電話やSMSの機能をWeb APIとしてクラウドで提供する米国のスタートアップ企業Twilio(トゥイリオ)の年次カンファレンス「Twilio Conference 2012」が現地時間10月16〜18日、サンフランシスコのConcourse Exhibition Centerで開かれた。
Twilioの急成長ぶりを裏付けるように、今年のカンファレンス参加者は昨年の2倍以上となる約1000名に上り、創業4年目のスタートアップ企業としてはかなり大きな規模のイベントになった。
Web APIの提供を主力事業とするTwilioにとっての顧客は、スーツを着たビジネスマンではなく、Webサービスやアプリの開発者、それもTwilioと同じようなスタートアップが多い。従来コストがかかりすぎていたコールセンター向けのシステムをTwilioを利用して低コストで構築したり、電話やSMSの新しい使い方を提案するWebサービスを開発したりといった、レガシーな電話とWebの技術を組み合わせることでイノベーションを起こしてやろうという連中がTwilioの周辺には集っている。
それだけに、ベイエリアのスタートアップ企業が持つ「開発者の楽園」のような雰囲気がカンファレンス会場でも再現されていて、堅苦しい日本のカンファレンスとはだいぶ様相が違った。古い倉庫をDIYで改装したような内装の広々とした会場には、メインホールと3つのセミナールームに加えてラウンジやバーも設けられ、まるで彼らのオフィスに遊びに行った気分になれる。「成功したスタートアップはこんなにも楽しい職場なのだ」という夢を参加者である開発者たちにも見せているようだ。
すでに登録開発者が15万人を超えているとはいえ、Twilioが本格的に注目を集めるようになったのはここ1〜2年のことだから、開発者コミュニティもまだまだ拡大期にある。初日の16日は、これからTwilioを使い始める開発者向けのセミナーやワークショップが用意され、TwilioのAPIや開発者ツールの基本的な使い方から、Google App Engine(GAE)を使った簡単な電話アプリケーションの開発まで学べるようになっていた。
17〜18日は、TwilioのCEOであるジェフ・ローソン氏らによるプレゼンテーション、SV AngelsのRon Conway氏、500 StartupsのDave McClure氏ら投資家による基調講演などがあった。詳細は追ってレポートする。