はそれほど増えずに、利便性が向上するというわけだ。これはぜひ製品化につなげてほしいアイデアである。
E Inkでは開発者向けのキット提供も行なっているようなので、様々な応用事例の実現を期待したいものである。
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