最新NAS特集の3回目では、個人・家庭向けNASと多種多用なサービスの存在するクラウドストレージで、費用や利便性の比較を行なってみよう。クラウドの方が安価で安全だが、読み書きの速度は圧倒的に劣るし、容量も少ない。NAS側もサービス次第でインターネット経由の機能はいろいろある。
NASがあれば自宅でファイルが共有できる。しかしわざわざ数万円のNASを買って自宅にファイルを置かなくても、クラウドストレージの方が機器同士のファイル共有には便利じゃないか、という考えもある。NASとクラウドストレージ、いったいどちらが便利でコストパフォーマンスに優れるのだろうか?
「クラウドストレージ」と言ってもいろいろ
タダから使えるのはやはり魅力
クラウドがここ数年のハヤリ言葉になっているが、クラウドストレージと言っても実のところ種類はさまざまだ。
例えばNASを単なるHDDの代わりとして使うのではなく、フォトストレージとして写真の保存・閲覧に使うといった用途を考えてみる。その場合、まず写真の一覧をサムネイルで表示して、写真を選択すると大きな画像を表示する、といった動作ができる方が便利だ。
クラウドストレージも単なるファイルストレージではなく、特定のサービスに強く結びついているストレージがある。例えばTwitterを考えてみると、過去の発言を保持するためにサービス側はストレージを使っているが、ユーザーはその容量や保存について考える必要はない。Twitterユーザーは「つぶやき」というファイルをクラウド側に保存している、という意識はないだろう。
例えば筆者はデジカメ写真の保存用に、オリンパスのフォトクラウドサービス「ib on the net」を使っている。写真用と言うこともあって対応するのはJPEGファイルだけだが、無料会員の場合でも保存容量に上限はない(現在は年会費も免除)。
無料会員の主な制限は「アップロードした画像は『翌月末にUXGA(1600×1200ドット)にリサイズ』される」程度。一方で、高品質なデータを保持したい場合は、枚数に応じた有料課金となる(100枚で600円/年から1万枚で1万円/年まで)。
筆者は取材仕事で毎月数千枚、数GB単位でデジカメ写真が増えるので、とりあえずUXGA程度でもバックアップができ、いつでもサムネイルでそれらを確認できるというのはうれしい。オンライン媒体ならUXGAの写真でも十分資料として利用できる。
クラウドストレージの場合、「単なるファイル置き場でいい」というケースは少ない。例えば「Google Drive」のように、ファイルの保存にも使えればドキュメントや写真の保存、場合によっては編集も可能と、幅広い利用方法に対応できるようになりつつある。マイクロソフトの次期Officeも、「SkyDrive」への保存ができるようになっており、個人向けクラウドストレージの浸透はさらに進むだろう。
ではコスト面ではどうだろう?
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